老後のためを考えるなら、株式投資こそ年金や退職金の代わりになる

年金対策として、国民年金、厚生年金、貯蓄や積み立て、最近ではiDecoなど年金替わりに考える金融商品も増えているようです。

老後のことを考えて、投資信託に積み立てをしていく方法も人気があり、その他にも債券や外貨預金などの長期で考えていく投資も話題になっています。

そんな中、株式投資が紹介されることは少ないことに気が付くのですが、やはり 株式投資はリスクが高いため、どうしてもギャンプル的なイメージを与えてしまうのでしょうか。

もし、十分に時間をかけて企業を選び、年月をかけて投資を考えるのであれば実は株式投資ほど、メリットの高い投資方法は他にないような気がします。

そこで、今回は年金や退職金かわりとして超長期で考えていく株式投資をご紹介したいと思います。

高齢化社会

聞き飽きるほど繰り返される、国内の高齢化。いまや高齢化は軽視できない深刻な社会問題の1つです。

将来の不安

出典:厚生労働省 参考URL

厚生労働省が行った平成29年簡易生命表によると、男性の平均寿命は81.09年、女性の平均寿命は87.26年となり前年と比較して男性は0.11年、女は0.13年上回っています。

そして平均寿命は年々増加傾向にあるのと反比例して、

子供の数は減少傾向にあり、厚生労働省が行った国民生活基礎調査のデータからみると高齢者の数に対して子供の数は約4分の1の比率を表しています。

出典:厚生労働省 H28年 国民生活基礎調査の概況

少子高齢化がこのペースで進んでいくとすれば、2020年以降には1人の若者が約5,6人の高齢者の年金を負担しなければならない状態になっていくといわれています。

Man
僕たちが老齢になった時に(仮にきちんと納付を行ったとして)、年金はもらえるのだろうか・・・

と、多くの人達が、今後の年金制度に不安を持ってしまうのはごく自然であります。

近年の年金事情

国内の年金制度は公的年金と呼ばれるもので、国民年金と厚生年金(共済年金)の2つが主流となります。

公的年金制度

公的年金制度は、基本的に日本国内に住む全ての20歳から60歳の人が年金保険料を納め、その保険料を高齢者などへ年金として支給されるしくみになっています。

◇国民年金(第一号、第三号被保険者)

学生、自営業者、パート、アルバイト、専業主婦などが対象

毎月16,260円を納付

基本的に40年間全額納付(猶予や免除もできる)が義務づけられています。

受け取れるのは65歳からで支給額は約57,000円→死亡するまで

※実質の納付年数や納付額によって支給額は変動します。

◇厚生年金(第二号被保険者)

民間企業の会社員が対象

毎月一定額を会社と折半で保険料を負担して納付することが義務づけられています。

納付した金額や年数によって、65歳から亡くなるまで厚生年金が支給されます。厚生年金の平均は15万円前後

◇共済年金(第二号被保険者)

国家公務員、地方公務員、私立学校の教職員などで詳細は、厚生年金とほぼ同じ内容となります。

※厚生年金、共済年金の加入者は自動的に国民年金にも加入していることになり、給付金は両方合わせて計算されています。

老後に備える投資

国の対策としては、年金の給付金を納付額に応じて変動させていく、同時に国家予算の基礎年金支給額への比率を引き上げていくなどの対策が考えられています。

また、外国人労働者からの税金や、ロボットを人間1人分として課税していく考案なども聞かれますが、やはり、今後は公的年金だけに頼るのは心許ない心境に陥ってしまいます。

とくに、国民年金制度を利用している場合は、もともと支給額も少なく、平均支給額が6万円以下になるのであれば老後の生活費が確実に足りないことは考えるまでもありません。

かといって、厚生年金・共済年金制度を利用しているからといって、安心できるかといえばそうでもなく、平均寿命が延びていくことを考えれば同様に不安になってしまいます。

そんな国内の深刻な事情から、納付義務を果たしつつも予備的に老後資金の計画を資産運用や投資という形で考える人が増えてきています。

どんな方法がある?

