個人年金保険はデメリットが多い?メリット・デメリットを徹底比較

個人年金保険の概要や特徴についておさらい

「個人年金保険って入るべき?入らないべき?メリット・デメリットを知りたい!」

老後の経済的な計画を立てる上で、重要な要素になってくるのが「年金」だと思います。年金には様々な種類がありますが、選択肢の1つとして私的年金の中から「個人年金保険」を検討する方も多いはずです。

安定的な雇用が危ぶまれる中、退職金を満足に受け取れるのか分からないという不安や、少子高齢化の影響から年金を満足に受け取れない可能性が出てくる中で、私的年金を活用して自らしっかりと蓄えを備えて置こうと考える事は、大切な事だと思います。

しかし、個人年金保険って本当に加入するべきなのか?という点について、また1つ疑問が生まれると思います。なぜなら、個人年金保険の他にも私的年金は存在しますし、老後への貯蓄という観点から見た時に私的年金以外の選択肢もあるかもしれません。

そこで、この記事では個人年金保険に本当に加入するべきか?という点を探るために「個人年金保険の概要・特徴」「個人年金保険のメリット・デメリット」「メリット・デメリット別に考える必要な人・そうじゃない人」をご紹介していきたいと思います。

まず、はじめにしっかりと個人年金保険の必要性を考えるために、個人年金保険の概要や特徴をご紹介させて頂き、そもそも「個人年金保険とは?」という点から触れていきたいと思います。

個人年金保険の概要

個人年金保険の概要についてご紹介していきます。個人年金保険について簡単にまとめてしまうと「様々な形で老後の貯蓄を行える私的年金」だと言えます。

個人年金保険に加入するには、主に民間の保険会社と契約を結ぶ事が一般的であり「国民年金」「厚生年金」などの義務となっている公的な年金とは異なり、民間の保険会社と契約を結ぶため加入に関しては任意になっています。

年金と聞くと「義務」と感じてしまいますが、個人年金保険は「私的年金」に該当する加入に関しては任意になっている年金です。そのため「自分で老後へ備えるため」というニーズを汲み取っている保険だと言えるでしょう。

また、年金というよりも月々決まった保険料を支払い、自ら受け取り期間・支払い期間を調整出来るので「保険」という特性が強い商品になっています。個人年金にはいくつか種類があり、その種類を押さえる事によって個人年金保険の概要についても押さえる事が可能だと思います。

終身タイプの年金

まず、はじめにご紹介したい個人年金保険の種類は「終身年金」です。個人年金保険の終身年金では「生きている限り年金を受け取る事が可能」であり、「死亡した場合に年金の給付が終了する」という個人年金保険です。

この終身タイプの個人年金保険は、死亡するまで年金を受取る事が可能なので「一生涯」年金の代わりとして個人年金保険の給付を受け取る事が可能であり、年金の受給額に不安がある・備えをしっかりと行っておきたいという方におすすめです。

また、貯蓄を計画に使えるのか?という点について、自信がない方にもおすすめできる個人年金保険だと言えるでしょう。ただの貯蓄で、お金を銀行口座に入れてしまっているだけの人で、計画的にお金を使えないかもしれないという方は、終身タイプの個人年金保険を利用すれば生活費をある程度補填する事が可能です。

有期タイプの年金

次にご紹介したいのは有期タイプの個人年金保険です。有期タイプの個人年金保険では「生きている限り、一定期間」年金を受取る事が可能です。逆に言うと「死亡した場合、期間内であろうがなかろうが、遺族へお金を残せない」というものです。

一見、デメリットだらけの個人年金保険に思えてしまいますが、有期タイプの個人年金保険の主な用途は「年金受取りまでの繋ぎ」として利用される事が多いと言えるでしょう。

例えば、60歳に仕事を退職したが年金の受け取りは65歳というケースで、この5年間の生活を保証するために利用するというようなケースです。また、最も保険料が安い事が挙げられ、デメリットに感じられる部分も多いですが、用途によってはしっかりと活躍する個人年金保険です。

