「株価」はどうやって決まる?株式投資の仕組みを徹底解説!

「株価」は、市場に参加する投資家の考え方や意見が反映されています。実際に投資を行う際には、株価で株式を購入したり売却したりします。株価はどのように決まっているのか、そして株価に影響を与える要因は何なのかということを、詳しくご説明させていただきます。

株価は投資家の需給で成立

株とは、株式会社が資金を集めるために発行する証明書のことです 。そして、東京証券取引所など取引所に上場すると「株価」で売買されます。株価とは、株式会社が発行する株式の時価を一株あたりで示した金額のことです。投資家同士の取引が成立するたびに、株価はリアルタイムに更新されていきます。

例えば日本を代表する企業であるソニーの株価を見てみると(2018年10月19日現在)

ソニー(証券コード:6758) 6341円

出典:楽天証券

となっています。買い注文の方が売り注文より多ければ、株価は上昇します。反対に、売り注文が多ければ株価は下がります。つまり、株価は投資家の需要と供給のバランスで成り立っているのです。この方式で株価が決まることを「オークション取引」と呼びます。非上場株式などは投資家同士で取引を行う「相対取引」が一般的です。

企業にとって、株価が上がっても直接儲かることはありません。発行された株は、株主が持っているからです。ですから、株価が上がれば株主(投資家)が利益を得るということになります。

株価は、一般的に株式市場で取引が行われている間は、企業の決算やニュース、海外市場の動向など様々な影響を受けて変動します。長期的にも短期的にも、また1日の間でも株価は変動します。その株価の値動きを表したものを「チャート」といいます。

さきほどのソニーのチャートを見てみましょう

出典:SBI証券

これは、ソニーの日足チャートです。横軸に日付、縦軸に株価が表示されています。「日足」とは、1日の株価の値動きを表したものです。一週間の値動きを表したものを「週足」、1ヶ月の値動きを表したものを「月足」と呼びます。このチャートは「ローソク足」で描かれています。ローソク足では、取引開始時についた値段を「始値」、取引時間中で最も高い値段を「高値」、最も安い値段を「安値」、そして最後についた値段を「終値」として4種類の値段(4本値)を使用します。

それでは、具体的にローソク足の解説をします。

始値より終値が高いローソク足を「陽線」と呼び、反対に始値より下落して終値が安いローソク足を「陰線」と呼びます。始値と終値で囲まれたボックスをローソク足の「実体」、実体から高値までの線を「上ひげ」、実体から安値までの線を「下ひげ」と呼びます。

証券取引所が開いている時間をザラバといいます。ザラバ中についた直近の取引価格を現在値といいます。東京証券取引所の取引所の取引時間は、9時から11時30分、12時30分から15時までとなっています。午前の取引を前場、午後の取引を後場といいます。

それでは実際に証券取引所に注文を出した場合にどのように株価が決まるのかを見ていきましょう 。

気配値とは

証券取引所に買い、または売りの指値注文が入っている気配のことを「気配値」といいます。つまり、買い方が買いたいという注文と、売り方が売りたいと希望する値段のことです 。買い気配値は買い注文で最も高い値段、売り気配値は売り注文で最も安い値段になります。通常は、現在値に近い価格の気配が入っていますが、買いか売りがどちらか一方的に多い場合は、極端に離れた買い気配、売り気配になることもあります

株式の注文方法には、「指値注文」「成行注文」の2種類があります。指値注文とは、買うまたは売る値段を自分で指定して注文する方法です。例えば、「1,000円で500株買い注文」や「1500円で500株売り注文といった使い方をします。成行注文は値段を指定しない注文方法です。「成行で1,000株の買い注文」とか「成行で500株の売り注文」といった使い方をします。買いの場合は、その時に出ている最も低い売り気配で注文が成立します。売りの場合は、最も高い買い気配で注文が成立します。

出典:SMBC日興証券

例えば,上のような注文がでていたとします。売り気配は450円で500株、460円で1,200株、470円で1,000株の売り注文が指値で出ています。買い気配は440円で500株、430円で1,000株、420円で2,000株の指値注文が出ています。

価格優先・時間優先・成行優先とは

株価の決定には「価格優先」と「時間優先」があります。価格優先とは、売りについては一番低い注文、450円の注文が優先されて取引が成立します。買いについては、一番高い値段440円が優先されて取引が成立します。

時間優先とは、例えば450円の売り注文500株の内訳が「9時10分にAさんが200株」、「9時30分にBさんが300株」の売り注文が出ていたとします。株数はBさんが100株多いものの、先に200株の売り注文を出したAさんの注文が先に約定(注文が成立)するということです。

