FX初心者が失敗しないために守るべき10個のルール!

初心者ならではの失敗や損がFXにはつきものです。

 

FXは至る所に不確実なものが散りばめられた投資であり、ベテランのトレーダーであっても、明日の相場が手に取るように分かるわけではありません。失敗は常に隣り合わせです。

 

そこへ初心者ともなりますと、殊更に多くの失敗をしてしまうのは想像に難くありません。

 

そこで本項では、FX初心者がやってしまいがちな失敗の例や、そういったことにならないようにするための大切な10個のルールについて解説していきます。

 

ルール1: テクニカル分析を過信しない

まずは、多くの初心者の方が早い段階から接するテクニカル分析についてです。

 

FXで勝つためにテクニカルツールを勉強するのは当然の行為ではありますが、初心者の場合、解説された内容を資格試験の参考書に接するのと同じ感覚で「確実に起こる、未来永劫そうなる」ものと思ってしまう傾向があります。

 

FXにおける全ての出来事は、全く同じ様に再発生するものではありません。全ての現象は確率的に起こっていることなのです。

 

例えば、週足・月足などの長期チャートで形成される強めのサポートラインであっても、実際にはトランプ大統領が不審な言動を起こせば破られてしまうものなのです。

 

ですので、トレンドラインからレートが反転するのは100%ではありません。

 

そのような不確実性は普段の生活に多く存在しているわけではないので、FXはそれまでの人生経験や感覚が通用しない世界であるのです。

 

私も初心者の頃はよくネット検索で移動平均線やMACDなどの使い方を調べ勉強していたものです。例えばデッドクロス後の下落に期待しここぞといった所で売りを建てますが、これがそう簡単に下がりません!

 

移動平均線もMACDもDCしてるんですが、どうしてでしょうか?過去のチャートを調べてみますと下落時は間違いなく2本の線がクロスしてますし、目の前の取引画面もそう映って見えるのですが。

 

テクニカル分析は、「任意の現象は1/○で発生する」と理解するのが正しいのです。決して過信せず、書籍の解説通りにならなかった場合は「損切り」でその場を乗り切るようにしましょう。

 

 

 

ルール2:長期チャートもチェックする

短期チャートの動き

初心者の方ですと、チャートの動いている様子がよく分かる1分や5分の短期足をよく眺める傾向があります。

 

長い足のチャートを見てもめったに動くことが無く、為替差益を出せそうに思えません。

 

しかし、短期足ばかりを見ている時「どうしてこんな動きするの?」「なぜこんな大底で買いが入ってこないんだ?」といった思いをされた方もいるのではないのでしょうか。

 

他にも、天井付近までチャートが描かれ、もうこれ以上は上がらないだろうと思い天井で売りを建てたつもりが、さらにまた上昇していき、瞬く間に吊り上げられてしまったという苦い経験を筆者も実際に経験しています。

 

大口投資家の動き

相場に参加する人達は、個人トレーダーもたくさんいるのですが、巨額の資金を持つ金融機関や保険会社、ヘッジファンドといった機関投資家も世界中から参加しています。

 

こういった存在は、中・長期的な戦略を練る傾向があり、直近の短期的な値動きを重視していないことがあるのです。

 

上記の筆者の例ですと、短期足的には天井に思えても、長期チャートではまだまだレジスタンスライン(上値抵抗線)まで距離(値幅)があり、買いが継続していったということになります。

 

週足や日足などの長期チャートをエントリーや利確のきっかけとしている大口投資家の行動パターンを考慮し、長期チャートもチェックするようにすれば、上記のような間違いをしてしまう可能性も下がり、大きなトレンドを奪取することも可能となってきます。

 

 

 

ルール3:自分で考える習慣を身に付ける

人から教わったやり方やネット上にある攻略法、一見おいしそうな情報などをマネしてみても、思うように勝てない経験があるのではないのでしょうか?

