せどりである程度成功してくると不安になってくるのが税金関係のお話し。あなたも、何となくわかっているようでわかっていないのではないでしょうか。税金を払ったほうが良いと思いつつも、どうせバレないだろうと出さないなんて、だめですよ。ばれることも多いですし。
確定申告はせどりを行って収益を上げているのであれば必ず行わなければなりません。しかし、効果的な確定申告の方法を知らなければ大きな損をしてしまいます。例えば、次の節税方法についてご存知ですか?
- とある出し方をするだけで65万円が所得控除(利益をへらし税金がかかる金額を減らせる)
- 奥さんに給料を払えば経費にできる!?
- あなたの家賃や水道光熱費も経費にできる
などなど…。確定申告をすること=税金を納めなければならないから手元に残るお金が減るというイメージがあるかもしれませんが、確定申告に関するきちんとした知識を持つことで税金を一気に減らすことも可能なのです。
そこで今回は、効果的な青色申告の出し方や、経費で落ちるものに関するあれこれについてお話しします。
確定申告をするメリット
冒頭でも少しお話ししましたが、確定申告を行うことで得られるメリットについてあなたはきちんと理解していますか?確定申告に関する正しい知識を持ち、きちんと納税を行うことで節税ができます。
サラリーマンは会社から税金などを差し引かれた分を給料として渡されるため節税ができないのに対して、自営業者は経費を計上することで利益に対しての税金を減らすことができるのです。
確定申告するにあたり2種類の方法があり、白色申告と青色申告がありますが、今回は節税できる金額が大きい青色申告についての節税メリットについてお話しします。
65万円分の所得控除
青色申告を行うだけで65万円分の所得控除を得られます。簡易的な白色申告と異なり、青色申告は複式簿記による煩雑な記入になる為、白色申告に比べ大きな所得控除が得られる仕組みとなっています。
せどりを行う方で65万円もの所得控除が得られるとなればかなりおいしいですよね。副業で軽く行われている方であれば、申請を行うだけで税金を納める必要がなくなる可能性もあります。
固定資産を30万円分まで経費に
通常、固定資産を購入する場合は10万円までしか経費として落とすことができません。数年間にわたって利用する10万円を超える固定資産(車、パソコン、機材など)は数年間にわたって減価償却という形で経費に計上することになります。
つまり、15万円を支払うにも関わらず、5年間かけて減価償却する場合は1年あたり3万円までしか経費にできないということですね。
しかし、青色申告による確定申告を行うことでなんと30万円までの固定資産を一括で経費として扱うことができます。
そのため、利益が出すぎて税金が高くなりそうだという場合でも30万円分までのPCや機材を導入することで見かけ上の利益を減らすことができ、節税することができるのです。
3年間の赤字繰り越し
青色申告を行うことで最大3年間分の赤字を繰り越すことが可能になります。赤字になった年の向こう3年の間に黒字が出た場合、繰り越している赤字と、黒字を相殺して利益を減らすことが可能なのです。
事業を行っていれば常に好調ということはまずありません。調子が悪く、赤字になってしまうこともあるでしょう。景気など自分以外の影響にも左右されますので、事業売り上げに波があるのは当然のことです。しかし青色申告で確定申告を行っておけばその赤字も無駄にならないのです。
税務署に摘発されない
当たり前ですがキチンと税金を納めている為、税務署に摘発されることはありません。せどりを行われている人の多くは確定申告を行わないケースが多々見受けられます。基本的に店舗などを構えているわけではないですし、何より行っている人も多いのでどうせ取り締まらないだろうと高を括っている方が多いのです。あなたは大丈夫でしょうか。
ある程度コンスタントに利益を出している方であれば、税務署から摘発される可能性は十分にあります。その年に摘発されなかった場合でも、その翌年、翌々年、数年後などに摘発される可能性も否めないのです。
延滞すればするほど延滞税は高くなります。そのため、数年後に摘発されようものなら少額の脱税であってもかなりの額になってしまいます。またそれだけでなく、脱税が発覚した場合にはあなた自身の信用問題にもなりますので、これから仕事を継続していく際の問題となるかもしれません。
きちんと納税するだけでこれらの不安から解消されるので、必ず確定申告は行うべきです。
家族へ給料を支払って経費にする
家族に給料を支払うという形にすれば、その給料は経費として計上することができます。ほかの企業で働いていない15歳以上の家族であれば、給料を支払う形で経費計上が可能なのです。
そのため、子供に手伝ってもらったり、奥さんに経理を担当してもらうようにするだけでかなりの節税ができることになります。荷物整理や発送のお手伝いとしてもらっている人も少なくないはずですので、おそらくあなたの奥さんやお子さんも給料を支払うという形で経費計上できるはずです。
確定申告をするデメリット
節税効果が高くメリットの高い青色申告による確定申告です。売り上げが高くなりがちなせどりを行っている人にとってはありがたいことこの上ないですよね。
しかし、確定申告を行うことによるデメリットも2点ほど存在します。
時間が必要
まず一つ目は時間が必要であるということです。確定申告を行うためには経費にどれぐらい使ったか計算し、売り上げと経費をもとに書類を作成しなければなりません。かなりこれらを作成するのはかなり大変ですし時間がかかります。
また、作成が終わっても、確定申告の時期の税務署は人でいっぱいです。かなり込み合うので確定申告を行うだけで一日が終わってしまった…なんてことも少なくありません。
確定申告に関する知識が必要
次に、確定申告に関する知識が必要であるということです。確定申告するにあたり、正しく節税するためには知識が必要です。それほど難しくはありませんが、雑に確定申告を行うことで誤った申請をしてしまうと追加で徴税されてしまうケースもあります。
また、税金に関する法律は定期的に変化するため、自分で確定申告を行うのであればそれらに関する知識も必ずチェックしておかなければなりません。
確定申告はメリットが多い
先ほどメリットとデメリットについてそれぞれ個別に説明させていただきましたが、確定申告を行うことによって得られるメリットが圧倒的に多いとは思いませんか?
