元債務整理事務所従業員が教える「債務整理中の人が絶対に気を付けるべきこと」とは?

債務整理を弁護士・司法書士に依頼すると、手続きが終わるまでは一段落…といった方が多いです。

しかし、債務整理中にも気を付けておくことはたくさんあります。

このページでは、債務整理中に気を付けておくべき事についてお伝えしたいと思います。

債務整理手続き中の注意点

債務整理手続き中といっても、どの手続きの最中なのかという事と、手続きのどの過程なのかによって検討をすべきです。

それぞれの手続きと、手続きの最中なのか、手続きが終わった後なのか分けてお伝えします。

任意整理の依頼をしてから和解まで

まずは任意整理について検討してみましょう。

任意整理は弁護士への依頼をしてから和解をするまでの期間と、和解をしてから後の期間に分けて考えます。

まずは任意整理の依頼をしてから和解までの期間に気を付ける事についてみてみましょう

連絡を絶やさない

弁護士・司法書士との連絡を絶やさない事が重要です。

債務整理を依頼すると、通常は費用を分割で入金します。

その入金期間中はほとんど連絡を取ることがなくなります。

しかし、事務作業自体はすすんでいます。

相手方に取引の履歴を取り寄せたり、取引の履歴をもとに払いすぎていた利息がないかどうかを調査したり、といった事をしています。

その内容に疑問があった場合や、手続きをすすめるにおいて問題になりそうな点が浮上したときには連絡がきます。

Expert
実は一度依頼をした瞬間から、督促が来なくなるため、安心しきった結果、弁護士から電話をしても出てくれない、折り返しももらえないなど、連絡がとれなくなる依頼者が非常に多いのです。

債務整理事務所に勤務していた経験から申しますと、依頼者のうち2割くらいが電話に出なくなります。

そうするとどうなるかというと、弁護士側で「これ以上は手続き続行はできない」と判断されてしまい、弁護士・司法書士は債務整理の事務を辞任をします。

ほとんどの人が読まないと思うのですが、弁護士・司法書士と債務整理の委託をする場合に結ぶ契約書には必ず、辞任に関する条項が盛り込まれています。

弁護士・司法書士が辞任をすると、今まで返済をしなかった部分については一括請求になります。

また別の事務所に債務整理をしなければならなくなるのです。

また、中には依頼をするとすぐに裁判をしてくる貸金業者がいます。

そのような場合、いったん弁護士・司法書士に裁判をする旨の連絡がいく事が多いです。

和解自体はできそうな場合には、先行して和解をしてしまう事もあったりします。

そのような場合に、連絡をしても応じてもらえないと、裁判をされてしまうような事があります。

裁判をされると自宅に書留のような形で裁判書類が届きます。

家族に内緒で債務整理をしたい、と思ってもこの時点でバレてしまうような事になりかねません。

弁護士・司法書士からの連絡には応じるようにして、出られなかった場合でも折り返しするようにして、連絡を絶やさないようにしてください。

弁護士からの電話には出る・出られなくても折り返しをする

事情が変更したら必ず伝える

債務整理の手続き期間中に、収入が減った・支出が増えた、といった事情が発生する事があります。

【収入が減った】

  • ボーナスがカットになった
  • 基本給が下がった
  • 職場が倒産した
  • 病気で働けなくなった
  • 家計を同一にしている妻(夫)が働けなくなった

【支出が増えた】

  • 家族の介護が必要になった
  • 子供が増えた
  • 住宅ローンの支払いが増えた

任意整理をすすめるにあたって、相談当初に和解後の金額についていくら払えるのか、という事を前提に業者と話合いをしています。

例えば、相談当初は月に5万円の支払いはできるという風に申告していたとしましょう。

しかし、部署移動がされたために基本給が下がってしまって、月に3万円しか支払えなかったとしましょう。

このことを弁護士・司法書士に申告せずに、弁護士・司法書士が任意整理の交渉をしてしまったような場合には、支払いができない内容の任意整理が組まれてしまいます。

Expert
このような事情があってもほとんどのケースで申告してもらえないのが実情です

和解前に今でも5万円の支払いができますか?と確認してくれる事務所であれば、その時点で任意整理の方針の変更をする事もあります。

しかし、弁護士・司法書士の中には、「そうやって申告したんだから、それでいい」と確認もせずに和解交渉をすすめてしまう人もいます。

そうなると、任意整理をしたものの、和解後の金額の支払いができません、という事態に陥ります。

再度和解を組み直してくれるような弁護士であれば良いのですが、残念ながらもう一度債務整理をしてください、というような対応をする方もいらっしゃいます。

ですので、依頼のベースになった事情に変更があった場合には、必ず相談をするようにしましょう。

収入・支出などの事情が変更したら、弁護士・司法書士に相談する

お金をなるべく貯める

任意整理は、和解契約締結後に毎月支払いをしていかなければならず、2回分以上の滞納をすると一括請求されます。

任意整理が始まって以降は、3年以上の長い期間にわたって支払いが遅れてはいけないのです。

あまり余裕のない任意整理を組むと、結婚式・お葬式など費用がかかるようなイベントがあった場合に、返済に回すお金がないというような状態が発生し、任意整理が失敗に終わる事もよくある事なのです。