 

ではなぜ教えられた方法が通用しないかと言いますと、

  1. その方法をしっかりと理解できてなかった
  2. 自分に実行できる能力がなかった
  3. その方法実行時の相場状況が不適切だった

 

高金利ばかりに目が奪われて

分かりやすい例をあげますと、トルコリラのスワップポイント狙いがあります。トルコリラはFXのみならず投資信託や各種ファンド等でその高金利が謳われ、一部の個人投資家もその高金利ばかりを理由に、資金投入を決定してしまうものです。

 

FXでは為替差益ではなくそのスワップポイントのみを求めポジションを建てるとすれば、相場状況などを軽視しこれといった戦略を立てないといったことになります。

 

ところが2018年においてはトルコリラが大きく下落した年です。買いポジションは為替差益が大幅減ですので、スワップポイントによる利益では歯が立たず、非常に勝ちにくい戦略であったわけです。

出典:DIAMOND online

 

「金利が高いから儲かると思ってたんだけど」。これしか頭になかったため投資するに至ったわけです。

 

様々な事柄を自分で考える

この例では、高金利ばかりに興味を抱かず、トルコという日本人にはちょっとなじみの薄い国の情報収集をみずから十分に行うことや、高金利に付き物のハイリスクを理解しこれに自分が耐えられるかどうかを判断すべきでした。

 

資金力、経験、取引に充てられる時間など、これらの多くは自分にしか分からないことです。ある勝ち方がこういった要素によって阻害されることがないかを事前に検討することや、必要に応じてアレンジすることが大切です。見送るのも立派な判断です。

 

 

 

ルール4:利益確定を徹底する

ポジションを長い間放置することは多くの相場のリスクを受け入れてしまい、含み損に転じてしまうことも珍しくありません。

 

2017年は北朝鮮がよくミサイルを発射してたのですが、相場もそれに連れてよく下落していたものでした。

 

筆者は「ミサイルが飛べば売り」みたいな格言を勝手に思いついたりしてたぐらい、その時はショートをメインにトレードしていました。

 

しかし、「地政学リスクは一時的」といった一部の見方のとおり、数十pipsの未決済利益がしばらくすると買いに押され、どんどん消えていったことがありました!

 

日本からすればあのミサイルは非常に恐ろしい存在です。いつだって油断はできないものですが、ミサイル発射そのものは限定的であることと、日本人以外にも相場師が集まるFXの存在から考え、この脅威に関しては長く支配的な立場ではなかったようでした。

 

利益確定は、なかなかその判断が難しいかもしれませんが、メジャーなクロス通貨(~/円の通貨)の場合は参加者も多く様々な思惑が絡みレートが変化しやすいので、1度つかんだ含み益はできるだけ利益確定をするのが賢明です。

 

 

 

ルール5:証拠金維持率を高く保つ

ちょっとぐらい証拠金維持率が低くても、ちゃんと損切りしていればロスカットにはならないだろうと思い、資金が乏しい時でも維持率110%程度で取引してしまう初心者もおります。

 

しかし、ちょっと目を離したすきに突発ニュースが発生し(気づくこともなく)、マージンコールをすり抜けあっさりロスカットといった経験をされた方もいるのではないのでしょうか?

 

テレビが気になってしまった、ちょっとトイレに行った、携帯に着信が入ったので出てしまったなど。

 

そもそも、全資産を目いっぱい使ってポジションを建ててしまうと、レート変動による含み損に耐えるための余裕資金分が少なくなってしまいます。要は、すぐにロスカットになってしまうということです。

 

また、相場急変時に強烈な騰落が起こりますと、なんと口座資金の全額以上の損失が出てしまうことがあり、FX会社から追加の支払いを要求されることもあるのです!このことは各社利用規約にも記載されており、後で大変なことになってしまうのは必然です。

 

出典:PRESIDENT Online

 

 

ポジションの量をよく考え、常に資金に余裕を持たせ高い維持率を保つことが大事です。

 

 

 

ルール6:相場状況の変化を意識する

ニューヨーク市場はトレンドが発生しやすく、私も数十pipsの値幅狙いをかつては毎晩行っていたものでした。

 

市場開始から2~3時間様子を伺い、トレンドの発生に乗って大きな勝利を何度も掴むことができたのです。

 

「ウワサは間違いないみたいだな。毎日この時間帯にトレンドを狙っていれば、とんでもなく儲かるじゃないか!」毎晩楽しみで仕方ありませんでした。

 

ニューヨーク市場における教訓

とある日もしばらく膠着状態が続いた後、コレだ!という所で大き目にポジションを取りますが、トレンドは発生せず、ちょっと損切りして次を狙います。

 

では今度はどうかともう1度チャレンジしますが、何かチャートの「飛び」が足りないのです。上昇してもすぐに強烈なたたき売りが入り、あえなくポジションはマイナスへ。結局この日は5・6回の損切りで終了。

