知らないと脱税に!FXにかかる税金・確定申告のやり方をやさしく解説

個人での取引が解禁されて以来たくさんのトレーダーを生みだしている「FX」ですが、金銭のやり取りによって利益・損失が発生することから、株やその他投資と同じく、その収入に関しては課税の対象となっております。

従って、まとまった利益をあげている場合は、確定申告や納税を滞りなく行いその義務を果たさなければなりません。

しかし、いざFXで利益が出せるようになったとしても、確定申告等の経験がなくどうすればいいのかよく分からないといった方もいると思われます。

そこで本項では、FXに係る税金や確定申告のことがまだ分からない方に、税額計算の方法や確定申告に必要な書類、税金の控除など基本的な項目について分かりやすく説明していきます。

FXにおける確定申告の概要

対象者と税率

FXにおける所得の種類は、所得税の中の「雑所得」に該当します。

確定申告の対象になるパターンは、給与所得がある方なら年間20万円以上、給与所得が無い方ですと38万円以上の純利益があれば申告対象となってきます。

FXに係る税率は、2018年現在では「20.315%」となっております。どんなに稼いでも稼ぎが少なくても、上記納税対象のパターンにあてはまれば、この税率は一律で変わりません。

「税率20.315%の内訳」

  • 所得税・・・15%
  • 住民税・・・5%
  • 復興特別所得税・・・0.315%(2037年まで)

累進課税が適用されるのではないかと勘違いされる方もおりますが、FXは上記の通り固定の税率です。

*海外FX業者を使った場合はこれより下の「海外FX業者を使った場合はどうなるの?」を合わせてご覧ください。

課税に係る損益部分

FXの利益の具体的なものとしては、毎年1月~12月に得た「為替差益」と「スワップポイント」になります。

為替差益は決済済みのものであれば課税対象となるのは理解しやすいですが、気になるのは未決済のポジションについてだと思います。

部のFX会社の場合、未決済ポジションも税金の対象となります。これは、そういった会社は毎日「値洗い」(ロールオーバー)という作業を行っていることに起因します。

値洗いは業務の都合上毎営業日終了の時点で、顧客の口座残高をチェックすることにより、形式上損益確定がなされた形となってしまい、結果的に保有中のポジションも確定申告の対象になるのです。

Expert
値洗いをしているかどうかは、各社ホームページで確認する必要がありますが、値洗いを行っている会社の方が少ないのが現状です。

ちなみに「DMM FX」では、以下の引用のように「決済した取引が対象」と謳っており、こういった場合は値洗いの心配をする必要はありません。

※確定申告は、1月1日から12月31日(マーケットクローズ)までに決済(約定完了)した取引が対象です。

出典:(株)DMM.com証券 「税金と確定申告~確定申告って?~

注意が必要な人

スイングトレードで数日間ポジションを保有する方や、スワップポイント狙いで長期間ポジションを建てている方は、自分の使っているFX会社が値洗いを行っているかどうか、念のため確認しておいた方が無難です。

スキャルピングをメインで行っている方でしたらその心配はありません。

損益の確認方法

各社ホームページの取引画面等から、取引履歴とともに「年間損益報告書」を確認することができます。ここでは「DMM FX」の例を見てみます。

出典:(株)DMM.com証券

次の画像はログイン後の取引画面ですが、画像左下の赤い枠内に「報告書種類」「検索条件」とあり、ここで期間を指定し表示させる(PDFファイル)ことで年間のみならず、色々な期間の損益を確認することができます。

出典:(株)DMM.com証券

*特別に年間書類専用のボタン等があるわけではありません。

税額に影響を与えるもの

税金は、為替差益やスワップポイントの利益だけでなく、他のいくつかの要素との差引で決定されます。

「税金計算の基本」

A = 純利益(為替差益 & スワップポイント)経費

A × 税率 = 税金

Aは人によっては次のような内訳にもなります。

A = 純利益(取引した全FX会社の損益額 & スワップポイント)経費繰越損失 ± 損益通算

経費

税金を下げることができるものとして、FXのみならず多くの事業等で認められているいわゆる「経費」です。

ポイントは「FX取引に直接かかわるものか、FXならではの経費かどうか」です。この辺の基準は実はあいまいな所がありますので、所管の税務署の判断や確定申告の経験を重ねていくなかで判断していくしかありません。

「経費対象の可能性があるもの」

  • FX関連の書籍代(電子書籍含む)
  • セミナーへの参加費、交通費等
  • 通信費
  • FX専用で使う機器の購入費用(PCモニター、プリンターなど)
  • 取引に関わる有料ソフトウェア、スマホアプリ費用 など

(上記で挙げた経費の一部までしか認められない場合があります。)

他のFX会社での損益

複数の会社で取引をした場合、その全FX会社分の損益も計算に入れます。

確定申告でお得なのは、一方のFX会社では年間で損失となっている場合です。

例えばA社でプラス80万円、B社で-30万円であれば、「トータル損益はプラス50万円」となりこれが申告額となります。

3年間の繰越損失

確定申告する年の収支がプラスであっても、過去3年間のうちで年間の損益がマイナスだった年の損失分を「繰越損失」(控除)として用いることで、税金を低く抑えることができます。

