金価格はどうなる?今後の展望と3つのおすすめ投資法

株式市場が不安定になると金の投資魅力が高まります。現在も、中東のイランやサウジアラビアと米国の関係悪化など地政学リスクが高まり、金の先高感が出ています。金価格はどのように決まっているのか、実際に金に投資するにはどのような手法があるのかを解説していきます。

金価格とは

金は実現資産です。金自体に価値があります。国家が破綻して紙切れになる恐れがある紙幣と違い、安心して保有することができます。

金は紀元前から通貨として流通し、1970年代までは金本位制がとられ、世界各国の通貨も金を中心として価値が決まっていました。金本位制が終了しても金の価値は変わりません。

株式や債券も発行している会社が倒産してしまうと紙屑同然になってしまいます。しかし、世界各国の中央銀行が支払い準備金として金を保有しており、世界中どこでも金の価値は変わりません。通貨との関係性も高いと言うメリットがあります。特に米ドルとの連動性が高く、逆相関の関係にあります。

金は天然資源ですから、埋蔵量には限りがあり、無価値にはなりません。また、先進国と発展途上国にかかわらず、金の価値は共通です。

人類が堀出してきた金の総量は、2016年末時点で約19万トン。一方で金の総量を価格に換算すると約7.7兆ドル(日本円で約850兆円)にもなります。いかに金の希少性が高いかがわかります。金の主な需要と用途を見てみましょう

出典:カブドットコム証券

宝飾品として使われているのは47%。約半分となっています。投資としては36%。1/3強となっています。ですから、金価格は現物の需要の他にも投機的な要素で決まる部分も多いのです。商品市場の中でも金は非常に人気があります。出来高もあるので、投資対象として妙味があります。

有事の金

世界情勢が混乱したり、戦争や紛争等の地政学リスクが起こったりした時は、金の人気が高まり、金価格が上昇します。

株が安い時や金利が低い時にも人気が高まり、金価格が上昇する傾向があります。ですから、株式を保有している投資家のリスクヘッジとして利用することもできます。世界経済の先行きが不透明感になり、株式市場や債券市場から投資資金が流出すると金が買われるのです。

金はインフレに強い

インフレになった場合は、通貨の価値は下落します。ドルやユーロなどの通貨価値は目減りします。しかし、金はインフレに強く、価格が上がるという特徴があります。インフレというのは物の値段が上がることです。ですから、相対的に通貨の価値は下がるのです。リーマンショック以降、金は株式や債券との逆相関(値動きが逆になること)がクローズアップされ、リスク分散の観点から年金基金等の機関投資家や、各国の中央銀行をも金の保有を増やしています。

出典:第一商品

2016年8月発表の中央銀行の外貨準備における金の保有上位20カ国です。世界の中央銀行が保有する金保有量は地上在庫の約18%なっています 。

金のデメリット

金には預貯金のような元本保証はありません。値動きがあるので、値上りすることがありますが、値下がりすることもあります。

また金は米ドル建て取引されることから、日本の投資家が金に投資する場合国際的な金価格の値動きだけでなくドル円相場の影響も受けます(円安になると国内金価格が上がり、円高になると下がります)

金利上昇リスク

銀行金利には利子がつき、株には配当があります。しかし、金にはそういった利子や配当金といったものがありません。逆に金は保管するための費用が発生します。低金利のときには金利があまり意識されませんが、金利が高くなると債券の利回りや、銀行の金利が上がってくるので、金の魅力が相対的に薄れてきます。

安定した経済状況では貯金や株の配当などで十分な利益が出せるので、利子がつかない金を買おうとする人は少なくなるのです。ただし、預金金利が3%でも、インフレ率が5%であれば「実質金利―インフレ率」はマイナスになってしまいます。これは、お金が目減りしてしまうことを意味しているので、金の魅力は相対的に上昇します。

盗難リスク

金の現物を手元で保管する際は、盗難のリスクがあります。

金のファンダメンタルズ

価格が安定する要因の1つに、インドや中国の経済成長による需要拡大があります。金の需要の中でも、特にインドと中国の消費者動向は、金価格に大きな影響を与えています。

歴史的にも文化的にも、金を好んできた背景があり、婚礼や祝祭での需要が金価格の変動に影響を与えています。景気が消費動向にも影響を与えることから、中国とインドの経済成長には注目する必要があります。

また、金を保有するだけでは、預貯金の利子や株式の配当の様にインカムゲインを得ることができません。インカムゲインとは、その商品を保有しているだけで得られる利益のことです。

ですから、金投資で利益を上げるには安く買って高く売る、もしくは高く売って安く買い戻すといった売却益(キャピタルゲイン)しか稼げる方法はありません。

金は守りの資産

金は短期で投資をして利益を得たいという人にはあまり向いていません。株式には配当があり、さらに企業の業績が良くなれば年間数10%値上がりする場合もあります。しかし、その分世界情勢次第で大きく下落するリスクもあります。

