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大幅な省エネや光熱費削減が可能な、太陽光発電や蓄電池のことは知っているけど、うちは賃貸だから関係ないと思っている人は多いかと思います。
ところが、最近では小型の省エネ機器がいろいろあって、賃貸の人でも気軽に蓄電池が利用できるようになったのです。
ただ、蓄電池はオール電化(深夜電力)でないとあまり効果が期待できません。オール電化でなくとも最低条件として深夜電力の電気料金プランを利用することで、大幅な光熱費の削減が可能になります。
そこで、賃貸の人でも取り組める小型蓄電池とは何なのか、そして、なぜオール電化(深夜電力)でないと効果が出ないのかをわかりやすく解説していきたいと思います。
従来の蓄電池
持ち家一戸建てが対象だった蓄電池
太陽光発電の設備で、太陽の光から電気をつくることができるのはご存知の方も多いでしょう。自家発電で光熱費を賄うことを目的に、原発への危惧もあってここ数年に渡って設置する住居は増えてきています。
太陽光発電の電気はどのように使うのか
基本的に太陽光で得た電気は、そのまま家庭用の電気として使うことができ、昼間にかかる電気代がほとんどかからなくなるといメリットがあります。
また、余った電気を売電に回すことができるのも太陽光発電の大きなメリットとなるのです。
太陽光の売電価格
2009年度 1Kw/48円→2012年度 1Kw/42円 売電価格が高く普及が進展
2013年度 1Kw/38円→2014年度 1Kw/38円 普及が最も拡大した時期
2015年度 1Kw/33円~35円 →2017年 1Kw/28円~30円 売電価格が下がり始める
2018年度 1Kw/26円 現在は売電よりも電気代ゼロ円を目指して設置が検討される
以上のように、太陽光の売電価格は年々普及拡大とともに低下していきますが、その分設備にかかる費用も低下していったことで、気軽に家電量販店などでも取り扱われるようになりました。
太陽光の電気を貯めておきたい
太陽光発電が普及拡大していくにともなって、
- つくった電気を貯めておいて天気の悪い日に使いたい
- もっと売る電気の量を増やしたい
- ハイブリッドカーの充電に使いたい
などの需要が高まり、そこで蓄電池が開発され、一般家庭用として販売されるようになっていったのです。
蓄電池の種類
オムロン、東芝、ニチコン、京セラ、長州産業、パナソニックなどの電機メーカーのほとんどが蓄電池を製造しており、電気を貯めれる容量や出力量、その他の機能などによって価格やサイズもさまざまです。
持ち家一戸建て用の蓄電池でおすすめなのがシャープのクラウド型蓄電池です。
通常は蓄電池の電気を売電に回すと、ダブル発電扱いとなり売電価格が若干安くなってしまいます。でもシャープのクラウド型蓄電池は、蓄電池が売電を始めると放電を停止するために、ダブル発電とはみなされないのです。
ということは、太陽光で作った電気も、蓄電池に貯めた電気も同じ価格で買い取ってもらえるのです。
蓄電池のもう1つの用途
そのように、最初は蓄電池は太陽光の電気を貯めておくものとして、考えられていましたが、徐々にもう1つの活用方法があるということで、これまでとは違うユーザーを増やしていきました。
それがオール電化(深夜電力)への対応です。
太陽光発電を使わない蓄電池
太陽光発電はあくまでも日当たりのいい屋根が対象となり、付けたくても、たまたま日照時間がすくない住居ではあまりメリットを期待することができません。
また、由緒ある日本家屋の景観を損ないたくない、高価な瓦や屋根の素材を痛めたくない、などの理由から太陽光を見送っていた住居も少なくありません。
なぜオール電化なのか
太陽光をつけようとつけまいと、、オール電化の住まいであれば、この蓄電池を利用して電気代を大幅に安くすることが可能になるのです。
必ずしもオール電化である必要はないのです。深夜電力を利用できる電気給湯器の設備があれば蓄電池を効率よく利用することができるのです。
深夜電力とは、一般的な電気料金に比べて夜間から早朝にかけての電気代が、4割、5割と安くなるプランのことを言います。
オール電化(深夜電力)の大まかなしくみ
電気でお湯を沸かす設備の住居は、必然的に深夜電力の適用となります。その電気給湯器で最も一般的に普及しているのがエコキュートと呼ばれる電気給湯器です。
エコキュート(電気給湯器)を使うことで・・・
各電力会社が出している、深夜電力プランを利用することができるようになるのです。
