新築一戸建ての火災保険の相場は?保険料を下げる3つの裏ワザ

新築一戸建てと火災保険

「新築一戸建ての相場はどのくらいなの?安くする方法は?」

新築一戸建てに限らず、新たに住まいをを購入・借りる際に検討する事が多い火災保険という保険。家に関する様々なリスクを補償する事が可能な保険であり、資産を守るという意味では新築一戸建に関しては特に必要性の高い保険であると言えるでしょう。

しかし、検討することの多い保険という観点から考えた時に、病気に掛かった時に使える健康保険を含む「医療保険」、癌になった時に必要な「がん保険」、ライフプランを考える上で重要になる「生命保険」などが挙げられます。

火災保険は「火事」「風害」「水害」「家財」などのリスクを補償するものであり、上記のような保険がカバーするリスクと比較した時に、そのようなリスクにさらされるケースは少なく、少し遠い存在のように感じてしまう保険だと思います。

ただ、多くの人にとって人生で最も大きな買い物は「マイホームの購入」になるケースが多いですし、特に新築一戸建てとなると大きな費用が掛かってくるため、人生において大きな資産になると思います。

今回は、そんな大きな資産を守る事が可能な「火災保険」の相場を「新築一戸建て」という点に絞って、火災保険の概要から保険料を低くするコツなどについてご紹介したいと思います。

火災保険の概要

この記事では、火災保険の相場などについてご紹介させて頂きますが、その前に火災保険の基本的な部分についておさらいしておきたいと思います。

「火災保険」という文面だけ見てしまうと、火災が発生した時のためだけの保険のように感じるかもしれません。もちろん、そのような火事のリスクについて備える保険でもありますが、火事のみならず台風などによる「風害」「水害」、劣化や事故に伴う「損壊」「衝突」などについても幅広く補償する事が可能です。

また、家の中の家具や各種備品である「家財」についても補償する事が可能であり、掴みどころがない保険であると言えるかもしれません。ただ、火災保険を一言でまとめてしまうと「家に関するリスクを総合的に補償する保険」であると言えるでしょう。

そのため、新築一戸建てに限らず賃貸であっても火災保険に加入する必要性はありますし、賃貸に関してはほとんどの賃貸物件で、入居に際して火災保険への加入が「必須」となっています。

火災保険と新築一戸建ての必要性

火災保険の必要性は、どのような家か?によっても異なります(例えば、賃貸なのか?持ち家なのか?など)。この記事では、新築一戸建ての相場や保険料について解説していくので、火災保険の必要性を「新築一戸建て」に絞って考えていきます。

そもそもの点でもありますが、新築一戸建てに火災保険の必要性はあるのでしょうか?結論からまとめてしまうと「必要性が大きい」と言えるでしょう。

理由はいくつか挙げられますが、主なポイントは以下の3つだと思います。

  • 持ち家特有のリスク
  • 火元に賠償されない可能性
  • 賠償責任が発生してもそもそも払われない

上記の新築一戸建て特有のリスクについてご紹介していきます。

代わりを見つけるのが困難な持ち家

持ち家と同じように、場合によっては資産になる可能性のある「車」と「新築一戸建て」を比較して火災保険の必要性を考えて行きたいと思います。自動車の場合、通常事故を起こしてしまった・事故の被害者になってしまったというケースで、車が使い物にならなくなってしまったと仮定します。

賠償する立場でも、賠償される側の立場でも車が故障してしまったなら、修理をしてしまえば良いですし、もしも修理も出来ないような状態なら買い替えてしまえば、車を仕事で必要とする場合でも対応する事が可能です。

しかし、これが新築一戸建てのような「持ち家」だったケースはどうでしょうか?火事で家が損壊してしまい住めないような状態になってしまったら?水害によって家が住めないような状態になってしまったら?引っ越しする必要性が出てくると言えるでしょう。

そうなってくると、これまで通勤で使用していた路線やお子さんの学校など、生活圏が変わってしまう可能性があり、もちろん近隣に新たな新居を見つければ良いと言えますが、不動産は車のように流動性が高くなく、これまでの生活圏でしっかりと住宅を構えられないリスクが出てきます。

これが賃貸の場合は、新たなアパート・マンションを見つければ良い話ですが、持ち家はそう簡単にはいきません。持ち家というのは、損壊などによって簡単に代わりを用意できないリスクがあるという点をしっかりと押さえおきましょう。

