ファンドラップとは?サービス概要・メリット・デメリット・利用の流れをまとめて解説!

近年では、少子高齢化による公的年金受給額の減少や増税・物価高等の経済情勢の悪化により、豊かな老後を送るための資産形成が大きな注目を集めています。
投資運用による資産形成を行いたいけれども、「時間や労力の確保が困難」「知識・経験が乏しい」「過去に投資運用で失敗したことがある」といった課題を抱えている方もいるのではないでしょうか。このような方におすすめとなるのが、「ファンドラップ」と呼ばれるサービスです。
当記事では、ファンドラップサービスの概要、利用の流れ、投資信託との違い、メリット、デメリットについて解説します。初心者から上級者までおすすめのサービスとなるため、資産形成に興味がある方はぜひ参考にしてみて下さい。
ファンドラップの相談はプロに!
ファンドラップとは?
ファンドラップとは、投資一任契約により金融機関が顧客の代わりに資産運用を行うサービスのことです。主に投資信託を投資運用の対象としており、提案・運用・管理・報告・見直しまでをワンストップで提供しているのが特徴です。「ラップ」とは「包む」という意味で、資産運用サービスを包括的に行うことから名づけられています。
ファンドラップでは、顧客が資産運用を行う目的・投資期間・リスク許容度等をアンケート・ヒアリングで明確化して、専門家がポートフォリオの構築・運用・管理を代行。投資の方針や要望に応じて最適化されたオリジナルのポートフォリオを組めるため、初心者から上級者まで幅広く支持されているサービスとなります。
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ファンドラップを利用する流れ
ファンドラップを利用したいのであれば、下記のような流れを踏襲する必要があります。
1.ファンドラップサービスを提供している金融機関で口座を開設
2.資産状況やリスク許容度などを金融機関と相談する
3.金融機関からポートフォリオ・投資方針の提案を受ける
4.提案に承諾したら投資一任契約を締結する
5.契約内容に基づき金融機関が運用をスタート
6.定期的に運用報告を受ける
7.報告結果をもとにリバランスの検討・依頼を行う
8.5~7を繰り返す
ファンドラップサービスの利用にあたっては、まずはサービスを提供している金融機関で講座を開設する必要があります。金融機関によって、提供されるサービスの内容・対応範囲・運用コストは異なるため、事前によく比較検討しておくことが重要です。
金融機関から受けた提案に納得できない場合は、安易に契約せず保留としておき、他の金融機関からの提案も検討してみましょう。資産状況や運用方針が変わった場合は、都度コースの見直しを行うことが可能であるため、こまめにリバランスを依頼してファンドラップサービスの利点を存分に享受しましょう。
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ファンドラップと投資信託の違い
ファンドラップと投資信託は、どちらも効率的に分散投資を行えるサービスです。共通点も多くありますが、大きく異なる点もあるため、違いを把握しておきましょう。
ポートフォリオの構築方法・管理方法の違い
ファンドラップ | 投資信託 | |
ファンド選択 | 専門家が選択 | 顧客が選択 |
ポートフォリオ策定 | 専門家が行う | 顧客自身が選択 |
ポートフォリオ管理 | 専門家が管理 | 顧客自身が管理 |
投資信託は、ファンドの方針に基づきポートフォリオ管理が行われています。しかし、投資信託を組み合わせて投資家個人のポートフォリオの構築と管理を行うのは、投資家自身で行わなければなりません。
投資信託を活用したサービスであるファンドラップは、ファンドの選定・ポートフォリオの作成・ポートフォリオ管理といった投資家個人の資産配分を、金融機関の専門家が全面的に対応します。
ファンドラップと投資信託は、いずれも投資信託を活用した資産運用である点は共通していますが、資産配分を自身でおこなうか代行してもらうかといった点が最大の違いです。
サービス内容の違い
ファンドラップ | 投資信託 | |
運用報告 | 金融機関から定期的に報告 | 運用報告書を自身で確認 |
リバランス | 顧客の方針・要望に従い金融機関が実施 | ファンドの方針に則ったリバランス |
付帯サービス | 定期払い戻し・利益払い出し・プロフィット・ロスカット等が可能 | 自動積立等が可能 |
投資信託は、ファンドが提供する運用報告書を自身で取得して情報を確認する必要があります。また、リバランスについても、ファンドの方針と運用状況に従い、投資家自身が合わせていくしかありません。
一方でファンドラップであれば、運用結果を金融機関から定期的に報告してもらうことが可能です。リバランスについても、投資家の意向に沿った最適な施策を金融機関が代わりに実施してくれます。
付帯サービスに関しても、投資信託では自動積立等のサービスが提供されていますが、ファンドラップでは投資家のニーズに対応できるように、より柔軟できめ細かなサービスが提供されています。
運用コストの違い
ファンドラップ | 投資信託 |
ファンドラップサービス手数料投資顧問報酬信託報酬信託財産留保額 | 買付時手数料信託報酬信託財産保留額 |
ファンドラップは投資信託を活用した運用サービスであるため、投資信託と同様にファンドの運用に対する信託報酬・信託財産留保額が必要です。投資信託を自力で運用する場合は、購入時に金融機関に支払う買付時手数料が必要となります。
