一目均衡表とエリオット波動で相場のトレンドを見極めよう

一目均衡表とエリオット波動は相場のトレンドを見極めるのに役立つ指標です。現在のトレンドがどの位置にいるのか、今後もトレンドが続くのか、そういったことを判断する材料の一つになります。この記事では、一目均衡表とエリオット波動の詳しい内容を紹介しながら、実際の相場でどのように使用するかを説明していきます。

まずは、一目均衡表から見ていきましょう。

一目均衡表とは

一目均衡表は、株式評論家の細田伍一氏が一目山人というペンネームで戦前に発表したテクニカル指標です。テクニカル指標は、米国発が多いのですが、一目均衡表はローソク足とともに海外でも有名です。

通常のテクニカル分析では値動きに重きを置いていますが、一目均衡表では時間軸という概念を取り入れています。 具体的には特定の時間軸(9日、26日など)の中での動きと、その中心値を考慮し、将来の株価を予測しようというものです。

例え、ば26日は約1ヶ月の平均的な関係を見ています。移動平均線で言えば、25日移動平均線になります。その期間の中で高値と安値の中心点を求めます。移動平均線とは、ある一定期間の価格から平均値を計算し、チャートで表したものです。25日移動平均線は、当日を含む過去25日間の終値の平均値となります。

文章だけだとイメージがつかみにくいと思うので、実際にチャートを見てみましょう。日経平均株価の一目均衡表です。

出典:SBI証券

26日は水色の線で、「基準線」と呼ばれています。この基準線は過去26日間の高値と安値の中間値となります。この線を上回っていれば強気、下回っていれば弱気と考えます。基準線以外にも転換線、先行スパン、遅行スパンなど様々なラインがあるので、詳しく見ていきましょう。

転換線(赤)=  (過去9日間における最高値 + 同最安値)÷ 2

基準線(水色)= (過去26日間における最高値 + 同最安値)÷ 2

先行スパン1 (黄緑)= 基準線 と転換線の中心を、26日先に記入

先行スパン2 (緑)= 過去52日間の最高値と最安値の中心を26日先に記入

遅行スパン(紫)= 当日の終値を26日前に記入

先行スパン1と先行スパン2で囲まれた部分を「雲」と呼びます。

相場の方向性は基準線が示しています。基準線は26日間の最高値と最安値の中間値です。移動平均線でいえば日足だと 25日移動平均線、週足だと26週移動平均線ということになるので、同じぐらいの数値を重要視していると考えられます。

基準線が横ばいの時は方向性がなく、基準線が上向くと強気相場、下向くと弱気相場に変化していくといわれています。転換線と基準線の位置も重要です。 チャートを見てみましょう 。

出典:じぶん銀行

①のポイントは、転換線が基準線を上抜いています。これを、「好転」と呼んでいます。移動平均線の「ゴールデンクロス」と同様に、強気のシグナルと捉えられます。

ゴールデンクロスは、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に抜ける現象です。例えば、日足だと短期に25日、長期に75日を使用することが多いです。そして、25日移動平均線が75日移動平均線を上抜くとゴールデンクロスになります。

逆に転換線が基準線を下抜くと、弱気のシグナルとなります。これを「逆転」と呼んでいます。移動平均線ですと、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に抜けることで、「デッドクロス」と呼ばれています。

②のポイントは、遅行スパンがローソク足を上抜いています。これも強気のシグナルとなります。遅行スパンは、26日前の価格と現在の価格を比較するという意味があります。 遅行スパンが株価の上にあるということは、その時に買い注文した人は26日後に含む益になっている状態です。ですから強気のシグナルと考えます。

③のポイントは、ローソク足が雲を抜いた状態です。先行スパン1と先行スパン2で囲まれた部分を「雲」と呼びます。この雲は抵抗線になったり、支持線になったりします。株価が雲よりも上にある場合は上昇基調、雲よりも下にある時は下落基調と判断します。

先行スパン1と先行スパン2を比較すると、先行スパン1の方が短期の動きを示しています。上昇相場で株価が雲の上にあるということは雲の上限が先行スパン1で、下限が先行スパン2になります 。

これも移動平均線で考えると分かりやすいと思います。25日移動平均線と75日移動平均線で考えてみましょう。例えば、株価が雲の上にあるということは、株価が25日移動平均線の上にあるということです。

そして雲の中にあるということは、25日移動平均線と75日移動平均線の間で揉み合っている状態になります。そして雲を下抜けたということは75日移動平均線を下に向けたと判断されます。