火元に賠償されないリスク

先程、持ち家が無くなってしまったときのリスクについてご紹介させて頂きましたが、上記の解説だけだと「火元に賠償して貰えば良い」という意見もあるかもしれません。しかし、火元に重大な過失がない限り原則火事に関する「賠償責任はない」と言えます。

失火責任法という法律では、火に関する責任について定められていますが、その中に「重大な過失がない限り賠償責任はない」というような旨のルールが記載されています。つまり、もしも隣家で火事が発生し「持ち家が損壊」、「家財が焼失」してしまったとしても、隣家に賠償されるとは限らないのです。

一見、フェアではない法律のように感じてしまいますが、逆に火元になったと仮定してみましょう。住宅が密集しているような地域では、たくさんの隣家に火が移る可能性があり、もしもその責任が火元に全てあるとしてしまうと場合によっては「数千万円~数億円」という規模の賠償責任が発生してしまいます。

これは過失がない人に対する賠償として重すぎると言えますし、重大な過失が合った場合には賠償責任があるので見方によってはフェアな法律であると言えるでしょう。(過失というのは、誰が見ても火事になる可能性があると言えるような行為)

賠償責任に関する見方や見解、実際のところどのくらい賠償責任のがあるのか?などは、実際に火事が起こってみないと分かりませんが、現状で日本の法律では「原則自分の家は自分で守る必要がある」という事です。

持ち家は大きな資産ですし、その資産を火事からしっかりと守るという意味で火災保険の必要性は高いと言えるでしょう。

賠償されないリスク

最後に「賠償されないリスク」という点についてご紹介したいと思います。仮に火事が発生し、相手に過失があり賠償責任が発生しても支払われない可能性があります。

賠償責任というのはあくまで「民事上」の話であり、日本の法律では民事の賠償金を支払う権利を確定させる事は可能ですが、民事の賠償金を支払う強制力を刑事責任まで問う事は出来ません。

というのも、慰謝料や賠償金という見られない言葉は、もしも支払わないと「刑務所に入ってしまう」と感じてしまうかもしれませんし、支払わないと警察に拘束されてしまうと感じている方もいるかもしれません。

しかし、火事などの賠償金は基本的に民事上の法律で確定する話なので、警察や検察が介入することはなく、もしも賠償金が支払われないというケースが発生した時に、自分で取り立てないといけません。(取り立てには、弁護士等が必要になります)

実際のところ、民事上の賠償金が支払われないケースは少なくなく、相手に賠償金を支払えるだけの経済力がない可能性なども考えると賠償責任が発生したところでお金が入るのか?という点に関しては、かなりの不確定要素が存在すると言っても良いでしょう。

また、事故で車が家に衝突した・隣家のなにかの事故によって家財が損壊したというケースでも同様です。相手方に賠償責任が発生するのか?という点についても大きな疑問点はあるのはもちろんですが、賠償金が支払われるのか?という点についても大きな不確定要素が残ります。

家に対するリスクを補償する事が可能な火災保険ですが、家に関するリスクはとにかく「金額が大きく」なり、金額が大きくなる分しっかりと賠償金を受け取れるのか?という点についても疑問が残ります。

つまり、何か起こった時に「法律の通りにお金が動くのか?」という点に関して疑問点は大きく残ります。もちろん、火災保険に関しても相手側に賠償責任が発生した場合に、補償受けられるのか?という点は火災保険の条件やその時の状況によって異なります。しかし「安心を買う」という点では、火災保険に大きな利点があると思います。

新築一戸建て火災保険の相場・保険料は?

概要や必要性など火災保険の基本的な部分について理解できたところで、火災保険の相場や保険料を押さえていきたいと思います。火災保険の相場観を知り、自らが火災保険に加入する際に設定する保険料の参考にしましょう。

一概には言えない

まず、はじめに押さえたいのは火災保険は補償する範囲によって大きく保険料が異なるという点です。安くなら「年間5万円~7万円」程度で済んでしまうケースも少なくありません。しかし、建物や補償範囲によっては「30万円~40万円」という高額の保険料になってしまう事があります。

なぜ、ここまで同じ火災保険なのに大きく保険料が異なってしまうかと言うと、火災保険では以下の要素によって大きく保険料が変動します。

  • 木造もしくは鉄骨か?など(建物自体の要素)
  • 補償対象(家)の大きさ・資産価値
  • 補償内容

建物の構造さえ分かっていれば相場を出す事が可能ですが、建物の構造や家の大きさなどは個々の事情によって大きく異なるので、具体的な相場を算出する事は出来ません。仮にどこかで「数十万円が相場!」と言っていたとしても、それはあまり意味のない情報だと言えます。(持ち家の状況によって大きく異なるため)

自分の建物はどれに該当する?

