リスクゼロで稼ぐ!ネットショップ小予算運営法

経費がかかるほど運営リスク大

近年、ECの市場規模が拡大する中、ネットショップを始めたいという人も増加傾向にあります。事実、富士経済が発表したECの市場規模は2018年に8兆円を超える事が予想されています。

出典:株式会社富士経済

このようにEC市場の拡大とネットショップの出店が相次ぐ中、実は売上低迷などの理由で失敗してしまう例も少なくありません

「市場調査が行えていない」「想定しているお客さんの設定が間違っている」「競合他社に価格で負けてしまった」など原因は様々ですが、ネットショップ初心者に限って言えば、その失敗要因はいくつかに限定されます。

そこで今回は、ネットショップ初心者が間違いやすい失敗要因について分析・解説し、「小予算でも上手に運営する」コツをお伝えします。この記事を読むだけで、失敗リスクを大幅に下げることが出来るはずですから、慎重に読み進めてください。

商品開発にお金をかけない

「このアイデアがあれば、絶対に売れる」。アイデアが思いついたときは誰もがそう思ってしまいがちです。しかし、ネットショップを失敗させるもっとも大きな原因の1つはこの「アイデアを思いついたら、そのまま勢いで商品化してしまう」という点にあります。

あなたがいくら良いアイデアを思いついたとしても、それをいきなり商品化することは控えなければいけません。自分が思っているほど、そのアイデアが市場に受け入れられるとは限らないからです。

例えば、2001年に発売された「セグウェイ」という乗り物があります。


出典:Wikipedia

開発時にはビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズ、ジェフ・ベゾスなど著名人がこぞって「画期的な乗り物」と評価しましたが、3年間で売れた台数はわずか6,000台。実際に市場に出してみると「自転車の方が機動力があって安い」と、ほとんど受け入れられることもなかったのです。

このように、いくら自分が素晴らしいと思ったアイデアでも、必ずしも市場で評価されるわけではありません。

そこで、まずはドライテストを行って、自分のアイデアが市場に受け入れられるのかどうかを確認する必要があります。ドライテストとは、商品を作る前に先に販売をしてみるという方法のことです。

例えば、あなたが新しく画期的なスマホのアプリを開発して販売しようと考えたとします。しかし、いくら自分が素晴らしいと思ったアイデアでも、いきなりアプリをつくって販売するのはリスクが高すぎます。万が一そのアプリが売れなかった場合、あなたがこれまでアプリ開発に費やした、時間や労力、開発費など多くの損失が生じてしまいます。

つまり「つくった後で初めて売れないということが分かったのでは、リスクが高い」ということです。そこで、実際に作る前にテストを行い「売れる見込みが高いかどうか」を判断してから、商品開発に取り組むべきです。

例えば「今度、このようなアプリをつくって販売します。ご興味のある方はメールアドレスを登録してください。詳細はメールでお知らせします」のようにブログなどのWebサイト上に告知して、この情報に興味があるのかどうかをテストします。

最初から「先行販売しますので決済してください」のように、お金を払ってもらうというドライテストもありますが、その場合、「アプリを作らない」という選択をした場合、返金処理があるので大変です。

なので、「興味がある方は先行販売の案内をするので、メールアドレスを登録してください」という形をとってください。これならば将来、実際にアプリを作らないという決断を下したとしても「今回は企画を取りやめにしました」という連絡をするだけですませることが出来ます。

その他ドライテストの方法は様々ありますが、大切なのはいきなり商品を開発するということをせず「必ずテストする」ということです。テストをして売れることが分かった後で、商品を開発したり、商品の仕入れをするようにしてください。

これを実践するだけでも、大幅なリスクを下げることが出来ます。

Webサイトにお金をかけない

商品が開発できたから「早速かっこいいWebサイトを業者に発注しよう」と思う人も多いと思います。しかし、いきなり業者にWebサイト制作を依頼してはいけません。

そもそもWebサイトの制作業者は、あなたの商品のどこにセールスポイントがあって、何を訴求すれば良いのかということを把握しているわけではないからです。つまり、業者さんはWebサイトを作ることは得意でも、必ずしも「売れるWebサイト」が作れるわけではないのです。

もし、Webサイトをいきなり発注してしまうと、業者の人もどこを訴求すれば良いのか分からないですし、あなたも分からないという事態になります。そうなると、分からないもの同士が憶測だけで話しを進めてWebサイトを作ることになるので、結果としてほとんどの場合「売れないサイト」が出来上がってしまいます。あなたはこれを避けなければいけません。

