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毎月の通信費は、今や電気代やガス代と同様に必ず支払わなければならない必要経費です。パソコンにスマホにタブレットと私達にとって通信機器のない暮らしは到底考えられません。
とくスマホは肌身離さず持ち歩く人がほとんどで、いわば一日中通信機器を触っているといっても過言ではないでしょう。パケット通信料、電話代を合わせたら8,000円~9,000円くらいは軽くかかってしまいます。
そんな中、少しでも通信費が安くできないだろうかと考えている人は多いと思います。
とはいえ、なにせ各通信会社は2年縛りだの違約金だの、料金体系も非常に複雑で面倒でもあります。そこで今回は通信費が大幅に安くなるといわれている、最近話題の格安SIMについて解説していきたいと思います。
通信費を安くする方法
MMD研究所の調査によると、2017年携帯電話(スマホ)の利用料金は、
月額で平均7,876円となっています。
月額料金に対してのアンケート調査では、「高いと思う」が全体の86.5%を占め、多くの人が通信費が高いと思いつつも、やむを得ず支払っているというのが現状のようです。
高いとは思うが、スマホの利用を制限することも難しく多くの人がジレンマを抱える今日、上の図を見てみるとわかるようにスマホ料金が2、3,000円で済んでいる人が50%以上もいるのがわかります。
これが、格安SIMを利用した場合の月額料金になるのです。
格安SIMを利用した場合の月額料金の平均は、
2,000円前後となっており、大手キャリア(大手通信会社)の月額料金の平均と比べ約4分の1の値段まで安くなっています。そこで、これからこの格安SIMについて考える前にまずは現状を把握しておくことが必要になります。
スマホの料金プランの見直し
おそらく、ほとんどの人達が実際に支払っているスマホの料金がいったいどのような内訳になっているのか、
つまりは、
電話にいくら、パケットにいくら、通信回線にいくら
ということを把握している人は少ないのではないでしょうか。というのも、大手通信会社にはNTTドコモ、ソフトバンク、KDDIとありますが、この3社のいずれの場合でも料金体系や各オプションの仕組みが非常に複雑でわかりにくいからです。
事実、スマホを購入する際には説明を受けるわけですが、いったいあの説明を聞いてどれくらいの人が理解できるというのでしょうか。よくわからないまま言われるままに契約している人がほとんどでしょう。
さらに厄介なのが、2年縛りです。ある決められた1か月間の間にしか解約できないし、その他割引きプランなどの仕組みも非常に複雑。スマホを使わないわけにもいかないから、「ま、いいや」的に何となく支払い続けてしまいます。
では、スマホの明細表をこの機会によく見ておきたいと思います。
スマホ料金の明細
各種プランによってさまざまですが、大まかなところでスマホの料金プランに仕組みは、
- 基本料金
- プロバイダー料金
- バケット通信料金
と以上の3つになります。
基本料金
電話料金のことで、かけ放題プランなどの料金になります。
プロバイダー料金
プロバイダーとは、インターネット回線に接続するためのIDを提供する会社のことです。毎月の接続利用料金がプロバイダーによって異なります。ネット料金として合算で考える人も多いので、実質プロバイダーにいくら払っているのかを明確にしている人は少ないようです。
パケット通信料金
スマホ用の通信料金がいくらなのか。
利用料に応じてパケホーダイなどの料金プランにしていると思います。PCを使っている場合はネット回線の利用料金を別途で支払っていることになります。
以上の基本3つの料金に対して、個々につけているオプション料金が追加されることになります。
さらに、購入したときのキャンペーン適用などで料金が割引になっていたりします。
では、ここで1度じっくり考えてみましょう。①電話料金プランはこれでいいのか、②プロバイダーにいくら払っているのか、③パケット通信料は何ギガでいくらなのか(使い放題なのか)など、スマホ料金の内訳を確認しておきましょう。
で、これらを合わせた合計が、スマホ料金としてが8,000円~9,000円くらいになるということです。
で、ここでもしPCのインターネット回線を別で支払っているとすれば、さらに4,000円~7,000円ほどかかっていることになるのです。通信費全体で考えたらかなり大きな金額ですよね。
しかも、毎月必ずそれくらいの金額はかかってしまうわけですから。どうにかしたいと考えるのは当然だといえるでしょう。
格安SIM
SIMカードとは上の写真のようなもので、携帯やスマホの内部に入っている超小型の電子カードのことです。電話番号のID接続カードのようなもので、SIMカードを入れ替えることで同じスマホでも違う電話番号の回線を使うことができます。
通常は電池の下部分に挿入されてあり、簡単に取り外すことができるのです。
それでは、格安SIMについてご説明していきたいと思います。
格安SIMとは
この電話番号IDカード(SIM)には3種類あります。
- 標準SIM
- マイクロSIM
- ナノSIM
それぞれの違いは「機能の新しさ」で分類されています。標準SIM→マイクロSIM→ナノSIMという順番にサイズは小さくなっていき、性能が良くなっていくのです。