このように、基準線と転換線と株価を比較したものが現在。遅行スパンは過去26日前の値動きと株価との比較。そして、先行スパンは26日後と株価を比較しています。

過去・現在・未来と三つのポイントで株価の強弱を判断するのが一目均衡表なのです。

過去・現在・未来全てが「好転」した場合を「三役好転」、「逆転」した場合を「三役逆転」といい、有力なトレンドシグナルと判断します。

一目均衡表の波動論

一目均衡表の波動論は、波形のパターンによって相場を分析しようというものです。ダウ理論やエリオット波動論にも通じるものがあります。主に次の五つがあります。

出典:マネーパートナーズ

①I波動は、上げもしくは下げのみの波動です。

②V波動は、「上げ→下げ」「下げ→上げ」の二つの波動

③N波動は、「上げ→下げ→上げ」など3つの波動

⓸P波動は、値幅を徐々に狭めながら上下に動く波動。いわゆる「三角持ち合い」といわれる形になっています。

⑤Y波動は、値幅を広げながらジグザグに動く波動

N波動が連続するとトレンドを形成します。一目均衡表では、相場の基本となるN波動が重要なので、これを意識するようにしましょう。

トレンドを作る時は、Y波動やP波動を交えながら、最終的には N 波動を作り、昇トレンドや下落トレンドを形成します。

一目均衡表の計算値

トレンドを作っている時、いくらまで上がるか(下るか)という目標値を一目均衡表では定めることができます。代表的なのは以下の4つです。

出典:カブドットコム証券

このように、 V 計算値、N計算値、E計算値、NT計算値で利食いの目安を決めていくのです。ただし、これはあくまでもトレンドを作っている時の計算方法なので、まずは基準線、転換線、雲と株価の位置関係でトレンドがどうなっているのかを把握し、その上で計算値を利用するようにしましょう。

続いて、エリオット波動を見ていきましょう。

エリオット波動とは

エリオット波動は米国で活躍したアナリスト、ラルフ・ネルソン・エリオットが編み出したテクニカル分析です。「相場にはサイクルがあり、動きには一定のリズムがある」という考え方に基づいています。

エリオット波動には、「パターン」「比率」「時間」という三つの重要な側面があり、この順番に重要です。パターンとは、波動の形状を示し、エリオット波動理論の最も重要な要素となっています。具体的にエリオット波動を見ていきましょう

出典:外為オンライン

エリオット波動は、上昇5波、下降3波のサイクルで構成されています。前半の第1波、第3波、第5波は推進波と呼ばれる上昇波です。一方、第2波、第4波は上昇トレンドの中で逆方向に動いています。これを調整波と呼びます。

この前半の波は上昇トレンドを形成しています。そして、上昇が完結したあと、三つの調整波が始まります。下降トレンドは第1波、第2波、第3波の三つの波から構成されます。

そしてこの大きな上昇トレンドの中で、例えば第一波の中でも5波が形成されたりします。大きなトレンドも、小さなジグザグで成り立っているのです。

それぞれの波の特徴を詳しく見ていきましょう

エリオット波動の上昇波

第1波

第1波は値固めの過程の一部であり、大幅に下落した水準からの反発局面となります。第1波は、通常五つの波の中で最も短いものの、長期間底値圏を形成した後は、極めて力強い動きをすることもあります。

第2波

第2波は、通常第1波の全てないしは大部分を戻します。しかし、第2波が第1波の下限より上にとどまることができれば、次への第3波への上昇のための調整局面と捉えることができます。

第3波

第3波は通常一番長く、最も強い力強いトレンドを作ります。第1波の頂上を突き抜けてのブレイクは買いシグナルを示しています。最も強い上昇になるので出来高も増え、ファンダメンタルズ(企業の業績や経済動向)も良好なことが多くなります。

第4波

第4波は第2波と同様、調整局面です。ただし、エリオット波動理論では、第4波の底は必ず第1波の頂上より上にならなくてはならないという原則があります。

第5波

第5波は、最後の上昇局面です。通常第3波ほどの力強さはありません。この時点になると逆張り指標であるオシレーター系のテクニカル指標が、相場の天井を警戒し始めます。

エリオット波動の下降波

第1波

下降波における第1波は、上昇トレンドにおける戻しと勘違いされることも多くなります。高値圏からの下落には大幅な下落、そして出来高を伴っていると天井を打ったと判断されます。安易にここで押し目買いを入れると、下落トレンドの始まりなので、大きな損失を被る可能性があります。

第2波

下降波における第2波は、下降トレンドにおける反発局面ですが、通常出来高を伴わず弱い反発にとどまることが多くなります。買いポジションを持っていた場合は、抜け出す最後のチャンスであり、売りを仕掛けのチャンスでもあります。

