国債とは?投資初心者が知るべき基本・仕組み・投資メリットを徹底ガイド!

投資による資産形成を始めたいけれども、リスクが心配で躊躇している初心者の方は多くいます。そこでおすすめとなるのが、国が発行する投資商品である「国債」です。元本が保証されており、安全性も高いため、安心して資産運用を始めることができます。
当記事では、国債の基本・特徴・仕組み、メリット・デメリット、購入方法・手順、ポイント・注意点について幅広く解説します。投資初心者の方もスムーズに国債の運用を開始できる情報を提供していますので、ぜひ参考にして下さい。
国債とは?
国債とは、国が発行する債券のことです。国が資金を調達するために、法律に基づき有価証券が発行されます。投資家が購入することで、国に資金を貸し付けるという仕組みとなっています。
利子と元本の支払いに関して、国が責任をもって行う金融商品であるため、安全性が高いのが特徴です。安定的な資産運用を行う手段として、多くの人に利用されています。
投資商品としての国債の特徴
国債は、投資商品として下記のような特徴を持っています。
- 安全性が高い
国が発行するため、元本や利息の支払いが保証される。株式や投資信託などのリスク資産よりも安全性が高い。
- 定期的な利息収入
多くの国債は、定期的に利息が支払われ、満期まで保有すると元本が返済される。預貯金よりも高い利息収入が期待できるのが特徴。
- 種類が豊富
固定金利型・変動金利型・物価連動型など種類が多く、目的・ニーズ・投資計画に応じて商品を選択できる。
- 価格変動が少ない
価格変動が少なく安定しており、長期的な資産運用に適している。
- 少額から投資可能
個人向け国債は1万円から1万円単位で購入可能。投資初心者も始めやすい。
国債の種類
国債にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴があります。以下に主な種類を簡潔にまとめました。
固定利付国債 | 満期まで発行時の金利が固定される国債。満期期間も商品により幅広く、半年ごとに利息を受け取れる。 |
変動利付国債 | 金利に応じて利息が変動する国債。満期15年の国債や10年変動型の個人向け国債が含まれる。 |
個人向け国債 | 法人は購入できない個人専用の国債。1万円から購入可能で安全性が高いのが特徴。3・5年の固定金利型や10年の変動金利型がある。 |
新窓販国債 | 個人・法人が購入可能な国債。10年満期が多く、最低5万円から購入できる。市場価格で売却する際には損失リスクがある。 |
物価連動国債 | 物価変動により元本が上下する国債。利率は固定で、物価の影響で利息が変わる仕組みとなっている。 |
各国債の特徴を把握して、自分に合った商品を選びましょう。
国債へ投資するメリット・デメリット
国債への投資には、メリットもあればデメリットもあるため、初心者の方は把握しておくことが重要です。
国債へ投資するメリット
国債への投資には、さまざまなメリットがあるため、特性を理解して上手く活用することが重要です。
- 安全性が高い
国が発行するため信用度が高く、元本と利息の支払いが保証されており、リスクが低い投資商品である。経済的信用力の高い国の国債は、特に信頼性・安全性が高い。
- 収益が安定している
元本割れのリスクが低く、満期時には額面金額で償還される。堅実性が高く、長期的な資産運用や老後資金の確保に適している。利付国債では、定期的に利息収入を得ることが可能。
- 手軽に投資できる
少額から投資可能であり、購入や維持の手数料が不要。相続や譲渡も容易に行える。投資初心者でも手軽に始めることが可能。
- 分散投資に最適
他のリスク資産(株式・投資信託・不動産など)と組み合わせることで、資産群全体のリスクを軽減できる。インフレ連動国債を利用すれば、物価上昇リスクに対応した資産群も構築可能。
国債は単体での運用にも他の資産と組み合わせた運用にも活用できる、優れた金融商品です。安全性・安定性を重視して資産運用を行いたい方にはおすすめの選択肢です。
国債へ投資するデメリット
国債への投資には、主に下記のようなデメリットがあります。
- 利回りが低い
国債は安全性が高い反面、株式や投資信託と比較して利回りが低く、資産の大幅な増加は期待しにくい。また、信用度の低い国債はデフォルト(債務不履行)のリスクもある。
- インフレや金利上昇の影響を受ける
固定金利型国債では、インフレが進むと購買力が低下し、実質的な資産価値が目減りする。市場金利が上昇すると既発国債の価格が下落し、途中売却時には元本割れを起こす可能性がある。
- 流動性や手数料に制約がある
満期前に売却する場合、市場価格の変動により損失が出る可能性がある。個人向け国債の場合でも、途中換金には手数料が発生する。
このように国債にもデメリットはあるため、「計画的に投資を行う」「分散投資を行う」といった対策を講じ、デメリットをカバーすることが重要です。
国債を購入する方法と手順
ここでは、国債を購入する方法と手順について解説します。初めて国債を購入する方は、一連のプロセスを確認しておきましょう。
関連記事:初心者必見!国債の選び方と買い方を完全ガイド!おすすめの銘柄も紹介!
