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人生においては、いろいろとお金がかかるイベントがありますが、その1つが結婚式です。最近では結婚式を挙げないカップルも増えていますが、今までお世話になった人への感謝の気持ちを述べる場を設けたいというカップルもまだまだ多いでしょう。しかし、その際に真剣に考えなくてはいけないのが「費用をどうやって節約するか」です。
そこで今回の記事では、実際に結婚式を控えたFPである筆者が、自分で実践したものも含め、結婚式の費用を節約するコツをご紹介します。
1.譲れる、譲れないポイントを書きだす
最初にやるべきことは「譲れる、譲れないポイント」をお互いに共有しておくことです。できれば、メモ帳に書きだしてみて、二人でチェックしてみるといいでしょう。
「どこで挙げるか」は案外重要
結婚式を挙げる際に案外重要になるのが「どこの都道府県(海外のケースもある)にある会場で挙式をするか」ということです。お互いの実家が同じ、もしくは近接した都道府県であるならさほど問題はありませんが「北海道と福岡」など、かなり離れた場所に住んでいる場合は、どこで挙げるかは慎重に考えなくてはいけません。
- どちらかの実家のそばで挙げる
- 2人が今住んでいる場所(例:東京)で挙げる
- 家族旅行も兼ねて国内のリゾート地(例:軽井沢、沖縄)や海外のリゾート地(例:ハワイ、グアム)で挙げる
などのプランが考えられますが、このあたりは、お互いの家族の意見も取り入れて判断しましょう。
ちなみに私たちの場合は、実家が埼玉と神奈川だったので、中間地点として東京で挙げることにしました。
料理をケチるのは絶対ダメだと思う理由
正直なところ、筆者もパートナーも「他の出費を削ったとしても、ここだけは節約してはいけない」というポイントにおいては、まったく認識が一致していました。それは「料理」です。
もともと、お互い食べることが好きで、筆者に至っては下手ながらに料理をすることも好きなため、結婚式で出てくる料理のよしあしは何となくわかってしまいます。しかし、それは自分たちの結婚式に来てくれる家族や友人、知人だって同じことでしょう。
「自分たちでできること」と「プロに頼んだほうがうまくいくこと」を区別しよう
結婚式に限ったことではありませんが、プロに頼む際には相応の費用を支払うのがやはり筋です。しかし、何でもプロに頼んでいたのでは、費用が際限なく膨れ上がってしまうでしょう。
2.結婚式のスタイルを見直す
結婚式のスタイルをどうするかも、費用とは密接に関係します。「友だちもたくさん呼びたいけど、費用が心配になる」という人のためにおすすめしたいのが「いっそ、親族のみの挙式と結婚パーティーにわけてしまうこと」です。
親族のみの挙式+パーティーを選んだ理由
なぜおすすめするかというと、自分たちがこのスタイルを選んだためです。背景について説明しておきましょう。
その家の事情や家庭環境によりますが、私たちは2人とも「家族に対しては、昔の古き良き時代の挙式をして、感謝を伝えたい」という気持ちを持っていました。しかし、友達や仕事関係者には「感謝を伝えるとともに、一緒においしいものを食べて喜びを分かち合いたい」という気持ちの方が強かったのが事実です。
また、お互い両親が高齢だったことから「私たちは接点があるものの、両親にとって接点がないゲストへの応対で気を使わせすぎたくない」という気持ちもありました。そうなると「もういっそ、最初から分けちゃわない?」という雰囲気になったのも無理はありません。
このように
- 家族と友人・知人に対しては、パーティーに求めるものが違う
- 家族にゲストの応対で疲れさせたくない
という理由から、親族のみの挙式+パーティーを選んだのです。
1.5次会のメリット・デメリット
