30歳女性が一生独身でいると決めたら・・女性の独り暮らしの老後資金の具体額

結婚していることが「一人前の社会人」の絶対条件でなくなった今、一生を独身で過ごす人が増えています。

昔と違って、女性でもキャリアを積んでいける時代。選択肢の多い昨今では、このまま結婚をしないで独身を通そうと考えている妙齢の女性も一定数いることでしょう。

独身を通そうと決めた時の心配事といえば、老後のお金のこと。病気をしたり、大けがをして働けなくなって収入が途絶えてしまった時のことを考えると、心配事は尽きません。独身を通すと決めたら、安心して老後を迎えるために十分な貯蓄が必要です。

それでは、独身で一生通すと決めた場合、一体いくら貯蓄があれば安心なのでしょうか?

人生90年時代と言われている現在。定年して、生涯を終えるまでにどのくらいのお金があれば生活していけるのか、しっかり把握しておく必要がありますよね。

本記事では、おひとり様女性が定年後も安心して暮らすために、必要な老後資金を解説していきます。

一生独身で過ごす女性は何割いるの?

「生涯独身を通す人は、年々増えている」という話はよく耳にしますが、具体的にはどのくらいの人が一生を独身のまま過ごすのでしょうか。

2015年の国勢調査の結果によれば、50歳の間に一度も結婚したことがない「生涯未婚率」は、男性で23.37%、女性で14.06%だったことがわかっています。

男性では4人に1人、女性も7人1人は生涯未婚という数字です。生涯未婚率は、今後さらに上昇していくことが予想されています。

こうして実際の数値を見てみると、「いい歳して独身だと肩身が狭い」なんて価値観は、過去のものにありつつあるといえますね。

独身で老後を迎えるときに不安なこと

生涯独身を通すのは、もちろん個人の自由です。しかし、独身を通すと決めたなら考えておかなければならない懸念やリスクもたくさんあります。あらかじめ把握して、万が一の対処を考えておきましょう。

ケガや病気で働けなくなる

おひとり様で一生を生きていく際に一番怖いことは、ケガや病気をして働けなくなり、収入が途絶えてしまうことといえます。「老後までにしっかり貯蓄しておけばいい」と思っていても、思わぬ大病で働くことが困難になってしまったら、貯蓄どころではありません。入院や手術、その後のリハビリなどに必要な費用で、家計が圧迫されてしまうことも考えられます。

このような場合には、65歳前であっても受け取れる「障害年金」を活用することができます。また、個人で傷病保険にはいっておくのもいいでしょう。老後のことだけではなく、万が一自分に身に何かあった場合のことも考えて、使える公的制度を把握し、備えをしておきましょう。

頼る人がいなくなる

ケガや病気で身体の自由が利かなくなったとき、老後に判断能力が低下したときなど、頼れる人がいなくなるのも考え物です。独身者は伴侶や子供に頼ることができませんし、自分より年老いた親を頼ることも難しいでしょう。

「自分には、家族同然に頼れる友達がいるから」と思っていられるのも若いうちの話。その友達が先に旅立ってしまうことも十分にありえる話です。

病院に入院するときや賃貸契約の手続きをするとき、多くの場合は身元保証人を要求されることになります。誰に頼むのか、公的機関を利用するのか、あらかじめ対処を考えておきましょう。

賃貸物件を借りづらくなる

65歳以上の高齢者になると、賃貸物件を借りるために「保証人」をつけることが難しくなってきます。これまでは親や兄弟に頼むことができていても、自分が高齢になるころには当然家族も高齢者です。年金受給者には保証人を頼めないことが多く、手詰まりになってしまう高齢者が多いのです。

「私には親しい友人がいるから、その人に頼めば」と思うかもしれませんが、賃貸契約をする場合には“身内の”保証人を求められる場合が多いようです。単身者にはなかなかハードルの高い制度のように思えますよね。

一人暮らし世帯の増えている昨今では、「身元保証サービス」というものも登場しています。物件や施設に入る際の身元保証や手続き、終末期の意思表示の代理、死後の遺言代行なども行ってくれるサービスがあります。頼れそうな身内がいない場合は、これらのサービスの利用も検討しておくといいでしょう。

年金は本当にもらえるのか・・・?

