老後資金の準備完全ガイド!目標設定から効率的な資産形成方法まで徹底解説

老後の生活を支えるための老後資金の準備は、多くの人にとって避けて通れない重要な課題です。近年では物価高・年金制度の不透明さ・平均寿命の延長などへの懸念から、これまで以上に老後資金に対する関心が高まっています。しかし、「どのくらいの金額が必要であるのか」「どのように準備すればよいのか」と悩んでいる方も少なくありません。
当記事では、老後資金に対する課題を整理しつつ、必要額の目安・資金を貯める方法・プラン作成方法を解説しています。老後資金に対する疑問や不安を解決したい方、これから準備に着手したい方は、ぜひ参考にして下さい。
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なぜ、老後資金に対する関心が高まっているのか?
近年、老後資金問題に対する関心が急速に高まってきていますが、その理由は「少子高齢化による年金制度の先行き」「人生100年時代の到来」などが背景にあると考えられます。
かつて多くのメディアで「老後2,000万円」問題が取り上げられて以降、老後に多額の資金が必要であることが意識にあり、上記の課題が老後資金問題に拍車をかけている状況です。
※出典:Job総研(パーソルキャリア)「2024年 老後資金の意識調査」
さらに、近年では物価高・増税・社会保険料増額・雇用環境の変化・社会情勢の悪化などが、より一層人々の不安を煽る原因となっています。
年金だけでは老後の備えとしては不十分であると考え、老後資金準備のために貯蓄・投資・副業を検討している方は確実に増えています。
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老後資金に対する課題や懸念
ここでは、老後資金について多くの方が抱えている課題や懸念を解説します。老後資金問題に対する理解を深めるために、どのような課題・懸念があるのかを知っておきましょう。
老後の生活費に対する漠然とした不安がある
遠い将来であるため老後の生活費や老後資金として必要な金額を具体的にイメージすることができず、漠然とした不安を抱いている方は多くいます。
「いつまで働けるか分からい」「何歳まで生きるかがわからない」「医療費・介護費がいくら必要となるか分からない」といった不確定要素が多いことが、将来をイメージするのをさらに難しくする要因となっています。
このような老後資金に対する漠然とした不安を打ち消す方法は、知識をつけることです。「老後生活費の事例を参照する」「老後資金準備についての情報を集める」「分かる範囲でシミュレーションしてみる」といったアクションを起こすことで、少しずつ疑問点や不明点が解消され、必要以上に不安を感じなくて済みます。老後資金準備に対するポジティブなモチベーションも湧き上がってくるでしょう。
資産形成に関する知識・ノウハウが不足している
老後資金の準備を行わなければならないと感じているけれども、資産形成の知識やノウハウがないため、着手できずにいるという方は少なくありません。特に、投資運用による資産形成においては、「投資はリスクがある」「損をする可能性がある」といった先入観から、不安を感じて着手できないという方は多くいます。
さらに、近年での物価上昇の影響により現金の価値が下がりつつあるため、資産形成を行っても資産価値が目減りして、老後の生活を支えるに足る効果は得られないと考える方もいます。
実際には、投資運用のリスクを低減する方法はあることに加え、物価上昇の影響があるからこそ資産を分散しておくのが効果的な対策です。現実を知らないばかりに資産形成を始められないのは勿体ないと言わざるを得ないでしょう。
必要であるのと分かっていても着手できていない
老後資金が必要であると分かっていても、具体的な目標金額の設定や計画策定を行っておらず、準備が先送りになっている方も多くいます。その理由には、下記のような背景があります。
- 非正規雇用・転職などの要因により収入が安定せず、老後資金準備に着手できない
- 子どもや高齢家族への支援にお金が必要となり、老後資金の準備に着手できない
上記に加え、近年の物価高・増税・社会保険料の上昇といった社会的背景も、老後資金を準備するハードルを挙げる要因となっています。しかし、日々の生活に追われているからといって何も準備をしないのは、老後生活のリスクを高めてしまうため得策ではありません。
仮に老後資金を準備するための余剰資金がなくとも、現状の把握・情報収集・将来のシミュレーション・計画の策定など、できることはたくさんあります。現時点でもできることを進めておけば、いつでも資産形成を始められ、かつスムーズに物事を進めることが可能です。
いざ老後資金を準備する段階になって慌てないためにも、可能な範囲で少しずつ着手しておきましょう。
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老後資金の必要額の目安はいくら?