任意整理で和解が成立するまでの間は、比較的家計に余裕がある事が多いので、この間に貯めておいて、任意整理始まった後の支払いに余裕が持てるように資金をプールしておく事が望ましいでしょう。

和解してからは、急な出費に備えて手元のお金をなるべく貯めておく。

任意整理後完済までの間

任意整理で和解が成立した後にはどのような注意点があるでしょうか。

支払いができないときはすぐに弁護士に相談

和解案の成立後の支払いをしているうちに、収入が下がる、なくなるなどして、支払いができなくなる場合はあります。

そのような場合には、再度の任意整理や自己破産・個人再生手続きなどの方策を話し合わなければなりません。

Woman
せっかく任意整理をしてもらったのに、払えないなんていう相談を弁護士にしてもいいのですか?
Expert
債務整理に詳しい弁護士ならば、任意整理後に払えなくなるような事態に陥る事も想定はしているので正直に話してください。
支払いができなくなりそうな場合はすぐに弁護士・司法書士に相談をする

2回分以上滞納しない

先にも述べましたが、任意整理によって和解をすると、2回分以上滞納すると一括請求ができることとする、という文言が入れられるため、2回分以上の遅延で任意整理は失敗という事になってしまいます。

和解の内容によって「2回」という場合と「2回分」という書き方があるのですが、「2回」は文字どおり、和解内容で決められた返済を2回できなかった場合、「2回分」は和解内容で決められた2回分の返済ができなくなった時点をいいます。

たとえば月2万円の支払いをするという和解をした場合には、2万円の支払いを2回しなかったら一括請求になるのが「2回」と和解書に記載された場合で、2回分に相当する4万円の支払いをしなかった場合に一括請求になるのが「2回分」と和解書に記載された場合です。

前者の場合には支払いが2回滞ると一括請求なので、2回まるまる遅れるわけにはいかないと考えましょう。

後者の場合には2回分の返済さえできていれば良いので、支払いが追い付けば問題ありません。

当然、「2回分」という記載をしてもらったほうが有利なので、腕の良い弁護士・司法書士であれば2回分での和解契約をしてくれるようになります。

たとえば、一部の入金でもできるのであればするべきですので、貸金業者に直接振り込みをする場合には貸金業者に、弁護士・司法書士に振込をして貸金業者に振り込んでもらう場合には弁護士・司法書士に確認をして、遅れた・少なくなった金額でも支払いはするようにしましょう。

2回分以上の滞納をしない、半分でも一部でも入れられるならば入れる

ヤミ金融に注意

任意整理に限らずですが、債務整理をすると信用情報機関に登録をされ、新たな借入ができなくなります(ブラックリスト)。

そのような状況を知っているヤミ金融は名簿業者から信用情報に登録された人についての情報を得て、巧みに近づいてきます。

一度借り入れをすると、10日で1割といったような利息は当たり前で、ボーナスなどで完済して縁を切ろうとおもっても、連絡が取れなくなるような状況にして、完済させてくれないなどで、延々とお金をむしり取られることになってしまいます。

ヤミ金融はかならず近づいてくるので相手にしない。

自己破産の依頼をしてから免責まで

自己破産の依頼をしてから、実際に免責が確定するまでにはどのような注意点が必要でしょうか。

連絡を絶やさない

任意整理の場合と同じく、弁護士・司法書士との連絡を絶やさないように注意します。

自己破産の場合は依頼の金額が任意整理よりも高いことがあるので、分割の回数も長くなります。

中には12回分割というような長期分割になると、依頼をしてから1年後にようやく手続きがすすむような事もざらにあります。

Expert
よくあるのは、ヤミ金融からのショートメールが嫌になって携帯番号を変えてしまって、弁護士・司法書士への報告を忘れている事があります。

連絡は携帯電話のみ、自宅への郵送不可というような事をしていても、やむをえない事情ありと弁護士・司法書士が判断した場合には自宅に連絡を促す郵送をせざるを得なくなります。

