どの債務整理方法が何をしてくれるのか?債務整理の種類とメリットデメリット

借金などの債務の返済に困っている場合には、債務整理をしてピンチを切り抜けたいものです。

しかし、債務整理は一生に何度もする人もいませんし、身の回りに債務整理をしたことがある人というのもそうそう居ません(居ても話すことはできないでしょう)。

ですので、実際に何をしているのかを詳しく知っている人が回りにいないというのが通常です。

Expert
債務整理というは、借金返済義務に困った人をどうにかしようという手続きの総称で、そのための手続きにはたくさんの方法があるんですよ。

このページでは、債務整理の方法について、法人の場合も含めてすべての方法についての概略をお伝えします。

債務整理とは

債務整理とは、上述したように、借金返済に困った場合に経済的な再生を目指して手当をする手続きの総称をいいます。

特に「債務整理法」というような法律ですべてを規定しているのではなく、様々な個別の手続きの総称をいうという事を覚えてください。

広告等で債務整理という場合には、個人の債務整理の方法についての宣伝になり、よく目にされるものとしては、任意整理・自己破産・個人再生・過払い金請求というものになるのではないでしょうか。

しかし実際に借金等の債務をかかえるのは個人だけではなく、会社運営をしているような場合には法人も債務を抱えるような場合があり、法人にのみ使えるメニューもあります。

それでは一つづつ見ていきましょう。

任意整理

任意整理は、債務者と債権者の間で、従来の債務の支払い条件に関する契約を見直して、新しい条件に変えて返済をつづけていく和解契約を締結し、債務者が返済を継続していく方法での債務整理をいいます。

銀行・消費者金融等で借金をすると、当然の事ながら利息がつきます。

現在の利息制限法では、貸金業者は10万円以上100万円未満の場合には、最大18%の利息を受け取ることができます。

返済が難しくなってしまったような場合でも、利息を軽減してもらえれば返済ができるという場合はありますね。

そのような場合に、貸金業者と話し合って、現実に支払うことができるようになるような内容にするのがこの任意整理です。

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個人と銀行・消費者金融等の貸金業者との任意整理手続きについては、貸金業者で手続きがほぼルール化されており、特殊な案件でなければ弁護士・司法書士を通じて交渉すれば利息の支払いを免除してもらって、元本を3年~5年(36回~60回)の分割にしてもらえるような交渉ができます。

任意整理は法律では個人が貸金業者と交渉してもできるようになっているのですが、貸金業者側で手続きを内部的なガイドラインに沿って一律に扱う関係から、個人でやるよりも弁護士・司法書士といった債務整理を請け負える資格をもっている人からの交渉のほうが有利にすすみます。

Expert
弁護士・司法書士からの通知と、一般の人からの手続きのお願いの通知は、大きな貸金業者になると部署が別で扱われていることもあるようです。

任意整理は貸金業者との個別の交渉になるので、裁判所に出向いたりする必要はなく、債権者と裁判外で話し合って、支払い条件を決めるようになります。

支払いに関する話合いが済むと、書面の取り交わしをして返済をすることになりますが、弁護士・司法書士事務所を通して返済を行う方式と、自分で毎月支払いを行う方式があります。

この方法は、自己破産や個人再生といった方法を使うと、奨学金のように連帯保証人に請求がいくものや、車のローン・住宅ローンといった債務整理をすると、担保になっている財産があるような債権者は個別に支払っていくことができるので、今までの関係は維持しやすいというメリットがあります。

しかし、元本に関しては少なくとも支払っていかなければならないので、支払いができる状態でなければ使えないこと、失職したりして支払いが止まってしまうと一括請求できる旨の和解契約を組むことになるので、途中で支払えなくなるような事態になると債務整理のやり直しをせざるを得ない(弁護士・司法書士に依頼をしなおす必要がある)というデメリットがあります。

過払い金請求

任意整理をするにあたって、出資法が改正されて利息制限法の利率と同じになる前の、利息制限法以上で出資法未満の利息の支払いがある場合には、その部分の利息の受け取りについては違法であることが裁判で確定されています。

そのため、払いすぎていた利息があり、今残っている債務の残額との差し引き計算をすると、実は払いすぎていた利息のほうが多い場合があり、その部分については返してもらうことができます。

払いすぎていた利息のことを過払い金と呼んでおり、その返還請求を求める手続きは過払い金請求と呼んでいます。

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借金があるというよりかは、逆に請求することができる手続きになるのですが、借金が原因に基づくものですので、債務整理と関連付けて扱われます。こちらも債務整理に強い弁護士に依頼するのがよいです。

