預金金利とは?定期預金のメリット・デメリットをわかりやすく解説!

普通預金にある程度お金が貯まってきたから定期預金を始めてみようかな、そう考えたことはありませんか?
定期預金は、多くの人が知っている預金方法ですが、改めてどういう仕組みなのか質問すると以外とわからない人が多いのではないでしょうか。定期預金は誰でも簡単に始められて、結構身近にあるのであらためて詳しく知るチャンスが少ないのも事実です。そこで今回は定期預金をこれから始めてみようと思う方に向け、定期預金のしくみや保険制度、始め方、解約方法など、預ける前の注意点についてわかりやすく解説していきます。

定期預金とは

定期預金とは、預け入れから一定期間お金を引き出せない預金のことで、普通預金よりも金利が高く設定されています。まずは定期預金の基本的なしくみから確認していきましょう。

まず、定期預金は、普通預金よりも高金利です。一定期間払い戻しをしないことを条件に、通常は普通預金よりも金利が高くなっています。すぐに使う予定のないお金を銀行に預ける場合は、普通預金よりも定期預金を選ぶことをおすすめします。そして、預け入れ期間は自分で選べます。期間は銀行にもよりますが定期預金の預け入れ期間は最短で1ヶ月が主流で、それ以外に3ヶ月、6ヶ月、1年、2年、3年、4年、5年、7年、10年などを選択することができます。利息の計算方法には、単利と複利があります。

単利とは

単利は、「預けた元本のみ」につく利息のことです。たとえば2年満期の定期預金に100万円を預金して、年利が単利10%だった場合(わかりやすく計算しやすいように大きな金利を使っています。)、利息は以下のようになります。※以下、簡易に計算するため利息の税金は考慮していません。

1年目の利息・・・10万円
2年目の利息・・・10万円
2年後の預金額・・・120万円
預けた元本100万円に対して10%の利息がつくので、2年目の利息も10万円です。

  • 複利とは複利は「元本+利息」につく利息のことです。2年満期の定期預金に100万円を預金して、年利が複利10%だった場合、利息は以下のようになります。

1年目の利息・・・10万円
2年目の利息・・・11万円(元本100万円+前年の利息10万円に対して利息がつくため)
2年後の預金額・・・121万円

このように、単利より複利のほうが利息は高くなります。そして、長く預け入れるほどその差は大きくなります。

定期預金の始め方

ここからは、定期預金を始める手順についてし解説していきます。定期預金を始めようと思ったら、まずはどこに預けるか。預け入れ先を決めましょう。金融機関によって期間や金利が異なるため、情報を集めて自分なりに比較してみてください。自分の計画や目標に沿った金融機関や定期預金商品を選ぶことが大切です。

定期預金の申し込みをする前に決めておきたいことがあります。まずはお金をいくら預けるのか。そして、預け入れ期間終了後のお金の使い道。使い道が決まればいつまで預ければいいのかが決まりますね。

  • 預け入れ金額
  • 預け入れ期間
  • 預け入れ期間後の取り扱い

それでは、ひとつずつみていきましょう。

預け入れ金額の決め方

預け入れ金額は金融機関ごとに異なりますが、1万円以上1円単位で始められるところが主流です。ご自分が無理なく続けられる金額を設定し、自分にあった定期預金を選びましょう。

預け入れ期間の設定

定期預金は、一般には長く預け入れるほど金利が高くなります。金利水準や期間終了後にお金をどう使うかなどを考慮し、預け入れ期間を選択しましょう。

預け入れ期間経過後の使い道を決める

預け入れ期間経過後、すなわち満期時の主な取り扱い方法は、継続または自動解約です。これはあらかじめ申込時に決めておきます。満期時にすぐ使う予定の無いお金であれば継続で構いませんが、お金の使い道が決定している場合は、自動解約に設定しておくのを忘れないようにしましょう。また、継続には以下の2種類の方法があります。

  • 元本自動継続:元本だけを定期預金として自動継続し、利息は普通預金に入金する。
  • 元利自動継続:元本と利息をあわせた金額を定期預金として継続する。

ここまで決まればあとは、口座を開設するだけです。どの銀行の定期預金にするか、定期預金の条件などを決めたら、実際に口座を開設します。定期預金の口座開設は店頭でもできますが、ネットバンクを活用することで、窓口まで出向く手間や営業時間を気にせず自分の都合の良いタイミングで始めることができます。

