プロ1人が選んだ「おすすめ外貨建て保険ランキング」5選。プロが教える「外貨建て保険の選び方」

プロが教える「外貨建て保険の選び方」

FP 浦上登
外貨建て保険は保険というよりも金融商品

外貨建保険は、保険というよりは金融商品です。外貨の高金利を利用して有利な運用をしようという発想のもとに作られました。米国国債10年物で考えると2010年から2019年にかけての最大年利3%強から4%弱の高金利による高いリターンを実現して来ました。外貨建保険の問題である為替リスクも、米ドルの高利回りによる運用益と相殺されて、円高になっても、トントン、円安になると大きく儲かるということで、魅力的な金融商品でした。ところが最近このメリットが崩れてきたため、外貨建保険は決して魅力的なものではなくなっています。以下の説明では、外貨建て保険のポイントについて順を追って解説していきたいと思います。

神奈川・男性・68歳
業務歴:11年
得意分野:住宅ローン相談、家計相談、保険相談、ライフプランニング、老後資金相談
資格:CFP、証券外務員第一種

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外貨建保険が魅力的であった理由

1.米ドルの高金利

外貨建保険の魅力の源泉は米ドルの高金利でした。米国国債10年物の金利は、2010年から2019年にかけて、2%弱から4%弱の範囲で推移しました。

米ドルで外貨建保険を運用する場合は、米国国債ないしそれにリンクした社債等で行うので、米ドルの高金利をベースに運用し、高いリターンを実現することができました。

2. 米ドル高金利運用による為替リスクのヘッジ

その間、日本の金利はゼロに近いレベルで推移していました。当然日本人の契約者から見れば、低金利の円で運用するより、高金利の米ドルで運用したほうが魅力的です。

ドル建てで運用する場合の問題点である為替リスクも、米ドルよる高利回りにより、仮に円高がそれと同じ比率で進行しても、高利回りによる運用益と相殺することができました。また、逆に円安になった場合は年3%以上の運用益を手にすることも可能でした。

具体的に説明してみましょう。

外貨建保険の運用益を年3%とします。

その場合、

A. 円高が年率3%で推移した場合

B. 円ドルレートが変わらない場合

C. 円安が年3%で進行した場合

の3ケースを比べてみます。

円ベースでみると、

Aの場合でトントン

Bの場合で年3%の運用益

Cの場合で年6%の運用益

を得ることができました。

ですから、外貨建保険は、ほとんどゼロ金利に日本にとって、円高の場合は為替リスクのヘッジになり、かつ、円安の場合は、米ドル以上の高利回りのリターンが得られる魅力的な商品だったのです。

3. 税制上の優遇

保険商品は税制上も優遇されていました。投資信託や株式が運用益の20.315%に税金がかかるのに対し、保険商品では、満期時に一時金で受け取ると、一時所得とみなされ、次の計算に基づき課税されます。

「(保険商品の運用益-50万円)x1/2」→総合課税の対象

すなわち、運用益から50万円が控除され、かつ、その1/2にしか課税されないということになります。

今までに説明した要因により、外貨建保険は魅力的な商品でした。

最近の動向

最近これらの前提が崩れ始め外貨建て保険の魅力が失われてきています。

1. 米ドルの金利低下

コロナショックによる金融緩和で唯一の高金利国であった米国もゼロ金利に近くなりました。

2020-7-30現在の主要国の10年物国債の金利を比較すると次の通りです。

  • 米国 0.548%
  • 日本 0.02%
  • ドイツ -0.55%
  • フランス -0.22%
  • オーストラリア 0.85%

2019年には3%強あった米国国債10年物の金利が2.5%以上低下して、0.5%程度になっています。

このレベルになると、高金利とは言えなくなり運用しても大きなリターンを得ることが難しくなっています。

それゆえ、日本から見ても、米ドルで運用しても為替リスクをヘッジするだけの運用益を得ることはできなくなり、上記の(1)および(2)のメリットは崩れました。

2. 保険会社が外貨建保険に経費を乗せだしたこと

この4-5年顕著になった傾向ですが、保険会社が外貨建保険の運用益から、いろいろな経費を引き去るようになりました。

最低積立利率が保証されているからといって、その利率で契約者が運用益をもらうことができるわけではありません。そこから次の費用が引かれます。

  •  銀行等の販売代理店手数料
  •  保険に関する経費(保険関係費、年金管理費等)
  •  為替手数料

具体的に説明してみましょう。

・銀行等の販売代理店手数料

販売代理店手数料はかなり高額の様です。そのためか、代理店が為替リスクを十分に説明せず、外貨建保険を販売したため問題になりました。

・保険に関する経費(保険関係費、年金管理費等)

また外貨建保険は資産運用商品とはいいながら、保険の形をとっているので、年金保険にしろ、終身保険にしろ、最小限とはいえ保障機能が付随しており、保障に関するコストがかかります。それらのコストが引き去られます。

・為替手数料

外貨建保険ですから保険料を外貨で支払う必要がありますが、通常インターネット証券での為替手数料がTTM+25銭程度にあるのに対し、外貨建保険では通常TTM+50銭程度で割高です。