過払い金返還請求については、争いがなければ当事者間で和解をするのですが、金額に争いがあるような場合には裁判所に提訴をして返還請求をしてくことになります。

無効な返済を返してもらう手続きになるので特にデメリットはないのですが、弁護士・司法書士に依頼をすると依頼の費用がかかるということです。

自己破産

自己破産は、破産法という法律に則った手続きで、借金などの負債が返済できなくなってしまった場合に、裁判所に申出をして許可が下りると、債務を支払わなくてもよくする手続きをいいます。

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原因はともあれ、借金等の負債を返済できなくなる事が発生した場合に、これを放置すると債権者が力関係で返済を迫って債権者が平等に取り扱われなくなるという事を防止しつつ、債務者の経済的な再生をはかる必要もあるのが、この法律の趣旨です。

自己破産は債務整理手続きの中でも、返済する必要がなくなる強力な手段で、一般の個人が使えるのはもちろん、法人も利用することができます。

本来であるならば返済すべき債務を無くしてしまう手続きですので、その手続きは慎重に行われます。

申立をする人は資産・収支に関する申告を裏付けをする資料と一緒に裁判所に提出し、裁判所および裁判所から選出される管財人という人が本人から聞き取りをして調査することになります。

問題がなければ借金は免責されますが、免責不許可事由という、財産隠しなどを行っていたことが判明すると免責されなくなります。

また、税金や不法行為に基づく慰謝料請求、養育費といった、倫理的・政策的に免責できないような債務については免責されません。

この手続きのメリットは、上記の免責されない債務以外はすべて支払う必要がなくなるということにつきます。

一方この手続きのデメリットは、申立手続きが厳正に行われるため申立書類の作成負担があること、申立後免責までの間は手続きに伴う制限をうけること(資格制限・郵送物の回付など)、住宅が維持できない、といったことが挙げられます。

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再建型といわれる個人再生や任意整理は3年程度は債務の支払いをしなければなりません。借金から完全に開放されるこの手続きはやはり経済的な再生が一番早いといえるでしょう。

個人再生

個人再生手続きは、民事再生法に基づいて、返済不能となるおそれがある場合に、債務額を圧縮して分轄しての返済することを認める手続きをいいます。

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民事再生法が適用される手続きの中でも、個人が利用しやすいように規定された部分を利用して進める手続きで、債務を大幅に減らせる手続きでありながら、住宅ローンはそのまま維持できるという利点があります。

債務をその総額に合わせて約1/5に圧縮することができるため、経済的な再生がはかりやすくなるという利点を維持しながら、住宅ローンは債務者の中から外して従来のままの関係を維持したままで手続きをすることができるので、住宅を維持したままの債務整理ができるというメリットのある手続きです。

また自己破産のような資格制限のようなものが無いので、自己破産を利用すると仕事ができなくなってしまうなどの状況にある場合の債務整理にも向いています。

一方でデメリットとしては、債務が圧縮されるとはいえ、圧縮された債務を分轄で支払わなければならいので、支払いができないような場合には手続きを利用することができません

また自己破産手続きと同様裁判所に申したてをして行うものなので、書類作成の負担は伴いますし、手続きが複雑ではあるので弁護士・司法書士に対して支払う費用も多いです。

特定調停

特定調停というのは、裁判所が債務者との間に入って、借金が払えない状態の債務者との契約についての処遇について話し合う手続きのことをいいます。

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あるお笑い芸人さんが自分で債務整理した際に用いたことで有名になりましたが、実務上は任意整理で対応できますし、そちらの方がメリットがあるので専門家が介入した場合には使うことはありません。

個々の債権者と債務額・分割払いについての話し合いができるので、任意整理と同様の効果をもつ手続きといえます。

この方法のメリットは、債務者が自分で裁判所に申し立てをして利用することができるので、専門家に依頼する費用がかからないということです。

デメリットとしては、裁判所で合意をしたものについては任意整理と異なり、支払いがない場合には直ちに給料を差し押さえる強制執行できるようになることです。

また、裁判所を利用する手続きですので、平日にきちんと時間を取る必要があります。

また、払いすぎていた利息のほうが多くて過払い金返還請求ができるような場合にはこの手続きでは取り戻せない可能性が非常に高いことです。

さらに、弁護士・司法書士といった専門家に債務整理を依頼すると、督促がされないルールになっているのですが、特定調停を利用する場合には督促は引き続き進むので注意が必要です。