現在30歳代の国民は、年金は65歳からの支給になることが決定していますが、今後日本はさらに超高齢化社会に突入していきます。

「30~40年後、私たちが高齢者になるころには年金がもらえなくなってるんじゃないの!?」と心配を抱いている人も少なくないでしょう。

もちろん、1円ももらえないという事態は起こらないでしょうから、安心してください。しかしながら、受給額の引き下げと受給開始年齢の引き上げは当然に予想されます。

参考元:驚愕!今30代の年金月額は15万円程度、ウソだらけの年金の本当の受け取り額は?

こちらは世帯別、年代別の年金支給額の予想です。

現在30歳で平均月収30万円の単身者がもらえる年金は、91,696円と予想されています。厚生年金でこれですから、国民年金の場合はさらに低い値が予想されます。

受給年齢の引き上げについてはどのような予想がされているでしょうか。先進国の例を見てみると、アメリカでは2027年までに67歳、ドイツでは29年までに67歳の引き上げが決まっています。これらの国よりも日本はさらに高齢化が加速していますから、今後数十年かけて70歳くらいまで引き上げられることは覚悟しておいてもよさそうです。

30歳女性が一生独身で過ごす場合に必要な貯金

これらの不安を解消するためには、老後を迎えるまでにいくらの貯蓄があれば安心して生活していけるのでしょうか。実際に計算してみましょう。

老後にもらえるお金は?

年金

原則的に、保険料を最低10年納めた人であれば年金を受給することができます。会社員や公務員として勤めてきた人であれば、基礎年金に加えて厚生年金や退職共済年金を受け取ることができます。

自分がどのくらい、いつから年金を受け取ることができるのかは、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」で確認すると便利です。

大まかなもらえる金額ですが、現在30歳で厚生年金に加入している単身者の場合、毎月もらえる金額は91,696円と予想されています。受給開始年齢は現在のところ65歳となっていますが、さらに引き上げられることも覚悟しておいたほうがいいでしょう。

退職金

65歳で定年退職する場合、企業や勤続年数によっては、退職金をもらえる人もいるでしょう。退職金は必ずもらえるものと思っている方もいるかもしれませんが、そうではありません。退職金は法律で定められている制度ではありませんので、払うかどうかは原則として雇用側の自由なのです。

もらえる場合の相場としては、正規雇用かつ勤続年数20年以上で定年退職した場合、平均で1,941万円となっています。

参考:https://ten-navi.com/hacks/retire-19-8033

さらに、大手企業と中小企業では1000万円近い差があることもわかっています。

一般的には「月給×60%×勤続年数」の式で計算することができますが、会社によってかなりばらつきがあるので、自分の勤めている会社の規定がどうなっているのか確認することが確実です。今のうちに会社の規定を確認しておきましょう。

老後の支出は?

老後の生活では毎月の支出はいくらぐらいになるものでしょうか。

2015年の総務省「家計調査年報」によれば、60歳以上の単身無職世帯の1カ月の消費支出は、143,826円となっています。

参考:http://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/oldage/11.html

ただし、この調査結果の内訳を見てみると、「住居費:13,814円」となっていることから、持ち家世帯も多く含まれているものと考えられます。賃貸で生活する場合、住居費を1万円台で納めるのは至難の業ですよね。賃貸や高齢者マンションで生活していこうと計画している人は、これよりも数万円支出が増えることを念頭に置いておきましょう。

おひとり様の老後資金をシミュレーション!