年金の受給期間が延長される可能性が低くない中で有期タイプの個人年金保険へのニーズは高くなっていくでしょう。

確定年金タイプの個人年金保険

最後にご紹介したい個人年金保険は確定年金タイプの個人年金保険です。確定年金タイプでは「生存・死亡に限らず、年金を一定期間」年金を受取る事が可能であり、もしも死亡してしまった場合は遺族に年金が支払われます。

確定年金のメリットはなんと言っても「遺族にも年金が支払われる」という点だと思います。公的年金では、死亡してしまった場合に年金の支払いが停止してしまいます。もしも、その時「扶養者」がいた場合、何か特別な事情で周りにお金が必要な人がいた場合に、しっかりとお金を残せるというのが大きなメリットでしょう。

生命保険等の保険金とプラスして、遺族への経済的な補填を行う事が可能です。また、もしも生存していた場合でも一定期間は必ず年金の給付を受ける事が可能なので「年金の受け取り」という部分に関しては「確定している」と言え、確定年金という名称通りの個人年金保険です。

保証期間で見る個人年金保険の種類

上記でご紹介しているタイプの個人年金保険は全て「受け取りの条件・期間」で、個人年金保険を分類しています。しかし、近年「終身タイプ」や「有期タイプ」から派生した個人年金保険が存在しています。

「終身タイプから派生したもの」「有期タイプから派生したもの」の2種類が存在し、このタイプの特徴についてもご紹介していきます。

保証期間付終身個人年金保険

まず、はじめにご紹介したいのは終身タイプから派生したタイプである「保証期間付終身年金」です。保証期間付終身年金では「生存している限り受け取れる」「しかし、保証期間に死亡した場合は遺族へ年金が支払われる」というタイプです。

このタイプは「終身タイプ」と「確定年金タイプ」がミックスされた保険であり、生きている限り年金を受取る事が出来るけど、もしも予め決めていた保証期間内に死亡したら保険金を受取る事が出来るという個人年金保険であり、最も「年金の給付」というものに対して保障を掛けている個人年金保険だと言えます。

保証期間付有期年金

保証期間付有期年金では「生きている限り、一定期間」年金を受取る事が可能であり、「保証期間内なら死亡した場合に遺族が年金を受け取れる」というものです。

この個人年金保険は「有期タイプ」と「確定年金タイプ」がミックスされた個人年金保険です。一般的に有期タイプの個人年金保険では、もしも年金の受給期間内に死亡した場合に大きな損失が考えられますが、一定期間なら遺族年金を回せる事で、その大きな損失を回避出来る個人年金保険です。

有期タイプに加入したいけど、死亡した際のリスクが気になるという方にはおすすめできる個人年金保険でしょう。

個人年金保険の特徴は?

個人年金保険の特徴は「自由に受け取り期間・保証期間を調整出来る」という点にあると思います。通常、公的年金では「死亡した場合に遺族へ年金を残す」と言ったような事や、受け取り期間を調整すると言ったような事が出来ません。

しかし個人年金保険の場合は、保険という特性が強いのでそのようなデメリットを回避出来ますし、各ニーズに合わせて年金の受け取り方を調整出来るというのが大きな特徴だと言えるでしょう。

また、変額個人年金保険という商品を利用すれば「外貨建て」で、個人年金保険の保険料を支払う事が可能になり、通貨の価値が下がってしまう「円安」「インフレ」などに備える事が可能になります。(投資に近い商品です。)

様々な形に調整出来る事が可能であり、各老後の計画に合わせた保険に組み替える事が可能です。この点が公的年金や他の私的年金には見られない一面だと思います。

個人年金保険の基本的な事・特徴などについては以下の記事で、もっと詳しくご紹介しています。

個人年金保険のメリット・デメリットは?