相場を一概に算出する事は出来ませんが、所有している不動産の構造を知る事で「この構造の方が相場が高くなりやすい」など、大まかな目安を立てる事が可能になります。

住宅として利用される不動産には大きく分けて3つの種類があります。

  • M構造
    (マンションなどはほぼ全て該当)
  • T構造
    (鉄骨と略される建物や木造のものでも、耐火仕様のものは該当)
  • H構造
    (M構造にも、T構造にも該当しない構造のものであり、主に耐火仕様ではない木造などが該当)

「自分の建物がどれに該当するのか?」という点に関しては、不動産業者などに訪ねると確認する事が可能です。上記の建物の中で、最も保険料が安いのは「M構造」であり、最も高いのは「H構造」になっています。

もちろん、大きさや資産価値などによって変動しますが、基本的にはマンションなどが該当するM構造が最も保険料が安く、一軒家に関しては「T構造」の方が保険料が安く済む傾向にあります。

これは、リスクの大きさが要因になっており、一軒家では基本的に「T構造」の方が木造のものでも耐火仕様がされており火災のリスクが低く、鉄骨のものだと地震・衝突にも強いケースが多いので様々な家に関するリスクが低く、それに比例して保険料も下がるという仕組みなのです。

建物別の相場

先程、建物によって大きく保険料が異なることをご紹介させて頂きました。これから、建物別の相場について触れていきたいと思います。(補償内容は火災・風災・水害、地域は東京都、面積に関してはM構造=70平方メートル、T構造・H構造=100平方メートルという仮定で試算しております。)

  • M構造の相場は「年間 2万5,000円~4万円」
  • T構造の場合は「年間 6万円~10万円」
  • H構造の場合は「年間 13万円~22万円」

となっています(代表的な保険会社から算出)。やはり、M構造は他の構造と比べるとかなり低いものになっており、H構造とM構造を比較した時に「三倍以上」の違いがある事が分かります。

火災保険というのは、不動産を所有している限り必要性の高い保険として、ずっと保険料を支払っていく必要性があります

既に建物を所有している方に関しては検討の余地がありませんが、まだ購入していない方は「火災保険の保険料」という観点から、長い年数で維持費を算出し、購入する物件を検討する際の参考にするのも良いと思います。

無駄な保険料を支払わないためにできる事3選

先程、火災保険の相場などについてご紹介させて頂きました。そこで、新築一戸建ての火災保険の相場は、構造や補償内容によって大きく異なるので算出するのが難しいという点について書き留めました。相場を正確に算出する事は難しいですが「保険料を節約」する方法はいくつかあります。

これから、新築一戸建ての火災保険を節約するために出来る事を3つご紹介していきます。

自分で選び・検討する

一般的に、新築一戸建て・中古一戸建て・マンション・賃貸など、どんな物件に入居・購入する場合でも「不動産業者」が火災保険の手続きを勧めてくれたり、場合によっては保険代理店などでおすすめの保険をご紹介してもらう機会があると思います。

一見、不動産業者や保険代理店が勧めてくれた火災保険が最も適切な保険のように感じてしまいます。しかし、残念ながら「適切ではない」ケースが存在します。というのも、保険代理店や不動産業者は基本的に火災保険に加入してもらう事によって「マージン」を貰っています。

つまり、火災保険を仲介する事で「利益」を出しているのです。そのため、不動産業者や保険代理店にとって最も利益の出る火災保険を勧めている可能性があり、そのような保険は「保険料が高く」なりがちです。

特に、新築一戸建ての火災保険は賃貸などと比較した時に、保険料が高くなりがちなので、仮に代理店や不動産業者が勧める保険に加入する場合でも「自分でしっかりと検討する」という点を押さえておきましょう。

一括見積を利用する

がん保険や医療保険、生命保険などの他の保険では「年齢」「性別」などの基本的な情報が分かっていると、ある程度見積もりを出す事が可能です。しかし、火災保険の場合は「構造」「面積」などによって大きく保険料が変化し、立地によって必要な補償も異なります。(例えば、川が近くなら水害補償、台風の被害が目立つ地域なら風害補償など)

