市場ごとの特徴を把握して取引銘柄を決めよう!

東京証券取引所(東証)には東証一部、東証二部、ジャスダック、マザーズの四市場があります。上場基準も異なり、上場している企業の顔ぶれも異なります。それぞれの市場にどのような特徴があるのか、そして代表的な銘柄をご紹介していきます。

東京証券取引所の特徴

日本取引所グループの子会社で日本最大の金融商品取引所です。株式を中心とする有価証券が売買される現物市場を受け持っています。 米国ニューヨーク市場、英国ロンドン証券取引所と共に「世界三大市場」とされています。

上場会社数は3,835社(2018年10月現在)。世界の現物株式市場で第3位となっています。

市場ごとの上場企業数は以下のようになっています。

  • 東証一部         2,111社
  • 東証二部            504社
  • マザーズ         264社
  • ジャスダックスタンダード 691社
  • ジャスダックグロース   37社

東京証券取引所の市場ごとの位置づけ

上場基準は左側ほど厳しくなります。

東証一部←東証二部←ジャスダック・スタンダード←マザーズ←ジャスダック・グロース

このように、東証一部になるほど上場審査基準が厳しくなります。ただし、必ずしも一番下のジャスダックグロースから上場しなければいけないというわけではなく、ジャスダックスタンダードから、もしくは東証二部、東証一部に直接上場することもできます。つまり、審査基準を満たしているかどうかというのが基準になるのです

東証一部の特徴

まずは東証一部から見ていきましょう。東証一部上場基準は次のようになります。

  • 株主数     2,200人以上
  • 時価総額 250億円以上
  • 流通株式数 20,000単位以上
  • 連結純資産10億以上

東証一部は東京証券取引所に上場する全株式の時価総額の9割を占めます。

例えばトヨタ(証券コード:7203)ソニー(証券コード:6758)ソフトバンク(証券コード:9984)など日本を代表する企業が多く東証一部に上場しています。

東証が定める厳しい審査基準をクリアした企業です。審査基準には、株主数や時価総額、純資産、利益、設立年数など様々な基準を満たす必要があります。その他に高額な審査料や手数料がかかります。

企業が東証一部上場を目指す2つの理由

資金調達が容易になる

東証一部というのは企業への信頼を表しています。例えば公募などで資金を調達する場合にも東証一部だと集めやすくなります。 それによって新たな設備投資や、新規事業への進出が容易になるのです。

知名度や社会的な信頼度が上がる

厳しい東証一部の審査基準を満たしているということで社会的に企業への知名度や信頼度が増します。新聞の株価欄にも株価が乗るなど企業のステータスも上がります。 そして、東証一部上場企業ということで知名度が上がるため優秀な社員を集めやすくなり、従業員のモチベーションアップにもつながるのです。

東証一部全体の値動きを表す代表的な株価指数はTOPIX(東証株価指数)です。

TOPIXは東証一部に上場している全銘柄の時価総額を指数化したものです。 1968年1月4日の時価総額を100として現在の時価総額がどのくらいになっているかを表しています。銀行や通信など内需株の影響が大きくなっています。

時価総額トップ3はトヨタ自動車(証券コード:7203)、 ソフトバンク(証券コード:9984)、 NTT ドコモ(証券コード:9437)です。 時価総額が大きいほどTOPIXに与える影響は大きくなります。

代表的な株価指数としては日経平均株価もありますが、構成銘柄が225銘柄で、ファーストリテイリングなど一部の銘柄で大きく動くので、日本株全体を表しているのは東証一部全銘柄が構成銘柄であるTOPIXです。それでは、TOPIXの過去の値動きを見てみましょう。

TOPIXチャート

出典 SBI証券

日経平均株価は27年ぶりの高値を取ってきましたが、TOPIXはまだ出遅れています。低金利政策で株価が冴えない銀行株など内需企業の影響が大きいので、 年初来高値を更新するのはまだ時間がかかりそうです。

次に東証二部市場を見ていきます。

東証二部の特徴

まずは東証二部市場の上場基準を見てみましょう

上場基準

  • 株主数800人以上
  • 時価総額20億円以上
  • 流通株式数4000単位以上
  • 連結純資産10億以上
  • 3年以上継続的に事業を行っていること

東証二部は東証一部に比べて時価総額が小さく中小型株が多く上場しています

東証二部に上場していて、東証一部の上場基準を満たしていれば一部に昇格することができます。一方、時価総額や株主数が一部基準を下回ったり、債務超過が確認されたりすると一部から二部への降格があります。例えばシャープです。

2016年8月、シャープは東証一部から東証二部に指定替されました。2016年3月末時点で債務超過となったためです。

一部から二部に降格すると、TOPIX などで運用しているインデックスファンドなどから売りが出て株価が下がってしまいます。二部に指定替えになると需給が悪化してしまうのです。

東証一部を目指す企業でも最初は東証二部に上場申請するのが通常です。時価総額や株主数などの基準が東証一部では二部よりも厳しいからです。まず東証二部に上場して東証一部上場基準を満たし、数年後に東証一部に昇格を目指します。次の表で東証一部、東証二部の上場審査基準と、東証二部から東証一部指定の形式要件を見てみましょう。