深夜電力プランとは・・・
ガスや石油ボイラーでお湯を沸かす設備の住居では、従量電灯Bというプランが多くなります。
その場合は時間帯に関係なく、使用したトータルの電気料に対して1Kwいくらという設定になっています。
エコキュートなどの電気給湯器でお湯を沸かす住居は、昼間の電気代が通常よりも高くなり、夜間から早朝にかけての電気代が大幅に安く使える深夜料金のプランが適用されるわけです。
深夜の時間帯は比較的、電気の使用量が全体的に少なくなることで、電力会社が電気を出力するための経費を安く抑えることができます。
地域によって差はありますが、だいたい夜22時から朝6時くらいまでの間が深夜電力となる場合が多いようです。
昼間の電気代が高い深夜料金プラン
深夜電力のプランのデメリットは、昼間の時間帯の電気が高いことです。深夜の料金の約2倍近くの電気代がかかってしまいます。
そこで、蓄電池が活躍するのです。
- 深夜の安い時間帯に、電気を蓄電池に貯めておきます。
- 昼間の高い時間帯に、蓄電池の電気を使います。
- 高い昼間の電気代が加算されるのを抑えます。
- トータルの電気代が大幅に安くなります。
以上が、これまでの一般的な持ち家一戸建てで利用されている、もう1つの蓄電池の活用の仕方になります。
ここで、おそらく多くの人が、だけどあくまでもこれは持ち家の場合だから、賃貸の住居には関係ないと思い込んでしまっていると思うのです。
ところが・・・そうではないのです。
賃貸でも使える小型蓄電池
この小型の蓄電池であれば、工事も不要で家庭用のコンセントに差し込むだけで利用することができます。だから、賃貸戸建てやマンション・アパートの住居でも気軽に使うことができるのです。
ただ、先述のようにオール電化または深夜電力を利用している住居に効果の高い節電方法となります。
赤い丸で囲んであるところが料金プランになります。
従量電灯B→深夜電力ではない
※従量電灯Bと深夜電力と2枚検針票がある場合は、注意してください!
いろんなタイプの深夜電力プラン
地域によって、電力会社が異なるのと、電力自由化によって他社の電力プランを利用している場合もあり、同じ深夜電力でもいろいろなタイプがありますので、事前に確認をしておきましょう。
検針票をみてもわかりづらい場合は、直接、電力会社または契約先の会社に電話で問い合わせることができます。
深夜電力プランの名称の例
- 時間帯別電灯
- 季節別電灯
- スマートライフプラン
- エコ上手プラン
- 電化上手プラン
- 電化でナイトプラン
など・・・
電気料金プランを調べる時に最も大切なのは
- 何時から何時までが安い時間帯なのか(1Kwいくらなのか)
- 何時から何時までが高い時間帯なのか(1Kwいくらなのか)
- 季節を問わずその料金プランなのか
深夜料金プランの電気料金の例
おトクなナイトプラン
上記の図を見てもわかるように、夜間の電気代は昼間の電気代の半額以下になります。おそらく、賃貸に住んでいる独身世代の人達の中には、確認してみてビックリしたという人も出てくるかと思います。
独身者は家庭持ちに比べると、比較的、光熱費などはいい加減に済ませておく傾向があります。
特に、賃貸の場合は電気給湯器などを自分で選ぶことができないため、電気代が時間帯によって差があることを知らずに、深夜電力プランなのに、昼間一日中パソコンを使いぱなしということもあり得る話です。
そういえば電気代高いなと、思っていたんだよね、と納得のいく人もいるでしょう。
スマートライフプラン
こちらのプランは、蓄電池の購入費用を考えた場合に、どのくらいのメリットがあるのかは微妙なところになります。それでも節約できないことはありません。昼間の電気代は大まかに計算して約3分の1ほどは削減が可能です。
深夜電力にもいろいろあって、時間帯などを生活スタイルに合わせて選ぶことができます。
地域の電力会社以外でも、電気自由化にともない他業種の企業が提供する電気料金プランもあります。この機会にどんな料金プランがあるのか調べてみましょう。
高い効果が期待できる条件とは
蓄電池を今回利用することで高い効果が期待できる住居とは
- 昼と夜の電気代の差が大きい
- 昼間に電気を使うことがある(電灯、小型の家電、PCなど)
の2点だけとなります。
さらに求められる人物像とは
- 大幅な節約ができれば多少の手間はいとわない。
- 小型蓄電池に興味がある
- 光熱費削減に興味がる
- だいたいの光熱費の利用状況が把握できる