出すだけで65万円の所得控除が得られるほか、様々な経費を利用することができます。家族に給料を払って経費計上したり、仕事仲間とのご飯代は接待費や会議費として経費計上、交通費も仕事に関するのであれば出ますし、家をオフィスにしているのであればその地代や水道光熱費の半分はなんと経費として落とせるのです!さらに赤字も3年間まで繰り越せるとなればやらない他ありません。
確定申告を行うことで合法的に自分の所得を低く見積もることができて、同じ金額を稼いでいるサラリーマンよりも税金を大幅に減らすことができるのです。これは非常に魅力的ですよね。
確かに確定申告は面倒ですし時間もかかりますが、たったこれだけの理由で行わないのははっきり言って損です。
確定申告を行う時期
確定申告は前年度(1月1日~12月31日)までの所得に関してまとめたものを、翌年の2月16日から3月15日に行うのが一般的です。若干前後することもありますが、おおよそこの日程で行われます。
開庁時間は平日の8時から17時のみとなっており、この時期の税務署はかなり込み合っています。
なお、入院、海外出張、その他どうしてもいけない場合はこの日程以外でも例外的に確定申告を受け入れてくれるケースがあります。特に、いけないことがわかっている場合にはあらかじめ税務局に連絡を入れておくようにすると話がスムーズに通るのでお勧めです。
申告忘れが発覚した場合の罰則まとめ
せどりをしている多くの人が確定申告を行っていません。実際のところ不用品販売※とせどりの線引きはかなり難しいですし、少額であればばれにくいことは確かです。しかし、徐々に規模が大きくなってくるとお金の動きが一目瞭然になるのですぐに見抜かれてしまいます。
※不用品販売は非課税
不用品販売とせどりの線引きは税務署が行いますが、行うにあたっての線引きはあくまで銀行通帳などを始めとするお金の流れをもとに判断されます。弁解の余地はないので、せどりであると認められてしまえば税金および罰則のお金を支払わなければなりません。
さて、申告忘れ及び脱税であることが発覚した際の罰則にはざっくり次のようなものがあります。
- 過少申告加算税
- 不納付加算税
- 無申告加算税
- 重加算税
- 延滞税
ひとつずつ確認しましょう。
過少申告加算税
過少申告加算税は、確定申告は期限内に行ったにもかかわらず申告するべき金額より過少に見積もって申告した場合に加算される税金のことになります。修正、加筆が必要となります。
ペナルティとして追加本税の10%が課税されます。
不納付加算税
源泉徴収した所得税を期限内に支払わなかった場合に課税されるのが納付加算税です。ペナルティとして追加で10%の税金を支払う必要があります。なお、自主的に申し出た場合は5%の加算税で済みます。
無申告加算税
確定申告書を申告期限までに提出せず、かつ納付するべき税金があった場合に課税されるのが無申告加算税です。(なお、申告期限より1か月以内できちんと確定申告を行っており、過去5年のうちに無申告加算税や重加算税が課税されたことが無く、本来は申告期限内に申告する予定であったことが認められれば課税対象外となります)
50万円までは15%、50万円を超える分に関しては20%、自主的に収めた場合は5%の課税が行われます。
重加算税
上記3つの加算税に関して、申告を怠ったり意図的に隠ぺいをした場合に加算されるのが重加算税です。
過少申告税の追加本税の35%
不納付加算税の納付すべき金額の35%
無申告加算税の納付すべき金額の40%
が重加算税として追加されます。
重加算税はかなり重く、これを食らうと一般的には利益がほぼほぼなくなってしまいます。
延滞税
延滞税は支払われるべき税金が納付されていない場合に発生する税金です。日数が増えるごといどんどん増えていく税金です。基本的に1か月以内は年利7.3%、2か月を超える場合は年利14.6%で日割り計算されます。
クレジットカードのキャッシングより良心的とはいえ、なかなか厳しい税金です。
経費で落ちるものとは?