個人年金保険の概要・特徴が分かったところで、この記事の本題である「個人年金保険のメリット・デメリット」についてご紹介していきたいと思います。

個人年金保険のメリット

個人年金保険には、いくつかのメリットが挙げられますが、その中でも特に「強制力」「返戻率」という観点から、個人年金保険のメリットについてご紹介していきたいと思います。

個人年金保険の強制力

個人年金保険の最大のメリットは「強制力」というポイントだと思います。貯蓄系の保険・資産運用に共通するポイントなのですが「保険料の請求」という形で、半強制的に保険料という貯蓄を行っていく必要性があります。

魅力的な貯蓄計画を立てる方法は、ファイナンシャル・プランナーでなくても、インターネットで調べればいくらでも出てくると思います。しかし、問題は「本当にその貯蓄計画通りに貯蓄を行えるのか?」という点です。

もちろん、問題なく貯蓄を行える方ならこの点について大きなメリットを感じないかもしれませんが、これまで貯蓄に失敗してきた方やお金の管理があまり得意でない方にとっては、大きなメリットになると思います。

場合によっては大きな返戻率を期待出来る

次にご紹介したいメリットは、場合によっては大きな返戻率を期待出来るというポイントです。

返戻率とは?

返戻率とは、年金の受給額 ÷ 支払った保険料 で求める事の出来るパーセンテージの事です。返戻率を参考にする事によって、支払った保険料に対して実際にどのくらいお金が戻ってくるのか?という点を、知る事が可能になります。

返戻率を上げるポイントの基本は「出来るだけ据え置く」という点です。

例えば、同じように「500万円」を保険料として支払い、同じ支払い期間を設定した場合でも「20代から始めるのか?」「30代から始めるのか?」によって、支払い終わるタイミングは大きく異なりますよね?つまり、個人年金保険では「保険料の支払い」から「年金の受給」までに一定の期間が空くのです。

この保険料を保険会社に据え置く時間が長ければ、長いほど「返戻率はアップ」します。場合によっては3%~8%程度変化し、据え置く期間というのが「個人年金保険のお得度」を大きく変化するのです。

そのため、場合によっては大きな返戻率期待出来るというのは「早めに加入すればするほど、大きなリターンが期待できる」という意味であり、もしも20代・30代などの早めの期間から個人年金保険に加入出来る場合は、個人年金保険のメリット大きくなります。

個人年金保険のデメリットは?

個人年金保険のデメリットは「解約の損失」「インフレのリスク」という点が挙げられます。

解約の際の損失

どんな貯蓄系保険にも共通して言える事ですが「途中で解約すると大きく損失を出す」という点です。場合によっては、元本割れも十分に考えられます。

解約しなければ良いと言ってしまえば、その通りです。しかし、実際は「月々の保険料の負担が思ったよりも重かった」「経済的な事情からいきなりお金が必要になった」のような事態が起きてしまった場合に、保険を解約する必要性が出てくる事は十分に考えられます。

また、もしも解約した場合「1年~3年」という短い期間で解約した場合は「50%以下」になる事も多々あり、「解約しなければ良い」という一言では片付けられないほど大きなデメリットであると言えるでしょう。

そこで、しっかりと考えたいのは「契約内容」です。月々の負担が、現在の経済状況でしっかりと負担出来る金額なのか?という点や、もしも何かあったとしてもしっかりと支払える金額か?という点をしっかりと考慮して契約したいところです。

ただ、中途解約の際に大きな損失が考えられるのは、1つのデメリットだと言えるでしょう。

インフレのリスク

インフレのリスクというのも、しっかりと個人年金保険のリスクとして考慮したいところです。インフレ関する説明は、経済的な観点から様々な見方が出来ますが、個人年金保険において最も注目したいインフレの特性は「通貨の価値が下がる」というポイントです。

つまり、例えばこれまで「100円」で購入出来ていたパンが、インフレが発生し「120円」になったというようなケースです。このケースでは通貨の価値が低下し、物の価値が20%上がっている事になります。

