ファンドラップの評価が知りたい!代表的な金融機関のサービスを徹底比較!

ファンドラップは、資産運用をプロに一任できることから、投資初心者の方や忙しくて時間を確保できない方の間で人気が高まっているサービスです。ファンドラップの利用を検討しており、より多角的な視点を持つためにサービス利用者からの評価を知りたい方もいるのではないでしょうか。
当記事では、ファンドラップを提供する代表的な金融機関ならびにサービスの評価を紹介しています。ファンドラップの評価や評判を比較検討して、自分に合ったファンドラップサービスを選びたい方は、ぜひ参考にして下さい。
なお、ファンドラップの概要や今後については下記の記事をご覧ください
関連記事:ファンドラップとは?サービス概要・メリット・デメリット・利用の流れをまとめて解説!
関連記事:ファンドラップは資産形成には不向き?10年後の運用結果はどうなる?
ファンドラップの相談はプロに!
野村證券
ファンドラップサービス基本情報
サービス名 | 野村ファンドラップ 野村SMA(エグゼクティブラップ) ラップ信託 |
預かり資産額(2022年末時点) | 3兆1,511億7,000万 |
パフォーマンス(過去3年リターン:2020年~2022年) | 1.9% |
投資一任手数料(信託報酬等は別途) | 1.361% |
最低必要金額 | 500万円~ |
野村證券は、2022年末時点で3兆1,511億7,000万もの預かり資産額を保有しており、ファンドラップを提供する金融機関のなかでもトップに君臨している証券会社です。一般向けのファンドラップサービスである野村ファンドラップ・富裕層向けの野村SMA・遺言代用信託であるラップ信託の3種類のサービスを提供しているのが特徴です。
基本サービスである野村ファンドラップは、インデックス運用で500万円から始められるバリュー・プログラムと、アクティブ運用で1,000万円から始められるプレミア・プログラムの2種類が提供されています。
対面型証券会社のなかでは投資一任手数料が低めに設定されていますが、運用コストが収益を圧迫して過去3年のリターンは比較的平凡な結果となっています。
投資家からの評判
良い評判 |
・全て任せられるので手間がかからない ・手数料が高くなければもっと利益が出ている ・サポート体制の評判が良い ・契約残高がトップ ・希望する運用方法に合わせて商品が選べる |
悪い評判 |
・担当者に手数料が高いと言ってしまった ・手数料が高くなければもっと利益が出ていたはず ・解約したいと言ったら引き止められた ・利回りが低くパフォーマンスが悪い ・野村グループの利益が優先される傾向が強い |
野村證券のファンドラップは、対面型証券会社の老舗らしく、サポート体制の評判が良いと好評を得ています。資産形成の要望や意図を汲み取ったうえで商品を選べ、全面的に任せられる点が高く評価されています。実際に、契約残高はファンドラップを提供する金融機関の中でもトップです。
一方で、サービスやサポートが手厚い反面手数料が高く、利回りの低さと相まってパフォーマンスが発揮できていない点が不評です。手数料が高くなければもっと利益が出ているのではという実直な意見も見受けられます。
また、提供されるポートフォリオは野村グループの利益が優先されている傾向が強く、解約にも快く対応してくれない場合がある点に不満が寄せられています。
総評
野村證券は対面型証券会社の老舗ということもあり、サービスやサポートについては非常に高い評価を得ています。証券会社の信頼性や対応品質を重視する方は多く、この点が支持されて預かり資産額首位の座を獲得したと考えらえます。
しかし実際の運用面においては、運用コストの高さとパフォーマンスの低さが目立っており、資産形成という本来の目的を果たすにはあまり適していないと言わざるをえません。
高い手数料やグループ利益追求体質といった、多くの方が指摘している課題が改善されれば、コストパフォーマンスにも対応品質にも優れた良いサービスになるのではないかと考えられます。
ファンドラップの相談はプロに!