私的整理

私的整理とは、法人の債務整理を任意の交渉でする手続きのことをいいます。

事業再生を目指す会社などの法人が、メインバンクやサブバンク・主たる取引先などの債権者に対して、債務の支払いに関する話合いをするような場合に用いられます。

簡単に言うと法人版の任意整理手続きと考えて差し支えないでしょう。

Expert
単なる任意整理というよりも、法人の事業再生可能性や返済可能性なども厳しくみられるので、個人の債務整理に特化したような事務所よりも、企業法務に詳しい弁護士・司法書士に依頼をする必要があります。

上手くいかない場合には、事業再生ADRという方法を用いて第三者機関が入った形で行う場合もあります。

事業の状態に応じたきめ細かな対応ができるというメリットがありますが、債権者の力関係が如実に出てしまって平等に取り扱われない債権者が出てくるというデメリットがあります。

特別清算

特別清算とは、会社が債務超過に陥っている場合などに行われる清算手続きです。

会社が債務超過や支払い不能になっているような場合には破産法に基づいて会社を清算することができます。

しかし破産手続きでは全債権者を平等に扱うのですが、会社法という法律で、債権者の過半数で分配額を決定する特別清算という手続きによる清算が認められています。

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会社にのみ使われるものになるのですが、法人を清算する場合にはほとんどが破産手続きですので、専門家に相談することでどちらの手続きが良いのかわかりますよ。

破産手続よりも簡単に会社を畳むことができるというメリットがありますが、使える場面がそもそもかなり限られており、不公正が行為が見逃されるおそれがあるというデメリットが挙げられます。

会社更生

会社などの法人が債務超過や支払不能になるおそれがある場合に、会社更生法に基づいて事業を再建する手続きのことをいいます。

会社が債務を抱えて返済不能になるおそれがある場合にする倒産手続き(再生型)の中でも、私的整理や民事再生よりも強力が手段で再生をするのが会社更生といえます。

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債務に対する手当が必要な意味で債務整理であることには変わりないのですが、会社の債務整理に関しては個人の債務整理よりも判断するべき項目が複雑多岐にわたります。会社の再生を目指すような場合には基本的には会社法務に詳しい弁護士に依頼をするのが大原則であると考えておきましょう。

メリットとしては、この手続きが適用されると、組織再編のための会社法の規定が訂正されるので、柔軟に組織再編をしやすいということが挙げられます。

また、継続価値で評価されるため、他の手続きよりも有利に帳簿上扱ってもらえます

デメリットとしては、株式会社しか利用できないことや、代表者が経営権を失うこと、予納金として3,000万円以上は必要になる大がかりな手続きであることが挙げられます。

民事再生

会社などの法人が債務超過や支払不能となるおそれがある場合に、民事再生法に基づいて事業を再建する手続きのことをいいます。

会社更生手続きを利用すると、現経営陣は全員退任をしなければなりません。

そのため小規模な企業などで、現経営陣がそのまま留任する形で事業再生を目指す手続きが必要とされ、そのために作られたのが民事再生法です。

Expert
個人再生と同じ「民事再生法」に基づく手続きなのですが、法人の再生を予定いる手続きの多くはこの方法で行われています。

債務の圧縮を行うことは会社更生手続きとかわらないのですが、経営権を維持したままの債務整理ができ、認可のための手続きが会社更生手続きほど厳しくないというメリットがあります。

とはいえ、従来の経営者がそのまま経営を維持しながら本当に経営が再建できるのか?という疑問もあるため、きちんとした再生計画を説得的に説明できなければならないという点はデメリットです。

まとめ

このページでは債務整理の方法について、すべての方法についての簡単な手続き内容と、メリット・デメリットについてお伝えしてきました。

どの手続きも一長一短で、債務問題に悩んでいる人によって解決方法が大きく違ってくることになります。

Expert
個人の手続きにしても、法人の手続きにしても、インターネットに書かれていることだけで判断するのは非常に難しいです。どのような希望があるか、どのような手続き上の障害があるか、今楽になることよりも3年後・5年後どうなっていることが理想か、そういったことを総合して判断するためにも、専門家の力を借りることは何も恥ずかしいことではありません。

昨今ではとくに個人の債務整理の問題に関しては無料で相談に応じてくれる弁護士・司法書士は増えています。

複数相談すること自体は、医師のセカンドオピニオンを求めるようなものでとくに問題視はされないので、是非早めに相談することをお勧めします。

つの
つの
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法律・マーケティング・マネー系の記事の執筆をしているライターです
【経歴】
・司法試験受験生
・法律事務所・司法書士事務所パラリーガル
・行政書士・FP資格取得
・WEBマーケティング(リスティング広告・SEO)
などを経験

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