実際にどんな費用が差し引かれるのかは説明書をじっくり読まないとわかりません、場合によっては、説明書を読んでもよくわからず保険会社に確認しないと駄目なものもあります。

外貨建保険は為替リスクだけではなくプロにとってもよくわからない商品になっています。

外貨建保険の選び方

このような状況ですから、外貨建保険は、本来のメリットを期待できる状況になく、紹介できるのは、その中でも、できるだけ本来のメリットを保持しようとしている保険であることをご理解ください。

プロが教える「おすすめ外貨建て保険ランキング」

メットライフ生命/USドル建終身保険「ドルスマートS」 100点(1名/1名中)

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「1位」におすすめする理由

積立利率が年3%で最低保障されている

メットライフ生命のドルスマートSは保険料払込期間中の解約返戻金のレベルを低く抑えた低解約返戻金タイプの終身保険です。1位にすすめる理由は、積立利率が年3%で最低保障されているからです。この超低金利下でどのように年3%で運用するのかはわかりませんが、その点を評価しました。

ただし、注意していただきたいのは、契約者が年3%のリターンを受け取れるわけではないということです。

メットライフ生命のホームページでの解約返戻金額を見ると、利回りは年3%を大きく下回ります。その差額は「外貨建て保険の選び方」で説明した様々な費用です。

20年から35年間の為替リスクをとって年利回り0.66%から1.55%という数字はとてもいいとは言えません。円安になればいいですが、円高になればこの程度の運用益は吹き飛んでしまいます。

FP 浦上登「外貨建て保険の選び方」

FP 浦上登

マニュライフ生命/こだわり個人年金(外貨建) 100点(1名/1名中)

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「2位」におすすめする理由

最低積立利率が年1.5%で保障

これは年金保険です、年金受領年齢になるまで毎月外貨で保険料を積立て、年金受領年齢になったら、保証期間付き終身年金(保証期間10年)か、確定年金(5年または10年)を選ぶことができます。基準積立利率は「マニュライフ生命の定める指標金利の平均値に-1.0%から+1.5%を増減させた利率」と、はなはだあいまいな表現になっていますが、2位にしたのは最低積立利率が年1.5%で保障されているからです。

メットライフ生命のドルスマートSが年3.0%で保障されていてもリターンは先ほど説明した通りですから、年1.5%の場合はさらに悪くなります。諸費用でも年金管理費という費用がかかる点も気がかりです。

FP 浦上登「外貨建て保険の選び方」

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第一フロンティア生命/プレミアカレンシー3 -積立利率変動型個人年金保険(19)(通貨指定型)- 100点(1名/1名中)

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「3位」におすすめする理由

積立開始後10年までが積立利率保証期間で、10年目の実質利回りが年0.60%

2位のマニュライフ生命こだわり個人年金(外貨建)と同じタイプの個人年金保険です。

積立開始後10年までが積立利率保証期間となっていて、10年目の実質利回りが年0.60%になっている点を評価して、3位にしました。

もちろんこれで、為替リスクに耐えられるかという問題は残りますが、今後とも超低金利が続き積立利率が低下し続けて、実質利回りがマイナスにならない点を評価しました。

FP 浦上登「外貨建て保険の選び方」

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マニュライフ生命/こだわり外貨終身 100点(1名/1名中)

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「4位」におすすめする理由

積立利率の最低保証が年1.5%、たばこを吸わない人の保険料が安く、がん・急性心筋梗塞・脳卒中で所定の状態になった時の払い込み免除特約あり

これは、1位にしたメットライフ生命のドルスマートS同様の外貨建終身保険です。

外貨建終身保険は時期を見て保険を解約して運用益を得るというものですが、4位にした理由は、一応積立利率の最低保証が年1.5%となっている点です。1位のドルスマートSに比べるとだいぶ落ちるので、実質利回りはかなり低下するはずです。この保険には、たばこを吸わない人の保険料が安くなること、がん・急性心筋梗塞・脳卒中で所定の状態になった時の払い込み免除特約もついているのも評価できる点です。

ただ、保険関係費、年金管理費、契約内容を変更したときの手数料等、保険の運用益を減少させる特約が付いているので、要注意です。

FP 浦上登「外貨建て保険の選び方」

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オリックス生命/米ドル建終身保険Candle 100点(1名/1名中)

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「5位」におすすめする理由

30年目の解約返戻率が年1.35%、40年目が年1.7%と比較的高い水準

これもマニュライフ生命のこだわり外貨終身と同様の終身保険です。

30年目の解約返戻率が140.6%(単利ベース年1.35%)、40年目の解約返戻率が168.0%(単利ベース年1.7%)と他の商品と比べて決して低くはないのですが、積立利率の最低保証が見つからなかったので5位にしました。

やはりこれからの超低金利で、アメリカも長期的にみるとゼロ金利またはマイナス金利になる可能性があります。30年,40年先の話ですから、そのリスクをヘッジするためには、積立利率の最低保証が必要と考え、それを選考の基準にした次第です。

FP 浦上登「外貨建て保険の選び方」

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