【2024年版】グローバルロボティクスファンドにおける今後の見通し

グローバルロボティクス今後の見通し

投資信託における注目銘柄の一つとして、グローバルロボティクス株式ファンドがあります。このファンドは、各国の金融市場に上場しているロボティクスやAI関連企業に投資し、中長期的な財産形成を目指して運用されるものです。

しかし、グローバルロボティクス株式ファンドへの投資を考えている方の中には、投資判断として重要な今後の見通しについて不安視されている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、グローバルロボティクス株式ファンドの今後の見通しのほか、直近の運用状況等について詳しく解説します。

グローバルロボティクス株式ファンドにおける今後の見通し

グローバルロボティクス株式ファンドは、今後不安定になると考えられます。

米国経済の底堅さが確認される一方で、金利上昇による消費抑制や地政学的緊張の高まりがリスクとしてあるためです。また、2024年10月にはアメリカ大統領選挙を控えており、投資分野もこれを転換点として大きく変わる可能性があるでしょう。

ただし、ロボティクスやAI関連の市場規模は、少子高齢化による社会ニーズの強まりから今後も大きくなるとの予想があります。多くの先進国では、人手不足や人件費削減のためロボットやAIによる業務の代替が一気に進んでいるようです。

現在、ロボットの輸出先としては、大規模な生産拠点をもつ企業やその工場が大きな割合を占めています。AIにおいても、全産業からみると活用範囲は限定的ともいえるでしょう。

しかし、技術革新に伴い、これまで活用されていなかった分野でもロボットやAIが取り入れられています。配膳ロボットもその一例です。

ロボットやAIの活用範囲が広がれば、その研究や開発に欠かせない分野のニーズも強まります。特に、半導体分野で目覚ましい成長を遂げているエヌビディアなど、AIに欠かせない商品やサービスを生み出すテクノロジー企業は、今後さらに成長する可能性が高いでしょう。

グローバルロボティクス株式ファンドにおける直近の運用状況

ここでは、グローバルロボティクスファンド株式ファンドにおける、2024年の1月~3月と4月~6月のそれぞれの運用状況について解説します。

2024年1月~3月

2024年1-3月期の世界株式市場は、米欧の早期利下げ期待の後退によって株価が一時的に抑えられたタイミングです。一方で、生成AI関連投資の拡大に対する期待や米FOMCが年内の利下げ見通しを維持したことにより、全体的に堅調な推移となっています。

このファンドもこの市場環境を受け、特に生成AI関連の半導体銘柄の上昇や円安・米ドル高の進行を追い風に、基準価額が堅調に推移した時期です。

2024年4月~6月

2024年4-6月の世界株式市場は、米利下げ観測の後退や中東情勢の緊迫化が一時的に重しとなる局面がありました。

しかし、米景気におけるソフトランディングへの期待や、米半導体大手の良好な決算を受けたハイテク株の上昇に支えられ、全体的に堅調に推移した時期です。このファンドでも、米利下げ観測の後退による長期金利上昇の影響で、4月には半導体関連銘柄の株価調整が進み軟調となった一方で、米半導体大手やIT企業の好調な業績がファンドのパフォーマンスを支えました。

【2024年版】グローバルロボティクス株式ファンドが不安定になるとみられる根拠

2024年におけるグローバルロボティクス株式ファンドは、主に下記3つの要因があるために不安定になるものとみられています。

  • アメリカ大統領選挙を控えている
  • 中東情勢が緊迫化している
  • 製造業領域でもロボティクス・AI活用が進んでいる

それぞれ詳しく解説します。

アメリカ大統領選挙を控えている

2024年10月にはアメリカ大統領選挙を控えているため、特にその前後は株価の大きな動きに注意が必要です。

トランプ氏が再選する場合「米国第一主義」に基づく政策が再び強調される可能性が高いでしょう。この政策により、米中関係の緊張が再燃し、特にテクノロジーや製造業などの分野で、米国企業への投資が慎重になるかもしれません。

また、トランプ氏は過去に大型減税を実施し、株式市場に対して有利な政策となったことがあります。そのため、再選した場合は株式市場が短期的にポジティブに反応する可能性もあるでしょう。