携帯電話やスマホの機種によって使えるSIMの種類が違ってきます。
従来の国内でのSIMカードは機器と一体で考えられていて、SIMカードと機器込みの値段を私達は支払っているわけです。これまではSIMカードのみで販売されることはなく、仮に古い機器が使えるとしてもSIMだけ購入するということができなかったのです。
ところが・・・
独自にこのSIMカードを販売する業者が出現してきたのです。
現在利用中のスマホや携帯を利用してSIMだけを入れ替えることができるようになりました。ドコモ、au、ソフトバンクなど機種によって使えるSIMが異なりますので自分の機種に合ったSIMを探せばいいわけです。
そのSIMカードを購入することで回線に接続することができるようになり、大幅に安い料金プランを組むことができるのです。大幅に安くなるSIMカードということでこれらのSIMカードのことを、
「格安SIM」
と呼び一般的に知られるようになってきたのです。
MVNO
大手通信会社とはまったく異なるやり方で、こられのSIMカードを販売したり通信サービスを提供したりする業者のことをMVNOといいます。
など・・・
いくらくらいでSIMカードと通信サービスの料金プランがあるかというと、
1,000円以下のものもあれば、2,000円、高くても3,000円くらいの料金で毎月スマホが利用できるようになるのです。ですから、この格安SIMが今ひそかに人気を集めているのです。
格安SIM→2,000円×12カ月=24,000円
大手キャリア→8,000円×12カ月=96,000円
年間で70,000円もお得!ということで、なぜ格安SIMにかえないのか?と問われるほど費用的には歴然とした差を見ることができます。
そこで、
慌てて格安SIMへ変更して後悔することがないように、格安SIMのメリットとデメリットもしっかりとご説明しておきたいと思います。
格安SIMのメリット
格安SIMの大きなメリットは、まさに名前のごとく、
- 月額料金が大幅に安くできるということです。
- 豊富な料金プランから選べる
最近ではこの格安SIM業界に参入する大手企業の増えており、数多くの格安料金プランの中から自分に合ったものを選ぶことができるのです。
携帯電話用、スマホのデータ通信のみ、データ量、かけ放題、使い放題など・・・
※電話番号を変えたくない人はMNP乗り換え方法を使って格安SIMを利用することができます。
詳しくは
- 2年縛りがない
格安SIMの通信サービスでは、最低利用期間が6カ月から12カ月です。その期間を過ぎれば自由に身動きできるから、状況に応じて他のサービスに切り替えやすくなります。
プランによっては解約金が発生しないものもあるので、試しに使ってみたい方でも気軽に利用することができます。
ちなみに最低利用期間が一切発生しない格安SIMは mineo(マイネオ)。参考URL
その他のプランはキャンペーンを適用したり、割引・無料期間などを適用したりすることで最低利用期間が異なります。どんな格安SIMがあるのか調べてみたい方は・・・
SIM CHANGE :おすすめ格安SIM 比較サイト
でも、格安SIMはメリットだけではありませんので、デメリットもしっかりと確認しておきましょう。
格安SIMのデメリット
毎月の月額料金が5,000円くらいは安くなる格安SIMは、多くの大手キャリアのスマホユーザの目には大変魅力的に映ってしまいます。でも、デメリットの把握した上で切り替えるかどうかを決めないと、無駄な労力を使ってしまいかねません。
それでは、格安スマホのデメリットはどういう点なのでしょうか。
最大のデメリットとは、
- 通信速度が遅い
- 対面でのサポートは期待できない
営業窓口を持っていない格安SIMの業者も多く、初期設定や何か操作のサポートを対面で受けることが難しくなります。電話やオンラインでのサポートサービスは利用できますが、大手通信のようなサービスを期待することはできません。
ある程度、SIMの切り替えができる人でないと難しくなります。
- フリーメールは利用できない
これまでのドコモやauのようなフリーメイルが利用できないものが多くなります。別途追加でメールサービスを利用するか、自分でフリーメールのアカウントを取得する必要があります。
最近では無料で使えるメールアカウントは山のようにありますが、自分でアカウント設定ができない人は難しいでしょう。
BIGLOBE SIMならフリーメールが使えます。参考URL
今利用しているドコモやauのメールアドレスを変えたくない場合は、現状のステイタスを変えずに手続きができる格安SIMもありますが選択肢が少なくなってしまいます。
- 多大な労力を使う
これは、格安SIMのデメリットというわけではありませんが、それが大手であれ何にせよスマホの切り替えには多大な労力を費やします。あっちに電話して解約して、こっちでは支払い方法を設定して・・・などと、ましてや電話番号がかわったりメールアドレスがかわったりすれば、登録も1から始めなければなりません。
- 違約金がかかる
違約金がかかることがデメリットとなるかどうかは微妙なところです。
2年縛りが一般的ですから、切り替えには少なくとも1万~2万円ほどの違約金がかかってしまいます。でも年間で確実に7万ちかく安くできるわけですから、違約金を払ったとしても切り替えるメリットは高いといえるでしょう。
格安SIMに変えた方がお得?