出典 オールアバウト

このように、例えば上場審査基準では東証二部は株主数が800人以上なのに対し、東証1部では2,200人以上必要なこと,時価総額では東証二部が20億円以上で大丈夫なのに対し、東証一部では10倍以上の250億円が必要になります。

東証二部指数

東証二部指数もTOPIX同様、時価総額基準で算出される指数で、1968年1月4日の時価総額を100ポイントとした場合、現在の時価総額がどの程度かを示しています。それでは過去2年間のチャートを見てみましょう。

出典 SBI証券

昨年は右肩上がりの上昇が続いてきた東証二部指数ですが、今年は7,000ポイントから7,500ポイントでのもみあいが続いています。東証2部指数は独自の動きをすることが多く、例えば東証一部銘柄はアメリカや中国など海外市場の動向に影響を受けますが、内需の中小型株が多い東証二部市場では、企業本来の価値(ファンダメンタルズ)で動くことが多くなります。

新興市場の特徴(マザーズ・ジャスダック)

次に新興市場を見ていきます。まずはジャスダック市場からです。

ジャスダック市場

ジャスダック上場基準は次のようになります。

  • 株主数200人以上
  • 時価総額5億円以上
  • 流通株式数1000単位以上
  • 一年以上継続的に事業を行っていること

ジャスダックは成長企業が集まる市場で、元はアメリカのナスダックに倣って名前が付けられました。日本初の新興企業向け市場だったジャスダック。最初は取引所ではなく、証券会社の店頭で売買する店頭市場として誕生しました。

現在は証券取引所で売買され、マザーズを大幅に上回る銘柄数があります。そして歴史が長いためベンチャーとは言えない企業も数多くあります。

ジャスダック市場はスタンダード市場とグロース市場に分けられます。ジャスダック・スタンダード市場は上場にある程度の実績が必要です。一方、ジャスダック・グロース市場は赤字でも上場でき、将来性重視の市場です。

ジャスダック指数

出典 SBI証券

ジャスダック指数は昨年大幅に上昇しましたが、今年に入り下落基調が続いています。日経平均株価が27年ぶりの高値を更新するなど東証一部銘柄が堅調な動きをしているのに対し、新興市場には資金が回ってきていません。 特に個人投資家の動きが鈍いというのが軟調な値動きの原因となっています。続いてマザーズ市場です。

マザーズ市場

東証マザーズには、将来東証一部を目指す企業が上場しています。

上場基準は以下のようになっています。

  • 株主数200人以上
  • 時価総額10億円以上
  • 流通株式数2000単位上
  • 1年以上継続的に授業を行っていること

マザーズとは「東証一部への上場を視野に入れた成長企業向けの市場」です。上場基準は東証一部や二部に比べると緩く設定されていて、利益や時価総額よりも高い成長率が重視されるので、設立年数が浅いベンチャー企業や赤字の企業も上場することが可能です。

出典 SBI証券

マザーズ指数はジャスダック指数よりもさらに落ち込みがひどくなっています。1月26日の高値1,367.86ポイントから3割ほど安い水準にあります。マザーズ指数の特徴としては、バイオやゲーム株などが多いことがあげられます。これらの銘柄は年初から軟調な動きが続いています。1,000ポイントはキープしているものの,しばらく軟調な展開が続きそうです

各市場の代表銘柄

次に、それぞれの市場の特徴を捉え、どんな銘柄があるのか見ていきます。まずは、東証一部からです。

東証一部銘柄のメリット

流動性の高い銘柄が多い

流動性を測る目安として時価総額があります。時価総額とは「株価×発行済株式数」で多いほど活発に取引されています。東証一部時価総額ランキングを見てみましょう。

出典 ヤフーファイナンス

このように時価総額上位20銘柄はほとんどが東証一部銘柄となっています。 知名度が高く、企業内容も分かりやすい銘柄が多くあります。また新聞やニュースなどでも企業の名前を聞くことが多く、取引しやすいというメリットがあります。

東証一部銘柄のデメリット

値動きが小さい

東証一部企業は日本を代表する大企業が多くあり、流動性も高く売買もしやすいものの、成熟産業も多く大きな利益の伸びや株価の上昇は望みにくいというデメリットがあります。 ただ利益が安定していて下値不安も少なく、配当金も3%以上など多く出している企業が多いので、長期投資に向いています。それでは東証一部の代表的な銘柄を見ていきましょう

東証一部代表銘柄

トヨタ自動車(証券コード:7203)

出典 SBI証券

世界販売1000万台超の世界首位級の自動車メーカーです。利益額は日本企業でダントツ。時価総額でも圧倒的1位を誇っています。東証一部の値動きを表すTOPIXでも当然一番の影響力があります。株価は今年6,500円から7,500円でのボックス圏で推移しています。TOPIXは日経平均株価に比べて出遅れていますが、まずはトヨタが高値を取ってこないと TOPIX の出遅れも解消しない可能性があります。

ソフトバンクグループ(証券コード:9984)

