国際情勢が不安定な今こそ、金投資で稼ぐ!

今日、私たちの投資を取り巻く環境は、大変なくらい発展し、銀行預金、国際投資、株式社債投資、投資信託、オプション取引、デリバティブ取引、債券、インデックス指数への投資などバーチャルな要素を取り入れながら、アイテムも手法も開発が進んで複雑化しています。

このように複雑に、しかも大きく変化する世界経済を見据えて、私たちは大事なお金や資産を何に託せばいいのでしょうか。私たちは、日々学んでいかないと、これからどんどん現れる新しい投資の技術についていけなくなります。現在の世界情勢はかなり不安定で、米中貿易戦争を始め、問題は山積みです。そんな不安を背景に、歴史的にも世界的にも一定の価値を失わない金がいま見直されています。このところの金価格の上昇カーブには目を見張るものがあります。実際、スイスにあるプライベートバンクでは、古くから資産の10%は金で持ちなさいと薦めているところもあります。しかし、そんな世界の資産形成の基軸がある投資ですが、私たち日本人にはそんスタンスの方はあまりに少なすぎます。

でも、そんな日本にもようやく金投資に適した時代がやってきました。金現物もさることながら、さらに拡大していこうとしている金ミニ取引や金ETFがまさにそれです。私たちにとっての投資手段として身近な存在になってきているのです。金であれば、どのような時代であっても通用する資産とすることができます。

金を持つべき理由

新興国による金需要の増加

ITによる情報のインフラ整備は、産業基盤に付随していたノウハウや経営資源がオープンになるきっかけを作りました。今まで企業や工場にあった独自の経営や生産のノウハウが情報化やグローバル化によって中国にもたらされ、豊富で安い労働力が世界の工場としての中国を形成しました。また、インドにおいても、コールセンターなどのアウトソーシングサービスが米国から移され、IT産業クラスターまで形成するにいたっています。中国では物々交換を主体とする農業社会から、都市部への農民が移動することになり、消費人口が激増したため、消費社会へと転じました。インドも同じく急激な経済発展を遂げています。そのため、情報化や生産、輸送、電力供給のインフラ整備が行われ、世界的に石油、銅などの資産が値上がりしました。さらに、バイオエタノール利用による穀物価格の高騰など、世界の商品価格全体が上がる傾向にあります。

さて、そのような両国の経済発展は金の需要にどのような影響があるのでしょうか。実は世界で最も金の需要が大きい国はインドです。インドでは、金は祝祭ごとや贈り物に利用される縁起物として、伝統的に装飾品としての需要が続いています。また、ヒンドゥー教では、女性は土地相続ができないので、親は娘が他の家に嫁ぐ際に金のアクセサリーを持たせます。また、祭事には金の装飾品を身につけるのが習わしともされています。

金には、投資対象や財産の保全方法、通貨の価値を裏打ちする基準としての役割や工業製品として使用されるなどの用途がありますが、インドや中国でのように、風習や祝祭ごとに関した伝統的な背景を持った特殊な品物としての価値があるのです。このような、金の祝祭ごとにおける宝飾品としての価値が、人間の歴史を通じ金の需要を生み出し続けるのです。金は、人間の生活に根ざし、縁や祝いを取り持つ伝統的な触媒でもあるのです。

一方、日本はどうでしょうか。日本の公的機関の金保有量は2005年末で765トンと、1位のアメリカの8,135トンの10分の一以下です。すなわち、我が国ではペーパーマネーの信用力低下という状況下において公的機関が金を十分保有していないという、大変厳しい事態に陥っているということです。

金は資産として優れている

金は、人類の有史以来、地上に存在するのは9万トンくらいであるとか、15万トンであるなど色々と言われています。ちなみに金9万トンは、オリンピック用プール50メートルの2杯分ほどの量に相当します。金はこの地球上にそれくらいしかないのです。だから希少価値がかなり高いのです。

地球上に残っている金の埋蔵量は後、60,000トン程度と推定されています。ところが未採掘の鉱脈のある場所は、地底深く何千メートル、海底の火山脈の近くやアフリカの奥地、さらには3000メートル以上もある山塊などであり、今後は金の採掘がますます困難になっていくものと懸念されています。このように、金は有史以来採掘し続けていますが、採掘も困難になってきており、希少価値が高い状態が続いているのです。

また、金の性質も他の資産とは異なった特徴を持ちます。金は空気中で錆びず、比重が高く重い、電気や熱の伝導性にも優れ、薄く伸びやすい等の性質があります。金は腐食せず輝きを保つため、装飾品や貨幣として利用されてきました。希少性がある、錆びにくい、耐熱性も高い、比重が高く保管容量が小さい、といったことからも金塊として保存され資産としての価値を保ってきました。