確かに料金的にはかなりメリットが高いといえます。月々に5千円も節約できるとすればそれを電気代に回したり、その他クレジットカードの支払いにあてたり、貯金したり、積み立て投資に使ったりすることができます。
でも、デメリットを考えたら料金的に安くなったとしても、状況によってはかなり不便な思いをしたり、面倒な思いをしてしまう可能性もあります。
格安SIMに切り替えた方がいい人、切り替えない方がいい人は
現在の利用状況によるといえるでしょう。
格安SIMに向いていない人
仕事でスマホを頻繁に使用する人
仕事で利用する場合は、何よりも通信速度が大切です。確実に高速通信が確保できる大手キャリアがやはり安心でしょう。通信速度が遅くなることで仕事の効率が悪くなったり、あるいは信用問題にかかわることもないとはいえません。
電話を仕事で頻繁に使う人にも向いていません。
格安SIMの場合は、かけ放題で話し放題のものを探すのが難しくなります。またかけ放題、話し放題にすることで結局は現状とあまり料金的にかわらない可能性も出てきます。
従来の通信プランから格安SIMに変更する際に、利用できなくなる期間が出てしまいます。初期設定などがスムーズにいけば問題ありませんが、万が一の場合は仕事に支障が出る恐れがあります。
LINEでID検索をしたい人
格安SIMでも通常通りLINEのチャットや無料通話を利用できますが、LINEで友達や、特定の人を探した時などID検索を利用することができません。
人によって、そのことがどれくらいデメリットになるのかは本人しかわからない事です。使えた方が助かるけど・・・という程度の人もいれば、それは困る!と重大事になってしまう人もいるでしょう。
一応、「QRコードリーダー」で代用することはできますが、相手にも登録してもらわなくては使えないので不便になります。
特定の家族割りやサービスを受けている人
大手キャリアでは当たり前となっていますが、家族間の通話料無料やメール送信無料などのサービスが利用できなくなります。また、電話番号やメールアドレスで他社の特殊なサービスを利用している場合などは使えなくなります。
電話番号そのままで格安SIMに変更、家族みんなで数枚のSIMを使って通信料をシェアできるのが、BIGLOBE SIM→ 参考URL
家族割や通話割はその他の格安SIMでも利用できます。
PCとセットで安い料金にしている人
スマホを購入してすぐの人に多いかと思いますが、ネット回線をスマホのセット料金にて月々の支払いが割引きとなっている場合です。その場合はスマホの契約を解約することで月々のネット料金がどうなるのかを確認しなければなりません。
利用状況によっては、ネット回線だけ残すことが難しかったり、トータルの料金を計算したらあまり変わらないというケースもあるかもしれません。格安SIMはネット回線もセットで契約することができます。
※違約金を払ったとしてメリットがあるかどうか確認しましょう。
どちらがいいのか判断する方法としては、
- 現在のスマホの利用状況を把握する
- ネット回線にいくら使っているのか?
- スマホだけの解約はできるのか?
- 両方解約してネット込みで格安SIMに変えた方がいいのか?
- 切り替えた場合に接続設定などで利用できない期間が発生しないか?
など、やはりここまで私達の生活が通信サービスに依存している以上は、十分に時間をかけてどちらがいいのかを検討していくことが大切です。
料金が安いことだけが必ずしもメリットになるとは言えない場合もあると思います。
まとめ
携帯電話やスマホにはSIMロックという機能がついていて、たいてい新しい機種の場合にこのSIMロックがかかっているため、他社のSIMを入れ替えて使うことができません。大手通信会社が他社のSIMが使えないように最低3か月~1年程度はSIMロックをその機種のシステムに掛けてしまいます。
中古の機種であっても、このSIMロックがかかっているものもあり、他社のSIMが使えないというデメリットがありました。
しかし、国内の通信サービスの料金体系や縛りなどの不便さが以前から消費者の間で不満となっていたため、今後は改善されていくことが期待されています。
2019年7月からは、全国的にどの通信機器であろうと、どこの通信会社のSIMでも使えるようにSIMロックの解除が義務づけられることが総務省により発表されています。また、料金体系等の不透明さも改善されていくだろうといわれています。
そのような背景もあり、今後は格安SIMの普及が広がることでさまざまな選択肢が可能になるでしょう。この機会に現在のスマホやその他通信機器の利用状況をしっかりと把握し、格安SIMが自分にとってどうなのかを検討してみることをおすすめします。
少しでも通信費を節約して、今後はより快適に経済的な毎日を過ごしていきたいものですね。