これらを踏まえて、おひとり様女性が老後に必要なお金を計算してみましょう。

現在30歳として、女性の平均寿命は89.18歳なので、90歳まで生きると仮定します。

年金支給については、厚生年金の支給額が90,000円、支給開始が65歳としましょう。毎月の消費支出は150,000円として想定していきます。

年金のみに収入を頼った場合、年金支給額90,000円-消費支出150,000円と考えると、毎月60,000円不足します。

65歳まで働いて定年退職し、そこから25年生きるとすると、

60,000円×12カ月×25年=1,800万円

つまり、1,800万円を貯蓄や退職金で補う必要があるということです。

また、前述した通りこの計算での支出額は、住居費が13,814円の場合の計算です。

住居費を60,000円と仮定した場合、毎月の支出額は約190,000円になります。上記と同様に計算をすると、賃貸を借りる場合、毎月の不足額は100,000円、25年間で3,000万円不足する計算になります。

持ち家がなく、生涯賃貸物件に住もうと考えている人は、最低でも3,000万の貯蓄がなければいけません。

さらに、前述したように一人で老後を迎えると身元保証が難しくなることが予想されます。身近に頼れる人がいない場合には身元保証サービスを利用するのがいいでしょう。

http://www.mimotohosyo.jp/service

こちらのサービスを見てみると、一番安いプランで初期費用約140万円、病院の手続等を依頼すると別途料金がかかるようです。これらのサービスの利用を考えている方は、こちらの費用も念頭にいれておくべきです。

総合すると、持ち家がある人でも2,000万円弱、賃貸で生活する人は3,000万円+αの貯蓄を用意して老後を迎える必要があります。

安心して老後を迎えるための貯蓄のコツ

上記の金額は、生活資金だけを考えた金額。長い人生を送るとなると、それ以外にもたくさんの急な出費が考えられます。安心して老後生活を送るために、貯蓄は多いに越したことはありません。

貯蓄が苦手・・・と言う人も、一人で老後を迎えることを決意したのであれば、以下のことを参考に貯蓄を始めてみてはいかがでしょうか。

少しでも早いうちから貯蓄を開始する

若いうちはどうしても老後のことまで頭が回らず、浪費してしまいがちです。しかし、老後のことを考えると、少しでも早く貯金を始めるに越したことはありません。

例えば、現在30歳として65歳までに一から3,000万円を貯めるときのことを考えたことがあるでしょうか。35年もあるからまだまだ大丈夫でしょ、なんて甘く考えていませんか?

35年で3,000万円貯めるとなると、1年で857,000円、1カ月で約71,500円貯めていかないといけないのです。1カ月で7万円となると、かなり節約しないと厳しい数字ですよね。

貯金開始が一年遅れるごとに、この数字がもっと積みあがっていくのです。そう考えると、少しでも早く貯蓄を始める重要性がわかっていただけると思います。

人生計画を立てて、必要な資金を計算する

老後に必要な資金は、もらえる年金額や退職金の有無、生活スタイルで全く異なってきます。「とにかく老後までにできるだけいっぱい貯金しよう」なんて曖昧な目標を立てていませんか?具体性のない計画は実行力がなく、とん挫しがちです。

あなたが理想とする老後の生活スタイル、予定される年金や退職金の金額をもとに、65歳までに一体いくらの貯金が必要なのか、明確に算出することが肝心です。現在の貯蓄額からさらにいくら貯める必要があるのか、老後までにあと何年あるのか、ひと月にいくら貯めれば間に合うのか、出来るだけ細分化して詳細に計画に落としこむようにしてください。目標が明確であればあるほど、モチベーションも保ちやすく、挫折せずに貯蓄しやすくなります。

まずは、上記のシミュレーションを参考に、必要な貯蓄額を算出するところから始めてみましょう。

家計簿をつける

貯蓄する際の鉄板ですが、やはり家計簿をつけて毎月の支出をはっきり把握することをおすすめします。

「貯蓄するのが苦手」という人は、圧倒的に月の収支を把握していない人が多いです。気付くと毎月のお給料が全部なくなっている・・・という方、その消えたお給料が何にどれだけ消えていったのか把握しているでしょうか?

