【外貨預金入門】外貨預金とは?外貨預金のメリットデメリット・リスク

最近金融機関に行くと、よく目にするキャンペーンが「外貨預金!金利優遇!」というもの。金利が「米ドル 1年もの 2.0%」など、とても魅力的な言葉が並んでいますよね?

2018年の通常の定期預金金利が「1年もので0.010%」と、現代はこれまでにない低金利時代です。銀行にお金を預けるだけでは、なかなか資産は増えなくなってしまいました。

そのため、最近では投資やほかの金融商品にも注目が高まっています。資産運用の一つとしてもおすすめなのが、この外貨預金。金利が日本円よりずっと高く、パッと見ても興味が惹かれますよね。

ここではそんな外貨預金について、概要と仕組み、預金できる通貨、気になるメリット・デメリットについて解説します。

1.外貨預金とは?

Man
「外貨預金って名前は聞くけど、仕組みが分からないし難しそう・・・。」
Woman
「投資信託と同じようにリスクがあるんでしょ?なんか不安・・・。」

そう思っている方も多いと思います。

まず「外貨預金」とはどんな金融商品なのかというと、文字通り「外国のお金」を「金融機関に預ける」ことです。

たとえば、アメリカの「米ドル」やヨーロッパ(EU)の「ユーロ」など、「外国の通貨で」「銀行に預ける」ものが外貨預金になります。

特に海外に住んでいるわけでもなく、旅行に行く機会もそんないないのに、なぜわざわざ外国の通貨で預けるのでしょうか?

もちろん、メリットや使い方は様々ありますが、大きなメリットは先ほど述べたように、「海外の高い金利でお金を預けることで、より多くの利息が期待できる」ということです。

最近では金融機関も常にキャンペーンをしており、外貨預金も身近になってきました。金融機関によっては、ネットバンキングで外貨預金の口座が作れるところもあります。

あまり耳慣れないので馴染みのない商品ですが、意外と仕組みは簡単です。それでは、まず簡単に仕組みをご説明していきたいと思います。

2.外貨預金の仕組み

どんな仕組み?

基本的な仕組みは、円預金とほぼ同じです。預ける通貨が日本円か、外国通貨かという違いはありますが、口座形態や預金の方法は同じです。外貨預金は、その外国のお金で、普通預金や定期預金を作って銀行に預けているものになります。

つまり、「預ける通貨が異なるだけの普通預金・定期預金」と、とらえてもらった方がわかりやすいです。

このように仕組みがシンプルでイメージしやすいため、投資や資産運用がはじめてという方でもわかりやすく、利用しやすいというメリットがあります。

口座の種類は主に「普通預金」と「定期預金」があり、日本円と同様、普通預金はいつでも自由に引き出しができ、定期預金は一定の期間をあらかじめ預ける預金になります。

外国普通預金

日本円と同じように預け入れたお金を、いつでも引き出せるのが普通預金です。金利は比較的どの外貨億通貨も、日本円の普通預金よりは高くなっています。

外国定期預金

日本円の定期預金と同じように、あらかじめ決められた期間、預け入れるのが定期預金です。たいてい1ケ月から預けることができ、長いもので10年など期間が決まっています。金利はどの通貨も比較的日本円より高めで、預け入れたときの金利が預入期間中ずっと適用されます。

円預金との違いは?

大きな違いは預け入れ・引き出しの際に、「日本円→外国通貨」「外国通貨→日本円」に両替しなければならないこと。

そのため、日本円から外国通貨に替えたり、また日本円に戻したりする際にレートの影響や手数料がかかったりします。

海外旅行に行った方や、ネットショッピングで海外のお店と取引した方ならわかるかもしれませんが、外国でお金を使ったり支払いをする場合、事前にその国の通貨に両替する必要があります。

その際に、その時のレートで交換できる外国通貨の金額が変わったり、手数料がかかったりしませんでしたか?

外貨預金でも両替をするため、このレートと手数料がかかわってきます。

外国の通貨に両替するときには、下記の2点に気を付けなければなりません。

  1. 為替レート
  2. 手数料

この2点は外貨預金のリスクにも通じるポイントなので、詳しく説明していきます。

①為替レート

為替レートとは、「日本円を1ドルに両替するときに、いくら日本円がいるか」という交換基準のことです。

毎日のニュースで「為替とレートの動きです。1ドル120円、ユーロ130円・・・」など放送していますよね?あれがレートです。

基本的にレートは為替市場の動きで、毎日少しずつ変わります。このレートをうまく利用すると、お得に利益を上げることができます。

例えば同じ400円でも、1ドル=100円の時と、1ドル=80円の時では、交換できるドルが違ってきます。

1ドル=100円の時は4ドルに交換できますが、1ドル=80円の時は5ドルに交換できます。つまり、日本円では同じ400円でも、交換できるレートが20円違うと1ドル多く交換できるのです。

