逃れられない2年縛りの罠!インターネットを切り替える方法はあるのか?

いつの間にか、スマホやPCの2年縛りという言葉が当たり前に聞かれるようになったのはごく近年のことです。あらゆる業界において、2年間の自動更新そして更新月のみ解約できるシステムという契約スタイルは、これまで特殊な場合を除きほとんど存在しなかったと言えます。

2年に一度だけ無料で解約できるチャンスが訪れる2年縛り。しかも手続きや移転工事にかかる日数などを考慮すれば実質は2週間ほどの間に次の2年間をどうするのかを決めなければなりません。

2年おきに2年後のことを予測できる人は一体何人くらいいるのか疑問です。その時々に応じて、自分にとって相応しい通信回線の種類が異なる可能性だってあるでしょう。なぜこのような契約システムになっているのか納得がいかないまま、必要不可欠であるインターネット回線を解約金を払ってまで変えるつもりはなく何年も使い続ける人は多いのが現状です。

今回は、この逃れられない2年縛りとは、そもそもどのような仕組みなのか、そして、なぜ更新月にしか解約できなくなってしまったのか、その原因を検証しながら、インターネットの切り替え方法を解説していきたいと思います。

ネット回線の2年縛りとは

通信回線の利用において、近年では2年縛りという、永遠に続く2年ごとの自動更新が当たり前の風潮となってきており、通信回線を必要とする私達は、長々と説明される契約内容をよくわからないまま承諾する以外に方法がないのが現状です。

その難解な仕組みは、さらに3年縛り、4年縛りへと発展してきています。

中には、最低契約期間のみで利用可能な通信サービスもありますが、ほんのごく僅かの業者になります。ユーザーの多くはおそらく、何だかよくわからないけど、まぁいいや的な感じで使い続けていると思います。

しかしながら心の中では、何か不公平な、府に落ちない気持ちでいる人は多いことでしょう。

そもそも2年縛りとは、正確にはどのような契約内容になるのかを、まずはご説明しましょう。

2年縛りの仕組み

通常、通信回線を利用する際には、通信会社と契約を結ぶことになっています。インターネットを利用する際に必要な契約は、

  • プロバイダー契約
  • 通信回線の契約

の2社との契約が必要になります。最近では、プロバイダーと通信回線が一体となった通信サービスもあり、1社だけとの契約で済む場合もあります。

通信会社との契約は、基本的に定められた期間はその回線を使用することを約束するものとなります。

そして、契約期間内に解約をする場合は解約金を支払うことを同時に約束することになっています。一般的な概念からいけば、2年間契約であれば、2年間さえ使えばいつでも解約できるものと思ってしまいます。

しかし、この2年縛りが厄介なのは、2年後に契約更新をした場合には、さらに2年間は使うことを約束しなければならないということです。基本的に2年後の契約が切れるその月にもし解約しなければ、延々と2年契約が繰り返されることになってしまうわけです。そして、通信会社は言います。

「大丈夫ですよ。更新月には解約しても解約金はかかりません。」

と、言われたユーザーは

「そんなものなのかな、何か納得いかないような気もするけど。」

と、契約を結びます。

さらに、オプションだの割引プランだのと安くなるからと言われて、料金プランはどんどん複雑化していき、お店を出る頃には何が何だかわけがわからない状態となるのが普通でしょう。

では、何故、このような仕組みが当たり前になってしまったのでしょうか。

以前はなかった2年縛り

このような契約スタイルが定着してしまった原因をつきとめるには、光回線自体がこの世に誕生した頃にさかのぼらなければなりません。

光回線というものは、2005年辺りから一般的に普及し始めた新しい通信回線で、VDSLとも呼ばれるデジタル通信の回線になります。

それ以前は、ADSLといういわゆる古いタイプのアナログ回線が主流でした。

古いタイプのアナログ回線と新しいデジタル回線は、基本的な情報伝達の方法が異なり、通信速度や一度に使えるデータ量に大きな違いが出てしまいます。

例えば・・・これまでは薪でお湯を沸かしていたものが、スイッチを押すだけでお湯が出てくるシステムに変わるくらいに、革新的なIT技術だったわけです。

この光回線を開発したのは国内では、NTTになります。NTTはデジタル通信の新しい光回線を全国的な規模で、ほぼ独占的に開拓していきました。

全国制覇するNTT

当時、NTTは都心部から、自社開発した光回線への切り替えを進めていき、徐々に領域を拡げていました。もともと電話回線会社であるNTTはその権限を最大限に活かして、全国制覇をするかの勢いで光回線の普及に成功しました。まずはすでに自分たちの古い回線を利用しているユーザー達をターゲットに攻めていきました。