第3波

下降波の第3波はトレンド終了のシグナルとなることが多いです。下降第1波のボトムを割り込むと、あらゆる売りシグナルを誘発することになります。

下落トレンドが始めると、底値の目途は上昇1波のボトムとなります。大きな下落相場ですので、安易な買いは控えた方が賢明です。

下降3波が終了すると、底値圏でのもみあいが長期間続くことが多くなります。そして、そのもみあいの中から、新たな上昇波が始まるのです。

エリオット波動とフィボナッチ比率

エリオット波動における押し目や上昇は、フィボナッチ比率に従うことが多くあります。フィボナッチについて解説します。

フィボナッチ数とは

1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144・・・と無限に続いていく数字です。主に3つの特徴があります。

①隣り合う数字を足すと次の数字になる

1 + 1 = 2

1 + 2 = 3

3 + 5 = 8

②連続する二つの数字で、大きい数字で小さい数字を割ると1.618に近づく(最初の三つの数字は除く)

8÷5 =1.6

34÷21 =1.619

89÷55 =1.618

連続する二つの数字で、小さい数字を大きい数字で割ると0.618に近づく(最初の三つの数字は除く)

3÷5 = 0.6

8÷13 = 0.615

55÷89 = 0.618

この0.618や1.618をフィボナッチ比率と呼んでいます。

この他にもフィボナッチ比率はいくつか種類があり、テクニカル分析では次の比率が使用されます。

①0.618

②0.786(0.618の平方根)

③1.0

④1.272(1.618の平方根)

⑤1.618

主な特徴を見てみましょう

①第3波のトップの位置目標は、第一波の波の高さに1.618をかけたものと、第二波のボトムとの和になる。

②第5波のトップの位置は、第1波の波の大きさに1.618の2倍である3.236を掛け、これを第1波のトップもプラスしたものが最大目標値となる。

③上昇トレンドの上昇波である第1波と第3波においては最少の戻しはだいたい38%。弱いトレンドにおいては最大の戻し幅は62%となります。また、50%も意識され、これはいわゆる1/3押し、半値押し、2/3押しとも一致しています。

このように、エリオット波動分析における戻しやブレイク後の高値がどこまで伸びるかというのを、フィボナッチ比率で測ると、一致することがあります。もちろん、そのポイントで確実に止まるわけではありませんが、エリオット波動やフィボナッチ比率は多くの投資家が見ているので、トレードにおける目安になります。

上昇トレンドにおける上昇波がこれは第1波なのか第3波なのか、もしくは下降トレンドにおける下降波が第1波なのか第3波なのか、そういったところを見極めながらトレードすると勝率を上げることができるのです。

実際の相場を分析してみよう(株・FX)

まずは、一目均衡表から見ていきましょう。

出典:SBI証券

日経平均株価の日足チャートにおける一目均衡表を見てみましょう。現在の日足は雲を下回っていて、遅行スパンも日足を大きく下回っています。転換線も基準線を下回り「三役逆転」の現象が起きています。一目均衡表の日足チャートでは弱気のシグナルが発生しています。

10月に入り大幅な下落をしているので、10月2日につけた24,448円が高値になる可能性もあります 。戻り局面もあるでしょうが、下値には十分注意が必要です。

続いて、エリオット波動です。

出典:外為オンライン

フィボナッチの典型的な例を見るために、過去のチャートですが、ユーロ円の長期月足チャートみてみましょう。2002年の3月から上昇トレンドを始め、5波動で高値を2008年8月に取っています。そこから3波かけて下がっています。上昇トレンドにおいては、第3波が一番長くなっています。

これはエリオット波動の原則に従っています。そして、第2波の安値が第1波のボトムを下回っていないこと。第4波が第1波のトップを下回っていないなど、典型的な上昇トレンドの動きとなっています。

下降トレンドにおいては、この上昇幅の50%ラインをサポートとして意識しています。下落はしていますが、この状態ではまだ底堅い状態だと判断できます。

このようにエリオット波動は相場の大局観を見るために役立つ分析手法です。基本的には、月足、週足、日足と長期から見ていきます。長期のトレンドの中で中期エリオット波動はどうなっているのか、また中期のトレンドの中で短期エリオット波動はどうなっているのか、ということを詳細に分析していくのです。

まとめ

今回は一目均衡表とエリオット波動論について見てきました。両者とも大きなトレンドを把握するのに役立つテクニカル指標です。その他に、トレンドを判断するテクニカル指標として有名な移動平均線などと組み合わせながら利用するとさらに精度が上がるでしょう。

ただし、これは他のトレンド系テクニカル指標にも言えることですが、もみあいに入ってしまうと、なかなか判断がつきにくくなります。今回の日経平均株価のように大きなトレンドを作っている時に利用するようにしましょう。

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一橋大学経済学部卒業。証券会社でマーケットアナリスト、デリバティブディーラーを経て、個人投資家に転身。投資歴は20年以上。現在は、日経225先物を中心に現物株・FX・CFDなど幅広い商品に投資しています。保有資格:証券外務員1種

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