私たちのように、別の場所で家族・親族のみの挙式をした後、アフターパーティーを催すスタイルのことを、近年では1.5次会と呼ぶこともあるそうです。意味としては「披露宴ほど堅苦しくないが、二次会ほど砕けすぎていない」パーティーといったところでしょうか。実際にやると決めてから実感したメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
メリットとしては
- 費用を安く済ませられる上に、ゲストへの負担も少ない
- 気軽に「ご飯食べに来るぐらいの気持ちで来てね」と声を掛けられる
の2点です。まず「費用を安く済ませられる上に、ゲストへの負担も少ない」についてですが、1.5次会も2次会と同様、会費制を取ることがほとんどです。私が結婚式とパーティーをお願いした都内のあるレストランの場合、1.5次会用プランがありました。含まれていた内容は以下の通りです。
- 料理
- 飲み物
- 衣装
- 控室
- 席料、会場費
- メイク、着付け
- 装飾、草加
- 介添え料
- サービス料
- ケーキ
- 音響証明
この内容なら、50名を招待し、会費を2万円にした場合、自己負担分は約27万円という見積もりになっています。もちろん、細部にこだわればこだわるほど、見積もりからは上がっていきますが、やり方次第では自己負担分を抑えることも十分に可能なはずです。
デメリット
特に致命的なデメリットはありませんが、あえてデメリットとして挙げるとすれば「1.5次会と2次会の差がわかりにくいゲストもいる」ことでしょう。現に私たちも、友人・知人に「1.5次会をする」と伝えたところ、怪訝な顔をされました。丁寧に説明しないとだめですね!
3.会場選びを工夫する
結婚式の費用は、どんな会場を選ぶかにもかなり左右されます。ここでは、挙げる人が多そうな会場として
- ホテル
- レストラン
- ゲストハウス
の3つを比較検討してみましょう。
遠方の親族が多いならホテルがベスト
昔から、結婚式の会場として広く用いられてきたのがホテルです。世代が上の方の人の場合「ホテル以外で結婚式を挙げるのは止めてほしい」という意見もあるので、やはり広く親しまれてきたのでしょう。ホテルで結婚式を挙げるメリットとデメリットについて考えてみました。
メリット
メリットとしては
- ノウハウが蓄積されているので、おもてなしにもそつがない
- 遠方からのゲストにも宿泊先を案内できる
の2点が挙げられます。
結婚式を長く手掛けてきたホテルなら、沢山のカップルと向き合ってきた中で蓄積されたノウハウがあります。おもてなしにも定評があるホテルを選べば、親族や友人・知人の対応もそつなくこなしてくれるはずです。
また、結婚式を手掛けているホテルなら、新郎新婦やその親族、友人・知人などのゲストに対し、宿泊料の優待を行っていることがほとんどです。遠方から列席してくれる予定で、結婚式の日は泊まっていくことが事前にわかっているなら、コーディネーターにすぐに手配してもらえるのは、やはり大きなメリットでしょう。
デメリット
デメリットとしては
- 選ぶホテルによっては、かなり高額になる
- ハイシーズン(5月、6月、10月、11月)の大安の土曜日は激戦
- 同じ時間帯に複数のカップルが挙式することもある
の2つです。ホテルでの結婚式の場合、そのホテルが高級になればなるほど、費用も膨れ上がる傾向にあります。ホテルオークラ、帝国ホテル、ホテルニューオータニなどの老舗のホテルや、ザ・リッツ・カールトン、コンラッド、ハイアットなどの外資系高級ホテルの場合、数百万円単位の出費は覚悟しなくてはいけません。節約という意味では、あまり適しているとは言えないでしょう。
また、人気があるホテルの場合、ハイシーズンにあたる5月、6月、10月、11月の大安の土曜日は、あっという間に予約で埋まってしまいます。もし、どうしても希望する日があるなら、早めに動くに越したことはありません。
あと、これは人によってとらえ方が異なる部分ですが、ホテル自体の規模が大きく、宴会場も複数ある場合は、同じ時間帯に複数のカップルが結婚式を挙げていることは十分あり得ます。