ただし、そのマイナスで終わった年の分も確定申告が必要です

この繰越損失により、例えば2017年が-100万円で2018年が60万円プラスだったとしたら、2019年春の確定申告では「-40万円のトータル損益」として申告することができ、税金が発生しないことになります。

さらに、2019年の取引で50万円のプラスだったとしたら、2018年まででまだ-40万円となっていますので、2020年春の確定申告では-40万円とプラス50万円を合算して「プラス10万円」なり、再び無税となります。

他の金融商品との「損益通算」

日経225先物、商品先物、CFDなども取引しているのでしたら、これらとFXとの成績を合算させて確定申告を行います。

ここでの都合のいいパターンとしては、FXで一定の利益が出ていて、日経225先物で損失だった場合です。両者を合算しFX単独で発生するはずだった税額を日経225先物の損失分で減額させることができます。

これはもちろん、日経225先物や他の該当銘柄でプラスだったら、当然その分の税金も納めないとならないわけです。

結局は、損失で終わったかどうかに関わらず、対象となる取引は全て申告する必要があるという事になります。

FXと損益通算できる他の取引(例)」

  • 日経225先物
  • 商品先物
  • CFD
  • バイナリーオプション
  • TOPIX先物 など

海外FX業者を使った場合はどうなるの?

ここまでの説明は国内のFX会社を使ったときの話なのですが、海外のFX業者を利用した場合になりますと、事情が大きく異なってきます。

一番の違いは、税率が累進課税によって決定されることです。国内業者の利用でしたら税率は一律20.315%(2018年現在)ですが、海外FX業者の場合は最低税率こそ15%(住民税10%を含む)ですが、最大では55%(所得4,000万円超の場合)にもなります。

以下にその他の違いや注意点をあげておきます。

  • 国内業者は分離課税、海外業者は総合課税の対象
  • 海外業者利用分は他の総合課税の雑所得とであれば損益通算が可能(注)
  • 国内業者と海外業者との損益通算は不可能
  • 繰越損失は不可能 など

*注・・・対象となるものは、ネットオークション、ネットフリマ、ネットアフィリエイト収入、公的年金、講演会等の報酬、他の海外FX業者などがあります。

確定申告の仕方

ではここから、実際の確定申告の仕方について説明していきます。

申告に必要な書類

確定申告で使う書類は以下のとおりとなっています。

・申告書B(第一表・第二表)

申告書にはAとBがあり、FXにおける雑所得の申告ではBを使います。以下のリンクでその書式を見ることができます。

・申告書第三表(分離課税用)

税金には多くの所得等を合算で扱える「総合課税」と合算できない「分離課税」に分かれ、FXは分離課税に属するものと定められており、こちらの書類の提出も必要となります。

・先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書

FX取引で得た具体的な収入額や経費の内訳を記入します。

・所得税の確定申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)

上記でお話ししました繰越損失(控除)の申告を行う場合に提出する書類です。

自分で用意する書類

申告において、上記の各種申告書類の他に次の書類を用意する必要があります。

  • 年間損益報告書
  • 経費などの領収書
  • マイナンバー書類、本人確認書類
  • 源泉徴収票(会社員の場合)

「年間損益報告書」

お使いのFX会社のウェブサイトで主にPDF形式で手に入れることができます。「期間損益報告書」などと表記しているところもあります。

出力にあたっては、本ページ序盤の「損益の確認方法」をご覧ください。

「経費などの領収書」

「税額に影響を与えるもの」のところでお話しした各種経費を証明するための書類です。減税・節税に関わる書類ですので該当書類があれば必ず提出するようにしましょう。

「マイナンバー書類、本人確認書類」

下記リンク(国税庁)にもありますように、確定申告にあたってはマイナンバー書類と本人確認書類が必要となります。

両書類は、申告書Bと第三表にある台紙に写しを糊付け添付するか、原本を申告窓口に持参します。

マイナンバー書類については、以下の種類があります。

  • 通知カード

(マイナンバー制度スタート時に全員に送られてきたもの)

  • 個人番号カード

(写真付きのもので取得には申請が必要)

  • マイナンバーの記載のある住民票

(通常は記載が無いので必ず記載があるものを市役所で手に入れてください)

以下は本人確認書類(例)です。

  • 運転免許証
  • パスポート
  • 在留カード
  • 公的医療保険の被保険者証
  • 身体障害者手帳 など

「源泉徴収票」

サラリーマンの方が申告する場合は必要となります。写しではなく原本での提出になります。勤務している会社から入手してください。

申告方法や提出場所

毎年2/16~3/15の期間に、最寄りの税務署へ持参するか郵送で申告を行います。

「税務署の検索」

出典:国税庁

または、国税庁の「e-Tax」サイトよりオンラインで確定申告を行うことができます。ただし、マイナンバーカードとそのカードを読み込むために使うカードリーダーが必要になります。

