債務整理を弁護士に依頼するメリット・デメリットとは?債務整理の費用相場はどのくらい?

これから債務整理を行うことを検討している方の中には、「自分で手続きをすべきか、それとも弁護士に依頼して手続きをやってもらうべきか…」で迷っている方も少なくないでしょう。

弁護士に依頼すると法律の難しい手続きはすべてやってもらうことができますが、費用が発生するのでどのぐらいの負担になるのかも気になるところですよね。

この記事では、債務整理を弁護士に依頼することの具体的なメリットやデメリットについて解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

債務整理を弁護士に依頼した場合のメリット

債務整理を弁護士に依頼した場合、自分で手続きをした場合と比較すると次のようなメリットがあります。

  1. 督促の電話やはがきがストップする
  2. 家族に借金がばれるリスクを最小限にできる
  3. 債権者との交渉をすべて代行してくれる
  4. 難しい書類の作成や手続きをすべてやってくれる

以下、それぞれの項目について順番に見ていきましょう。

督促の電話やはがきがストップする

債務整理の手続きを自力で行う場合と、弁護士などの専門家に依頼した場合の大きな違いとして、手続きをしている最中の債権者による督促の有無があります。

ごく簡単にいうと、自分で手続きをする場合には債務整理手続き中にも電話やはがきで督促をしてくる債権者は少なからずいますが、専門家に依頼した場合には手続きを開始した時点ですべての督促をストップしてもらうことが可能になるのです。

というのも、弁護士などの法律の専門家と正式に債務整理手続きの委任契約を結ぶと、その時点で専門家から債権者に対して「受任通知」という通知が送られるためです。

受任通知については、次の項目でもう少し詳しく説明します。

受任通知とは?

受任通知とは、「この人は専門家に依頼して債務整理の手続きを始めたので、今後の連絡はすべて専門家に対して行ってください」という連絡のことです。

消費者金融や銀行といった金融機関が従わなくてはならないルールとして、貸金業法という法律があるのですが、貸金業法21条1項によると、「受任通知を受けたら、債務者本人(つまりあなたのことです)に対する督促はすべてストップしなくてはならない」というように規制が設けられているのです。

現在、滞納しているローンの請求でハガキや電話連絡がとめどなく来て他のことに集中できない…という状態の方は、受任通知による督促のストップは非常に大きなメリットがあるでしょう。

家族に借金がばれるリスクを最小限にできる

債務整理の手続きを行うことを検討している方の中には、家族に対して、借金をしていることや債務整理を検討していることを絶対に知られたくないと考えている方も少なくないでしょう。

生活していくうえでやむを得ず作ってしまった借金であっても、家族に心配をかけるようなことはできれば避けたいものですよね。

このように考えている方も、弁護士に依頼して債務整理の手続きを進めることにはメリットがあるといえます。

というのも、弁護士に依頼して債務整理手続きをした場合、手続き開始以降は、上で見たように債権者からの連絡はすべて弁護士に対して行われるようになるためです。

連絡が自宅や自宅電話には来ないわけですから、家族に知られてしまう可能性は非常に低くできるというわけですね。

一方で、自力で債務整理をした場合には債権者や裁判所からの連絡が自宅に届くことになりますから、日中は仕事で不在にしているという方の場合は家族に借金を知られてしまうリスクは非常に高くなるといえますから、注意してください。

債権者との交渉をすべて代行してくれる

債務整理では、借金の負担軽減をどの程度まで認めてもらうかをめぐって、債権者側と交渉が必要になるケースが多くあります。

交渉ごとである以上、その交渉を行う人の力量によって結果に差が出てしまうことはある程度避けられません。

この点で、法律の専門家で弁護士が交渉を行うのと、知識のない一般の人が交渉を行うのとでは、債権者側に与えるプレッシャーに大きな差が出てしまうのは間違いないでしょう。