また、同時刻で450円を買いたいという注文が、成行と指値で出た場合は、成行注文が優先されます。これを「成行優先」といいます。

ザラバ方式と板寄せ方式

今まで見てきたのは証券取引所が空いている時間(ザラバ)での取引決定方法でした。この決定方法を「ザラバ方式」といいます。市場に入ってくる注文を、次々とオークション(競争売買)の形式で、成行優先・価格優先・時間優先で約定させていきます。

ザラバ方式の他に板寄せ注文という売買成立方法があります 。板寄せ注文が行われるのは次の時です。

寄付(よりつき)       証券取引所が開始してその日の最初の売買

前引け(ぜんびけ)      前場の最後の取引

後場寄り(ごばより)     後場の最初の売買

大引け(おおびけ)      後場の最後の売買

この4つの場面で、毎日板寄せ方式が行われていますが、何かニュースが出て株式の取引が一時停止して再開する場合にも、同じように板寄せ方式が行われます。

板寄せ方式には時間優性の法則はなく、取引開始前、もしくは売買中断中の注文は全て同時に発注されたものとみなされます。そして、成行優先・価格優先で順位の高いものから約定させていきます。成行は全て約定。約定値段より高い買い指値と低い売り指値は全て約定。約定株価の買い指値また売り指値のどちらか全て約定し、他方は1単元以上が約定します。

呼値とは

呼値とは、証券取引所に買いまたは売りの指値注文を入れる際の価格の刻み幅のことで、株価によって異なります。例えば、3,000円超~5,000円以下は5円刻みなので、3,633円といった注文は出せません。3635円や3630円といった形で注文を出します。呼値はTOPIX100銘柄(★)とその他の銘柄で異なります。具体的には以下のようになっています。

出典:SMBC日興証券

★TOPIX100とは、東証一部上場銘柄の中で、時価総額及び流動性の高い大型株100銘柄で構成される株価指数のことです。トヨタ自動車やソフトバンク、ソニーなど有名企業が選出されています。

ストップ高・ストップ安とは

株価は、値段によって制限値幅が決まっています。制限値幅とは、株価が大きく動くと投資家に不利益を与えて混乱が生じるため、証券取引所によって1日の価格の変動幅が決められていることです。例えば、500円以上700円未満は100円です。 制限値幅の上限まで買われることを「ストップ高」、制限値幅の下限まで売られることを「ストップ安」といいます。制限値幅は、前日の終値によって決められます。ですから、前日終値が532円だとすると、制限値幅は100円なので、ストップ高は632円、ストップ安は432円です。この値段より上や下の値段がつくことはありません。

出典:カブドットコム証券

株価の決定要因

続いて、株価を決める要因について見ていきましょう。

需給と投資部門別売買動向

株価を決める最も大きな要因は需給です、買いたい人が多ければ株価は上がり、売りたい人が多ければ株価は下がります。それでは、株式市場にはどのような投資家が参加しているのかを見て行きましょう。

東京証券取引所は、毎週第四営業日(通常は木曜)に、投資部門別売買動向を発表しています。投資部門別売買動向は、証券会社(自己)と委託に分けられます。委託はさらに、投資信託、事業法人、個人投資家、外国人投資家に区別されます。

この中で株価に大きな影響を与えるのは、外国人投資家です株式の保有割合は30%ほどですが、東京証券取引所の売買代金に占める割合は60%を超えています。

外国人投資家の売買動向は注目されているので、それに追随する投資家もいます。ですから、外国人投資家の動向は株価に大きな影響を与えるのです。

株価を決定する外部要因、内部要因

株価の決定要因には、外部要因内部要因の2つがあります。それぞれ詳しく解説します。

外部要因とは、株式市場以外で株価が決まる要因のことです。例えば、景気や企業業績、金利や為替、海外動向など様々な要因があります。

内部要因とは、株式市場の需給関係です。先ほど説明した投資部門別売買動向の他に、信用取引の需給があります。信用取引とは、自分の資金や株式を担保に証券会社からお金を借りて、株式投資を行うことです。持っているお金の3倍まで取引ができるレバレッジ効果や、買いだけでなく売りからも利益が狙える空売りができます。

信用取引で一般的な制度信用取引では、6か月以内に決済の反対売買をしなければいけません。ですから、信用の買いは将来の売り需要になり、空売りは買い需要になります。

株価に影響を与えるニュースを「材料」といいます。為替や金利、海外の株式市場のニュースをマクロの材料、企業業績や、新商品、人事などミクロの材料があります。また、良いニュースで株価が上がることをプラス材料、悪いニュースで株価が下がることをマイナス材料といいます。ニュースが株価にどのような影響を与えるのかを見極めることが、株式投資においては大切になってきます。

