「株」って何?初心者のための株式投資の始め方

株式投資を始める上で、まずは株の仕組みを知っておきましょう。 株とはどういうものなのか、株を買えばどのような権利がもらえるのか。また、取引する際に証券取引所や証券会社はどのような役割を担っているのか。そういったことをきちんと理解して株式投資を始めるようにしましょう。

株とは何か?を詳しく解説

まずは「株」の仕組みについて解説していきます。

株(正式名称は株式)とは会社のオーナーになること

企業が事業を行う際、資金を調達する必要があります。株式会社では事業資金を提供してくれる出資者に「株式」という証書を発行します。出資した人を「株主」と呼びます。事業に必要な資金を一人で提供するのはリスクが高いので、通常は多くの出資者を募り、事業資金を小口に分けて大勢から出資してもらいます。 「株を買う」ということは、その企業に出資し事業資金を提供していることを意味し、会社のオーナーの一人になるということです。

出典:ヤフーファイナンス

株主の権利を知ろう

株主の権利には株主総会への参加(議決権)、配当金を受け取る(利益配当請求権)、株主優待の三つがあります。それぞれ見ていきましょう。

株主総会への参加(議決権)

株式会社の意思決定の最高機関である株主総会に出席して、経営に関する決議に参加できる権利です。 持っている株式数が多いほど株主総会での発言力が高まります。

配当金を受け取る(利益配当請求権)

株式を購入した企業が事業で生んだ利益の一部を配当金として受け取れる権利です。業績が良ければ利益分配として受け取れる配当金が増えます。さらに、株価が上昇し売却益を得ることもできます。

株主優待

株主優待とは、企業が株主に配当金とは別にサービスやモノを提供する制度です。上場企業約4,000社のうち約1/3の1,300社が株主優待制度を導入しています。

株主の権利を得るためには?

株主の権利を得るためには権利確定日までに株式を買い付けておく必要があります。

出典:SBI証券

例えば、権利確定日が20日(金)だった場合、3営業日前の17(火)が権利付最終日となるので、その日までに株式の買い付けする必要があります。

株主還元とは

配当金や株主優待は資金を出してくれた株主に対するお礼です。これを「株主還元」といいます。株主還元策としてはこの他に株式分割自社株買いがあります。

株式分割とは発行済株式数を増やして既存株主に株式を分配します。 株主が保有する全体の資産価値が変わらずに、保有株数が増えます。

自社株買いとは、企業が発行した株式をその企業が市場価格で買い戻すことをいいます。企業は買い戻した後に株式を消却することで発行済株数を減らし、一株あたりの利益や資産価値を向上させることができます。その結果、株価が上昇し、株主の資産価値が上昇します。

次は、株式が実際にどのように取引されるかを見ていきましょう。

株式はどのように売買されるのか

株式はどのように売買されるのでしょうか。まずは株の取引きが行われる証券取引所から見ていきます。

証券取引所は株の売買を行う場所

株式を手にする場合、その企業から直接受け取ることはほとんどありません。一般に流通していない企業の株式を購入することは困難なことです。しかし、株式会社が証券取引所に上場していれば、証券会社を通じて購入することができます。

現在、国内の証券取引所に上場している株式会社は約4,000社あります。 証券取引所は株を買いたい人、売りたい人同士がスムーズに売買する場所、つまり株式市場を作ったのです。証券取引所は上場企業と投資家をつなぐ重要な役割を担っているのです。

★JPXは日本取引所グループのことです(東京証券取引所、大阪取引所など)

出典:東証

株式の売買を行う場所を証券取引所(金融商品取引所)といいます。現在日本の証券取引所は東京・名古屋・札幌・福岡の4ヶ所あります。ただ現物株の売買の90%以上は東京証券取引所で行われているので、ほとんど東京証券取引の独占状態となっています。

東京証券取引所の時価総額(株価 × 発行済株式数)は約700兆円。米国のニューヨーク市場、ナスダック市場に次ぐ世界第3位の規模になっています。

株式の買いたい、売りたい側両方の希望を聞き、コンピューターで折り合いをつけた値段を「株価」と言います。証券取引所に投資家の注文を集中させて取引を行っているのです。それでは株式の注文方法を見ていきましょう。

株式の注文はオークション方式

オークション方式とは売り手と買い手の注文の条件が一致すると売買が成立することです。「価格優先」「時間優先」の原則に基づいて売買が行われています。

「価格優先」とは、買いの場合には「より高い値段で買いたいという注文」を、売りの場合には「より低い値段で売りたいという注文」が優先されます。

「時間優先」とは同じ注文価格であった場合は、注文を先に出した方が優先されて取引が成立するという原則です。

オークション方式では流通株数が少なく、買いか売りどちらかに偏っている株式は、売買が成立しない場合があります 。

株式の注文方法は2種類

株式の注文は指値(さしね)成行(なりゆき)の二種類があります 。

指値注文は希望する価格を指定します。例えば株価1,000円で指値の買い注文をすると、1,000円で売ってくれる相手方がいれば売買が成立します。

成行注文は価格に関わらず、市場に注文が出ていれば即時に売買が成立します。どの値段でも買いたい、もしくは売りたいという時には便利ですが、いくらで取引が成立するかはわかりません。思わぬ値段で注文が成立する時もあるので、注意が必要です。