最後は経費で落ちるものについて学んでいきましょう。経費の適用範囲は案外広く、基本的に仕事に関するものであれば結構幅広く経費として扱うことができるのです。
経費で落ちるものと落ちないものについて詳しく知っておかないと、レシートや領収書をもらい忘れて結果的に経費で落とすことができなかったなんて話にもなりかねません。
せっかくの機会ですので、あなたも落とせる経費についてしっかり勉強しておきましょう。落とせる経費の項目としては大きく次のようなものがあります。
- 接待交際費
- 会議費
- 消耗品費
- 給与
- 外注工賃
- 水道光熱費
- 地代家賃
- 通信費
- 減価償却費
- 書籍費
- 雑費
ひとつずつ確認していきましょう。
接待交際費
接待交際費は、仕事関係の人とのご飯代やカフェ代としてかかった費用などを経費として落とすことができる項目のことになります。結構ポピュラーな経費なのであなたも耳にしたことがあるのではないでしょうか。
接待交際費はかなり便利な経費故に使ってしまいがちですが、あまりにも多く計上しすぎると税務署からの印象が良くありません。そのため、領収書の裏には誰と、何人で行ったのかということを書いておいたり、売り上げに対して大きくなりすぎないように調整する必要があります。
基本的に5000円以上のご飯代やカフェ代を接待交際費として計上するのが一般的です。
会議費
会議費とは、その名の通り会議にかかる費用です。会議にあたり必要な水や食べ物など5000円まで経費として計上可能です。
なお、ランチやカフェなども仕事相手と行くのであれば立派な会議費となります。接待交際費の割合を大きくしすぎないためにも、5000円以下のものは積極的に会議費として計上するのが一般的です。
消耗品費
消耗品費とは、ボールペンや紙、インクなどの消耗品を購入した際に計上する経費の事です。せどりを行うあなたであれば、段ボールやテープなど、計上できるものはたくさんあります。
具体的な定義としては、10万円に満たない商品であり、かつ1年以内に使用できるものとなります。一つ一つの金額は小さいですが、積もれば案外大きな金額となります。
給与
せどりを行う上で従業員を雇っている場合は給与で経費計上します。個人事業主、法人に関わらず人は雇うことができます。上記でもお話ししたように家族も給与を渡すことで経費計上できるので、積極的に活用することで経費を増やすことが可能です。
外注工賃
外注を行った場合に発生するのが外注工賃です。せどりを行う上で商品の発送や出品作業を外注した場合にはこの項目で経費計上します。
AmazonFBAなども外注していることとなりますのでこれらに発生する手数料などはすべて経費として計上可能です。
水道光熱費
事業を家で行っている場合は、その事業に利用している割合だけ経費計上を行うことができます。利用分と言っても難しいですが、家で作業をしている時間などをもとに割り出すのが一般的です。
5割程度は普通に経費として計上することが可能です。
地代家賃
こちらも同じく、家で事業を行っている場合は地代家賃を、その事業で利用している割合だけ経費計上を行うことができます。部屋の場合は事業利用している部屋の割合をもとに割合を決定します。
割合を決めるのが難しい場合などは税理士などに相談してみると良いでしょう。
交通費
仕事に関する移動に必要な費用はすべて交通費で計上することが可能です。せどりの場合はせどりのための移動や、せどらー同士で会う際の費用なども経費として計上することができます。車のガソリン代、ETC料金などもすべて経費として落ちるので、領収書を必ず取っておきましょう。
また、電車など領収書が出ない場合でも、出金手帳に
- 移動場所
- 金額
- 日時
- 目的
を記入して保管しておけば経費として落とすことができます。
なお、イコカやスイカといったICカードにチャージしている場合は移動履歴などを印字すれば経費として認められます。チャージ履歴では経費として認められないので注意が必要です。
通信費
通信費とは、
- プロバイダー代金(WIFI代金)
- はがき代
- 電話料金
等を計上することができます。せどりを行っている人であれば発送用が多いのでこの項目は大きくなりそうですね。なお、プロバイダー代金などは仕事と私的利用の両方を兼ねている場合には事業に利用した分のみ経費に計上することができます。
減価償却費
10万円を超える固定資産を購入した場合は、数年に分割して経費を計上します。例えば、15万円の物を5年で減価償却するとなると1年あたり3万円の経費となります。
なお、青色申告の場合は30万円まで経費として一括で経費とすることができるのでお得です。
雑費
その他上記の物に当てはまらない費用はすべて雑費として経費にすることができます。例えば、
- 書籍代
- セミナー代
これらは雑費として落とすことが可能です。せどりのセミナーなども多いと思いますが、それらはすべて経費で落とせるので積極的に利用していくと良いでしょう。
しかし雑費も接待交際費同様に使用用途がわかりにくいことがあり、この金額が多すぎると税務署からの印象が良くありません。
書籍代やセミナー代があまりにも大きい場合には独立させて計上させるようにしましょう。
まとめ
今回はせどりを行う人向けに確定申告に関するお話をしましたがいかがだったでしょうか。確定申告を正しく行えば通常以上に節税することができ、結果的に得することを理解してたのではないでしょうか。
せどりを行うのであれば、確定申告をセットで考えることで大幅に納税額を減らせます。逆にこれらに関する知識を持たずに対策をしていないと大損どころが課税されてしまうのです…
あなたもこの記事を通して正しい確定申告について学び、青色申告を作成されてみてはいかがでしょうか。