そして、それでも連絡がとれないと弁護士・司法書士は辞任します。

弁護士・司法書士からの連絡には必ず応じるようにするのと、電話番号を変えたときには必ず弁護士・司法書士に報告をするようにしましょう。

手続きに協力する

実際に自己破産を依頼して、督促ばかりの生活から平穏な生活に戻ると、「やっぱり、自己破産はしたくない…」と思ってしまう事があるようです。

また、手続きが進むと、たくさんの書類のやりとりが必要になり、なんでこんな面倒な手続きをしなければならないんだろう…と、いやになってしまう人もいます。

とはいえ、手続きが進まないまま依頼を受けている状況だけが続くのも良いことではありません。

Expert
手続きを進めないと、貸金業者は業務システムとして訴訟をする事になっています。訴訟をされると弁護士・司法書士にではなく本人に直接連絡がいきます。

また、弁護士・司法書士は手続きに協力的ではなく、連絡をするための負担が増えるだけだと判断した場合には、辞任をするような場合もあります。

申立をした後には裁判所への出頭がありますが、出頭しなかった場合には期日が開かれないことになり、再度日時の調整が必要になることになります。

たしかに精神的にも手続きの面倒くささの点でも、嫌なものではありますが、裁判所への申立を終わらせないと元の借金生活への逆戻りですので、手続きには協力をするようにします。

手続きに協力をする。協力しないと辞任されることに注意。

財産隠し・偏波弁済を絶対にしない

自己破産手続きで一番気を付けたいのがこれです。

たとえば、妻が保険外交員で本人に保険をかけているが、解約をさせられると困るので、名義を移してしまうような事があります。

そうすると、解約返礼金のある保険のタイプだと、解約返戻金という財産を隠した事になりますので、破産法が禁じている財産の隠匿になってしまいます。

また、債権者の中に個人が居て、関係をこじらせたくないから、一人だけ払ってしまうような事を偏波弁済といい、こちらも破産法が禁止しています。

破産手続きにおいては、財産に関する情報は必ず提出しなければならないので、ほぼこのような行為をするとわかってしまいます。

保険の場合は本人名義で保険会社に振り込みをしていますので、必ず提出しなければならない銀行の取引履歴を見ると判明します。

個人の場合には、貸し借りを銀行でしているような場合にはわかってしまいます。

破産手続自体に大きな影響をあたえてしまいますので、絶対にしないようにしましょう。

財産隠し・偏波弁済は破産法が禁止している

自己破産で免責されたあと

自己破産で免責されたあとについては、経済的再生をはかってもらうのですが、信用情報に登録されるのと同時に官報による掲載がありますので、任意整理の場合と同じようにヤミ金融のターゲットにされる可能性がありますので、充分に気を付けましょう。

個人再生の依頼をしてから決定がでるまで

個人再生の依頼をしてから、決定が出るまでの間にはどのような注意点があるでしょうか。

連絡を絶やさない

任意整理・自己破産と同じなのですが、債務整理をし始めたからには弁護士・司法書士と細かな連携をとるのは個人再生でも変わるところはありません。

弁護士・司法書士からの連絡にはきちんと返答をするようにしましょう。

事情変更があった場合は述べる

こちらは任意整理と同じになりますが、個人再生も任意整理と同等で手続きが終了すると返済が始まります。

この返済ができないような状況にある場合には、最初から自己破産をすべきで、もう一度弁護士・司法書士に依頼しなければならなくなります。

収入や支出に大きな変動があった場合には申告をしましょう。

手続きに協力する

こちらは自己破産手続きと同じで、手続きが嫌になってしまうなどして、弁護士・司法書士が手続きをすすめようとしても協力しない人がまれにいます。

個人再生手続きも手続きがすすまない場合には弁護士・司法書士は辞任します。

ですので、きちんと協力をして手続きを終わらせるようにしましょう。

住宅ローンの遅れには特に気を付ける

住宅を守るために個人再生を使う場合には、住宅ローン債権が最低でも6ヶ月以上の遅れがないことが前提条件になります。

住宅ローンの支払いをどのようにするかは、弁護士・司法書士と手続きの利用を決めた際に話し合って決めます。

この支払いの計画が上手くいかないと、そもそも個人再生をする意味がなくなってしまいます。

住宅ローン債権の支払いと遅れを取り戻すための支払い方法に問題が生じたときには必ず弁護士・司法書士に相談をしましょう。

個人再生の決定後完済まで

個人再生の決定後、完済までの間に気を付ける事はどのような事でしょうか。

返済遅れないように気を付ける

個人再生も返済をきちんとしていく手続きです。

ですので返済が遅れないように気を付ける事になります。

ヤミ金融に気を付ける

個人再生手続きも債務整理手続きですので、信用情報機関に登録をされます。

ですので、ヤミ金融に狙われる候補にはなるという事です。

まとめ

このページでは債務整理手続き中の依頼者が気を付ける事についてお伝えしました。

債務整理は手続きが開始するところがゴールではなくて、借金生活から立てなおす所がゴールです。

ゴールまでにどのような注意点があるのかを把握して、安全に支払いを終えられるように注意しましょう。

つの
つの
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法律・マーケティング・マネー系の記事の執筆をしているライターです
【経歴】
・司法試験受験生
・法律事務所・司法書士事務所パラリーガル
・行政書士・FP資格取得
・WEBマーケティング(リスティング広告・SEO)
などを経験

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