金の現物投資の始め方

金の投資方法には、金ETF、金関連株、金ETF・・・と色々ありますが、これらは、テクニックが必要になるため初心者の方々はそれぞれの特性について十分に注意する必要があります。最も単純な、金そのものを持つという方法にも、宝飾品として持つ、金貨として持つ、金塊で持つ、純金投資をするといったやり方がありますが、コインも希少価値や鑑定の知識が必要ですし、金塊も買うタイミングが重要であったりするので、まず初心者の方には純金を毎月小口で購入する純金投資をお勧めします。

金の様々な投資を解説するまえに、最も基本的で一番馴染みの深い金の延べ棒についての知識を紹介したいと思います。金は溶かして、様々な形に姿を変えることができ、金塊、コイン、指輪などの宝飾品、仏壇祭具、などで持つことができます。少額の売買がしやすいのは、公設の取引所で扱われている、フォーナインと呼ばれている純度99.99%の金塊、つまりブランド地金です。買取の際に、鑑定がなされますが、国内の地金商で小口の買取をする場合、買取価格で地金により差がでることもあります。金塊は、鉱山会社や商社の販売窓口、宝飾店、銀行、証券会社などで購入することができます。金地金には、図の通り、ロット番号、溶解業者の商標、重量、品位表示の刻印が保証書の代用をしています。金地金が東京工業品取引所の指定したものであれば、先物取引の決済に使用することも可能です。

では、実際に金現物はどこで売買されているのか。個人が小売で金を購入する場合、地金商、商社、銀行、商品先物問屋、デパート、貴金属店、金取扱時計店など様々なところで購入することができます。

金ETFとは?

ETFとは、証券取引所で取引される投資信託のことです。つまり、上場している投資信託のことです。通常の投資信託は、証券取引所では売買されず、販売会社に申し込みをし、受益権を得ます。売買価格は、投資信託の時価の変動によって算出し、毎営業日ごとに1日1回取り決められます。これに対し、ETFは、証券取引所で売りたい人と買いたい人が証券会社を通じて、受益権の売買の取引をします。従って、市場が開いている間は、何回でも取引ができます。つまり、株式取引と同様に、証券取引所で取引ができる投資信託なのです。そして金ETFについては、2008年に東証に上場しました。

金ETFも特定の指標に連動する投資信託の一種です。金ETFはコモディティーと表記されているように株価以外で商品の価格と連動するもので、ロンドンの現金受け渡し価格が対象になっています。もう少し詳しく説明すると、金はニューヨーク取引所をはじめ世界中に先物取引所がありますが、金の現物受け渡しの取引はロンドンが中核をなしていて、その価格に連動するのが東京証券取引所に上場されている金ETFというわけです。

金ETFの仕組み

それでは、実際の金ETFの仕組みはどうなっているのでしょうか。金ETFの場合、外国籍の投資銀行が発行した金価格連動発行有価証券を日本の大手証券会社が委託者となって、投資信託を設定し、金価格連動発行有価証券を組み入れて証券取引所に上場しています。つまり、この金ETFと呼ばれる投資信託は、金そのものには直接投資をしません。あくまで、銀行が発行した、金価格に連動する目的を持って発行された有価証券に対する投資をしているのです。よって、発行体の信用力や信託保全の裏付けがなければ、発行有価証券に対する信憑性はないということになります。

金ETFのリスクも一緒に紹介しておきます。金ETFの最大の特徴は、投資先が現物の金ではないという点にあります。金ETFは、あくまで金価格に連動する投資成果を目的として発行された有価証券を対象にしているので、組み入れ有価証券の発行体が倒産したり財務状況が悪化するなどの影響により基準価格が下落することもあります。

その他のリスクとして、価格変動リスク、発行体リスク、運用リスク、流動性リスク、為替リスクなどがあります。

価格変動リスク・・・ETFは、値動きのある証券に投資しますので、基準価格は大きく変動します。そのため、元本が保証されている商品ではありません。また、価格は市場の需給を反映して変動しますので、売買の値段と基準価格は一致しないことがあります。

運用リスク・・・ETFは基準価額が対象となる指標に連動することを目指して運用されていますが、運用上、基準価額と対象指標が乖離することがあります。なお、市場の急変時など、対象指標に連動する運用が困難になる場合もあります。

流動性リスク・・・市場の需給等の状況によっては、予期した価格で売買できない可能性や売買が成立しない可能性もあります。また、上場ファンドが東証の定める上場廃止基準に該当する場合、上場廃止になることがあります。