SMBC日興証券
ファンドラップサービス基本情報
サービス名 | 日興ファンドラップ SMBCファンドラップ(三井住友銀行が販売) |
預かり資産額(2022年末時点) | 2兆8,733億700万円 |
パフォーマンス(過去3年リターン:2020年~2022年) | 2.9% |
投資一任手数料(信託報酬等は別途) | 1.512% |
最低必要金額 | 300万円~ |
SMBC日興証券は、自社が提供する日興ファンドラップと、三井住友銀行が代理人として販売しているSMBCファンドラップを扱っている証券会社です。預かり資産額は2022年末時点で2兆8,733億700万円と、野村證券に次ぐ規模を誇っています。
過去3年リターンのパフォーマンスは2.9%と高く、コロナ禍の下落相場においても強さを発揮するなど、リスクに強い安定した運用に強みがあります。最低必要金額も300万円と低めに設定されており、多くの方が利用しやすいサービスであるのが特徴です。
投資家からの評判
良い評判 |
・2023年は他のファンドラップと比べても成績が良かった ・可もなく不可もなくなファンドラップ ・年間コストは主要ファンドラップの中間程度 |
悪い評判 |
・担当スタッフの異動が多いのが気になる ・運用実績がコストに見合っていない ・商品の組み入れを一方的に変更されて損ばかりしている ・リターンはマイナスではないが1%にも満たない |
SMBC日興証券は、今回紹介したファンドラップと比較しても口コミが少なめな傾向が見られました。運用コストは主要ファンドラップの中間程度でパフォーマンスも平凡であるため、利用者からの評判は可もなく不可もないというのが実情です。
一方で、ファンドラップにありがちな運用コストに対して運用リターンが見合っていないという意見や、パフォーマンスが低くマイナスではないが薄利であるといった意見が見受けられます。また、SMBC日興証券特有の評価として、スタッフの異動が多く引継ぎが不十分である点や、商品の組み入れを一方的に変更された点など、担当者に対する不満が確認されています。
総評
SMBC日興証券のファンドラップは、リスクに強くパフォーマンスも良好であることが大きなメリットです。資産形成を行うのであれば不要なリスクは極力避けた方が良いため、コロナ禍の厳しい下落局面を乗り切った同社のファンドラップは評価できると言っていいでしょう。実際に預かり資産額も順調に増加しており、ファンドラップ利用者からも支持されつつあります。
運用コストに対するリターンや担当者の対応に関する情報が寄せられているため、このあたりが改善されれば、より良いサービスになることが期待できます。
ファンドラップの相談はプロに!
大和証券
ファンドラップサービス基本情報
サービス名 | ダイワファンドラップ ダイワファンドラップPREMIUMU あんしんつながるラップ ダイワファンドラップオンライン |
預かり資産額(2022年末時点) | 2兆8,237億1,400万円 |
パフォーマンス(過去3年リターン:2020年~2022年) | 3.6% |
投資一任手数料(信託報酬等は別途) | 1.512% |
最低必要金額 | 300万円~ |
大和証券は、対面型サービスとして基本サービスのダイワファンドラップ・上位版であるダイワファンドラップPREMIUM・特約付のあんしんつながるラップを提供しており、別途ロボアドバイザーサービスであるダイワファンドラップONLINEを提供している証券会社です。預かり資産額は2022年末時点で2兆8,237億1,400万円と、ファンドラップサービスを提供する金融機関で第3位の金額を誇ります。
過去3年間の平均リターンは3.6%と、今回紹介したファンドラップサービスのなかではトップクラスのパフォーマンスを発揮しています。投資一任手数料は割高ですが、最低必要金額は300万円と比較的利用しやすい設定です。
大和証券のファンドラップは、利用しやすさと運用面での優秀さから、現在利用者が増加しつつあるサービスとなります。
投資家からの評判
良い評判 |
・安定して成果が出ている ・2022年の下落相場を乗り切っており満足している ・実店舗で相談できるため安心できる ・初心者に対してのサポートやアフターフォローが充実している ・納得できる最適なプランを提示してくれる |
悪い評判 |
・手数料が割高 ・不況時のリスクの影響が大きい ・コストのわりにローリターン ・運用パターンが数種類と少ない ・購入後一度もプラスに転じていない |
