【保存版】「ねんきん定期便」の見方・年齢別の内容の違い・注意点を徹底解説

毎年、誕生日の約1月前くらいになると「ねんきん定期便」が葉書などで届きます。この「ねんきん定期便」は厚生労働省からの委託を受けて日本年金機構が国民年金・厚生年金保険の加入者に対して発送されるものです。

ねんきん定期便には、将来的にもらえる年金額がいくらになるかなどの情報が記載されていますが、特定の年齢の人には、記載されている内容が異なるねんきん定期便が郵送されてきます。

具体的に「ねんきん定期便」にどのような内容が記載されており、どこに注意してみればよいかについてお話します。

ねんきん定期便とは

ねんきん定期便とは、毎年の誕生日の時点で国民年金・厚生年金保険にどれくらいの期間加入していたかについて記載された内容を、葉書などで郵送されるものです。通常ですと、誕生日を迎える1か月ほど前くらいに、日本年金機構から葉書で送られてきます。

なお、35歳・45歳・58歳の誕生日を迎える人については、ねんきん定期便に記載されている内容が、他の年齢の人のねんきん定期便と比べて、より詳細にされたものが送られます。

現在では、葉書で郵送されるねんきん定期便の他にも、電子版のねんきん定期便である「ねんきんネット」がありますので、そちらでも、ねんきん定期便の内容を確認することが出来るようになりました。

年金定期便に記載されている内容

ねんきん定期便に記載されている内容については、50歳未満の者(35歳・45歳を除く)・35歳と45歳の者・50歳以上の者(58歳を除く)・58歳の者の4種類の年齢層に分かれており、それぞれの年齢層によって記載されている内容が異なります。

ねんきん定期便に記載されている内容としては、「これまでの年金加入期間」「加入実績に基づく将来もらえる年金額」「直近1年間の加入実績」などが記載されています。ほかにも、内容について問い合わせをするときに必要となる「照会番号」やねんきんネットを利用する際に必要になる「アクセスキー」などが記載されています。

年齢別の年金定期便の違いと着眼点

50歳未満の者(35歳・45歳の者を除く)

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出典元:日本年金機構(http://www.nenkin.go.jp/service/nenkinkiroku/torikumi/teikibin/2018040202.files/30-11-1.pdf)

50歳未満の者(35歳・45歳を除く)については、上記のような内容のねんきん定期便が郵送されてきます。50歳未満の者(35歳・45歳を除く)に届くねんきん定期便についての着目すべき点は3点です。

①これまでの年金加入期間

ねんきん定期便のハガキが届いた時点までの加入実績について、国民年金・厚生年金保険・船員保険の各種保険にどれくらい加入していたかが記録されています。

この中での着目点は「年金加入期間 合計」と「受給資格期間 合計」です。年金加入期間は年金額の計算の基礎となる期間の合計を示しており、受給資格期間は老齢基礎年金・老齢厚生年金などの受給資格を有するかどうかについての判断をする際の判断基準とされます。そのため、受給資格期間には「合算対象期間(カラ期間)」を含んだ期間で計算されていることになります。

つまり、次に説明する「これまでの加入実績に応じた年金額」の計算は、年金加入期間の期間をもって計算され、年金が受給できるかどうかについては、受給資格期間をもって判断されるようになっているということです。

②これまでの加入実績に応じた年金額

これまでの加入実績に応じた年金額は、「①これまでの年金加入期間」の中にある「年金加入期間」を基に、現時点でもらうことが出来る年金額がいくらくらいになるかについてが記載されています。当然ですが、若い方ですと、加入実績が短いため、もらえる年金額が少なくなっていることがほとんどです。

また、厚生年金保険制度の一本化に伴って、国家公務員・地方公務員・私立学校教職員の方がそれぞれ加入している共済制度についても、ここで年金額がいくらくらいになるかが記載されています。そして、今までに支払ってきた保険料の累計額が参考資料として、同じところに掲載されています。

(ポイント)

この後説明します「35歳と45歳の者」のねんきん定期便には、各種年金の加入実績について、詳細な情報が記載されているものが送られます。

③最近の月別状況(裏面)

直近の1年間の加入実績について表にまとめられたものが記載されており、国民年金(1号と3号)の納付状況・厚生年金保険(加入区分・標準報酬月額・標準賞与額・保険料額)について記載されています。

ここでは、未納期間がある場合は「未納」と記録されるので、いつの保険料が未納であったかなどもすぐにわかるようになっています。言い換えれば、ここに記録されている未納期間については、「追納」をすることで、納付済み期間にすることが出来るということです。年金額を1円でも多くもらえるようにするためにも、未納機関がある場合は、追納をすることが必要になるといえます。