料理にこだわるならレストランウェディングもあり
近年では、ホテルでの挙式ではなく、レストランでの挙式を選ぶ人も増えてきました。特に、2020年に新型コロナウイルス感染症が世界中で蔓延したこともあって、大規模な会場での結婚式をキャンセルした人が、家族や親族のみの挙式をレストランで行うというケースもあるようです。メリットとデメリットについて考えてみましょう。
メリット
メリットとして挙げられるのは
- 料理の費用対効果が高い
- ミシュランなどの有名ガイドブックに紹介される店舗であればおもてなしも十分できる
の2つです。レストランの場合、ホテルのように他に部門があるわけではないので、ホテルに比べると1人あたりの単価を安く抑えつつ、質のいい料理を提供できるという強みがあります。本来、レストランは食事をするところ、という意味からも「温かいものは温かいうちに提供する」ことをウェディングでも徹底しているレストランはやはり多いです。
また、レストランというとスタッフの応対に不安を覚える人もいるかもしれませんが、ミシュランなどの有名ガイドブックへの掲載歴があるお店なら、スタッフの応対は基本的に丁寧なので、特に気にすることもありません。
デメリット
一方、デメリットとしては
- 控室がなかったり、お手洗いが1つだったりする
- ゲストの宿泊施設は自分たちで手配しないといけない
が挙げられます。よほどの大規模なレストランでない限りは、ホテルのように控室があったり、お手洗いが複数あったりすることはあり得ません。そのため、ゲストにはその面で迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。
また、遠方から参列してくれるゲストがいる場合でも、特定のホテルと提携しているわけではないことが大半であるため、自分たちで宿泊施設を手配しなくてはいけません。結果、ホテル予約サイトとにらめっこすることになりますが、それがあまり苦にならないならたぶん大丈夫です。
ゲストハウスは「映える」けど費用が高くなりがち
最後に、近年増えている結婚式専用の会場=ゲストハウスについても、メリットとデメリットを考えてみましょう。
メリット
メリットとしては
- 一軒貸し切りの会場も多いので、自分たちの好みの演出ができる
ことでしょう。基本的に、同じ時間帯に複数のカップルが挙式をしない設定になっていることが多いため、自分たちの好みでいろいろと演出も考えられます。「こういうことがやりたい」という意見をプランナーとかわしていけば、かなり理想に近い式ができるはずです。いわゆる「SNS映え」を重視するならゲストハウスが抜きんでているかもしれません。
デメリット
デメリットとしては
- 全体的に費用が高い
- ゲストハウスによっては、コーディネーターやスタッフの質にばらつきがありすぎる
の2点です。ゲストハウスはある程度の広さの土地を確保し、豪華な内装を施した建物を建てるため、どうしても建設費用や維持費はかかります。また、同じ時間帯に複数のカップルの挙式を受けないことがほとんどであるため、ある程度挙式料を高くしないと、採算は取れないのです。
また、最終的には個人の意識や人間としての相性にもよりますが、ゲストハウスによっては、コーディネーターやスタッフの質にばらつきがありすぎて、顧客であるカップルやゲストとトラブルを起こすこともあり得ます。
結論「費用重視ならレストラン、ホテル・ゲストハウスなら工夫を」
ここまでの内容に基づいて結論をまとめると、費用を重視する場合は、レストランがやはり優れているということです。もちろん、ホテルでも最近は「3カ月以内の挙式予定の人向けのプラン」や「平日限定プラン」などの条件を設けることで、割安にしたプランを打ち出しているので、やり方次第では十分節約できるでしょう。
4.時期、日程、曜日を調整する
いつ結婚式を挙げるかによっても、費用が全く変わってくることもあり得ます。
仏滅はねらい目?