NTTの強みは、固定電話をつなげている人であれば、全員の顧客情報を入手していることです。電話一本で、光回線への切り替えの契約を難なく進めていけます。そして、その頃NTTの光回線攻略の勢いをさらに加速させたのが、全国の代理店のコールセンターです。そのように電話1本かけるだけで、NTTは全国的な規模で光回線の契約を獲得し続けていったのです。

追いかけるKDDI(au)

少し遅れてKDDIも、自社開発したau光回線の提供に急ぎます。

かろうじてKDDIは自社の電話回線を持っていたため、NTTから顧客を奪われることを何とか最小限に食い止めていくことができました。しかし、NTTの勢いをただ眺めているだけでは、当時国内シェア2位だっとKDDIとNTTの差は開くばかりです。

KDDIはキャッシュバック、その他の豪華特典をつけてNTTに対抗していきます。

ソフトバンクの逆襲

そんな中、一番の犠牲者となったのが、ソフトバンクでした。一歩出遅れてしまった、ソフトバンクはかなり多くのユーザーをNTTやKDDIに取られてしまいました。

今でこそ、ソフトバンクは国内ではトップだったNTTを抜いて売上高は首位の通信会社ですが、当時は、光回線の提供にはちょっと出遅れてしまっていました。そのすきを狙うかのように、NTTはプロバイダーヤフーを利用しているユーザー達を一人残らず刈り取っていく勢いで、光回線への切り替えを押し進めていたのです。

光回線の出現によって、多くのユーザーを失ったソフトバンクは、自社でも光回線の提供を始めることで、NTTへの逆襲を始めていきます。ソフトバンクは、NTTに横取りされてしまったユーザーを取り返す、さらにはヤフーとは関係ないNTTユーザーをも奪っていきました。

まだ3番手だったソフトバンクは新規ユーザー獲得のために、携帯割引やキャッシュバックなどに力を入れて、ソフトバンクの魅力をアピールしてユーザー数を増やしていくのです。

大手3社の激しい争奪戦

光回線が普及し始めて、2010年辺りから、先頭をきっていたNTT、次を追いかけるKDDI、そして出遅れて逆襲を始めるソフトバンク、この3社による凄まじい光回線争奪戦が始まっていくのです。

この頃はまだ、最低利用期間が2年間、工事無料というのが3社に共通する契約内容でした。

早いもの勝ちかと思われた、光回線への切り替えは、やがて解約金キャッシュバック、特典による争奪戦へと切り替わっていきます。

他社の光回線を解約してくれるなら解約金を払うから、うちと契約しないか、

といった営業文句が3社それぞれから出てきます。奪い取っても奪い返される、契約しかけてもキャッシュバックや特典で横取りされる、この繰り返しが数年続いていくのです。さらに、電力会社、ケーブルTV会社、その他の業種も光回線に参入し始めて争奪戦は激しさを増していきます。

どうしたら、せっかく手にしたユーザーを引き留めることができるのだろうか・・・

そこで生まれたのが現在の2年縛りになるのです。

月額料金を割引する、特典をつける、機種変更を割安にする、無料のサービスを付けるなど付加サービスを付ける、

その代わり、2年おきに自動更新となる契約にしてもらう、この契約方法を3社それぞれが、ユーザーを逃さないための対策として実施していくことになります。ですので、ユーザー側が解約しづらい、不便だと感じるのは当然なのです。あえて、解約させないために考案された契約スタイルだからです。