1.国債の種類を選ぶ
国債を購入する最初のステップは、購入する国債の種類の絞り込みです。
- 収益の安定性を重視する場合
固定利子国債・個人向け国債など金利が変わらないタイプがおすすめ。
- 極力リスクを低減したい場合
金利保証があり安全性の高い個人向け国債がおすすめ
- 資金の流動性を重視したい場合
途中換金が可能な個人向け国債がおすすめ
- インフレ対策を行いたい場合
物価上昇時にも元本が増える物価連動国債がおすすめ。
投資の目的や計画に合わせてどの種類の国債を購入するのかを検討しましょう。
2.購入先を選ぶ
国債は、証券会社・銀行・郵便局等の金融機関から購入します。
- 証券会社
投資の専門知識を持つ担当者と相談できる。投資の目標・計画に応じたアドバイスを受けたい場合におすすめ。
- ネット証券
手数料が低くオンラインで24時間手続きが可能。手軽に始めたい方や利便性を求めたい方におすすめ。
- 銀行
通常口座取引と合わせて国債を購入できる。信頼性が高く安心して利用したい方におすすめ。
- 郵便局
地域密着型のサービスが特徴。身近な窓口で直接相談したい方にはおすすめ。
各金融機関で違いがあるため、自分に合った購入先を選ぶことが重要です。
3.資料請求・口座開設
国債を購入するには、金融機関で国際専用の口座を開設する必要があります。下記の手順で口座の開設を行いましょう。
- 資料請求
口座開設を希望する金融機関へ資料請求を行う。
- 口座開設申込
資料に記載された手順に従い、申込手続を進める。
- 必要書類の提出
本人確認書類(運転免許証・健康保険証等)・個人番号カード(マイナンバーカード等)・印鑑を用意し、指定された方法で登録。
ネット証券は、オンラインで口座開設手続きを完結できる場合が多いのでおすすめです。
4.国債の購入を申し込む
口座開設後は、下記の手順で国債を購入します。
- 購入可能な国債をチェック
発行スケジュールを確認し、購入可能な国債の情報を確認。
- 購入する国債を選択
目的・投資計画に応じて購入する国債を選択
- 購入金額の指定
投資計画に従い購入する金額を設定。個人向け国債の場合1万円から購入可能。
- 支払い手続き
通常貯金から引き落とす「約定購入」により購入代金を支払う。
購入手続き完了後は、購入内容や購入確認書をよく確認しておきましょう。
5.国債の保有・管理
国債の購入後は、適切に保有・管理することが重要です。
- 購入確認書の保管
購入時に発行される国債の購入確認書を、紛失しないように大切に保管。
- 利息の受け取り
利息の確認・受取
利子国債を保有する場合は、定期的に指定口座へ利息が振り込まれるため、入金状況を確認。
- 満期後の対応を検討
国債が満期を迎えると、元本が返済される。資金を引き出すか、別の国債へ再投資するかを検討しておく。
国債の保有・管理の状況を定期的に見直し、ライフプランに応じて調整を加えることで、より効果的な運用を行うことができます。
国債投資を成功させるためのポイント
国債投資を成功させるには、金融商品としての特性を理解し、運用のポイントを押さえておく必要があります。下記に解説していますので、参考にして下さい。
投資目的の明確化
国債投資を成功させるには、投資目的の明確化を行うのが重要です。まずは老後資金の準備・教育費の確保・資産の分散など、具体的な目標を設定しましょう。目標を明確化することで、適切な国債の種類・投資期間・リスク許容度も絞り込むことができます。
国債は長期的な資産運用に向けた金融商品であるという特性に留意し、長期的な資産形成のための目標を設定しましょう。
計画を立てる
投資目的を明確化したら、具体的な投資計画を立てます。一般的な計画作成のステップについて下記に解説します。
- 生活費や緊急時の資金を先に確保し、投資に回せる余剰資金を算出する。
- 途中換金の可能性を考慮し、リスク許容範囲と投資期間を決定する
- 他の国債や株式・投資信託・不動産などとの投資商品の組み合わせを考える
- 毎月の投資額・目標金額・収益予測を明確化
- 短期・中期・長期での目標を設定し、収益予測を行う
- 毎月のアクションプランに落とし込む