一方で、投資信託の運用や管理を専門家へ全面的に委任できる反面、信託報酬・信託財産留保額に加えてファンドラップサービス手数料・投資顧問報酬が必要となります。
本来は投資家が自身で運用・管理を行わなければならない部分を代行してもらうため、投資信託よりも運用コストが余計にかかる点が、投資信託とファンドラップの大きな違いです。
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ファンドラップを利用するメリット
ファンドラップは数多くのメリットがあることから、多くの方に支持されているサービスです。主なメリットについて下記に解説します。
要望に応じて適切なポートフォリオを構築してもらえる
資産運用は、どのようなポートフォリオを構築するかによって結果が大きく左右されます。
ファンドラップサービスの利用にあたっては、金融機関の専門家が詳細なアンケート・ヒアリングにより顧客の投資目的・リスク許容度・投資期間等を明確化。顧客から得た情報をもとに、要望や投資方針に応じた適切なポートフォリオを提案してもらうことができます。
あらかじめ多様なニーズに応えられるように数十種類のポートフォリオが用意されており、プロの意見を交えた提案を受けられるため、顧客自身の意向を反映しつつ質の高いポートフォリオを構築できるのが大きなメリットです。
専門家がポートフォリオを作成するため、投資知識がなくても一定以上のクオリティを確保できるのも大きな魅力となっており、投資初心者はもちろん実はパフォーマンスを追求したい上級者にもおすすめのサービスとなります。
関連記事:ファンドラップの評価が知りたい!代表的な金融機関のサービスを徹底比較!
運用・管理を一任できる
ファンドラップは、専門家にファンドの選定・運用・管理を全面的に委任できるため、丸投げで資産運用ができるのも大きなメリットです。
煩雑なポートフォリオの運用・管理に割くリソースが必要ないため、忙しくて投資に割く時間や労力を確保できない方には非常におすすめです。また、専門家による運用で安定したパフォーマンスが期待できるため、投資初心者の方や投資スキルに自信がない方にも適していると言えるでしょう。
自力で資産運用を行うには、相応の時間・労力ならびに知識が必要となります。これらが障壁となって資産運用を躊躇している方には有力な選択肢となるでしょう。
リスクをコントロールしたバランスの良い運用を行ってもらえる
ファンドラップサービスでは、専門家によりリスク・リターンのレベルが異なる国内外の様々な投資信託を組み合わせて分散投資が行われるため、リスクヘッジ・リスクテイクを上手く織り交ぜたバランスの良い運用を行えるのも大きなメリットです。
リスクのコントロールに関しては、投資家が希望するリスク許容度に応えられるように、さまざまな運用コースが用意されています。顧客のリスクの許容範囲や要望を汲み取ってくれるため、投資運用に明るくない方や初心者の方も安心して資産形成に取り組むことができます。
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ファンドラップを利用するデメリット
ファンドラップにはデメリットとなる側面もあるため、利用を検討しているのであれば把握しておく必要があります。下記に解説していますので、参考にして下さい。
関連記事:ファンドラップは資産形成には不向き?10年後の運用結果はどうなる?
損失が発生することがある
ファンドラップの運用は、社会情勢・経済情勢・相場環境等の影響を受けるため、損失が発生する場合があることがデメリットです。投資元本が保証されているわけではないため、元本割れが発生するリスクもあります。専門家によりきめ細かな運用が行われるサービスですが、必ず儲かるわけではない点には十分に留意しておく必要があります。
また、ファンドラップはサービスを提供する金融機関により運用の方針や力量は異なるため、少しでもよいパフォーマンスを発揮してもらえるように、運用実績が豊富な金融機関のサービスを利用することが重要です。
運用コストがかかる
ファンドラップは、自身で投資信託を運用する場合と同様に、ポートフォリオに組み入れられた投資信託それぞれに大して運用管理費用がかかります。加えて、サービス提供元の金融機関に対して、投資一任契約に基づく口座の運用管理費用も必要となります。つまり、投資信託の運用管理に二重に費用がかかるため割高であるということです。
ファンドラップは便利なサービスですが、金融機関に全面的に運用管理を委任できる反面、余分にコストがかかる点には十分に注意しておく必要があります。想定外のコストにより収益が圧迫される場合もあるため、事前にコストを見積もったうえでサービスを利用することが重要です。
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まとめ
ファンドラップサービスは、投資を行いたいけれども時間・労力・知識の面でハードルを感じている方から、プロに運用を任せたい上級者まで、幅広い投資家のニーズに対応できるサービスです。資産形成に対する機運が高まっている現代では、サービスの利用を検討する方も増えてきています。
利用するのであれば、自身で投資信託を運用する場合との違いや、運用・管理を一任するメリット・デメリットを事前に把握しておくことが重要です。
資産運用に興味があるけれども何かしらの障壁を抱えている方は、この機会に検討してみてはいかがでしょうか。
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