収支を把握することは、貯蓄の基礎中の基礎。最近は、レシートをカメラで読み取れたり、銀行口座の入出金を自動で落とし込んでくれる便利な家計簿アプリもたくさん登場しています。ズボラで家計簿をつけるのが苦手な人は、アプリなどのツールを活用するなど、うまく工夫をしてみてください。

その他、老後を迎えるまでにやるべきこと

老後に必要な資金の書き出し、必要な金額の貯蓄は早めに行っていくべきですが、考えるべきことは貯蓄だけではありません。貯蓄以外に、老後を迎えるまでに解決してことを紹介していきます。

ローンの完済時期を確認しておく

住宅や車などローンを組んで大きな買い物をした人、ローンの支払い時期は把握していますか?特に、住宅ローンの場合は50代に入ってもまだまだ支払いが残っている人も多いはずです。働けるうちはいいですが、65歳を過ぎても支払いが残っている場合は考え物です。

また、ローンの残りを退職金で支払う計画の人もいるでしょう。その場合、老後資金の計算はしっかりできているでしょうか。老後の生活は若い頃を同じようにはいきません。病気をしたり、身体の自由が利かなくなる可能性も考慮して、生活資金は大目に用意しておくことが鉄則です。

退職金をあてにしたプランを組むのではなく、早めに完済するプランを考え直してみましょう。

特別支出を把握しておく

老後に必要な資金は、生活費だけではありません。持ち家の方は家の修繕費用、賃貸の人でも引っ越しや更新費、または親族の冠婚葬祭があったときの費用なども計算にいれておく必要があります。

前述したシミュレーションは、あくまでも生活費のみ、90歳まで健康に生きることができたときを想定した金額です。それでも2,000~3,000万円の貯蓄が必要なわけですから、大きなトラブルがあったとき、90歳以上長生きしたときには、さらにお金が必要です。

老後に起こりうるイベントを書き出して、それにかかる費用も把握しておくといいでしょう。

健康で働けるうちに、住居を確保しておく

前述でも触れましたが、65歳を過ぎた単身者が新たに賃貸物件を借りるには、高いハードルを越える必要があります。その理由は、身元保証人や連帯保証人を用意しづらいことです。

今はまだ、親や兄弟に頼ることが可能かもしれませんが、自分が高齢になる頃には親兄弟も年金受給者です。年金受給者は保証能力が高くありません。頼れる身内がいなくなる前に、住まいの心配は失くしておく方がベターです。

単身用マンションの購入や、身元保証サービスの利用を検討するなど、老後の住まいについてはあらかじめ結論を出しておきましょう。

まとめ

安心しておひとり様老後を迎えるために、何よりも必要なのは「お金」であることに間違いありません。

老後を安心して向けるにあたり、最低でも

・持ち家でも2,000万円弱

・賃貸なら3,000万円以上

の貯蓄が必要です。

貯蓄のコツは、「とにかく頑張ってたくさん貯める」など漠然とした目標設定ではなく、「いつまでに」「いくら」必要なのか、明確な期限と目標金額を設定してください。

7人に1人の女性が独身のまま一生を終える近年、おひとり様で老後を迎えるのは怖いことではありません。ただし、それには十分な貯蓄が必要不可欠!

少しでも早く貯蓄を始めて、安心して暮らせる老後生活に備えてください。

しょうじ ゆうこ
しょうじ ゆうこ
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1987年生まれ。転職、結婚、出産など、女性の人生の転機とキャリアを専門に扱うライターとして活動している。自身の経験をもとに、「豊かな人生を送るには、正しいお金の知識が不可欠」と考え、知識習得と啓蒙活動に励んでいる。「女性の人生の選択肢を広げる」ことがライフワーク。

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