よく耳にする「円安」・「円高」という用語も、前日のレートに対してどれくらい日本円の価値が上がったか?下がったか?という指標です。

「円高」は円の価値が上がること。つまり、少ない日本円で多くの外国通貨と交換できること。
「円安」は円の価値が下がること。つまり、より多くの日本円がないと外国通貨と交換できないという状態です。

たとえば、昨日1ドル=100円だったのに、今日は1ドル=90円になったとします。

昨日は100円ぴったりで1ドル交換できましたが、今日は20円おつりが来ます。

少ない日本円で同じ1ドルを交換できる、つまり円の価値が上がっているといえますので、この場合を「円高」と言います。

では逆に、今日は1ドル=120円になったとします。

すると同じ1ドルに交換するのに、日本円では120円必要です。昨日は100円ぴったりで1ドル交換できたのに、今日はプラス20円多く払わないと交換できなくなっています。

同じ1ドルを交換するのに多くの日本円が必要になる、つまり円の価値が下がっているといえますので、この場合を「円安」と言います。

②手数料

日本円を外国通貨に換えるとき、または外国通貨を日本円に換えるとき、それぞれ手数料がかかります。

これを調べておかないと、せっかく外貨で増やした預金も、日本円に戻した時、元本割れする危険があります。

金融機関の手数料というと、ATM利用手数料など「引き出し、1回108円」のようなイメージが強いですが、外貨預金の場合は交換する外貨1単位につき、手数料がかかります。

これだけだと分かりにくいため、下記の表を見ながらご説明しましょう。

出典:http://www.smbc.co.jp/ex/ExchangeServlet?ScreenID=real

表の中にTTS・TTBという表記がありますが、これがそれぞれ通貨を交換する際のレートになります。

TTS(Telegraphic Transfer Selling)

預入など、「円」を「外貨」に交換するときのレート。市場レートから、為替手数料を引いた金額になります。

TTB(Telegraphic Transfer Buying)

引出など、「外貨」を「円」に交換するときのレート。市場レートに、為替手数料を足した金額になります。

引き出し1回につき手数料がかかるわけではなく、引き出す額によって手数料が増えますので注意が必要です。

このため、為替レートだけ見て外貨預金を引出すると、外貨の金額のよっては手数料分で損失を出してしまうこともあります。

3.外貨預金のメリット

では外貨預金のメリットはどんな点でしょうか?

外貨預金のメリットは主に下記の3つです。

<メリット>

  • ○ 金利が高い
  • 〇 為替利益が得られる
  • ○ 保有資産のリスクを分散できる

金利が高い

まずなんといっても外貨定期のメリットは、金利が良いこと。

低金利の日本の定期預金と比べて、断然金利がお得です。そのため、預けているだけで利息が増えることが一番の魅力です。

資産を増やすという目的のほかにも、留学など将来まとまった外国通貨が必要だという時にも、あらかじめその国の通貨で貯金できるというメリットもあります。

金利が高いため、貯蓄・準備期間の間に利息を増やし、留学資金を無理なく増やすという使い方ができます。

為替利益が得られる

為替差益とは、為替相場の変動によって生じた利益のことです。基本的には、預け入れの時より払のレートより、払い戻しの時のレートが円安になっていると利益が発生します。

つまり、1ドル100円で預け、引き出す時には1ドル120円になっていると、1ドル当たり20円の利益が発生するということです。

利息以外に利益が出るため、より資産を増やしたいという人にお勧めです。

保有資産のリスクを分散できる

資産運用の基本に、「資産は分散して保有・運用すべし」という分散投資という考え方があります。

日本円だけで預貯金を持つことは、日本にだけ資産を保有していることになり、万が一日本経済に大きな変動があった場合、一気にその資産価値がなくなってしまう可能性もあります。

海外にも資産を保有することで、そのリスクを分散することができます

「すべての卵を一つのカゴに盛るな」というアメリカの格言がありますが、これは「一つのカゴに全部の卵を入れておくと、そのカゴを落とせばすべての卵を失ってしまう。いくつかのカゴに分散しておけば、カゴを一つ落としてもほかのカゴの卵は無事に済む」という意味です。

少し大きな話になりますが、日本円だけで資産を持っていると、万が一日本の経済に変動がおき、円の価値が暴落すれば海外からの輸入品を高額で買わなければならなくなります。

あまりピンとこないかもしれませんが、たとえば、海外旅行や留学など数年後に予定しており100万を目標に貯金をしていたとします。

やっと目標額に届くかという時、「1ドル100円」から「1ドル500円」への極端な円安になり、日本円の価値が大暴落したとするとどうなるでしょう?