Man
老後のための資産形成や投資をするのに、預貯金意外にどんな方法があるの?
Expert
アクサ生命の調査によると、約8割の人が将来に不安を感じていて、その対処法として最も多いのが保険商品。生命保険、医療保険、損害保険などで保障を得ながら積み立てていくという方法です。

アクサ生命:将来のお金に対する意識調査 参考URL

保険商品

病気や介護、ケガや入院などの保障を受けながら、保険料を払い満期時に返房金を得ることができるもの。→月々の支払にプラス金利がついて返ってくる。

住宅や不動産の購入

将来の経費を抑えることや、資産として保有することを目的に一戸建てを購入したり、アパートマンションを経営する。→家賃が不要になったり、家賃収入を得たり、売買で利益を得ることができる。

金融商品

株式投資、投資信託、FX、外貨預金などリスクはあるが、ある程度の利益が得られるものへの投資。→価格に変動はあるが、高い利益が狙える。

元本保証の金融商品

国債・定期預金・積み立て預金など→元本が守れるもので金利を得る。

他にも最近注目されているのが、

iDeco(個人型確定拠出年金)

自分で積み立てをしながら、年金を蓄えていく投資。→元本確保型と元本変動型のさまざまな金融商品(投資信託や債券など)を自分で選び、いくつか組み合わせて運用していく方法です。60歳以上になるまでお金を引き出すことができません。

などと、様々な投資方法があります。

年金替わりとしての投資

投資経験がない初心者のためには、低リスクで知識がなくとも始められる投資信託や債券投資などがよくオンラインでも紹介されています。

リスクを抑えて、コツコツと少額でも利益につなげていけば60代70代になった時に、それらの恩恵を享受することができます。コツコツ型の投資ももちろん将来のためには欠かせない事です。

でも、老後の生活費として年金替わりに考えるならば、どんな方法が少ない資金で一番高い利益を狙うことができるのでしょうか。

それは、実は、株式投資なのです。

オンラインで検索してもわかるように、老後資金として株式投資を進めるものはあまり見かけません。やはりリスクが高いからです。

株式はギャンブル的なイメージを与えてしまいがちですが、どちらかというとパズルや謎ときに近いものになります。ですから上手に謎ときが出来れば上がる株を見つけることができるのです。

株式投資の特質

株式投資をするにあたって、最初に1つだけ心しておくことは、株式投資は非常に危険な投資でもあるということです。

自分の購入した企業が株式欄から消えてしまう、なんてこともあり得る話です。(でも実際には倒産や上場廃止になる場合は予告期間があるので、よほど放ったらかしにしない限り、ある日突然ゼロ円になることはありません。)

高リスク高リターン

時には、10万円の資金が一週間で20万円になることもあれば、10万円の資金が3日で1万円以下になってしまこともあります。これは、あまり深く考えずに高値で購入してしまったり、急上昇の株を追いかけてしまったり、下がりすぎた株の損切りを繰り返すことが原因となることが多いようです。

安値や底値にある株を選んだり、早い時点で損切りをしたり、あるいは気長に待つことで損失を最小限に抑えることもできます。

他の金融商品と株式投資が大きく異なるのは一発触発的に、なんらかの要因によって一気に価格変動がおきてしまう可能性があるということです。

その要因は、世界的な経済情勢だったり、国政に関することだったり、企業内で起きた出来事だったり、天災が原因だったりとさまざまです。

このように高リスク、高リターンであることが株式投資の大きな特質になります。

大きな損失を抱える可能性と、大きな利益を得る可能性を同時に秘めているのです。そこで、その株式の長所を生かし、しっかりと銘柄を選ぶことで、これが多大な財産にもなり得るのです。

可能な限り安く購入して、可能な限り高く売る

これが株式投資をするうえで最小限にリスクを抑え、高い利益をだしていく基本になります。

気をつけることは、どの株を買っていいかわからない人は、始めるべきではありません。

どの株を買っていいかもわからないのに、株式をやって利益が出せるわけがありません。ですから、前もってしっかり株のことを勉強し、買いたい株を探す、買いたい企業を明確にする必要があります。

本で勉強したり、オンラインで勉強したり、日経新聞を読んだりと自分に合った方法でまずは勉強を始めてみましょう。

それでは、その勉強にも熱が入るように、なぜ株式が年金替わりといえるほどの投資法になるのかをご説明していきたいと思います。

株式投資の利益

利益ではありませんが株を購入することで、その企業の株主となり株主優待を受けることができます。企業の製品や割引クーポン、クオカードや旅行招待、ギフト券などいろいろあります。

配当金(インカムゲイン)

株式会社は一般公開された株式の売上を会社の運営費用として使います。会社に利益が出た場合に、その一部を株主に配当金として還元します。

売買差額(キャピタルゲイン)