定期預金のメリット

定期預金をすることによるメリットを考えてみましょう。メリットとは人それぞれで、自分にとって価値があるものがメリットなりますが、ここでは一般的なメリットについて紹介します。何度か触れていますが、第一のメリットは金利が高くつくことです。元来、定期的な期間を設けることで預金する定期預金は、引き出しが自由な普通預金と比べて金利が高いものでした。しかし、今の時代では金利は激減し、数年の預金ではほとんど金利がつかないくらいにまで下がってしまったのが現状です。金利だけを考えれば、年金などの積立型の方が高い場合もあります。金利が低くなったといっても、ゼロではないので、計画性を持って預金するのであれば、少しでも金利のつく定期預金を選んだ方が、何年か後に解約して手元に戻る時にはお得になります。

また、キャンペーンが多いのもメリットの一つです。銀行が顧客からの預金を増やしたい場合、定期預金の金利優遇キャンペーンを行うことが多いです。定期預金は、昔も今も人気の預金方法だからです。特に、夏のボーナスシーズンに定期預金キャンペーンをやっていることは多いので、ボーナスの使い道がなければとりあえず定期預金に入れておくのも良いかと思います。中には、普通預金の何倍もの金利で募集しているキャンペーンもあるので、タイミングを見て上手に利用しましょう。

他の金融商品との大きな違いは、元本割れリスクがないことです。定期預金は、普通預金より金利が高く、元本割れが起きずに運用できるという安心感があります。最初に預けた元金より、受け取るお金が減ることはないので、安心して預け入れておくことができます。たとえば、高金利なお金の運用方法には、外貨預金投資信託などがあります。これらは円定期預金をも大きく上回る金利で運用することができますが、景気や世界情勢などの影響を受けて元本割れが起こるリスクがあります。特に日本人の間では、リスクの少ない資産運用が好まれる傾向があるので、定期預金に預け入れる人が多いです。

定期預金のデメリット

定期預金の最大のデメリットは、原則として中途解約できないことでしょう。定期預金を組んだものの、満期を過ぎる前ににお金が必要になることもあります。定期預金を途中解約しても中途解約手数料は取られません。万が一、急にお金が必要になっても、定期預金を中途解約できます。しかし、途中でやめてしまうと満期まで預けていた場合に貰えるはずだった利息をもらうことができず、「中途解約利率」というものが適用されます。中途解約利率になると、普通預金金利と同程度、もしくはそれを下回る金利になってしまうので、利ざやはほとんど期待できません。これが、定期預金の中途解約におけるペナルティです。ですが、円定期預金を中途解約しても元本割れは起こらないことは安心材料だと思います。中途解約利率の適用によって、もらえるはずだった利息が減ってしまうことはあっても、最初に預けたお金が減ることはありません。

それと途中解約の手続きの面倒さもデメリットの一つでしょう。定期預金は解約がものすごく面倒です。お金を貯める目的であればメリットになりますが、急な入用が生じたときには解約の煩雑さはかなりのデメリットと言えます。具体的には、銀行印と定期預金の通帳、身分証明書を持ち、月曜日~金曜日の9時~15時の間に銀行の窓口に出向かなければいけません。混みやすいと言われる5・10日には、自分の順番が来るまでの待ち時間も長くなる可能性が高いですよね。そんな時は、定期預金に預け入れたばかりに生じるデメリットを、ひしひしと感じることでしょう。

途中解約する場合の対策

急な事でどうしてもお金が必要になる場合があるかもしれません。そんな時の対策として分散して預けるという方法があります。大金の場合にはひとつの銀行に預けてしまうのではなく、分散して預け入れるようにしましょう。たとえば、500万円で定期預金をしたい場合にひとつの銀行に預けてしまうと、いざお金が必要になって解約しなければならない場合には500万円すべてに解約のペナルティがかかってきます。しかし、100万円ずつ5つの銀行の定期預金に預け入れていれば、いざお金が必要になったとしてもその中のどれかひとつを解約するだけで済みます。500万円分の解約ペナルティよりも、100万円分の解約ペナルティで済む方がずっと良いというわけです。

また、他の金融商品などと比べたデメリットとしては市場の金利が上昇局面では、定期預金の金利は相対的に得ではない場合があります。具体的には、今の金利が0.03%だとしても将来の金利が0.1%になっている場合、今なら0.10%の金利が受け取れるはずが、過去に組んだ定期預金の金利である0.03%を受け取り続けることになり、みすみす0.07%分の金利収入を逃しているというわけです。金利が将来的に上昇すると思うなら、変動金利型の定期預金を組む必要があります。

とはいえ、将来の金利が高いか低いかなどは、予測はできても、誰にも言い当てることはできません。もちろん、高い・低い・同じの3分の1の確率で、予想はできるといえばできるのですが。それでは、どうしたらいいのでしょうか?1つの考え方として、自分の資産・負債を鑑みて選択するという手があります。例えば、資産に金利下落でメリットがある不動産投信などがあるなら、金利上昇に備えて変動金利型の定期預金にするとリスクヘッジになります。