国内通信大手日米で携帯通信事業を展開していて、傘下にヤフーなどがあります。また持分として中国のアリババといったように国際的な投資事業も活発に行っています。

出典 SBI証券

ソフトバンクグループの株価は年初来高値を更新してきています 。アメリカ市場でアマゾンやアップルなどハイテク企業が買われ、アリババなどに出資しているソフトバンクグループの価値も高まっていると見られています。現在時価総額では第2位。3位の NTT ドコモとの差を広げています。

NTTドコモ (証券コード:9437)

携帯電話でシェア4割強の国内最大手です NTT グループの中核で好財務となっています。予想配当利回りが3.7%と高いのも魅力です。

出典 SBI証券

NTT ドコモは9月に入って年初来高値を更新しました。9月末の配当取りの動きもあったと考えられます。 業績も好調です通信は携帯が新プランの影響で減収ですが、光通信が好調で続伸しています。

東証二部市場の代表銘柄

次に、東証二部市場の代表銘柄を見ていきましょう。

東証二部は中堅企業が多く、東証一部ほどの時価総額や利益の安定性はないものの、マザーズやジャスダックなど新興市場に比べて、業績が急激に悪化するなどのリスクは低くなります。

東芝(証券コード:6502)

東証2部で時価総額最大は東芝です。不正会計に続き米国原発事業での巨額損失で経営危機に陥りましたが、東芝メモリー売却で再建の目処を図っています。

出典 SBI証券

東証二部は業績が安定した企業が多いものの、東芝は2017年3月に債務超過に陥り、 8月1日付けで東証一部から東証二部に降格となりました。 2018年3月期で債務超過だと上場廃止の恐れもありましたが、 債務超過も解消でき現在は3,000円から3,500円前後でのもみ合いとなっています 。(10月1日に単位株数1,000株から100株の変更で株価300円台から3,000円台に変更)。時価総額は2兆円前後で第二位のベネフィットワンの10倍近くあるので二部指数は東芝指数となってしまいました。ただし、現在は値動きが安定しているので 、指数への影響は小さいものの、今後の動き次第では注意が必要です。

ベネフィットワン(証券コード:2412)

時価総額2位はベネフィットワンです。パソナグループ傘下で官公庁や企業の福利厚生、健康診断、保健指導の運営代行サービスを行なっています。企業や官公庁の福利厚生業務運営代行ではトップクラスです。

出典 SBI証券

株価は昨年から右肩上がりで上昇しています。営業利益も伸びていますし、純利益も最高を更新しています。 さらに今年5月に今期中を目標に一部指定申請を行うと発表。一部指定になれば、株価にとって大きなインパクトになるので注目されています。次は新興市場をご案内します。

新興市場の代表銘柄

マザーズやジャスダックには多くのベンチャー企業が上場しているので、大きな利益を狙うことができます。ただし、新しいベンチャー企業は経営が不安定なので、赤字が続き、倒産や上場廃止のリスクもあります。まずはジャスダック市場から見ていきましょう。

ジャスダック市場の代表銘柄

日本マクドナルドホールディングス(証券コード:2702)

ジャスダック市場で最大の時価総額は日本マクドナルドホールディングです。外食の国内首位で、世界的ハンバーガーチェーンです。株主優待制度が人気あるので、権利確定月の6月と12月に向けて株価が上昇する傾向にあります。

出典 SBI証券

2016年頃まで売上が伸び悩み、株価も2,500円から3,000円前後で揉み合っていましたが、2017年に入り上昇を強めています。既存店売上高が堅調に伸び、高値を更新しています。株主優待制度で底値が堅いというのも魅力の一つです。次はマザーズ市場です。

マザーズ市場の代表銘柄

メルカリ(証券コード:4385)

スマホ向けフリマアプリで国内首位。累計ダウンロード数は1億を超えています。 金融サービス「メルペイ」導入に向け決済加盟店を開拓しています。

出典 SBI証券

メルカリは 2018年6月マザーズに上場しました。公募価格を上回り順調なスタートを切りましたが。その後は下落が続き8月9日の上場後初となる決算で赤字を発表すると、下落基調を強めています。現在の時価総額は5,000億円前後。上場直後の8,000億円には及びませんが,マザーズ指導でダントツの時価総額です。 マザーズ指数は今年軟調な展開が着いていますが,メルカリの持ち直しがないとまだまだ厳しい展開が続きそうです.

まとめ

いかがでしたでしょうか。東証一部、東証二部、ジャスダック市場、マザーズ市場それぞれの特徴と指数の値動き、そして代表銘柄を見てきました。銘柄に関しては時価総額上位銘柄しか見てないので、市場動向全体を表しているわけではありませんが、指数に影響を与える銘柄ですので参考にしてみてください。

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一橋大学経済学部卒業。証券会社でマーケットアナリスト、デリバティブディーラーを経て、個人投資家に転身。投資歴は20年以上。現在は、日経225先物を中心に現物株・FX・CFDなど幅広い商品に投資しています。保有資格:証券外務員1種

ブログ:先物オプション奮闘日誌 http://yanta.cocolog-nifty.com/

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