そのため、必要な補償をしっかりと押さえた上で、最も安い火災保険を見つけるには「一括見積」を利用する事がおすすめです。

「資料請求」などを利用して一括見積をしてしまうと、営業の電話などが面倒くさく感じてしまうかもしれません。しかし、ネット上にある一括見積もりサイトならそのような懸念もありませんし、気軽に見積を出す事が可能です。

まずは、家の周辺状況、家財の額面等を考慮し「考えられるリスク」をしっかりと割り出しましょう。そして「そのリスクに対応する補償」を挙げて、一括見積もりサイトで見積もりを掛け、最も保険料が安い火災保険を選択すると良いと思います。

おすすめの一括見積もりサイト

必要以上の補償を掛けない

最後に押さえたい無駄な保険料を支払わないために、出来る事は「必要以上の補償を掛けない」という点です。

例えば、火災保険には「家財補償」が付いていますが、一般的な世帯の家財は「300万円~500万円」の額面が平均的です。しかし、中には家財補償に「1,000万円」という補償を掛ける事が可能な保険もあり、これはどう考えても「必要以上の補償」だと言えるでしょう。

必要以上の補償を掛けてしまうと「必要以上の保険料」を支払うという点にも繋がってくるので、補償額が不動産や家財など「財産に対する補償額として適切か?」という点をしっかりと考えましょう。

その他にも、例えば地震保険に加入しているのに地震特約に加入するなど「特約や他の保険の補償が被ってしまっている」というケースがあります。他の保険の加入状況などについても考慮し、無駄な保険料を支払わないようにしましょう。

地震保険との違い

この記事では「新築一戸建ての火災保険」というポイントに焦点を合わせてご紹介させて頂きました。最後に、同じ様に住宅を補償することの出来る「地震保険」と「火災保険」の違いについてご紹介していきます。

火災保険と地震保険の違い

日本は、自然災害のリスクがどんな地域でも高いと言え、火災保険による台風(風害)、それに伴った洪水など(水害)などに対応出来る補償の必要性が高いと言えます。

しかし、日本の自然災害で最も被害が大きくなりがちなのは「地震」ではないでしょうか?この地震に対するリスクに対応できるのが地震保険であり、地震大国と言われる日本に住まいをお持ちの方なら検討したい保険であると言えるでしょう。

では、同じ様に家に対応出来る「火災保険」と「地震保険」の違いはなんでしょうか?結論からまとめてしまうと「似通ったもの」です。というのも、地震保険は単独で加入する事は出来ません。地震保険に加入するなら火災保険とセットで加入する必要性があります。

もちろん、火災保険と地震保険では補償対象が異なりますが、火災保険のみで加入する事が可能な一方、地震保険単独で加入出来ないという点を考慮すると「地震保険=火災保険」という認識で良いと思います。イメージ的には「火災保険の特約」という立ち位置に近いと言えるでしょう。

ただし「地震補償保険」という保険の商品に関しては「単独」で加入する事が可能です。地震補償保険の特徴は、地震に伴って新たな生活を始める際の「生活資金」を補償する保険です。地震保険と地震補償保険は、少し異なるものなので、地震に関する補償を検討している場合は押さえたいポイントです。

まとめ

新築一戸建てと火災保険の概要

  • 新築一戸建ては火災保険必須
  • 賠償されないリスク
  • 代わりを見つけられないリスクなどがある

新築一戸建ての相場

  • 相場は算出しにくい
  • 建物の構造と面積などを押さえる

無駄な保険料を支払わないために

  • 保険代理店・不動産業者を鵜呑みにしない
  • ネットの一括見積もりサイトを利用する
  • 必要以上の補償はつけない

地震保険との違いは?

  • 基本的には、火災保険と同時に加入する必要がある

今回は「新築一戸建ての火災保険」というポイントに焦点を絞って、基本的な事や相場・保険料を安くする方法などについてご紹介させて頂きました。火災保険は他の保険と比較した際に、それほど身近な保険ではなく、ポピュラーな保険ではないと言えるでしょう。

そのため、保険代理店や保険外交員の中にもそれほど詳しい知識を持っている方が、それほど多くないという事情があり、適切な保険を選択出来ていないという方も少なくありません。しかし、新築一戸建ての火災保険に関しては保険料も大きくなるので、しっかりと検討して加入したい保険の一つであると言えるでしょう。

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