いわば私達は大手3社による光回線争奪戦の犠牲者だとも言えるのです。

そして、この2年縛りの契約方法は、携帯、スマホにも波及していき、今となっては当たり前の現象となってしまったのです。

そもそも開通工事とは

と、以上のような流れで、2年縛りが定着してしまったわけですが、ここで疑問となるのは、5年、6年、7年と長い期間に渡って使っているのに、更新月以外での解約になぜ解約金が請求されてしまうのかということです。

最初の頃、通信会社が解約金として請求していたものは、回線を引くための工事費でした。

実質にかかる工事費

光回線はすでに電柱まで、回線が届いており、それを宅内に引き込む工事費が別途でかかることになります。大手3社の争奪戦でユーザー側が得たメリットというのは、引き込み工事にかかる費用がキャッシュバックしてもらえるというものでした。

2年縛りが出現する前の解約金とは、工事費代わりに払ったキャッシュバックの金額から利用月分を大まかに差し引いて返してくれ、といった内容になっていました。だいたいの工事費は建物の状況に応じて、約15,000円~30,000円前後ほどとなり、光回線を引く際には実質工事費の負担はないことが常識でした。

従来の解約金の仕組みとは・・・

工事費分をキャッシュバックで負担してくれる=最低2年は使って下さい

もし、2年未満で解約するならキャッシュバックの全額、または何%かを払って下さい

といった内容となり、これならば、ほとんどのユーザーは納得がいきます。

しかし、2年縛りで生じる解約金とはいったい何なのでしょうか。その辺に2年縛りの不透明さが残ってしまいます。

2年縛りの解約金として考えられるのは・・・

  • 工事費を無料にした分
  • 毎月割引をした分
  • 新機種の割引をした分
  • 新機種を分割OKにした分
  • オプションをつけた分
  • 無料のサービスをつけた分

などの内容となり・・・

もちろん、了承した上で契約するわけですが、何か判然としないものがあります。工事費は例えば2年くらい利用を継続することで相殺できるものです。割引がされたり、その他メリットを享受できたとしても、延々と続く2年縛りは何となく理不尽ではないかといった感が残ります。

それでも、ネット回線が必要である以上は、納得しようとしまいと契約せざる得ない状況だと言えます。

インターネットの切り替え方法

Man
2年縛りで契約してしまったら、インターネットの切り替えはどうすればいいの?
Expert

まず、2つの方法があります。

  1. 契約の更新月を調べて、更新月に切り替え手続きをする
  2. 解約金を払って、切り替えをする
Expert
たいていは2年縛り、プランによっては3年、4年契約となってしまいます。まずは契約内容を確認して更新月を調べる必要があります。更新月であれば、解約金を一切払うことなく解約手続きがして頂けます。

更新月は必ず電話で確認

複雑な料金プランに加えて、さらにややこしいのが更新月の認識です。ひと月勘違いしただけでも、違約金がかかってしまうので注意する必要があります。

契約が切れる月が更新月なのか、契約が切れた翌月が更新月なのか、それぞれの料金プラン契約内容によって異なります。それぞれの通信会社のマイアカウントでもご確認できますが、解約に関しては、細かいことまで必ず電話で確認するようにして下さい。

勘違いや、予定外にかかる費用、手順など、思いもよらない手続きが必要な場合などがあります。そういった事態が起きることで更新月を逃してしまう恐れがあります。(本当に厄介です!)

例えば、2019年の12月までが2年間の契約だとします。

自分の認識では、1月に解約すればいいと思っていたが、12月が更新月だという場合が多くなります。

解約金を払う場合

何かの事情があって、どうしても更新月まで待てない場合は、解約金、その他かかる費用をトータルで計算してもらいましょう。

そして、解約にかかる費用、またはそれ以上をキャッシュバックしてくれる他社回線を探すことができます。1つの通信会社でも、その他の様々な代理店が取り扱いをしており、時期によってキャッシュバックの金額や特典の内容などが異なります。

むしろ、切り替えることで、ちょっとした浮いたお金を作ることも可能です。

インターネットの種類

Man
僕の場合は、最初よくわからなくて通信会社を決めてしまったから、実際にどんなインターネットがあるのかが知りたいんだけど・・・

 

Expert

インターネットには、まず代表的な大手キャリアが3社あります。

NTT、 KDDI(au)ソフトバンク、他にも選択肢はたくさんあるので、いくつか紹介しておきましょう。

 

 

 

通信回線はたくさんある!