35歳と45歳の者

(イメージ図):日本年金機構HPより http://www.nenkin.go.jp/service/nenkinkiroku/torikumi/teikibin/2018040202.files/30-11-2.pdf

35歳・45歳の人の年金定期便では、50歳未満の者(①に該当する人)に届くねんきん定期便と比べて、記載されている内容がより詳細になっており、封筒の中に冊子となってまとめられています。具体的に、どこに着目すればよいか、について説明していきます。

①これまでの年金加入期間

1~2ページには、「これまでの年金加入期間」についての内容が記載されており、①の者と内容は変わりません。3ページ目からは「これまでの年金加入実績」「これまでの厚生年金保険の標準報酬月額などの月別状況」「これまでの国民年金の保険料納付実績」が記載されています。これは、35歳・45歳の人に郵送されるねんきん定期便にのみ記載されている内容となります。

(ア)これまでの年金加入実績

ここには、今までの全ての年金の加入記録が一覧表になって掲載されます。国民年金・厚生年金保険のどちらの年金制度にどれくらいの期間加入していたかについてを、加入時期が古い順に記載されています。これを確認するうえでは、年金の加入実績と実際の加入期間との間に記録の漏れがないかを確認することが重要です。

また、下の方に加入期間の詳細についての記載がされていますので、年金額の詳細な金額を計算することが出来ます。

(イ)これまでの厚生年金保険の標準朋友月額などの月別状況

ここでは、これまでに厚生年金保険等に加入していた人の保険料の基準となった標準報酬月額・標準賞与の金額について一覧で記載されます。加入した月から現在に至るまでの、厚生年金保険等に加入していた期間における保険料の計算の基礎がいくらになっていたかを確認することが出来ます。

なお、この標準報酬月額・標準賞与は「健康保険(協会けんぽ・健康保険組合に加入している人)」の保険料の算定基礎にもなっています。

(ウ)これまでの国民年金の保険料納付実績

ここには、国民年金の加入実績についての記録が一覧表になって表示されます。記号で表示されていますが、12-13ページに記号の説明が記載されていますので、そちらも併せて確認の上で、保険料の納付実績を確認することが出来ます。

50歳以上の者(58歳の者を除く)

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出典元:日本年金機構(http://www.nenkin.go.jp/service/nenkinkiroku/torikumi/teikibin/20130326-01.files/mikata04_2204.pdf

50歳以上の者に郵送されるねんきん定期便は、記載されている内容は50歳未満の者に郵送されるものと同じような形式ですが、「②これまでの加入実績に応じた年金額」の部分に違いがあります。

50歳未満の者に郵送されるねんきん定期便の場合は「これまでの加入実績に基づいて算出した年金額」が記載されているのに対して、50歳以降の者については「現状のまま60歳まで加入し続けた場合にもらうことが出来る年金額の予定額」が記載されています。

つまり、50歳未満の者については、年金を実際にもらうまで期間があるため、「現時点で何らかの年金(障害厚生年金や遺族厚生年金など)を受給することになった場合において、いくらもらえるのか?」について記載しているのに対して、50歳以降の者については、近い将来に年金を受給することが考えられるため、「このまま年金をもらえる年齢まで加入し続けた場合はいくらになるか?」という計算結果を記載しているということになります。

(現状のまま60歳まで加入し続けた場合にもらうことがっできる年金額の予定額)

ここに記載されている内容は、50歳以上の者で誕生日を迎えた時点から60歳の誕生日を迎える日まで、現在と同じ条件で年金制度に加入し続けた場合に、65歳以降にもらうことが出来る年金額がいくらになるのか?という、もらうことが出来る年金額の予想額を記載しています。

国民年金・厚生年金保険について、それぞれの年金の老齢年金の額を詳細に記載しています。制度によっては65歳よりも早い段階から老齢年金の受給が始まるものもあるため、4つのマス(左3マスが「特別支給」に関するマスです)を使って表記されるようにしています。

つまり、特別支給の年金の受給権がある者(男性の場合は「昭和36年4月1日以前生まれの者」、女性については「昭和41年4月1日以前の生まれの者」)である場合は、該当する部分に金額の記載がされているということになります。当然ですが、該当しない人の場合は空欄のままとなっており、一番右側の65歳になった時点で受給することが出来る年金額の予想額が記載されています。

58歳の者

(イメージ図):日本年金機構HPより http://www.nenkin.go.jp/service/nenkinkiroku/torikumi/teikibin/2018040202.files/30-11-4.pdf

58歳の者に郵送されるねんきん定期便については、35歳・45歳の者に郵送されるねんきん定期便に記載されている内容の一部(35歳・45歳の者については「これまでの加入実績に応じた年金額(年額))が「老齢年金の見込み額」となっています。