為替リスク・・・外貨建ての資産で運用されるETFには、為替変動リスクはもちろん、カントリーリスクなどがあります。

金ミニ先物取引とは、どのようなものか

従来、東京工業取引所では、1キログラムを取引単位とした金先物の標準取引が行われてきました。しかし、小口で低リスクでの投資を志向する個人投資家などのニーズに応えるため、2007年より100グラム単位でのミニ取引として導入されました。金先物ミニ取引の一番の魅力は、少額の資金で始められることです。通常の先物取引では、商品取引業者に口座を開いて、証拠金と呼ばれる担保金を差し出し、取引を開始します。この取引本証拠金の基準額が、金標準取引では、13万5000円かかるのに対し、金ミニ取引では1万8000円から取引ができます。つまり現在なら、1グラムあたりの金の価格が3000円とすると、100グラムで30万円ですので、1万8000円の証拠金で30万円の運用ができることになります。

証拠金は、上場株式や国債などの有価証券でも可能な上、金ミニは先物取引の一種であるので、売りからでも買いからでも両方から取引に入ることができます。先物取引とは、決済期日までに、取引を決めた価格で、買付けまたは、売付けをする取引です。決済期日までであれば反対売買をして決済をすることができます。先物取引の決済は、買付け価格と売付け価格の差額、もしくは売付け価格と買付け価格の差額で決済が行われます。

金の先物取引は、例えばオーストラリアドル貯金をしている個人投資家が、その利息で有利な貯金を全額取り崩さずに、貯金の一部を取り崩して、取引本証拠金を差し入れる。つまり、金現物を買い入れるよりも、一部の証拠金の差し入れで運用を有利に展開しようとする場合に利用できる手段です。取引本証拠金は、現金だけではなく、その代用として上場株式や国債、その他の有価証券で差し入れることも可能です。すぐ売ることができない上場株式を持っている資産家や、中長期で上場している自社株を持っているサラリーマンなどがこの方法を利用できます。

そして、メリットとしてのロスカット制度です。金標準取引とは違い、ロスカットという制度が導入されているのが特徴です。金ミニ取引は、リスク許容度が低い市場参加者である個人投資家のために作られたものであるため、あまり大きい損失が発生しないように配慮され、設定されたものです。ロスカット制度とは、あらかじめ設定された損失の限度額に達した時に、取引の事前に決定されていた方法で、仕切り注文が執行され、損失の限度を超える損失が生じることを防いでくれるというものです。

金特有の相場の流れ

金が商品である以上、需要と供給のバランスが価格に影響を及ぼします。では、需給関係から見た、金の現物の買い時、売り時はあるのでしょうか。金の装飾品としての需要が最も多い国はインドです。インドでは、結婚シーズン、ヒンドゥー教の新年にあたるダイワリ、幸運、成功、繁栄、豊かさを祈る日であるアクシャヤ・トゥリティーヤなどのイベントが4月と10月に多く、また10月は農産物の収穫後で最も購買力が高まる時期にあたり、金の需要も高まります。

金価格の短期的変動要因

鉱山の事故、電源供給問題、ストライキなどによる相場の短期的要因には注意が必要です。金鉱山では、時折、落盤崩壊による事故、電源供給に問題が起きたり、ストライキが生じたりします。ストライキは、労働者が生活をかけて行うものであるため、暴動にでも発展しない限り短期的に解決へと向かうことが多いです。電源供給については、なぜか南アフリカでインフラの問題として社会問題になっていますが、重要な社会資本であるため、解決の糸口を見出そうとする努力がなされます。これらと違って、鉱山での事故は判断を要します。鉱山事故は、被害者への対応、事故の種類、鉱山の採掘へ影響する期間、この鉱山が会社にとってどれくらい重要なのか、を判断材料として見極めなければなりません。軽度な落石事故と違い、鉱山の基盤部分が崩落したものであれば、安全性に問題があります。さらにその結果、地下水が大量に噴出するという事態に陥れば、坑道が水没してしまい致命傷となります。さらに、事故があった鉱山がその会社にとって重要なポジションにあれば、なおさら経営に大きい影響を及ぼします。代替開発できる鉱山が無ければ収入源がなくなることになるからです。これらのリスクは生産量へ影響するため、重大な被害が発生した場合は、金価格が上場し、発生当事者の鉱山会社が株価が下落するという原則があります。

これから、気をつけなければならないのは、何かの仕組みや制度に守られているという思い込み、銀行などの金融機関は大丈夫といった幻です。そのシステムや制度はいきなりなくなる可能性があるということに気づかなければいけません。そんな時代はすぐそこまできています。自分の資産を、このような不安定なもので構成されているとしたら、大変危険です。自分の資産を守るために、手元にいつでも置けて、価値が変わらない、腐食もしない、金を見直すべきです。

金を持つべき理由1 2 3 4 5 金現物の始め方 金ETFとはどのようなものか 金特有の相場の流れ

白井 貴也
白井 貴也
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1996年生まれ、神奈川県在住。金融業界歴4年、2級ファイナンシャルプランニング技能士。独立系FPの立場からの中立な意見で、皆様の役に立つ情報を伝えていきます。

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