やっと貯めた100万は、アメリカでは5分の一の、つまり20万の価値にしかならないのです。

もしその円安状態で、アメリカで同じ価値の金額を準備するとなると、今度は日本円で500万必要になります。

このように急なリスクを負わないよう、資産を分散して保有することが大切になります。

外貨預金はそんなリスク分散の手段の一つともいえます。

4.外貨預金のデメリット・リスク

これだけ魅力的な外貨預金ですが、外貨預金は、いわゆる「リスクのある商品(リスク商品)」です。そのため、つまり、日本円の普通預金・定期預金と違って、損失が出る可能性がありますので、当然デメリットもあります。

外貨預金のデメリット・リスクは主に下記の3つです。

<デメリット>

  • × 海外の金融情勢によって、リスクが発生する
  • × 為替差損が発生する
  • × 外貨預金は預金保険制度の対象ではない

海外の金融情勢によって、リスクが発生する

海外の通貨は、毎日レートが変わります。つまり、日本円に換算したときの価値が毎日変わっているのです。

もし該当する国の経済や国政状況に大きな変化があれば、レートが大幅に変わり、損失が発生することもあります。

たとえば、1ドルあたり100円であったのが10円になってしまったら…。

ざっくりとした例えですが、日本円で10万預けていたはずの貯金は、1万円になってしまいます。

このように、その時の変動によっては、当初預けた金額より、日本円としてはかなり価値が落ちてしまう可能性もあるのです。

為替差損が発生する

為替差損とは、為替相場の変動によって生じた損失のことです。

基本的には、預け入れの時より払のレートより、払い戻しの時のレートが円高になっていると損失が発生します。

つまり、1ドル100円で預け、引き出す時には1ドル80円になっていると、1ドル当たり20円の損失が発生するということです。

預け入れした際のレートもしっかりチェックせずに、ただ利息が増えたからと言ってむやみに引き出しをすると、元の金額より少なくなってしまう・・・つまり元本割れになってしまう可能性があります。

外貨預金は預金保険制度の対象ではない

円預金と違って、外貨預金は預金保険制度(ペイオフ)の対象になりません

円預金など保護の対象になっている金融商品は、万が一金融機関が破綻した場合でも、金融機関ごとに元本1,000万円までと利息が保護されます。

しかし外貨預金の場合、保護の対象外となっています。万が一預けている金融機関が破綻すると、破綻した金融機関の財産の状況に応じて支払われることになりますので、預けた金額の一部がカットされる可能性もあります。

<預金等の保護の範囲>

出典:http://www.dic.go.jp/yokinsha/page_000105.html

5.外貨預金で投資できる通貨

では、外貨預金で預けられる外国通貨にはどんなものがあるのでしょうか?

基本的にはニュースでもよく目にする「主要通貨」、米ドル、ユーロのほか、オーストラリア(豪)ドルやニュージーランドドルになります。

そのほか、カナダドル、スイスフラン、香港ドル、中国人民元、ブラジルレアルなど、さまざまな国の通貨で預け入れが可能です。

ただし、取扱い通貨は金融機関によって違います。扱っていない通貨もありますので、事前に調べておきましょう。
取り扱い通貨の例

みずほ銀行

  • 米ドル
  • イギリスポンド
  • ユーロ
  • オーストラリアドル
  • ニュージーランドドル
  • スイスフラン

出典:https://www.mizuhobank.co.jp/rate_fee/rate_interest.html#gaika_k

じぶん銀行

  • 米ドル
  • ユーロ
  • オーストラリアドル
  • ニュージーランドドル
  • 中国元
  • 韓国ウォン
  • ブラジルレアル
  • 南アフリカランド

出典:https://www.jibunbank.co.jp/products/foreign_deposit/#flg-8coins

ジャパンネット銀行

  • 米ドル
  • ユーロ
  • オーストラリアドル
  • ニュージーランドドル
  • スイスフラン
  • イギリスポンド
  • カナダドル
  • 香港ドル
  • 南アフリカランド

出典:https://www.japannetbank.co.jp/investment/fcd/see/first/currency.html

まとめ

ざっくりと外貨預金の概要をお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか?

金利が高く、タイミングによっては為替差益でより利益を得られる外貨預金。しかしその反面、タイミングによっては為替差損が発生することもあり、また経済情勢にっては資産の安全が保証されないというデメリットもあります。

投資やリスク商品にチャレンジするうえで大切なことは、まずは知識をしっかりつけること。次に情報をしっかりキャッチすること。

やみくもにチャレンジするのではなく、きちんとその商品のことを学んで知識を付けることがリスクを回避する一番の武器になります。

また、常に為替の変動や、世界の経済情勢にアンテナを張り、情報をキャッチすることで、より利益を得たり、リスク回避をすることもできます。

外貨預金のメリットを十分に受けるには、預金した後も知識と情報を得ながら、自分で判断・取捨選択することが重要と言えるでしょう。

takano
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金融機関勤務後、FPの資格を活かしてフリーライターとしてお仕事しています。
得意分野は、金融系全般に関すること。
なかなか聞けないお金の悩みについて、記事を書いています。
預金・住宅ローン・年金・税金・保険・外貨預金・投資信託など。
銀行の窓口で取り扱っているものを中心に、ご相談いただいております。

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