株価1,000円の株を100株購入したら→10万円

その株が1500円に値上がりしたら→15万円

10万円で購入した株を15万円で売却したら→5万円の利益

というように売買によって生じる利益があります。

トータル的な利益

以上のように、株主優待、配当金、売買差額によって得る金額が株式投資のトータル的な利益になります。株主優待や配当金を狙って、株式を購入するのも1つの方法ですが、高額な配当金を得るためには相応の多額な資金が必要となります。

そこで、少ない資金で大きな利益を得るためには売買差額によって利益を得る方法があります。

これだけ将来に不安が垣間見える日本の高齢化社会。ここで本腰を入れて株を選び、年金替わりになるほどの利益を狙っていきたいものです。

株式投資長期計画

 

それでは、年金や退職金替わりになるほどの利益を少ない資金で始めるために、「株式投資長期計画」をご紹介していきたいと思います。いくつかのポイントを押さえてみますので、自分にはこの方法が向いているのかどうかを検討してみて下さい。

まだ、大きな森や林になっていない双葉の状態の株を探せるかどうか、そしてその双葉はアスファルトを割ってでも伸びていくような強靭な株なのか、これらの要素を判断しなければなりません。

この「年金替わり株式投資長期計画」に向いている人とは・・・

 

  1. 10年以上の期間をかけることができる

→双葉の状態である企業がこれから、大きくなっていくには時間がかかるから

  1. 少なくとも1つは一般的な知識よりも詳しいものがある

→その企業のサービスや商品の価値や可能性を見出すことができる

  1. 時代の流れには敏感である

→時代(人々)のニーズが何かを先行して考えていける

  1. 普段の生活の中で、これ売れるなと思ったモノがその通りになったことがある

→自分がいいと思ったものが、多くの人の心をとらえるだろうかといった判断

以上の4つです。

どうでしょうか?株式上場株のすべてを理解しろというわけではないんですね。何でもいいんです。飲食店だって、衣料品だって、段ボール箱のことだって、歯磨き粉のことだろうと、何か詳しいものが1つあれば双葉株を見つけることはできるのです。あとは、なぜ上がると思うのか裏付けをとる努力と、皆さんがそれぞれ持って生まれた感覚です。

購入の流れとしては

  1. 安い企業を見つける
  2. 今後伸びていきそうな企業を見つける
  3. あまり知られていない企業を見つける
  4. 安い時に購入する
  5. ひたすら年月をかけて待つ
  6. 60歳過ぎた頃に売却する

1,000万円を稼ごう

基本的に現在の年齢から65歳~70歳くらいまで何年あるかによって、その株にかける年数が変わってきます。かける年数が長ければ長いほど利益を得るチャンスも高くなります。

長い年月をかけて、1万円値上がりする株を見つけます。それを1000株購入します。

それぞれの許容範囲にもよりますが、損失を抱える可能性もありますので、いくらだったらこの株式長期計画に使えるか、いくらまでの損失だったら我慢できるかを最初に明確にしておきましょう。

低額の株を1000株購入!

例)

500円(株価)×1000株=50万

50万で購入した株が 20年後に・・・

1万5000円に値上がりすると 1,500万になります!

1,500万-50万=1,450万 1,450万円の利益です。老後の年金額としてはかなり満足のいく金額ではないでしょうか。

50円くらいの価格の株もありますので、50万円は高すぎると思う人は100円以下の株価を探せば10万以下に抑えることができます。

やがて森林になるまで成長拡大していく双葉となる株を探してみましょう。

その時にに注意したいのが板情報です。

◇板情報とは◇

売りの予約数と買いの予約数が確認できる情報です。

出典:松井証券

このように売買の予約数が5ケタ6ケタとなる株は、それだけ人気があり人も集まりやすいメリットがあるのですが、値動きが小さいというデメリットがあります。

セブン銀行の出来高数は700万近くになりますが、これだけ出来高数が高くとも株価は9円しか動いていないのです。となりの板情報、ジオネクストも同様に売買数のケタ数が多すぎてあまり値段が動かない傾向にあります。(数年動かないものもあります。)

株価が安くなるほど、それを大量に購入する人も増えるので、どうしても値動きが重くなってしまいます。これはあくまでも傾向にあるということなので、断定はできませんが、比較的身軽な板情報を持っている方が値上がりしやすいというメリットはあります。

出典:松井証券

上記のように売買予約のケタ数が小さいものを選ぶことも1つの方法です。

しかし、何よりも増して大切なのが・・・どのような視点で企業を選ぶかということです。

企業を選ぶ視点

大手企業や有名な企業でも株価が500円以下、100円以下のものなどありますが、すでにある程度大きくなってしまった企業の株が今後1万円も上昇することは、可能性がないわけではありませんが、確率は低くなるでしょう。