東京証券取引所四つの市場を詳しく解説

証券取引所は、東京・名古屋・福岡・札幌の四つがあります。ただ株式売買の90%以上を東京証券取引所が占めているので、ここでは東京証券取引所についてみていきます。

東京証券取引所は東証一部・東証二部・ジャスダック・マザーズの四つの株式市場を運営しています。

東証一部の上場基準が一番厳しく、マザーズが一番緩い上場基準になっています。

つまり上場基準は東証一部が一番厳しく、下に行くほど審査基準が緩くなります。

東証一部

東証二部

ジャスダック

マザーズ

東証一部はトヨタやソニーなど日本を代表する大企業が数多く上場しています 。東証二部は、東証一部に比べて規模が小さく、流動性も乏しい中小企業が上場しています。 ジャスダックやマザーズは新興市場と呼ばれ、ベンチャー企業などが上場する市場です。次は株式を取引可能な時間を見ていきます。

株式の取引時間前場と後場

証券取引所では株を取引できる時間が決まっています。東京証券取引所投資東証における現物株取引は9時から11時30分までの午前中の取引を「前場」、12時30分から15時までの午後の取引を「後場」といいます。つまり東証で株を取引できる時間は1日5時間となります。次に、株のリスクを見ていきましょう。

株式のリスクは3つ

一般的にリスクとは危険や損失を表しますが、株のリスクは「起こりそうだが、どの程度の確率で起こるかがわからない」という意味です。主に次の3つがあります

①価格変動リスク

②信用リスク

③流動性リスク

それぞれ説明していきます。

株式の価格変動リスク

株価が市場の需給関係などで変動し、買付した価格よりも株価が下がることです。株価というのは市場で取引され、常に価格が変動しています。上昇することもありますが、下落することもあります。そうすると損失になってしまいますので、例えば10%株価が下がったら決済するなど、必ず損切り注文を入れておくようにしましょう。

株式の信用リスク

買付した上場企業が倒産して、株価がゼロになる可能性があります。売上が減少している企業や、赤字が続いている企業は倒産リスクがあるので避けなければならなりません。そのためには、財務諸表分析をしっかり行いましょう。また決算書には、継続疑義の注記がある企業があります。そういった企業は売上が極端に落ちていたり、赤字が連続していたりするので買付けする際は注意が必要です。

株式の流動性リスク

取引が少ない株式では買いたい値段で買えない、売りたい値段で売れない、といった流動性リスクがあります。 取引の状況を見て売値と買値の差が開いていないか、1日の出来高があるのかどうか、そういったことを株式の買い付けする前に確認するようにしましょう。

次は、実際に株の取り引きを行うために、証券会社に口座を開きましょう。

証券会社に口座を開こう!

証券会社は、投資家の注文を証券取引所に取り次ぐ株式会社のことです。証券会社で口座を開いて実際に売買するにはどうすればいいのかを見ていきます。

証券会社に口座を開設

株式を取引するためには、証券会社に証券取引口座を作る必要があります。証券会社ごとに異なりますが、売買の委託、保護預かりや代金の決済などを持つ証券総合口座となっているのが一般的です。

株式の取引には前受金が必要

前受け金とは、株の取引きをする前に、取引代金を証券会社にあらかじめ預けておくことです。前受金の目的は、誤って残高以上の株式を買ってしまわないようにすることや、犯罪を防ぐためです。

銘柄と銘柄コード

証券取引所に上場している株式会社の会社名を銘柄といいます。銘柄にはそれぞれ4桁の銘柄コードがあります。例えば「ソニー:6758」「トヨタ:7203」「ソフトバンク:9984」です。株価を見る時や注文を出すときに、この銘柄コードで検索すると簡単に行うことができます。

売買委託手数料

株式を買うときと売るとき、それぞれ売買委託手数料がかかります。株式を売買する際は証券会社に取り次ぎを依頼します。これが株式の注文です。その時に証券会社に支払う手数料を売買委託手数料といます。売買委託手数料は証券会社によって異なります。野村証券や大和証券など対面取引の証券会社は売買委託手数料が多く、 SBI 証券や松井証券などのネット証券での売買手数料は安くなっています。

一般に約定代金(株価×数量)が高ければ高いほど売買委託手数料も高くなっています。ただし、最低売買委託手数料も決まっているので、あまりにも少額ですと割高売買委託手数料は割高になることもあります。例としてネット証券最大手の SBI の現物株式手数料を見てみましょう。

出典 SBI証券

SBI 証券では一回ごとの取引に手数料がかかるスタンダードプランと、1日の約定代金合計額で手数料が決まるアクティブプランの2種類があります。このように10万円までや50万円までなど売買委託手数料が約定代金に応じて決まっているのが分かると思います。