消費者金融や銀行といった金融機関が相手である場合には、専門家以外の人が任意整理の交渉を持ち掛けても一応応じてはくれると思いますが、最終的に借金の負担がどの程度減らせるかについては確実なことはいえません。

債権者が金融機関以外である場合には、さらに交渉の難易度は高くなる

もし債権者が金融機関などではない場合(取引先や親族・知人など)には、そもそも交渉に応じてくれない可能性も考えられますし、交渉の連絡などはあなたが自力で行わなくてはなりませんから、精神的なストレスも相当なものになるでしょう。

一方で、弁護士に依頼した場合にはあなたは特に何もしなくても交渉のプロが最善をつくしてくれます。

依頼後は結果を待つだけですから、交渉にともなうストレスを避けたいと考えている方は無理せず専門家に依頼するのがおすすめです。

難しい書類の作成や手続きをすべてやってくれる

債務整理は、大きく分けて「裁判所を介して行う手続き(個人再生や自己破産)」と、「債権者と直接交渉を行う方法(任意整理)」の2種類があります。

債権者との直接交渉で借金減額を行う場合については上ですでに見ましたが、裁判所を通して行う場合にも弁護士に依頼して債務整理を行うことにはメリットがあるといえます。

理由としては、裁判所を通した手続きでは申し立てを行う際の準備書類や、手続き開始後に裁判所から提出を求められる資料の作成に、大変な労力が必要になるからです。

具体的には裁判所への申し立て書類、あなたの生活の状況や借金を負うようになってしまった経緯などの説明書類を作成する必要があります。

これらの書類の内容に不備がある場合、借金の減額が決定するまでの期間が大幅に伸びてしまう可能性もありますから注意が必要です。

債務整理を弁護士に依頼した場合のデメリット

ここまで債務整理を弁護士に依頼した場合のメリットについて説明しましたが、デメリットについても理解しておきましょう。

弁護士に債務整理を依頼した場合、自分で手続きをするのと比べると以下のようなデメリットが考えられます。

  1. 弁護士に支払う費用が発生する
  2. 他人である弁護士にプライベートな内容を相談する必要がある
  3. 債権者が友人や親族である場合の問題

こちらもそれぞれの項目につてくわしく説明します。

弁護士に支払う費用が発生する

弁護士に債務整理を依頼することを選択した場合の最大のデメリットは、なんといっても弁護士に支払う費用が発生してしまうことです。

債務整理の手続きには任意整理、個人再生、自己破産の3種類がありますが、それぞれの費用相場は以下のようになります。

任意整理の費用相場

任意整理の費用は、債権者1件につき着手金4万円~5万円、成功報酬として減額できた債務の10%程度が相場です。

例えば、アコムとレイクの2社からそれぞれ50万円の借金があり(合計100万円)、任意整理によって借金を合計70万円まで減らしてもらうことができたという場合には、次のような費用が必要になります(着手金は4万円とします)

  • 着手金 :4万円×債権者2件=8万円
  • 成功報酬:(100万円-70万円)×10%=3万円
  • 合計額 :8万円+3万円=11万円
費用を払ってまで借金を減らす意味はあるの?という方へ

100万円の借金を70万円にしてもらうために、11万円の費用を払うなんて…という方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、この手続きを自力でやった場合には、そもそも借金の減額じたいを認めてもらえない可能性もあります(上でも見たように、任意整理の交渉は、交渉を行う人の力量によって成否が決まります)

弁護士に費用を支払ったとしても、その結果として自分で手続きをするよりも大きな借金の減額が認められるのであればそれは結果としてプラスになります。

弁護士に依頼した場合には手続きもすべて代行してもらうことができますから、自力で任意整理を行った場合には交渉にともなう労力やストレスも負担しなくてはならないことも理解しておきましょう。

費用は後払いや分割払いも可能

「弁護士に依頼するメリットはあったとしても、現実問題として手元にお金がとぼしくて費用を負担できないかも…」というお悩みをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