株価を大きく動かす材料のことをサプライズと呼びます。例えば、企業業績の発表で、事前予想より上方修正して株価が大幅に値上りした場合は、「ポジティブサプライズ」と呼びます。逆に、下方修正して株価が大幅に値下がりした場合は、「ネガティブサプライズ」といいます。サプライズは、事前予想に対して結果が乖離していた場合に起こります。企業業績の他には、日銀の金融政策決定会合やアメリカFOMCなどの金融政策や、アメリカ雇用統計などの経済指標があります。

株価指数の種類

株価指数とは、個別企業の株価データではなく、マーケット全体を表す指数です。株式投資を行う上で、市場全体を把握するために、株価指数をチェックすることは大切です。

日経平均株価とは

日経平均株価とは、日本経済新聞社が東証一部に上場している企業の中から選んだ、日本を代表する225銘柄の平均株価のことです。 トヨタ自動車やソニー、キャノンなど有名企業が多く採用されています。

TOPIX(東証株価指数)とは

TOPIXは、東証一部の全銘柄を対象に算出される株価指数です。1968年1月4日の東証一部の時価総額を100とし、現在の時価総額を指数で示しています。時価総額とは、株価×発行済株式数のことです。日経平均株価が225銘柄を対象としているのに対し、TOPIXは 2,110銘柄(2018年10月現在)を対象にしているので、市場全体の動向を把握するのに役立ち、機関投資家の運用成績の評価尺度に使われています。

東証2部指数とは

東証2部指数は、東京証券取引所が算出・公表している東証2部に上場する株式、全銘柄を対象とする株価指数をいいます。TOPIXと同様に、時価総額加重型で算出される株価指数で、1968年1月4日の時価総額を100ポイントして、現在の時価総額を示しています。東証一部に比べると、比較的小粒で有名な銘柄が多いものの、東証マザーズ指数や日経ジャスダック指数などに比べて歴史のある企業が多く、業績も堅調な企業が多いという特徴があります。504銘柄が上場しています(2018年10月現在)。

東証マザーズ指数とは

東証マザーズ指数は、マザーズ市場に上場している銘柄を対象とした株価指数です。マザーズ市場は、東証一部や東証二部に比べて上場基準が非常に緩く、赤字の企業でも高い技術力や、今後の成長性があれば上場できることが特徴です。IT企業やバイオなど、今後の成長が見込まれる設立後間もないベンチャー企業が多く上場しています。東証一部へのステップアップを目指す成長企業向けの市場です。上場銘柄数は269銘柄です(2018年10月現在)。

ジャスダック指数とは

ジャスダック指数は、ジャスダック市場に上場する普通株式全銘柄を対象とする、時価総額加重型株価指数です。1991年10月28日を基準日で100とし、現在の時価総額を数値化しています。マザーズ市場と同様に、ベンチャー企業向けの市場です。ある程度成長していて存続可能な企業群(スタンダード)と将来性のある発展途上の企業(グロース)に分かれています。上場銘柄数は、ジャスダック・スタンダードが692銘柄、ジャスダック・グロースが37銘柄と、マザーズ市場より多くなっています。

出来高とは

出来高とは、 株式市場で売買が成立した株数のことです。銘柄ごとの売買株数はもちろんのこと、TOPIXなど株価市場全体の売買株数の合計も集計されています。出来高は相場の動きをつかむのに重要な指標の一つで、「出来高は株価に先行する」といわれています。出来高が増えると売買が活発になり、株価が上昇する、もしくは下落することが多いからです。出来高は東証一部銘柄の方が、東証二部や新興市場よりも多い傾向にあります。出来高が増える原因としては、好業績の発表や新商品の発表などのプラス材料、もしくは会社の不正や下方修正などのマイナス材料があります。

株価チャートでは上段にローソク足、下段に出来高を表示させるのが一般的です。株価の値動きと出来高が一目で把握できるからです。具体例として、ソニーの日足チャートを見てみましょう。

出典:SBI証券

赤丸の所が出来高の増えたところです。株価が大きく上昇したり、大きく下落したりしている時に、出来高が増えていることがわかります。

まとめ

今回は株式取引を行う際において重要な株価についてみてきました。

具体的には

  • 株価の値段は、どのように決まっているのか
  • 1日の値動きを表した日足や、一週間の値動きを表した週足などの見方
  • 株式の注文方法と約定方法
  • 株価の決定要因として、投資部門別売買動向や信用取引などの内部要因と、為替や金利、企業業績など株式市場以外の材料である外部要因
  • 株価指数の種類

などを見てきました。株価はどのように決まっているのか、そして株価が動く原因は何なのか、そういったことをきちんと把握しながら株式投資を行っていくようにしましょう。

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一橋大学経済学部卒業。証券会社でマーケットアナリスト、デリバティブディーラーを経て、個人投資家に転身。投資歴は20年以上。現在は、日経225先物を中心に現物株・FX・CFDなど幅広い商品に投資しています。保有資格:証券外務員1種

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