個人年金保険は、定額(予め決まった額)しか受け取る事が出来ないので、仮に「600万円」という年金を受給出来る契約を結んでも、受給期間に同じ「600万円」の価値を持っているとは限りません

中途解約は工夫次第でどうにかなりますが、インフレのリスクについてはどうしようもない部分が大きいので、大きなリスク・デメリットだと言えます。

メリット・デメリット別に考える必要な人・そうじゃない人

先程、個人年金保険のメリット・デメリットについてご紹介させて頂いたので、最後に「メリット・デメリットから考える必要性」についてご紹介したいと思います。

メリットの大きさ・デメリットの大きさは人それぞれであり、それによって個人年金保険の必要性も大きく異なるので、自分自身に当てはめながら参考にしてみると良いと思います。

お金の管理が苦手な人はメリットが大きい

お金の管理が苦手な人はメリットが大きいと言えるでしょう。メリットで詳しくご紹介させて頂きましたが、保険料という強制力があるので貯蓄が苦手な方でもしっかりと貯蓄していく可能です。

また「お金の管理が苦手だけど、個人年金保険の保険料だけはしっかりと支払う」という認識が出来れば、中途解約をする可能性も少なくなると思いますし、若い内から加入すれば大きな返戻率も期待できます。

インフレのデメリットがあると言え、インフレであろうが・デフレであろうが貯蓄を行う事が重要なので「何かにしっかりと貯蓄をしておきたい」という方には、個人年金保険のメリットが大きく、必要性が高いと言えるでしょう。

お金の管理が得意な人・資産運用を行っている人にはデメリットが大きい

一方、個人年金保険のデメリットが大きくなる人は「お金の管理が得意な人」「資産運用を行っている人」だと思います。このような方は経済状況に合わせて、それに沿った金融商品・投資対象を見つけて上手に資産を増やしていけば、個人年金保険以上の返戻率を得られる可能性が高いです。

また、金融商品や投資対象を変える事が出来るというのは、インフレのようなリスクにも対応できる(状況に合わせて投資対象・貯蓄する場所を変更出来るため)というメリットもあり、上記に該当する方はメリットが少なく、デメリットが大きくなる可能性が高いと言えるでしょう。

そのため、個人年金保険に保険料を支払う資金があるなら、適正な貯蓄方法・資産運用に資金を回した方が良いと言えるでしょう。ただ、保険料さえ支払っておけば必ず年金を受給する事が出来るので、何かあった時のための保険として加入しておくのも十分に選択肢の1つとしてはありだと言えます。

まとめ

個人年金保険の概要・特徴について

  • 個人年金保険は公的年金を補填するためのもの
  • 自由度の高い年金というのが大きなポイント

個人年金保険のメリット・デメリット

  • 強制力があるからしっかりと貯蓄していける
  • 大きな返戻率を期待できる
  • 中途解約の損失が大きくなる可能性がある
  • インフレのリスクがある

個人年金保険が必要な人・そうじゃない人

  • お金の管理が苦手な人は必要性が高い
  • 資産運用を行っている人にはデメリットが大きい

この記事では個人年金保険の概要・特徴、個人年金保険のメリット・デメリット、個人年金保険の必要性等についてご紹介させて頂きました。

個人年金保険は、公的年金を補填する事が可能な私的年金という側面もありますが、受給期間や支払い期間を調整しやすい便利な保険という側面もあります。インフレや中途解約のリスク・デメリットはありますが、それでも老後に不安がある人には十分に選択肢に入る保険だと言えるでしょう。

senna
senna
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金融業界経験 4年 個人投資家 3年

個人投資家として「株式」「債権」「FX」「仮想通貨」などへの投資・投機を中心的に行っている。

資産運用はもちろん、ファイナンシャルプランナーの知識を活かしながら、税金やライフプランに関する情報発信を行っている。

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