出典:国税庁

税金の納付方法

税務署から納税に関する通知書類が届くわけではありません。自分で納付書等に必要事項を記入し納税する必要があります。

納税方法はいくつか用意されております。以下にその方法をご紹介します。

窓口、コンビニ、クレジットカードによる納付

「窓口での納付」

金融機関や税務署へ行き納税する方法です。

「コンビニでの納付」

税務署で発行される納付書を使ってコンビニで税金を納める方法です。ただし、納めることができる税金の額が30万円までとなっております。

「クレジットカードによる納付」

クレジットカードを使ってネット上から税金を納めることができます。

出典:トヨタファイナンス(株)

この方法を利用する場合の留意事項を以下に挙げておきます。

  • 決済手数料が10,000円ごとに82円発生する
  • 領収書の発行は行っていない
  • 納税証明書の発行が可能となるまでに3週間程度かかる など

利用にあたってはフィッシング詐欺等を回避するため、必ず国税庁ホームページのリンクを経由することや、同庁の案内に従うようにしてください。

出典:国税庁

インターネットバンキングによる方法

e-Taxの利用開始手続きを行っている方限定ですが、この方法を使うことができます。「ペイジー」という支払いシステムを利用するもので、このペイジー取扱い金融機関で利用することができます。

こちらもフィッシング詐欺等に遭わないようにするため、必ず国税庁のウェブサイトを熟読の上で利用するようにしてください。

・インターネットバンキング等からの納付手続(国税庁)

出典:国税庁

・ペイジーが使える金融機関

出典:日本マルチペイメントネットワーク推進協議会

ダイレクト納付による方法

e-Taxのシステムを使って事前に登録した自分の金融機関口座から口座引き落としにより税金を納付する方法です。

ネットを利用した納付方法ではありますが、書面による「国税ダイレクト方式電子納税依頼書兼国税ダイレクト方式電子納税届出書」の提出を最寄の税務署に事前に行っておく必要があります。

・国税ダイレクト方式電子納税依頼書兼国税ダイレクト方式電子納税届出書

出典:国税庁

・ダイレクト納付の手続

出典:国税庁

確定申告しなかった場合はどうなる?

毎年2月中旬から1カ月ほど確定申告の窓口が開かれますが、この期間中に前年分の申告を行う必要があります。

もしこの期間中に確定申告ができなかった場合、なるべく速やかに申告を行えば通常通り受け付けてくれる場合も多いです。

ただ、未申告の状態が長かったり、申告したとしても偽った申告内容や過小申告だったりしますと、税務署からも重く受け止められ、次のような税が追加される場合があります。

申告を怠った場合などの追加課税

  • 申告が無かった場合・・・無申告課税 15%~
  • 利益を低く、又は偽装申告した場合・・・重加算税 35%か40%
  • 申告が遅れた場合・・・延滞税 年度により細かく異なる 最大14.6%

・延滞税の詳細

よほど利益が大きかったり悪質さが目立つ申告内容の場合、裁判となるケースも実際に存在しています。

取引は全て把握されている

FX取引はPC/スマホを利用しインターネット回線経由でFX会社のサーバー処理の元で行われています。その結果、詳細な取引履歴や損益状況など全てをFX会社が把握している状態です。

さらに、マイナンバー書類の提出も義務化されている現在において、私たちが課税を逃れることはもはや100%不可能と言えるものです。

申告は誠実に滞りなく行うことが必要です。

まとめ

2018年は仮想通貨取引で発生した利益や「億り人」に対する金融庁の視線が殊更に厳しく、その動向がテレビや新聞などのニュースにも取り上げられた年でした。

FX取引におきましても全く同じことが言えます。納税対象者の方はきちんとした手続きを踏み確定申告や納税を行うようにしてください。

以下に今回の内容を整理します。

  • 税金に関わる部分は「為替差益スワップポイント
  • 税率は「20.315%」で累進課税ではない(海外FX業者は累進課税)
  • 各種申告書類と年間損益報告書などの自前の資料で確定申告を行う
  • 過去3年間の損失は繰越損失として申告の際の控除に使うことができる
  • セミナー参加経費、通信費などの必要経費で控除
  • 日経225先物やCFDなどとの損益通算でも控除
  • 納税を逃れることはIT化が著しいFXにおいてはまず不可能

確定申告は一度経験してしまえば型通りの部分も多く、毎年同じことを繰り返すだけの作業でもあります。

それぞれの出費が経費の扱いになるかどうかといった疑問も、こういったことに数多く対応してきた税務署や税理士からすれば明白で、あなたにもし分からないものがあっても、大抵のものの答えは既に出ているものばかりと思われます。

後は普段の取引や生活において税金や節税などを意識し、経験を通じて少しずつ税について明るくなっていければ大丈夫です。

6弦
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FX投資歴6年、仮想通貨や海外取引業者でのハイリスクな取引経験も豊富です。
その他ネットオークションやポイントサイトといったネット系のお金稼ぎ術に精通しています。

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