金投資に向いているのは、短期の利益というよりも、現在の資産を守りながら投資したい人に向いています例えば、世界同時株安や中東での地政学リスクなど、世界情勢が不安定な時にリスクを避けるために金投資は有効な手段となります。

ドルとの関係

金は世界共通の通貨とも言われています。実際に金本位制はもうありませんが、各国の中央銀行は通貨安など万が一に備えて今もなお大量の金を貯蔵しています。

そして実際に金価格はドルと逆相関(逆の値動き)の関係にあります。

  • ドルが上昇すると金価格は下落
  • ドルが下落すると金価格は上昇

金の値動きは、ドルやユーロなどの通貨と比較すると大きくなります。短期的な売却益を狙うヘッジファンドなど投機的な資金が入っているからです。

しかし、他の貴金属や石油などの商品相場と比べると、比較的安定した値動きをしています。つまり、金の値動きは通貨と商品の中間位の大きさとなっています。これは金が通貨と商品の2つの資質を持っているからです。

具体的に金とドル相場の比較チャートで見ていましょう

出典:Bloomberg

金のスポット価格とドルインデックス(ドル指数)の比較チャートです。金スポットは、外国為替取引のように、ほぼ24時間相対取引が行われているロコ・ロンドン・スポット市場の金価格です。ドルインデックスとは、主要国通貨(ユーロ、ポンド、円)に対するドルの総合的な価値を指数化したものです。

このチャートを見ると分かるように、ドルインデックスが上昇すると金のスポット価格は下がり、ドルインデックスが下落すると金のスポット価格が上昇しているのがわかります。

金価格の推移と今後の展望

過去45年の金価格の推移を見てみましょう

出典:第一商品

第二次オイルショックやイラン・イラク戦争の時に大きく上昇した金価格ですが、その後は下落傾向。ただし、2001年の米同時多発テロあたりから上昇を始め、リーマンショックをきっかけに大きく上昇した事が分かります。現在は1トロイオンス1200ドル前後でもみあっています。それでは、直近2年間のチャートを見てみましょう。

出典:SBI証券

金相場の先高感が広がっています。米国金利上昇による株式市場の下落によって、リスク回避的な買いが金相場に入ってきているのです。 またイランへの経済制裁、そしてサウジアラビアと米国の関係も緊迫しています。リスク回避的な動きが強まれば、本格的な上昇局面に入る可能性もあります。

金価格は今年に入ってから軟調な展開が続いていました。米国株式市場が高値を更新する中でアメリカ経済は好調。また、米国10年債が3%を超えるなど、ドルが強いことが原因と考えられます。

米国景気の拡大を背景に、米連邦準備理事会 (FRB) による段階的な利上げが2019年以降も続くとの観測があります。利息がつかない金にとって、金利の上昇は投資妙味が薄くなってしまいます。8月中旬には1トロイオンス1200ドルを割る水準まで下落しました。

しかし、8月下旬の国際経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で、 FRB のパウエル議長が過度な引き締めを避ける考えを表明すると、利上げペースが鈍るとの観測から買い戻しが入り1200ドル台を回復しました。

中東情勢も世界経済の不安定要素になってきました。11月に始まるイランへの経済制裁とともに、サウジアラビア人記者の殺害疑惑をめぐり、米議会でサウジアラビアの責任を追及する意見が出ています。中東における米国の有力な同盟国との対立激化は中東情勢の地政学リスクを高めかねません。

その他、中国や欧州においてもリスクがあり、世界各国でリスクが顕在化しています。リスク回避に弾みがつけば、1トロイオンス1250ドルを試す局面もあるという見方も出ています。

金投資おすすめ3つの方法

純金積立ならコツコツと積立投資が可能

初心者の方は純金積み立てから始めるのが良いでしょう。積み立てなので、細かい値動きを気にする必要はありません。また日々価格は変動しているので、ベストのタイミングで購入するのは困難です。小額の資金で純金積み立てを、ドルコスト平均法で買い付けていくのがおすすめです。

純金積み立ては自動積み立てですので、最初の手続きをすれば、後は何もする必要がありません。中長期でじっくり行うのが積立投資なので、できるだけ手前がかからない方法を選択しましょう。

積立投資は盗難リスクがない

積立投資は、積立会社が責任を持って保管するので、盗難などの心配がありません。自分で金を安全に保有しようとすると、金庫を購入するなど、お金がかかります。無料で保管してもらえるのはメリットといえます。

純金積み立ては証券会社でも行うことができます。おすすめの証券会社を三社ご案内します。

マネックス証券

マネックス証券のマネックス・ゴールドは、金・プラチナ・銀の3種類を毎月1000円から買付することが可能です。実物資産であるので株・債券などの有価証券とは異なる値動きをします。ですから、分散投資としてリスク分散の効果が期待できます。金は100グラム単位または1,000グラム単位で現物(地金)と交換することができます。