 

ニューヨーク市場であっても大きなトレンドが発生しないことだってあるのです(当たり前ですが)。

 

ニューヨーク市場で大きなトレンドが発生することは広く知られていますが、あらゆる出来事が同じように繰り返される保証がないのがFXですので、相場状況の変化に注意しすぎるということはありません。

 

相場状況の変化をつかむオススメの方法

「現在のトレンドがいつまで続くか」といった疑問に対しては、レートの進行先に「長期足から形成されるサポート・レジスタンスラインがあるかどうかを確認する」ことが1つの方法です。

 

トレンドの強さによってはいずれそういったラインが突破されることもありえますが、長期チャートにおける各種ラインからのトレンド反転は多くの参加者に当然予想されるものであり、少なくとも足止め程度の進行の鈍化は頻繁にあります。

 

また、毎日の経済ニュースにもヒントがあります。FXは株式市場(最も有名なのはニューヨークダウ)からの影響を非常に受けやすいのですが、経済ニュースを通じてその内容を知ることができます。

 

経済ニュースは活字で相場状況を把握することができるので、株をやっていないFXトレーダーであっても難しい相場分析をせずに済みます。

 

FXのチャートやテクニカル分析の陰で(むしろ投資の表舞台で)、米国株がよく買われた・失望を受け失速したといったことがあり、そういった株式市場の変動もFXの相場変動へつながっていくようになります。

 

機関投資家が重視する長期チャートの方向性や、影響力が大きい世界の株式といった存在の動きには、常に注意を払っておくことが大切です。

 

 

 

ルール7:メンタル対策を行う

失礼ながら初心者の方の目が最も向かないであろう「メンタル」についてです。

 

専門的な投資機関や経験豊富なトレーダーであっても相場の全てを理解することはできません。テクニカル分析などの技術的な力や既存の知識だけで相場を乗り切るのは困難なのです。

 

ではどうやって相場に接し利益を上げ続けることができるのでしょうか?

 

そこでメンタルの管理が登場してくるのですが、メンタルをいつも正常に保つことでどういったメリットが得られるのでしょうか?

 

「メンタルが優れていることによるメリット」

  • 無謀なトレードを防ぐ
  • 損切りをためらうことなく実行できる
  • ルールを守り計画的な行動をとることができる
  • 上記の結果継続して利益を得ることができる

 

FXでのトータル損益は、勝ちによるプラスの部分によるところがある一方、いかにマイナスを抑えるかといった面が非常に大きいものなのです。

 

失敗ポジションであれば速やかに損切りをして損失拡大を回避したり、これより先は相場の様子が分からないから一旦取引は中止するなど、自分を律しいかに冷静な状態を保てるかが総合収支をアップさせる最善の方法です。

 

実際には、お金が惜しく損切りができないことや、相場状況の変化を考慮せずたまに来る連勝に任せて取引を過剰に行ってしまうことがあります。

 

いずれの例も、感情や気分に支配された結果の行動であり、相場状況や取引の合理性を無視して収支を向上させることはまず不可能です。

 

また、メンタル管理に関する下記記事も参考にしてみてください。

 

稼ぐ投資家はやっている!FXにおける多面的なメンタルコントロールの方法

 

 

 

ルール8:トレード前は必ず相場分析をする

チャートにパッと飛びつく習性

よく初心者がやってしまう事としては、5分などの短期チャートが上昇する様を見ながらそれに飛び込む感じで勢いで買いポジションを建ててしまうのがあります。目の前で起こるものに対しそのまま素直に乗っかってしまうんです。

 

他には、「さっきまで上がってたから買いで」と、天井付近にいることを考慮せずロングポジション(底でショート)を作ってしまうパターンもあります。

 

失敗ポジションを作らないためには?