まだまだ成長の余白のある企業の方が、どんと大きくなる可能性は高くなります。今と将来の規模の差が大きければそれだけ株価の差額も大きくなることが期待できます。

  1. 業種 どんな業種か なぜその業種か
  2. 企業理念 企業のポリシーは同感できるか、尊敬できるか
  3. 商品・サービス 現時点からどのような展開が期待できるのか
  4. 需要 これからどのような需要に応えることができるのか
  5. 社会貢献 その企業の成功によりどんな社会問題が解決できるか
  6. 地域貢献 実際に地域社会にどのような貢献をしているか
  7. プレスリリース 大小問わずイベントやニュース情報は発信されているか
  8. 財政  資本金、負債、無理な経営をしていないか 増益の見込みはどうか

など、さまざまな視点から小さな双葉株を探して、いろんな企業を分析してみましょう。このように、いくつかのテーマを決めてそれに見合った株式を探し出していく過程は、まさにパズルや謎解きのようなものです。

リサーチをしないで、当てずっぽうに株の購入をしてしまえば、それはギャンブルです。株式の購入の際にはこの株が上がっていく!と自分なりに確信を持つことが大切です。(例えば、この企業に就職してもいいと思えるような・・・)

こまごまと集めた情報をパズルのピースのようにつなげていって、その企業のまだ見えない未来を形成していくのです。推理していくのです。輝かしい未来を匂わせる企業はどれでしょうか。

※注意点

低額の株には、上場廃止猶予期間入りをしている株や、倒産が危ぶまれていいる株も中にはあります。

そのような株は監理銘柄指定となっています。各証券会社の画面によっては、一見しただけでは分からない場合もあります。購入前には、現在のその株のステイタスをしっかり確認することが大切です。

超長期で気長に投資!

もし20代であれば、年金をもらう年齢になるまで40年はある!

40年もあれば極端な話で、4畳半くらいの小さな会社が世界各国に支店を構えるほどの大企業となるまでに十分な年数です。

歯も生えていなかった赤ちゃんが、大人になって結婚してその子供が成人するほどの時間をかけることができるのです。

30代、40代→30年、20年   50代、60代→20年、10年

60代の人でも70代、80代に向けて10年20年と時間をかけていくことは可能です。

10年という期間で考えても、500円くらいの株が1万円以上にまで値上がりする可能性は十分あります。

Man
でも、本当に1万円も値上がりする株なんてあるの?
Expert
10年20年以上と考えれば、意外と多いんです。さらに長い年月をかければ、2千万、3千万稼ぐことだって夢ではないんです。

 

ダイキン(6367)

このチャートは最近では有名になった、省エネ空調設備のダイキンです。もともと、ローカルな空調設備会社として設立し、小さな町工場から今日まで発展しました。

出典:野村証券

1997年12月の株価は450円くらいです。

それから2016年12月に初めて1万円を超えます。そして現在は13,300円です。

出典:野村証券

その他に1万円以上値上がりしている株は・・・

ファナック(6954)

現在では日経平均株価をリードする主要株、工作機械、産業用ロボットのファナックは、1976年の安値は635円。そして1999年に1万4,000円を超えます。現在の株価は2万1,500円です。当時1000株購入していれば現在は、約2,000万以上の収益になっているところです。

任天堂(7974)

世界のゲーム界のキング、任天堂は1975年に243円!それから1990年5月、20年とかけずに2万円代を突破します。そして株価の変動はかなり激しいながらも現在3万4,500円です。

約15年で、1000株で24万の資金が2,000万の利益、約40年で3,000万以上の利益を生み出したことになります。

 

まとめ

このように、高額な資金を用意しなくとも、年月をかけることで老後に備えた資産形成が株式投資では可能となるのです。1000株購入するのが費用的に難しいのであれば、200株300株でもそれなりの利益にはなります。

でも、年金や退職金の代わりとして考えていくのであれば、やはり1000株は持っておきたいところです。ゼロが一個増えるだけでも、利益がずいぶん変わります。

1万円と1000円では驚くほどの差は感じませんが、100万と1,000万の差は驚異的な違いがあります。

例に挙げた任天堂の場合でも最初の購入金額が24万円といったら、どんな生活水準にあるとしてもけっして用意できない資金ではありません。

この機会に、これから大木となり森となり林となって拡大していきそうな双葉株を見つけて、年金や退職金の代わりとして備えておきませんか?

 

 

 

 

 

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