結婚式の日取りを決める際に用いられる考え方の1つに「六曜」があります。これは、日の吉凶についての考え方の1つで、毎日を先勝・友引(ともびき)・先負・仏滅・大安・赤口(しゃっく)の六種の日に分類する民間信仰です。昔から、結婚式をはじめとした冠婚葬祭と関連付けて広く用いられてきました。
このうち、結婚式に最もふさわしいとされるのが大安、逆に避けたほうがいいのが仏滅です。仏滅とは、本来「物が終わる、滅する日」を意味するので、仏事や縁を切りたい人の別れにはいいとされていますが、お祝い事にはふさわしくないとされています。
しかし、近年では六曜はあくまで明治時代から使われるようになった暦法の1つであり、迷信にすぎないから気にしすぎないように、という説も出ているのが事実です。そのため、仏滅であっても気にしない、というカップルであれば、あえて仏滅の日に結婚式を挙げるのも1つの手段でしょう。
家族婚ならあえて平日もあり
大がかりな結婚式をする予定がなく、お互いの家族のみで執り行うなら、平日にあえて挙げるというのも選択肢の1つです。特に、美容師や医療関係者など、休みが土日とは限らない人なら、平日にしてしまったほうが、日程を確保しやすいでしょう。先ほどの仏滅と同じように「平日プラン」などの名前で、割引が適用されることがあります。
5.自分たちで作れるものは作る
結婚式をやろうとすると
- 招待状
- リングピロー
- ウェルカムボード・ドール
- オープニングムービー、エンドロール
- その他、会場装飾に使うもの
など、こまごまとしたアイテムを揃えなくてはいけません。これらを揃えるときも、創意工夫次第で節約できます。
手先が器用な人ならチャレンジする価値あり
工作や手芸が得意な人なら、招待状やリングピロー、ウェルカムボード・ドールを手作りすることにチャレンジするといいかもしれません。自分でデザインを考え、材料を買ってきて作ることが楽しめるなら、十分に節約になるはずです。
不器用な人は「ココナラ」に頼るのもあり
一方、自分でデザインを考え、材料を買ってきて作ることが楽しめない人=不器用な人は、上手に人を頼りましょう。筆者もどちらかといえばこちら側の人なので、人の手を借りました。
私が利用したのが「スキルマーケット coconala(ココナラ)」です。これは、個人が自分のサービスを出品できるシステムで、サービスを利用したい人は出品者とやり取りをして頼める仕組みになっています。
出典:ココナラ – みんなの得意を売り買い スキルマーケット
6.持ち込みできるものは持ち込みする
結婚式においては「自分で手配できるものは自分で」が節約するためにも重要です。持ち込みできるものは持ち込んだほうがいいのは確かですが、注意点を伝えておきましょう。
持ち込み料金を確認しておこう
会場や何を持ち込むかにもよりますが、持ち込み料金がかかるケースもあるので、事前に確認が必要です。一般的に、ドレスやタキシードなどの衣装の場合は3~5万円、引き出物の場合は1個500円程度かかります。
また、会場によっては持ち込み自体が禁止されているケースもあります。このような会場の場合は、自分で持ち込みをして節約するということはほぼできません。契約するまえに
- 持ち込みの可否
- 可能な場合の手数料
についても聞いておきましょう。
7.都道府県民共済を利用する
出典:都民共済ブライダルプラザ|ウエディングのご相談は東京池袋の当プラザへ
こだわればこだわるほどきりがないのが、衣装のレンタル代です。節約したいと思うなら、都道府県民共済を利用しましょう。
ドレス、タキシード、和服が安く借りられる
都道府県民共済は、全国の43都道府県(鳥取県・徳島県・高知県・沖縄県以外)で事業を行っている非営利の協同組合です。民間の生命保険に相当する「生命共済」や、火災保険に相当する「火災共済」などの事業が有名ですが、ブライダルサービスとして衣装のレンタル、提携式場の紹介などを手掛けている共済組合もあります。
有名なのが、都民共済です。都民共済では、東京・池袋に専用の店舗(都民共済ブライダルプラザ)を設け、衣装のレンタルや提携式場の紹介を行っています。
気になるお値段ですが、ウェディングドレスが18,000円、タキシードが15,000円と非常に手頃です。
出典:シンプルプラン | 都民共済ブライダルプラザ|ウエディングのご相談は東京池袋の当プラザへ
ただし、都民共済ブライダルプラザのサービスはあくまで「組合員の利益を図るもの」である以上、利用するためには2人も都民共済に加入しなくてはいけない点に、注意が必要です。