他にも、同封されているリーフレットの内容に「老齢年金の繰上げ請求について」という部分が追加されています。繰上げ請求をすることができるひとが誰なのか?繰上げ請求をする場合の注意点などについての記載がされているので、繰上げ請求を検討されている人はしっかりと目を通すようにしてください。

年金受給者で各種年金制度の被保険者である者

(ハガキ版イメージ図):日本年金機構HPより http://www.nenkin.go.jp/service/nenkinkiroku/torikumi/teikibin/2018040202.files/30-11-5.pdf

(イメージ図):日本年金機構HPより http://www.nenkin.go.jp/service/nenkinkiroku/torikumi/teikibin/2018040202.files/30-11-6.pdf

年金受給者である場合については、ハガキで郵送されるケースと、封書で郵送されてくるケースの2種類あり、通常はハガキで郵送されますが、年金受給者であり現役被保険者の方が再交付申請(全期間)した場合は封筒で郵送されます。

記載されている内容については、「年金の加入実績」と「累計の保険料支払い額」の記載がされているだけになります。これは、すでに年金の受給を開始しているため、もらうことが出来る年金額の概算などを改めて出す必要がないためです。

しかし、近年の定年年齢の引き上げや再雇用制度の導入などの企業における雇用形態などの変化によって、年金をもらうことが出来る(又は、年金を受給している)状態で、(厚生年金保険の)被保険者になっているケースが増えてきました。そこで、実際に老齢年金を受給しながら被保険者である者については、加入実績を伝えるようにしています。

(なぜ、年金の受給者に加入実績を通知する必要があるのか?)

年金の受給者については、基本的に65歳以上になっている人がほとんどですので、国民年金については記載する必要はない(60歳で被保険者でなくなってしまうため)と考えられます。

しかし、厚生年金保険については、原則として「70歳」まで加入することが出来ます。そうなると、65歳になった時点で、厚生年金保険の被保険者であるにもかかわらず老齢年金を受給している人が出てしまいます。しかし、老齢年金の受給者で厚生年金保険の被保険者である人については、「在職老齢年金」という制度によって、もらえる年金額の調整が行われています。

これにより、65歳以降(最長で70歳に達した日まで)に退職をした人については、その退職をした日をもって、改めて、老齢年金額の改定が行われることになります。その改定を行う際に、退職をした時点までに、被保険者として保険料を納付してきた期間がどれくらいあるかということが必要になるため、老齢年金の受給者に加入実績を確認してもらう必要があるためです。

ねんきん定期便と年金ネット

年金ネットとは?

年金ネットとは、ねんきん定期便に記載されている内容について、パソコンなどのネット(電子版ねんきん定期便)で見ることが出来る制度です。年金ネットを利用するために必要なものは、35歳・45歳・58歳の誕生日の際に郵送されるねんきん定期便の中にあるリーフレットに記載されている「お客様アクセスキー(有効期間はねんきん定期便が到着後3ヶ月)」が必要になります。他にも、基礎年金番号(年金手帳などに記載されている10桁の記号のこと)やメールアドレスなどを入力する必要があります。

このアクセスキーを入力して、年金ネットのユーザー登録を行うことで、年金ネットを使うことが出来ます。なお、年金ネットをスマホで使いたい場合は、お客様アクセスキーが記載されているページにあるQRコードを読み取ることでアクセスすることが出来ます。

まとめ

ねんきん定期便は年齢によって郵送される形態が異なっていたり、記載されている内容が違います。そのため、老後生活の収入源の見通しを早い段階から把握することが出来るためのツールとして、非常に大きな役割を果たしています。

また、消えた年金問題などの影響で、加入していたはずなのに年金の加入記録が抜け落ちていることが社会問題となり、自分の年金の加入記録をしっかりと把握しておきたいという人が増えてきました。しかし、ねんきん定期便の見方が分からなければ、どこに漏れがあるのかといったことを見逃す危険があります。

今回の内容を踏まえて、どの部分に着目するべきなのかをしっかりと押さえたうえで、将来もらう年金の額をしっかりと把握するとともに、自分の今までの加入実績を再度確認できるようにすることが大切です。

岡崎 隆宏
SRFP隆宏
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社会保険労務士・CFP認定者・1級FP技能士

外資系生保会社で6年くらい営業として実績を積み、その中でFP資格を取得し、その時の経験を活かし、お金に関する執筆を始める。

日本FP協会愛知支部の役員幹事として6年、FPとして一般消費者向けのセミナーの講師や個別相談会の相談員などを担当。得意分野は「公的年金・個人年金」「社会保険制度」「出産・育児関係」等。

現在は、社労士・FPとして、労働や年金等のお金についての記事の執筆や資格試験の講師、セミナー講師等を行っている。

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