結論からいうと、この点については大きな問題は生じないことが多いと思われます。

というのも、多くの弁護士事務所では、費用の後払いや分割払いも認めてくれるからです。

実際に相談する事務所が後払いや分割払いに対応しているかは確実なことは言えませんから、無料相談にいったときに支払いが難しいことを相談してみてください。

弁護士の側としても借金の問題にお悩みの方にとって、費用の負担が決して小さいものではないことは理解してくれていますから、快く応じてくれることがほとんどですよ(弁護士事務所の側から「分割払いも可能ですがどうされますか?」というようにすすめてくれると思います)

個人再生の費用相場

個人再生を選択した場合には、弁護士に対して支払う費用と、裁判所に対して支払う費用の両方が必要になります。

弁護士に対して支払う費用は、30万円~40万円が相場です(着手金と成功報酬をあわせた金額)

裁判所に対して支払う費用の金額は、弁護士に依頼した場合と自力で手続きをした場合とで異なる点に注意が必要です(次の項目でくわしく説明します)

個人再生は自力でやると再生委員への支払金額が加算される

個人再生を行う場合、裁判所は「個人再生委員」という人を選任します(弁護士に依頼するか否かによらず選任されます)

この個人再生委員に対しても報酬を支払わなくてはならないのですが、弁護士がついている場合は15万円程度、ついていない場合には25万円程度を予納金として支払わなくてはなりません。

合計すると、個人再生では弁護士に手続きを依頼した場合には45万円~55万円程度の費用が、自力で手続きをした場合には25万円程度の費用が必要ということになります。

なお、上の費用のうち、個人再生委員の報酬(15万円または25万円)は個人再生の「履行テスト」を兼ねて支払いを行いますので、3~6回に分けて納めます。

自己破産の費用相場

自己破産を弁護士に依頼して行う場合の費用は50万円程度が相場です(着手金と成功報酬、裁判所に支払う費用を合計した金額)

債務整理の3つの方法(任意整理、個人再生、自己破産)の中では、もっとも費用の負担が大きくなりますが、自己破産は借金のすべてを0円にしてもらえる方法ですから、実質的には負担軽減の効果はもっとも大きいといえるでしょう。

なお、自己破産では専門家に依頼しないで手続きをした場合にも、裁判所に対して支払う費用が発生します(同時廃止事件の場合は1万円程度、管財事件の場合は20万円程度です)

自己破産はすべての借金を清算することが可能になる効果が大きい方法である分、裁判所での手続きも慎重に行われる傾向があります(債権者側への説明や平等が重要視されるためです)

手続き中に裁判所に対して提出する資料も詳細なものが必要になりますから、法律知識のない人は弁護士に依頼して手続きを進めていくのがおすすめです。

他人である弁護士にプライベートな内容を相談する必要がある

借金というプライベートな問題を他人に相談すること自体に抵抗がある…という方もいらっしゃるかもしれません。

借金の問題は自力で解決できるのであれば、できる限りまわりに知られることなく解決したいと考えるのがむしろ自然といえるでしょう。

しかし、借金は返済が遅れれば遅れるほど負担が大きくなりますし、上でも見たように債権者との交渉の進め方によっては負担軽減額が変わってくる可能性もあります。

なお、弁護士は日常的にプライベートな問題(借金解決だけなく、離婚や不倫といった問題も含みます)を扱っていますから、あなたの借金問題について特別な感情を持つことはまずありません。

手続きも淡々(たんたん)と進めてくれますから、弁護士に相談することで精神的なストレスを感じることはむしろ少ないといえるでしょう。

債権者が友人や親族である場合の問題

債権者が消費者金融や銀行といった金融機関である場合には大きな問題はありませんが、債権者が友人や親せきである場合には、弁護士を通して連絡をすることでカドが立ってしまうということも考えられます。

相手にとっては貸したお金が返ってこなくなるわけですから、トラブルになってしまう可能性はある程度覚悟しておく必要があるでしょう。

一方で、プロが間に入ることでむしろスムーズに解決するケースもありますから、友人や親族との話し合いをスムーズに進める自信がない方は弁護士に相談してみることも選択肢に入れてみてください。