逆の負債の例としては、例えば住宅ローンを組んでいて、ローン金利が固定されているフラット35なら金利上昇には備えられていることになりますが、他方で金利下落の局面では不利になります(昔より今ローンを組んだ方が得なので)ため、固定金利の定期預金を選べばリスクヘッジになります。逆に、ローン金利が変動型なら、定期預金は変動型にすることになります。

 

満期時の対応方法

定期預金の満期時の取り扱い方法には、自動解約と自動継続の2種類があります。そして、自動継続では満期時の利息の取り扱いによって、さらに元利継続と元金継続の2種類の継続方法に分かれます。

元利継続とは

まず元利継続とは、定期預金が満期日を迎えたときに、定期預金の元金に満期時の受取利息をあわせた金額を新たな元金とし、そのお金を自動的に再び定期預金に預け入れて継続する仕組みになっています。したがって、元利継続では定期預金が満期を迎えて自動継続されるたびに、受取利息のぶんだけ元金がふえていきます。つまり資産運用によってえられた収益を再運用することで、利息が利息を生む複利効果を得ることができます。

元金継続とは

二つ目の元金継続は、定期預金が満期日を迎えたときに、最初に定期預金に預け入れた元金のみを定期預金に自動的に預け入れをして継続させる仕組みになっています。満期時の利息部分は元金に加えられることなく普通預金口座に入金されますので、元金は増えていくことがありません。

こうして見ると当たり前ですが、おすすめなのは、元利継続ですその場合は、継続するときの元金は前回の定期預金の元金に利息を足した金額になるので、前回の預け入れのときよりも元金は増えます。よって前回の預け入れのときと金利が同じであれば、次の満期時には前回の満期時よりも多くの利息がもらえることになります。

 

元利継続と元金継続を比較した場合、最初の何年かは残高におおきな開きは見られませんが、満期ごとに定期預金残高の総額の差はどんどん元利継続のほうが大きくなっていきます。これが複利の効果です。

預入期間が長期間になるほど、その運用効果ははっきりと現れてきます。

定期預金の金利の歴史

日本は戦後の復興期を乗り越え、1955年あたりからおよそ20年間にわたり、世界でもほかに類を見ないほどの高度経済成長を遂げました。その高度経済成長を支えたのは多くの日本企業でした。アメリカが大量の物資の生産を日本に発注したことによる朝鮮戦争特需によって、日本は復興への道を駆け上がって行きます。物資の生産性向上のための設備投資にあてようと、企業は競って金融機関から融資を受けました。

企業において資金の需要が高まれば、金融機関では融資するための多くのお金が必要となります。多くのお金が必要になれば市場に出回るお金が足りなくなって供給不足になるので、融資を受けるための金利は上昇します。そして、融資のための金利が上昇すれば、預金金利ももちろん上昇していきます。

こうして日本の経済状況は大きく改善し、その後につづく東京オリンピックや数々の政策も合間って経済成長率は毎年10%程度と右肩上がりの成長を成し遂げました。その間も預金金利は上昇していき、1970年代頃には10%を超える郵便局の定期貯金もありましたが、世帯所得も物価もそれ以上に急速に右肩上がりとなるインフレ状態であったために、それほど高金利だと実感することはなかったようです。ですが、こうした高度経済成長も第一次石油危機によって終わりを迎えることになります。

 

そして現在の2000年代に入った頃から、預金金利はずっと0.1%を下回り、定期預金金利も1%以下と低迷したままになっています。2003年時点では、普通預金の金利が0.001%、定期預金の金利は0.067%まで下がってしまっています。公定歩合は1994年に金利の自由化が完了したために預金金利との連動性はなくなっていき、2006年には名称も変更されました。このような流れを受け、融資を殖やすために大幅に金利が下げられた状態がつづいていますが、功を奏しているとはいえない状態です。

現在の主要銀行の預金金利を見ると、普通預金金利は0.001%、定期預金金利は0.010%と各行横並びの状態となっています。以前は手厚く守られていた銀行業界も、今では自ら積極的に顧客獲得に動かなければならない時代です。昔のように金利がもう一度二桁を超えるということは恐らくないでしょう。

ですが、これ以上下がることももうないと思われます。今後はゆるやかに経済が回復していくであろうという経済見通しが発表されています。実質GDPも少しずつですが上向いており、このまま堅調に景気が持ち直せばもちろん定期預金の金利も上昇していくでしょう。

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