SBI証券

SBI 証券は、金とプラチナの積立投資ができます。積立投資は長期間コツコツ続けていく商品ですから、手数料はなるべく安い方がお得です。 SBI 証券では、業界最低水準の2.16%の買付手数料です。そして SBI 証券なら、金もプラチナもほぼ24時間リアルタイムで取引することができます。5秒ごとに参考価格が更新されるので、自分のタイミングで買い付けすることができます。最低購入買付価格は1,000円から。少額から毎月積み立てることが可能です。

楽天証券

楽天証券では、金・プラチナ・銀の積立投資ができます。全て毎月1,000円から積立可能です。楽天証券の口座を持っていれば、サービスの申し込みから積立投資金額設定まで、全てインターネットで手続きができます。

楽天証券では消費寄託を行っています。消費寄託とは、貴金属の所有権が楽天証券に移り、投資家は楽天証券に対して積み立てた貴金属と同種同量の返還請求権を取得することができます。つまり、万が一楽天証券が倒産した場合も、投資家の資産は保全されるという仕組みです。

CFDなら少額で大きな取引が可能

CFDとはContract For Differenceの頭文字を取った略語で、日本語では「差金決済」といいます。以下のような特徴があります

  • 取引手数料無料
  • レバレッジ最大20倍
  • 24時間取引可能
  • 買いだけではなく売りからも注文ができる

CFD には株式のような手数料がかかりません。ですから、 売買の時に余計なコストを気にすることはありません。また、少額の資金で大きな取引(レバレッジ取引)が可能です。

商品取引では約20倍のレバレッジをかけることができます。100万円の取引をしようと思ったら、5万円の証拠金で済むのです。取引時間はほぼ24時間。買いだけでなく、売りからも取引をすることができます 。

CFD取引はGMOクリック証券がおすすめ

CFD取引にはGMOクリック証券がおすすめです。取扱高が国内証券会社でナンバーワンであること、スプレッド(買値と売値の差)が狭いということが大きな理由です。

それでは、GMOクリック証券の金 CFD の概要を見ていきましょう。

出典:GMOクリック証券 2018年6月現在

GMOクリック証券の金スポットCFDは、外国為替取引のように、ほぼ24時間相対取引が行われているロコ・ロンドン・スポット市場の金価格を参照原資産とするCFDです。

ロコ・ロンドン・スポット市場では米ドルで取引されていますが、GMO クリック証券の金スポットCFDは、日本円での取引となります。

最低必要証拠金も約6,800円と1万円以下から取引を開始することができます。少額から取引できて、レバレッジで大きな取引が可能です。リスクを取りたい投資家におすすめします。

長期保有ならETFもおすすめ

ETFとはExchange Traded Fundの略で、「上場投資信託」と呼ばれています。特定の指数、例えば日経平均や東証株価指数(TOPIX)等の値動きに連動する運用成果を目指し、東京証券取引所などに上昇している投資信託のことです。

ETFは金や原油などに連動した商品も上場されています。 2004年11月に金価格に連動するように設計された ETFがニューヨーク市場に初めて上場されました。世界最大の金ETFである「SPDR ゴールドシェア」は、発行額に応じて金の現物を保有しており、金需要増大の要因の一つといわれています。

出典:第一商品

ETFのおすすめ銘柄

1540 純金上場信託

ETFの中で約75%のシェアを占めてダントツのナンバーワンとなっています。信託報酬は0.42%。信託等報酬とは、保有していると毎年取られるコストのことです。出来高があるので買いたい時に買えない、売りない時に売れないといった流動性リスクはほぼありません。

ETFは株式と同じように各証券会社を通じて購入することができます。売買単位が1株なので4000円前後で買付可能です。そこで、10万円以下の手数料が無料のネット証券をおすすめします。

SBI証券

楽天証券

松井証券

ETFは現物株との損益通算もでき、税金面でもお得です。長期保有におすすめです。

まとめ

金は希少価値があり、また株式や債券などとの相関係数が低いので、分散投資の効果が高い商品です。イランやサウジアラビアなど中東における地政学リスクが高まる中で金価格も先高観がでてきています。

金投資を始めるには、純金積立・ CFD・ETFがおすすめです。自分の投資スタイルにあった商品で金投資を始めてみてはいかがでしょうか。

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一橋大学経済学部卒業。証券会社でマーケットアナリスト、デリバティブディーラーを経て、個人投資家に転身。投資歴は20年以上。現在は、日経225先物を中心に現物株・FX・CFDなど幅広い商品に投資しています。保有資格:証券外務員1種

ブログ:先物オプション奮闘日誌 http://yanta.cocolog-nifty.com/

ツイッター:https://twitter.com/yanta2011

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