ゴールから逆算すること、目標は数字で設定すること、達成可能な期限を設けることがポイントとなります。
投資目的に合った国債を選ぶ
国債投資を成功させるには、投資の目的に合った商品を選ぶことが重要です。例えば、下記のようなイメージです。
- 定期的に利子収入を得たい場合
利子の支払いと元本の償還が行われる利子国債を選ぶ。
- 満期時に元本以上の利益を確保したい場合
額面金額より低い価格で発行され、額面全額で償還される割引国債を選ぶ。
- インフレリスクに対処したい
物価の上昇に合わせて利子が変動するインフレ連動国債を選ぶ。
目的に合った商品選びが難しい場合は、金融機関の相談サービスを利用し、アドバイスを受けるのがおすすめです。
分散投資を活用する
国債を資産運用に活用する際には、国債一辺倒で投資するのではなく、株式・投資信託・不動産といった他の投資商品と組み合わせ、バランスよく投資を行うことが重要です。
分散投資を行うことで、収益の安定性・資金の流動性・リスク分散が図れるため、リスクとリターンのバランスが取れた運用が可能となります。国債と組み入れる際には、短期国債は緊急用の資金、長期国債は将来的な収益源として活用するのがおすすめです。
投資商品群は、常に最適な状態を維持するため、ライフステージや経済状況の変化に合わせて定期的に見直しを行うのがポイントとなります。
国債投資の注意点
国債は安全性が高い金融商品ですが、注意すべき点もあります。下記に解説していますので、参考にして下さい。
インフレリスクに注意
国債は利回りが固定されている場合が多く、インフレが進むと実質的な資産価値が目減りするリスクがあります。物価が上昇しても元本や利息は変わらず、同じ金額で購入できるものが減り、相対的にお金の価値が下がってしまうためです。
また、国債は安全性が高い反面、利回りが低い点にも留意が必要です。現代のような低金利時代には、得られるリターンが限られる可能性があります。
このようなインフレリスクに対処するには、物価変動に強い株式・不動産・債券等を併用し、バランスよく分散投資を行うのが有効な対策となります。
為替リスクに注意
外国の国債に投資する場合には、為替レートの変動による損益リスクが伴う点に注意が必要です。外国の通貨建てで発行された国債を保有する場合は、利息収入や元本返済が外国通貨で算出されるため、円換算時に為替レートの影響を受けて損益が生じるためです。
例えば、為替が円高となると、外国の通貨建ての国債から得られる利息や元本が減少するリスクがあります。反対に円安が進むと得られる利益は増える可能性があります。また、国債は発行国の信用度に依存するため、該当国の社会情勢次第では利回りや返済に影響が生じるリスクもあります。
リスクを低減するには、信用度の高い国の国債を選び、為替リスクを理解したうえで複数の国や通貨で分散投資を行う方法がおすすめです。収益性は低下しますが、為替ヘッジ付きの国債を選ぶという手段もあります。
長期的な視野が必要
国債は、一般的に長期間の保有を前提に提供されている金融商品です。多くの国債は満期まで保有することで、利息と元本を確実に受け取れるように設計されています。
一部の国債では途中換金が可能となっていますが、発行から一定の期間は換金が制限されており、換金時には手数料が発生する場合もあるため注意が必要です。
このような特性から、国債への投資を行う際には長期的視点を持ち、できるだけ満期まで保有できるような計画を立てることが重要です。不要な途中換金を防ぐことで、金銭的なロスを抑えた効率的な運用が可能となります。
自分に合った計画を立てて国債投資をはじめよう!
国債は、国が発行している金融商品であるため、安全性と安定性に優れているのが特徴です。元本が保証されており、少額から始めることができるため、投資初心者の方が最初のステップを踏み出すのにも非常に適しています。
国債への投資を成功させるには、自身の目的や資金状況に合った計画を作成し、中長期的な視点を持って運用することがポイントです。国債投資に興味がある方は、ぜひ当記事を参考にして、自分に合った運用方法を検討してみて下さい。