そこで、まずは可能な限り自分でサイトを作ります。「自分でサイトを作れないから業者に頼むんじゃないか」と思うかも知れませんが、心配は入りません。近年は、個人が自力でWebサイトをつくるためのサービスがたくさん出てきたからです。

例えば、下記のようなWebサイト作成サービスがあります。

その1.BASE


出典:BASE株式会社
5万店舗が利用しているネットショップ専門のシステムです。初期費用も、ランニングコストもかかりません。WEBサイトは、テンプレートを選択して商品説明・値段などの必要事項を入力するだけです。Wordなどのワープロソフトが利用出来る能力があれば、だれでも簡単にネットショップを作ることができます。

その2.WordPress


出典:WordPress.org
6,000万人以上の人が、WebサイトをつくるためにWordPressを選択しています。BASEよりはパソコンに関する技術は必要ですが、豊富なテンプレートが揃っているので、小予算で高機能な美しいデザインのWebサイトを作ることが出来ます。また、WordPressには、後から機能を追加するための「プラグイン」というものがあります。これを使えば、簡単にWordPressをネットショップ仕様に変えることが出来ます。

その3.Jimdo


出典:株式会社KDDI ウェブコミュニケーションズ
月額1,000円ほどで利用することが出来ます。ショップ用テンプレートもあり、制作も非常に簡単です。もし、途中からサイト制作をデザイナーに依頼する場合も、Jimdoを専門で扱う業者がたくさんあるのでそちらに依頼することも出来ます。

以上、主なWebサイト作成サービスを紹介してきましたが、どれも非常に操作が簡単ですから自分にあったものを選んで、まずは自力で作成してみてください。

また、Webサイトは作って終わりではありません。そこから、何度も繰り返しテストをする必要があります。「どんなセールスポイントを訴求すれば売れるのか」「ページの構成をどうすれば良いか」などテストを繰り返して検証してください。

具体的なテストをすべき項目としては下記のようなものがあります。

テスト項目その1.価格

「いくらで売るのが適切なのか?」というのは、誰にも回答することが出来ません。ですから低価格から高価格まで、積極的にテストしてみてください。あなたが思っているほど高価格で売れないかも知れませんし、高くても意外に販売数が伸びることもあります。ちなみに、価格テストでは一番低い料金からテストを開始するのが妥当です。最低価格から徐々に販売金額を上げるようにしてください。

テスト項目その2.ファーストビュー

サイトに訪問した人が最初に目に入る部分をファーストビューと言います。この部分が不適切だと、大半の人がWebサイトの中身を見ることなくサイトから離れてしまいます。価格同様に、繰り返しテストが必要な項目です。

テスト項目その3.決済部分

「決済方法が分かりにくい」「決済することに不安を感じる」などのことがあると、売上が上がりません。決済画面の不備は、お客さんがサイトから離れてしまう大きな原因の1つになりますので注意してください。決済手段を複数用意する、決済画面での入力項目を少なくするなどのテストが考えられます。

Expert
「Webサイトのテストをしなければいけない」というのは多くの人が言及していますが、どこをテストすれば良いのか?と疑問に思っている人も多いと思います。なので具体的には、上記3つを中心にテストしてください。売れるか売れないか?というのは、上記3つの要素でほぼ決定するからです。

Webサイトを自作し、テストを繰り返すと次第に「どこを訴求すれば売れる」というのが感覚として掴めてきます。そうすれば、いよいよ業者にWebサイトの制作を依頼しても良い段階に入ります。

業者に依頼することで、デザインをキレイに仕上げてもらう事が出来ますし、専門家でなければ出来ないような機能を加えることも出来ます。もちろん、自分で作成したWebサイトが気に入っているのであれば、そのまま使い続けることも出来ます。

ともかく、大切なのは「売れるサイトをまずは自分でつくる」ということです。それをした後で業者にお金を払って引き継いでもらうようにしてください。

人件費にお金をかけない

販売を開始したら「すぐにスタッフを雇おう」と考える人がいますが、それも控えなければいけません。スタッフを一度雇えば、必要がなくなっても簡単に解雇することが出来ないからです。

売上が思うほど上がらないのに、スタッフを雇い続けるというのは事業としての体力を大幅に損ないます。場合によっては、スタッフの給料を払うために自分の給料を下げるなどで対応することにもなり兼ねません。ですので、余程、軌道に乗った後でない限りは専属スタッフを雇うのは控えてください。

「しかし、現実的に人手が足りない」「自分では対処できない仕事もある」ということもあると思います。そのような場合はどうすれば良いのでしょうか?