しかし、彼の発言や政策の変動性が市場に不安定さをもたらすリスクもあり、長期的な投資戦略には慎重な対応が求められます。トランプ氏が再選した場合の「もしトラ」が投資に与える影響について詳しくは、本記事の4章で詳しく解説しています。

中東情勢が緊迫化している

中東情勢の緊迫化は、投資信託をはじめとした投資領域に大きな影響を及ぼします。

まず、中東情勢の不安定化は原油供給に影響を与え、原油価格が上昇します。そのため、世界経済全体がインフレ圧力やエネルギーコストの増加に直面し、景気減速リスクの高まりが危惧されるでしょう。

また、地政学的リスクの高まりは投資家心理の悪化を引き起こし、リスク回避行動が進むことで株式市場の下落が予想されます。特に、中東地域に関連する企業の株価は大きく揺らぐため、あらゆる投資領域において、それぞれのパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性が高いです。

製造業領域以外でもロボティクス・AI活用が進んでいる

技術的な進歩に伴い、製造業領域以外の分野でもロボティクスやAIの活用が加速しています。

今日では、例えばレストランなどでの配膳ロボットなど、製造業以外でもロボットやAI活用が普及し始めています。こうした潮流は、グローバルロボティクス株式ファンドには追い風です。今後も、ヘルスケアや物流など、幅広い領域でロボットやAI導入が進んでいくでしょう。

しかし、多岐にわたる業界がこれらの技術を導入し、競争が激化しています。そのため、ロボティクス関連企業は急激な需要の増加に対応する必要があり、技術開発やインフラ整備への投資が一時的に収益を圧迫するリスクもあるでしょう。

また、人間の一部作業が機械にとって代わることによる道徳的、倫理的な弊害が生まれ、結果的にロボティクス・AI関連の企業の株価に悪影響が及ぶ可能性もあります。

【もしトラ】トランプ大統領再選における株式投資への影響

2024年のアメリカ大統領選挙において、トランプ元大統領が当選することによる影響を「もしトラ」として、様々な議論が交わされています。

ここでは、「もしトラ」によって起こる可能性がある株式投資への影響について解説します。

防衛関連株やエネルギー株の上昇

2024年のアメリカ大統領選挙でドナルド・トランプ氏が再選した場合、防衛関連株やエネルギー株の上昇が期待されます。強硬な外交姿勢や米国第一主義により、国防予算の増加が見込まれるためです。そのため、防衛産業が恩恵を受ける可能性が高まるでしょう。

また、トランプ前政権時のエネルギー政策は、国内の化石燃料産業の振興を重視していました。トランプ大統領が再選しこの政策が進められることになれば、エネルギー株の上昇につながる可能性もあります。

金融株の上昇

トランプ氏の再選により、金融株にもプラスの影響が予想されます。同氏の減税政策や規制緩和の方向性は、金融機関にとって有利に働くでしょう。

また、トランプ氏がFRBに対して利下げ圧力を強める可能性があり、これは短期的に市場の流動性を高め、金融株の上昇につながるものです。トランプ前政権時代の経験からも、金融業界が恩恵を受けるシナリオが再現される可能性が高いといえます。

再生可能エネルギー関連株の下落

トランプ氏が再選した場合、再生可能エネルギー関連株には逆風が予想されます。過去、同氏が行った政策は、前述の通り石油や石炭などの従来型エネルギー産業への支援が強化された経緯があるためです。

パリ協定からの離脱や環境規制の緩和が再び行われる可能性があり、それが再生可能エネルギー関連株の下落につながるリスクがあります。

まとめ

グローバルロボティクス株式ファンドは、近年のロボティクス・AIの技術的な進歩によって期待されている投資信託銘柄の一つです。

しかし、実際には企業の設備投資や各国の政策などによって、比較的大きな影響を受けやすい投資先でもあります。グローバルロボティクス株式ファンドに投資しようか考えている方は、今後の見通し予想の確認なども含め、十分な情報収集を行うことをおすすめします。

このコラムの監修者
神谷 恭平

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