ここでは、老後資金の必要額の目安を、生活水準別に3パターン解説しています。老後の生活費のイメージがつかめない方や、現実的な必要額を把握しておきたい方は、参考にして下さい。
質素に暮らす場合の目安
日本における夫婦2人の最適生活費は、20~25万円程度と言われています。老後は質素に暮らすと想定した場合の生活費と老後資金をシミュレーションしてみます。
項目 | 金額/月 | 補足 |
生活費目安 | 約20万円 | 夫婦2人分を想定 |
年金受給額 | 約25万円 | 夫婦2人分の基礎年金と厚生年金の合計 |
毎月の収支 | +5万円 | 25万円-20万円=5万円 |
不足額は生じず、逆に毎月5万円の余剰が生まれる計算となります。アルバイトや自営業を継続するのであれば、更に余裕が生まれます。このケースであれば、医療費・予備費などの出費に備えて、300万円~500万円程度の老後資金を準備しておけば、安心して暮らすことができるでしょう。
年金生活であったとしても、必ずしも数千万円の老後資金を用意する必要はないことが分かります。
平均的な暮らしを維持したい場合
老後も平均的な生活水準を保ち、趣味・旅行なども適度に楽しみたい場合の生活を想定して、生活費と老後資金をシミュレーションしてみます。
項目 | 金額/月 | 補足 |
生活費目安 | 約30万円 | 夫婦2人分を想定 |
年金受給額 | 約25万円 | 夫婦2人分の基礎年金と厚生年金の合計 |
毎月の収支 | -5万円 | 25万円-30万円=-5万円 |
20年分の不足額 | 1,200万円 | 5万円×12ヶ月×20年=1,200万円 |
生活費だけでも最低1,200万円を用意する必要があり、医療費等・予備費として300万円~500万円を加えると、1,500万円~1,700万円程度が現実的に必要な金額となるでしょう。
こちらのシミュレーションからは、メディア等で一般的に言われている老後資金2,000万円という金額は、比較的現役時代に近い生活を想定して計算されていることが読み取れます。
ゆとりのある生活を希望する場合
趣味・旅行・外食などを存分に楽しみ、ゆとりある豊かな暮らしを希望する場合の生活費と老後資金をシミュレーションしてみます。
項目 | 金額/月 | 補足 |
生活費目安 | 約40万円 | 夫婦2人分を想定 |
年金受給額 | 約25万円 | 夫婦2人分の基礎年金と厚生年金の合計 |
毎月の収支 | -15万円 | 25万円-40万円=-15万円 |
20年分の不足額 | 3,600万円 | 15万円×12ヶ月×20年=3,600万円 |
豊かな暮らしをしたいのであれば、生活費だけでも3,600万円となり、平均を大きく上回る金額が必要です。医療費・予備費の300~500万円を加えると、老後資金は4000万円前後は必要となるでしょう。贅沢を求めると高額な老後資金が必要となることが分かります。
あまり現実的でない計画を立てても無意味であるため、実際に準備できる金額と理想の生活のバランスを取ることが重要となります。
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老後資金を貯める方法
老後資金を貯める方法は大きく分けて貯蓄・資産運用の2種類があり、余剰資金を生み出すための効果的な手段としては家計の見直しがあります。下記にそれぞれ解説していますので、参考にして下さい。
家計の見直しを行う
老後資金を準備するための最初のステップは、家計の見直しです。生活費を細かく調べ、無駄なお金を使っている部分を徹底的に洗い出してみましょう。
- 乗っていない車・バイク
- 不必要に多い食費・外食費・交際費
- 余剰なスマホプラン
- 不要なサブスクリプションサービスや有料アプリ
- 買い物の失敗や衝動買い
- 過剰な保険プラン
明らかに不必要な支出を徹底的に削減するだけで、大幅な節約が可能となります。特に固定費の削減は効果が大きいため、優先的に見直しを行うのがおすすめです。また、削減できない部分は、より安価なものに代替できるか検討すると、より多くのお金を節約することが可能です。
収入を増やすのは容易ではありませんが、無駄を省くのは簡単で確実に結果を得られるのがメリットです。生活にも余裕が生まれ、余剰資金を老後資金の準備に回せるようにもなるため、無理なく実践できるところから家計の見直しを行っていきましょう。
預貯金で老後資金を貯める
預貯金とは、金融機関にお金を預けることで、元本の保証と定期的な利息の支払いを受けることができる金融商品です。金利が低いため資産の増加は見込めませんが、元本が保証されているため、確実性を重視したい方やリスクを避けたい方にはおすすめです。
預貯金で老後資金を貯めるには、下記のような方法がおすすめです。
- 貯蓄専用口座を作り、収入の一定割合を毎月積み立てる
- 毎月決まった日に一定額を普通預金口座から積み立てる積立定期預金を活用する
- 金利が高めで満期まで引き出せない定期預金を活用して積み立てる
預貯金で老後資金を準備するコツは、目標金額・毎月の貯蓄額を明確化し、無理のない範囲で毎月コツコツと継続することです。具体的な数字で管理することで、進捗や達成度を実感できるため、目標を達成できる確率を高めることができます。
資産運用で老後資金を貯める
収益性を重視して老後資金を貯めたいのであれば、資産運用が有力な方法です。運用次第では年利3~5%を目指せるため、預貯金よりも効率的に資金を増やせる可能性があります。短期間ではさほど効果を実感できないかもしれませんが、5年・10年と運用期間が長くなると、驚くほどの差が生まれるケースもあります。
ただし、預貯金とは異なり投資系の金融商品は元本保証がないため、リスクを考慮したプランニングが重要で、目的・リスク許容度を考慮して、自分に合った投資手法を選択することが鍵となります。
資産運用における代表的な投資対象としては、株式・債券・投資信託などがあります。NISAやiDeCoなどの税制優遇制度も積極的に活用し、投資効率を高めることがポイントです。
資産運用は知識や経験がなくても始められる投資信託や、少額からスタートできる積立プランもあるため、シンプルな方法から初めて着実に資産を形成していきましょう。
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老後資金について理解を深め、最初の一歩を踏み出しましょう!
老後資金は、人生100年時代の老後を安心して暮らすためには欠かせない資金です。老後の生活をシミュレーションして必要額を把握し、自分に合った方法で資産形成を始めることが、老後資金問題の課題や懸念を解決する有効な手段となります。当記事で紹介した家計の見直し・貯蓄・資産運用のノウハウを活用し、できることから着実に準備を進めていきましょう。
老後資金の準備は一朝一夕で達成することはできないため、長期的視点を持ち早めに着手することが重要です。まずは老後資金についての理解を深め、最初の一歩を踏み出しましょう。
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