方法の1つは「外注スタッフを雇う」ようにします。

例えば、Webデザインやバナーの作成などについては「ランサーズ」を利用すれば、簡単に外注することが出来ます。ランサーズにはたくさんのデザイナーさんが所属していますから、その中からあなたの好みと予算にあった方を選んでお願いすれば良いのです。

このように外注スタッフに仕事の一部を依頼するようにすれば、固定費がかかる事もないので、身動きがとりやすいのです。外注スタッフを雇うことが出来る具体的なサービスは下記のようなところです。

ランサーズ


出典:ランサーズ株式会社

ランサーズは、プロやセミプロレベルの人が様々な仕事を請け負ってくれる仲介サイトです。具体的には「Photoshop、Illustratorなどを駆使したバナー制作」「HTMLコーデイング」「キャッチコピーのアドバイス」などです。

クラウドワークス


出典:株式会社クラウドワークス

ランサーズとほぼ同じサービス内容です。どちらも、安全にお金のやりとりができる点がとても優れています。

秘書代行・電話代行サービス

ネットショップの運営で電話受付をする場合、秘書代行サービスを利用することもできます。お問合せがあった電話に対して、マニュアルに沿った形で対応してくれます。

特に副業としてネットショップを運用する場合、昼間は電話に出ることが出来ない場合もあると思います。その場合、秘書代行サービスの利用を検討してみてください。いくつか具体的に秘書代行サービスを紹介しておきます。

CUBE電話代行サービス


出典:株式会社大阪エル・シー・センター

月額1万円ほどで対応してもらえます。英語対応プランもありますので、海外からの問合せを受け付ける場合も検討してみてください。

ビジネスアシスト


出典:株式会社ビジネスアシスト

代行してくれるスタッフのクオリティが高いことで有名です。業界別に対応してくれるプランもありますので、検討してみてください。

以上、ここでのポイントはいきなり人件費に大きなお金を使ってはいけないという点です。それは大きなリスクを取ることになります。できる限り外注スタッフで対応することを考えてみてください。

唯一お金をかけるのは広告費

ここまで、ネットショップを小予算で成功させるために「経費を下げる」ということについてお伝えしてきました。

しかし、どんな経費も全て削減すれば良いという訳ではありません。中には削ってはいけない経費というものもあります。それが広告費です。ネットショップにアクセスを集めるための予算のことです。

もちろん、現在はお金をかけないでも、SNSやブログなどを活用すれば、簡単にアクセスを集めることも出来ます。それらは最大限活用すべきですし、継続的に利用することで将来は大きな集客の柱となります。

ですが、最初から全てを無料で行おうとすれば、莫大な時間がかかってしまいます。例えば、SNSでアクセスを集めること自体は正攻法ですが、現実的にそれだけにアクセスを頼ってしまうと、なかなか大きな売上には結びつきません。

そこで、ネットショップを始めた初期の頃は、広告費に最大限のお金を使うようにしてください。後々ブログやSNSからの集客が増えてきて、アクセス数が安定してくれば広告予算を減らすことを考えてもかまいませんが、短期的には広告をしっかり行うことが大切です。

つまり、短期的に集客するためには広告を使い、中長期的に集客をしていくためにはブログやSNSが有効ということです。

では、具体的な広告は何を使えば良いのでしょうか?おすすめは下記の2つの媒体です。

Google広告


出典:Google
Google広告は、検索エンジンの検索結果に表示されたり、自分の業種に類似するWebサイトに表示される広告です。

Facebook広告


出典:Facebook
Facebook広告は、Facebook内で表示される広告で、Google広告と比較して低予算で集客できることが多いです。また、管理画面の操作もGoogle広告よりも簡単です。

まとめ

今回は小予算でネットショップを運営する方法について詳しくお伝えしてきました。リスクを最小限に抑えるためには経費を無駄にかけないことが何より肝心です。具体的には下記の3つの経費に注意してください。

  • その1.商品開発費
  • その2.Webサイト制作費
  • その3.スタッフの人件費

最初からこれら3つにお金を使いすぎると、ネットショップ運営のリスクが高まります。できる限り無駄な予算を抑え、その分、広告費にお金を使うようにしてください。

Expert
今回お伝えした3つのムダを省き、ぜひ小予算でネットショップを手堅く成功させてください。

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