エントリー前は、現在どんな状況になっているのか相場を分析することが何よりも大事(必須)です。

 

上記のような短期チャートの場合、「てきとう」なタイミングでチャートを見た瞬間は、最安値が先にライバルに取られている状態です。

 

エントリーにあたっては、必ず直近の最高値・最安値をチェックし、レートが再到達した時に「逆張り」で入るといった戦略を考えることが1つのアイディアです。

 

また、同じようにチャートの底だと思い買いを考えたとしても、ニュースなどから全体的にリスクオフ(投資を控える雰囲気)傾向にあると判断されれば、そのリスクオフを「相場状況」の根拠とし、「底から売り」といった戦略も見えてきます。

 

また合わせて「ルール6:相場状況の変化を意識する」も大切です。

 

 

 

ルール9:損切りを徹底する

損切りの存在意義と現実

損切りする理由としましては、

  • 損失を低く抑えトータル収支を向上させる
  • その都度ポジションを解消させることで相場を冷静に判断し直すことができる
  • 証拠金維持率を回復させ新たなエントリーチャンスに投資ができる

 

しかし少額のうちに損切りができず、大損害となってしまうパターンは多くのトレーダーが経験するものです。

 

また、含み損が発生しても自然にまた元に戻っていたなんて経験がありますと、「損切りする意味がない」といった心境にもなってしまいがちです。

 

損切りしなかった最悪の例

2013年のアベノミクス相場は、「買い」ならどこで建てても高確率で勝つことができました!世界中の投資家から日本の景気回復が期待され、米ドル/円をはじめ多くの通貨ペアが日々上昇していきました。

 

しかし、やはりいつまでも同じ状況は続かないものです。

 

ちょっと知られたFXのコミュニティサイトがあったのですが、あるFX初心者が英ポンド/円のロングだけで1,000万円儲けることができたのです!

 

その時はちょっと逆行しても次々と買いが入ることから、本人も損切りする意志は全くなく、日々新規ロングを建てていたものでした。

 

そして、ポンド/円が195円付近に到達してから本格反転が始まっても、それに気づかず損切りをせずに同じスタイルを続けていくうちに、ある時からパッタリとサイトに来なくなってしまいました・・・

 

上記の例にならないようにするために

損切りする値幅や損切り額をいつも決めておくこと。ストップロスを設定することも便利で有効な手段です。もはや損切りしないトレード方法は存在しないと言えるほど大切なアクションです。

 

 

 

ルール10:経済ニュースに目を通す

経済情報やニュースを読んでいるだけでもある程度の戦略ができるものです。

 

初心者の方は、「とっつきやすさ」や「分析行為のやりがい」、またはビジュアル的な魅力に惹かれテクニカル分析に多くの時間を注ぎこみますが、テクニカルな要素ばかりではどうにも納得しづらいことだってあるものです。

 

その好例として、前日の夜ニューヨークダウが好調であれば、翌日の東京市場も円安になりやすいので買いポジションが勝ちやすいといったものがあります。

 

こういった情報を知っていれば、自然とショートはほぼ除外でき、あとはロングを押し目買いかサポートラインからの反転上昇狙いが勝ちやすいといった結論を簡単に導きだせるのです。

 

逆にこれを知らないでいますと、ロングもショートも同じウェイトのまま、チャート分析もいつもと同じ時間をかけてしまうことになるのです。

 

ニュース等の情報を1つ手に入れるだけで、テクニカル分析がすごく楽になれるのです。

 

そこで私も普段からそういったやり方をすることがありますが、前日のダウが強気だったニュースを受け、朝から米ドルロングを仕込むも、直後に「米上院議員の何某が不正事件の・・・」というニュースが入ってあえなく失速・・・。

 

ニュースで攻めてニュースにやられてしまうこともありますが、とにかく経済ニュースは内容によってはテクニカル分析への大きな助けとなり、トレードを非常に楽に優位なものにすることができるのです。

 

 

 

まとめ

初心者の方にありがちな失敗例を取り上げ、それに対する予防策(ルール)をご紹介しました。

ルール内容をもう一度おさらいしてみます。

 

  1. テクニカル分析を過信しない
  2. 長期チャートもチェックする
  3. 自分で考える習慣を身に付ける
  4. 利益確定を徹底する
  5. 証拠金維持率を高く保つ
  6. 相場状況の変化を意識する
  7. メンタル対策を行う
  8. トレード前は必ず相場分析をする
  9. 損切りを徹底する
  10. 経済ニュースに目を通す

 

実は上記ルールは初心者のみならず、経験豊かなトレーダーであっても守るべきものばかりです。ただ、初心者の方はその多くを知らなかったり、うまく使いこなせなかったりするだけです。

 

最初はみなさん同じです。上記のルールをそのまま自身のトレードルールに組み込めばスキルアップや収支の改善につながっていきます。

 

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