弁護士事務所での無料相談について

ここまでは弁護士に依頼して債務整理の手続きを行うメリットとデメリットについて説明してきました。

ここからは実際に弁護士に依頼することを選択した場合に、弁護士事務所での相談などはどのように行われるのか?について説明します。

債務整理の手続きをインターネットの受付サイトなどから依頼した場合、まずは資料をもって弁護士の事務所に無料相談に行くのが一般的です。

無料相談の場では、実際にあなたの状況を確認しながら、そもそも債務整理を行う必要があるのかどうかといった点について説明してもらうことができます。

相談だけであれば無料ですから、もし無料相談をした時点で「自分には債務整理は必要ないかも」ということになれば、その時点で辞めれば費用は1円も発生しないことになります。

無料相談の雰囲気はどんな感じ?説教されたりしない?

普通の人は日常生活で弁護士とかかわる場面はほとんどないでしょうから、「借金の相談になんていったら、説教をされたりして嫌な気分にさせられるのかも…」と不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。

結論から言うと、そのようなことはありません。

弁護士は法律上「依頼者の利益を最優先に活動する」という義務がありますから、あなたの不利益になるような言動をすることはないでしょう。

もっとも、弁護士も人間ですから、あなたとの性格的な相性が悪いということもあるかもしれませんが、その場合にはその弁護士に依頼するのは辞めて、別の事務所を選択すればよいだけの話です。

弁護士との相性は大切

債務整理は手続き期間が数か月~半年以上になることもありますから、パートナーとして手続きを進めていく弁護士との相性はとても大切です。

無料相談の場は相手との相性を確かめる良い機会になりますから、わからない点や不安に感じている点は何でも相談するようにしてみてください。

あなたの質問にていねいに答えてくれる弁護士であれば、債務整理の手続きも安心して任せることができるでしょう。

無料相談に行く時に用意しておく情報

弁護士の事務所に無料相談に行くときには、以下のような資料を持っていくとスムーズに相談が進みます。

借金の本数や金額と債権者の名称

具体的な金額がわからない場合には、手続き開始後に弁護士が調べてくれますから、だいたいの金額でも構いません。

消費者金融のキャッシュカードや、自宅に届いたはがきなどはできる限り持っていくようにしましょう。

あなたの収入額や生活費がわかるもの

裁判所を通じた債務整理手続きでは、あなたが現在の収入だけでは借金を完済できる見込みがないことを裁判所に対して認めてもらうことが必要になります。

勤務先から受け取っている給与明細や、源泉徴収票が手元にある方は、直近数か月分を持っていくようにしてください(源泉徴収票は通常、1年に1回だけ発行されます)

また、あなたの毎月の生活費や医療費、近々必要になる大きな支出の予定などについてもできる限り詳細な情報を提供するようにしましょう(銀行通帳やインターネットバンキングの取引明細なども)

そもそもあなたに債務整理が必要かどうかを判断するためにこうした情報は大切ですから、関連する資料をできるだけ持っていくようにしてください。

まとめ

今回は、債務整理を弁護士に依頼した場合のメリットやデメリットについて説明しました。

本文でも見ましたが、債務整理は実際には弁護士に依頼して手続きを進めている人がほとんどです。

法律上は借金を負っている方本人が債務整理を行うことも可能になっていますが、法律手続きの難しさや債権者側の対応のしかたからすると、知識のない方が自力で債務整理の手続きを進めていくのはあまり現実的ではないというのが現状です。

債務整理の手続きの進め方について不安な部分がある方は、一度弁護士の事務所に相談してみることをおすすめします。

初回の相談は無料である場合がほとんどですから、本当に自分には債務整理が必要なのか、債務整理を選択するとしてどの方法が自分に適しているのかといったことを相談してみると良いでしょう。

吉田ライター
吉田ライター
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