  • 大手キャリアのインターネット
  • 光コラボのインターネット
  • 電力会社のインターネット
  • ケーブルTV会社のインターネット
  • 家電量販店のインターネット
  • モバイルインターネット

切り替えようと思えば、これらの数えきれないほどたくさんある通信会社の中から、自分の希望に合った、条件に合ったインターネットを探すことができるのです。

それぞれのインターネットが独自のサービスや特典、料金プランを用意しています。もしかしたら、もっと安い料金で効率のいいサービスが他にもあるかもしれないのです。

切り替え計画を立てる

これから、ネット回線の見直しを検討していくのであれば、更新月や違約金を確認した上で2カ月くらい前から準備を進めていく必要があります。また、建物の環境によって、実際に回線が引けない場合、切り替えに時間がかかる場合もあるので、事前にしっかりとリサーチしておくことが大切です。

申し込みから工事までの期間は、10日~2週間くらいかかります。(状況によっては数日)

切り替えの大まかな流れをご紹介しておきますので、この機会に参考にしてみて下さい。

切り替えの大まかな流れ

  1. 更新月を確認する
  2. いつ解約するか予定を立てる
  3. 使えるインターネットを調べる
  4. 切り替え候補をいくつか挙げる
  5. 電話やチャットで切り替えの詳細を確認
  6. 数社を比較検討する
  7. 決めた通信サービスに申し込む
  8. 工事日を決める
  9. 開通する
  10. 従来の回線を解約する(状況によっては先に解約)

納得のいく通信サービスを探そう!

インターネットを選ぶ際には、人それぞれ優先したい項目が異なると思います。インターネットの切り替え先を探す際には、まずは何を優先したいのかをメモに書いておきましょう。

  • とにかく月額料金を安くしたい
  • 初期費用を安くしたい
  • 解約金をキャッシュバックしてほしい
  • 特典を重視したい
  • 映像サービスを重視したい
  • 電気代と一緒にセットにしたい
  • クラウドの利用をしたい
  • 通信速度を重視したい

など・・・

まずはどんなインターネットがあるのかを調べたい方は、

こちらのサイトでは全31社の情報がご覧になれます。

インターネットの価格を比較したい方は、

こちらで調べることができます。

また、ネット検索にて、

  • 電力会社のインターネット、家電量販店のインターネットなどと、キーワードを入れてみる方法
  • 映像サービス、高速通信などと条件を入れて検索してみる方法

なども試してみて下さい。

まとめ

2年縛りに縛られたまま、ずっと同じ回線を何となく使い続けていても、そのインターネットが本当に自分の要望に合ったものなのか、料金的にはどうなのかがわからなくなってしまいます。

単純にその通信会社が好きだからとか、サービスが気に入ってるのであれば、わざわざ手間をかけてまで切り替える必要はないと思います。

ただ、もし何となく2年縛りだし面倒くさいから・・・というのが理由であれば一度しっかりと見直してみることをおすすめします。通信回線そのものが複雑な仕組みであり、素人である私達にとって完全に理解するのは困難となり、多少不満に思いながらも切り替えることを見送っている人も多いと思います。

でも、実際には多種多様なサービスや料金プランがあり、契約内容もいろいろです。通信回線は、今となっては私達の生活には欠かせない必要不可欠なものであります。だからこそ、本当に納得のいく、満足できる料金やサービスを使っていきたいものです。

通信回線のことがよくわからなくとも、サポートサービスが充実しているところを選べば、1つ1つ丁寧に教えてくれて、接続等も全部任せることができます。

この機会に、2年縛りによって受けている恩恵は何なのか、果たしてそれは必要なものなのか、他にはどんなインターネットがあるのか、そして、結局今のままがいいのかどうかを1度しっかり見直しておきませんか?

 

コメントを残す