大和証券のファンドラップは、初心者に対してのサポートやアフターフォローが充実しており、納得できるプランを提示してくれる点が好評です。数あるファンドラップが下落局面にあった2022年も無事乗り切っており、安定したパフォーマンスを発揮しているため、運用面においても満足している意見が多く挙がっています。
一方で、ファンドラップ全般に言えることですが手数料が割高でコストパフォーマンスが低い点が指摘されており、不況時のリスクが大きいことや運用パフォーマンスが発揮できていない点に不満を感じている意見が多く見られます。他のファンドラップと比べて、選択可能な運用パターンが少ないといった点も不評です。
総評
大和証券のファンドラップは、他者のサービスと比較しても高いパフォーマンスを発揮できているのが最大の魅力です。資産形成という最優先の目的を果たすには、非常に適したサービスと言えるでしょう。
プランやコースも複数用意されており、サポートやフォローも充実しているため、当メディアの見解では現状最もおすすめできるサービスとなります。他者と同様に手数料が高いのがネックですが、ロボアドバイザーによるオンラインサービスも提供されているため、こちらを選択すれば運用コストの負担を軽減することが可能です。
ファンドラップの相談はプロに!
みずほ証券
ファンドラップサービス基本情報
サービス名 | みずほファンドラップ(ファーストステップ) みずほファンドラップ(Mizuho Fund Wrap) |
預かり資産額(2022年末時点) | 1兆906億9,000万円 |
パフォーマンス (過去3年リターン:2020年~2022年) | 2.1% |
投資一任手数料(信託報酬等は別途) | 1.620% |
最低必要金額 | 500万円~ |
みずほ証券のファンドラップは、インデックスファンド中心に伝統的な投資スタイルを貫く「ファーストステップ」と、アクティブファンドへ投資を行い積極的なリターン獲得を目指す「Mizuho Fund Wrap」の2種類が提供されています。預かり資産額は2022年末時点で1兆906億9,000万円です。
みずほフィナンシャルグループに属する同社は、銀行・信託・証券一体型の運営を行えるのが強みとなっており、ファンドラップにおいても非常にきめ細かなサービスを提供しているのが特徴です。他の証券会社にはあまり見られない、キャッシュバックサービスなどのキャンペーンも積極的に行っています。
その反面、投資一任手数料は高めに設定されており、運用パフォーマンスが低めになっているのが懸念点です。
投資家からの評判
良い評判 |
・対面で相談に乗ってくれるため安心感がある ・営業担当者との相性や関係性が重要 ・キャッシュバックなどのお得なキャンペーンがある ・運用目標やリスク許容度に応じてポートフォリオを調整しやすい |
悪い評判 |
・短期間で大きな含み損を抱えてしまった ・投資先の内容やリスクについての説明が不十分 ・リターンに対してコスト負担が高い ・最低投資金額が高い ・相場の下落リスクに弱い |
みずほ証券のファンドラップは、担当者との対面型でサービスを提供しているのが特徴です。実際の顧客からの評判においても、対面で相談に乗ってくれるため安心できるといった意見や、きめ細かな対応でポートフォリオを調整できるといった意見が挙がっています。サービスを利用するのであれば営業担当者との相性や関係性が重要であるという率直な意見も寄せられています。
一方で、対面型であるためリターンに対するコスト負担が高すぎるといった意見や、短期間で大きな含み損を抱えてしまったというネガティブな意見も挙がっているのが実情です。最低投資金額も高く、投資先やリスクについて十分に説明されなかったという意見もあります。
総評
みずほ証券のファンドラップは、みずほフィナンシャルグループのグループシナジーを活かした、対面型ならではのきめ細かいサービスを受けられるのが特徴です。知名度・信頼度も高い企業であるため、安心して相談や依頼を行えるのがメリットと言えます。
しかし運用コストがやや高く、運用成績の悪化を招いている点は否めません。特に安定型運用を行っている場合は、リターンの少なさから収益はマイナスとなりがちです。
ファンドラップは資産形成を行うことが目的であるため、みずほファンドラップの利用を検討しているのであれば、運用コスト・運用パフォーマンスについては現状をしっかりと直視する必要があります。
ファンドラップの相談はプロに!