株式の受渡し

株式取引が成立すると代金と株券の決済が行われます。この決済の事を受渡しと呼びます。現在の株式市場では、約定した日を1日目として4営業日目に受け渡しが行われます。

買い注文では約定日から計算して、4営業日目に購入代金を引き渡して、株式を受け取ります。売り注文では約定日から計算して、4営業日に保有株式を引き渡して、売買代金を受け取ります。具体的に見ていきましょう。

出典 クリック証券

上図のように、26日の火曜日に株式の買付けを行った場合、受け渡しは29日(金)になります。

下図のように、27日の水曜日に株式の買付けを行った場合は、30日(土)と31日(日)は営業日ではないので、受渡しは翌月の1日となります。

株式の保管はどのようになっている?

買い付けした株式が安全に保管されている仕組みや、名義に関して解説します。

株式はすべて「ほふり」名義

投資家の株式は、証券会社を通じて証券保管振替機構「ほふり」に預けられ、証券保管振替制度の管理下にあります 。「ほふり」に預けた株券の名義人は「ほふり」になっています。投資家は実質的な株主として、株主名簿に記載されます。これにより配当金や株主優待などを受けることができるのです。2009年1月に株券の電子化が進められたので、本人名義というのはなくなりました。現在ではすべて「ほふり」名義になっているのです。

分別管理

証券会社が保有するお金や有価証券などの資産と、投資家から預かった資産は分けて保管するように金融商品取引法で決まっています。これを分別管理と言います。分別管理が行われることで、証券会社が万が一破綻した場合でも投資家の資産は返却されます。 そして倒産した証券会社が法令に反して分別管理を行っていない場合でも、投資家一人当たり1000万円を限度額として投資者保護基金に保証されています。

株式の種類を知ろう

最後に株式の種類や分類を見ていきましょう。

時価総額と流動性で分類される大型株・中型株・小型株

株式の時価総額(株価 × 発行済株式数)と流動性(出来高)に応じて大型株・中型株・小型株の三つに分類されます。

東京証券取引所の「規模別株価指数」では東証一部銘柄について、時価総額と流動性の高い上位100銘柄「大型株」、大型株についで時価総額や流動性が高い上位400銘柄を「中型株」それ以外の株を「小型株」と区別しています。

大型株は発行済株式数が多く、売買も活発であることから、値動きは比較的小幅です。一方、流通する株式数が少ない株価小型株は、ニュースなど材料が出ると大きく株価が動くという傾向があります。

成長性や業績内容で分類される成長株(グロース株)と割安株(バリュー株)

成長株(グロース株)とは企業業績が好調で、さらに売上の成長が期待でき、財務体質が健全な銘柄を言います。特に機関投資家や外国人投資家など中長期的な運用資金の投資対象として人気があります。株価が高く、最先端の技術を持つ企業や流行の業種の企業が多くなります。株価を分析する指標である PER や PBR が高いのが一般的です。

PERとは「株価収益率」のことで、株価をEPS(1株当たり純利益)で割った指標です。PERが低いほど株価は割安と判断されます。

PBRとは「株価純資産倍率」のことで、株価をBPS(1株当たり純資産)で割った指標です。PBRも低いほど割安と判断されます。

割安株(バリュー株)とは、企業本来の価値(売上や業績)から見て割安な状態の銘柄です。 一般に、 PER が10倍以下、 PBR が1倍以下であれば割安であると判断します。

株価が割安と判断する株価で買い付けを行うので、下値余地が小さく、長期保有するのに適した銘柄が多くなります。また、株価が安いので、配当利回り(配当 ÷ 株価)が高いというのも利点です。

株価水準によって分類される値がさ株と低位株

一般的に株価が3,000円以上の株を「値がさ株」、500円以下の株を「低位株」、それ以外の株を「中位株」と呼びます。

値がさ株には、電気機器や通信サービスの業種が多く、ハイテク企業やIT関連などの成長性の高い企業が多く含まれています。

低位株には業績不振の会社の株や、発行済株式数が多い大型株が多くなります。発行済株式数が多いと、値段が大きく動くことが少ないからです。 メリットとしては、少ない資金から投資をすることができる、値上がり時の上昇率が高いなどがあります。

まとめ

今回の記事では、株式の仕組みや証券取引所の役割、実際に証券会社に口座を開いてどのように株を売買すればいいのかなどを見てきました。株式投資では利益を上げることが一番の目的ですが、その前に株式の仕組みや、取引方法をきちんと理解しておかなければなりません。 実際に取引を行う上で参考になれば幸いです。

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一橋大学経済学部卒業。証券会社でマーケットアナリスト、デリバティブディーラーを経て、個人投資家に転身。投資歴は20年以上。現在は、日経225先物を中心に現物株・FX・CFDなど幅広い商品に投資しています。保有資格:証券外務員1種

ブログ:先物オプション奮闘日誌 http://yanta.cocolog-nifty.com/

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