などでしょうか・・・
節約イコール収入と考えて、積極的に取り組んでいく必要があります。面倒だからと充電し忘れたり、昼間の電気を通常通り使ってしまえば、あまり効果を得ることができません。
持ち家戸建ての場合は、蓄電池の電気を売電できることもあり、こまめに努力することで毎月2万から4万の収入を得ている人だっているのです。
毎月必ず必要になる光熱費を最小限に抑えて、浮いた分の光熱費をちょっとした収入として考えていけるように頑張りましょう。
どんな小型蓄電池があるのか
それでは実際にどんな小型蓄電池があって、いくらくらいするのかをご紹介していきたい思います。
HONDA/携帯用の小型蓄電池
ハンディタイプの小型蓄電池「LiB-AID(リベイド)E500」
- 独自のインバーター技術による高品質な電気の供給が可能
- 家庭用のコンセント、または車のソケットかから充電ができる
- 最大出力500W
- 複数を接続して使うことも可能
- メーカー小売り価格87,912円(消費税込本体価格)
- 全国のHONDA CARSにて販売
- 小型なので、一台1~2人分くらい
持ち運びしやすいハンドルが付いていて、屋内外で気軽に利用できます。
一般的な家電製品だと・・・
情報通信機器だと・・・
このように昼間の電気代が高い時間帯に夜の安い電気を使うことができます。
それぞれのライフスタイルや家族の人数、電気機器の使用状況などは異なるので、月にいくらくらいの削減が可能かは個人差があると思います。
蓄電池の利用によって、電気代4,000円の削減ができた場合
機器代が8万円として計算すると・・・約20カ月で機器代が相殺できます。大まかなところで削減できた金額は2年間は機器代として返済します。
その後3年目からはまるまる削減できた分が、予定外の収入として確保できます。
4,000円×12カ月=48,000円 (1年間)
48,000円×5=24万 (5年間)
もし、5年間でもともと払うはずだった光熱費の削減分が24万になったとしたら、どうでしょうか?ちょっとした海外旅行や新車の頭金としても使えますよね。
大・小さまざまな容量の小型蓄電池
楽天・アマゾンでもさまざま種類の蓄電池が出ています。小型のものは携帯やスマホを充電するくらいのものから、冷蔵庫を1、2時間つなげて置けるものまで、用途に合わせて選ぶことができます。
- パワーバンクPB-1500→ 1500W 10万円前後
- SMART TAP POWER ARQ→ 600W 7万円前後
- アンカーパワーハウス→ 430W 5万円前後
など・・・ 小容量のものだと2万円くらいでも購入できます。本格的に大容量(2,3KW以上)だと、簡単な電気工事が必要で価格も50万~100万くらいします。
大容量のものは価格も高くなりますが、エアコンや洗濯機などにも使うことができ、それだけ削減できる電気代も大きくなります。
転居の際には簡単に持ち運べるのでこちらもご検討の価値はあります。
※また、日当たりのいい住居であれば小型の太陽光で電気をつくることもできるのです!
- SOL Bank f-280 太陽光パネル付き 27万円前後
- PVS-55WB コールマン Solar 太陽光発電キット 5万円前後
日当たりのいいベランダなどに太陽光のパネルを立てかけて、充電することができます。価格に応じて、充電できる電気の量は異なりますので、どんなものがあるのか調べてみましょう。
まとめ
光熱費は毎月、半永久的に必ず払い続けていかなければなりません。必ず支払う金額が、ちょっと工夫するだけでも確実に安くしていくことは可能なのです。
まずは、現状の電気料金プランを確認してみることから始めてみましょう。深夜電力が使えない住居の人でも、料金プランを変えるだけでも思った以上の節約につながることもあります。
当たり前に払っていくものだからこそ、しっかりと検討しておくことが大切です。
小型蓄電池は、電気代の削減につながるだけでなく、緊急・災害用の電源として、またはアウトドアで活用したりと役に立つことができます。
日当たりのいい住居であれば、太陽の光から無料で電気を蓄えておくこともできます。機器代がいくらで何年(何カ月)くらいで相殺できるのかも、設備を選ぶポイントになると思います。
わずかな額でも、3年5年と長い目でみれば決して軽視できない金額にまで積み重なっていきます。ちょっとした設備投資として、考えることができるのです。
この機会にエコロジーで経済的なライフスタイルを始めてみてはどうでしょうか?