りそな銀行
ファンドラップサービス基本情報
サービス名 | りそなファンドラップ(スタンダードコース) りそなファンドラップ(プレミアムコース) |
預かり資産額(2022年末時点) | 7,358億3,600万円 |
パフォーマンス (過去3年リターン:2020年~2022年) | -1.2% |
投資一任手数料(信託報酬等は別途) | 1.540% |
最低必要金額 | 300万円~ |
りそな銀行のファンドラップは、一般向けのシンプルで分かりやすいスタンダードコースと、世界の一流ファンドに投資を行うプレミアムコースが提供されています。報酬体系はどちらもコースも固定報酬型と成功報酬併用型を希望に合わせて選択可能となっており、運用オプションや機能を設定することも可能。非常にコースやプランの自由度が高いのが特徴です。
預かり資産額は7,358億3,600万円で他の金融機関と比べて多くはありませんが、30万円から成功報酬のみで利用可能なお試しプラン「ウェルカムプラン」の提供を行っており、興味のある方が気軽にファンドラップを利用できる環境が用意されています。
しかし、肝心の運用パフォーマンスは過去3年リターン平均で-1.2%と残念な結果となっているため、サービスを利用するのであれば、今後の運用がどのように行われるかに注視しておく必要があります。
投資家からの評判
良い評判 |
・商品設計が初心者にもやさしい ・サービス開始4ヶ月弱で運用残高1,000億円を突破 ・ファンドラップの販売が好調 |
悪い評判 |
・信託報酬が高すぎる ・利益が見込めない設定にされている ・購入者の4割が投資未経験者 ・最も安全と言われる慎重型を選んでも円安でマイナス ・含み損を抱えたまま解約した |
りそなファンドラップは販売が好調で、サービス開始から4ヶ月弱という短期間で運用残高1,000億円突破という快挙を成し遂げています。実際の評判を見てみても、初心者にやさしい商品設計がなされており、投資初心者が気軽に資産運用をスタートできるというコンセプトでサービス提供を行っている姿勢が見て取れます。
しかし、他のファンドラップと同様に、信託報酬が高すぎて利益が見込めないといった声や、含み損が発生したまま解約したというネガティブな意見が多く見られることも事実です。
投資初心者が気軽に取り組めるようにサービス提供を行っているのは間違いない様子ですが、販売ばかりに注力して知識に乏しい投資未経験者をターゲットにしているという厳しい意見も挙がってきています。
総評
りそなファンドラップは、初心者にやさしいのが特徴で、サービス開始から急成長したサービスです。プランも柔軟に選べて一見すると良さそうに見えますが、実際の運用パフォーマンスがマイナスであることは無視できません。ただでさえ二重コストがネックとなるファンドラップにおいて、運用パフォーマンスが発揮できていないということは、大きな含み損を抱えることを意味するためです。
現状では辛口の評価となりますが、良い面も多いサービスであるため、今後の動向次第では検討してみるのも良いかもしれません。
ファンドラップの相談はプロに!
まとめ
ファンドラップを提供する代表的な金融機関の評価について紹介してきましたがいかがでしたか。ファンドラップは、金融機関によって運用パフォーマンスや運用コストが異なるサービスです。なかには運用パフォーマンスや担当者の対応に納得できないケースもあるため、どの金融機関のサービスを選ぶのかが非常に重要となってきます。実際にはコースやプランが複数用意されているため、詳細なチェックを行うことがポイントとなります。
これからファンドラップを利用して資産形成を行おうという方は、ぜひ当記事も参考にして、納得のできる金融機関のサービスを選定して下さい。
ファンドラップの相談はプロに!