キャッシュレスの4つの決済方法とは?利用時のメリット・デメリットも解説

2020年の東京オリンピックに向けて政府がキャッシュレス化を推進。日本のキャッシュレス化は今後さら進んでいくことが予想されるでしょう。

そのため、キャッシュレスという言葉を最近よく耳にする方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、キャッシュレスとはそもそも何なのかの基礎知識をはじめ、キャッシュレス化によるメリット、キャッシュレス決済サービスを選ぶ基準などを解説します。

最後までチェックすればキャッシュレスのすべてが理解できるようになり、時代の波から遅れずに済むはずです。

そもそもキャッシュレスとは?

キャッシュレスとは、現金を使わずにお金のやりとりをする方法です。

たとえば、クレジットカード、Suicaなどの電子マネーなどがキャッシュレスに該当します。

キャッシュレスとだけ言われると少し難しく感じるかもしれませんが、実はキャッシュレスはすでに普段の生活の中で使っていて、身近な存在なことがわかるのではないでしょうか。

また、最近はさまざまな会社がキャッシュレス決済のサービスを出しています。そのため、キャッシュレスは色々ありすぎてよくわからないなどの方も多いことでしょう。

以下で、順を追って解説していきます。

キャッシュレスの決済方法は4つ

キャッシュレス決済は以下の4つとなっています。

■キャッシュレス決済の種類
・コード決済(QRコード・バーコード決済)
・非接触型決済(電子マネー決済)
・接触型決済(クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード決済)
・オンライン決済

これだけ聞いてもよくわからないかもしれないので、それぞれについてまとめていきましょう。

コード決済(QRコード・バーコード決済)

近年急速に普及するキャッシュレス決済サービスが「コード決済(QRコード・バーコード決済)」です。

店頭に設置されたQRコードを専用アプリで読み取ったり、専用アプリでQRコードやバーコードを表示させたりして、専用端末で読み取って決済します。

LINE Pay、PayPay、楽天Payなどが代表的なサービスとなり、ポイント付与のキャンペーンなどもおこなわれています。

また、アプリをダウンロードすれば決済できるので、スマートフォンがあればすぐに利用開始できる特徴もあります。

QRコード・バーコード決済サービスはクレジットカードを持っていなくても、銀行の口座があれば登録が可能なものが多いです。「クレジットカードを持っていない」、「クレジットカードをあまり使いたくない」という方も気軽に利用できるのではないでしょうか。

さらに個人間の送金に対応可能なものも多く、飲み会や食事会などの割り勘をする際にも便利です。

コード決済は店舗側が導入しやすい

コード決済は消費者が利用しやすいだけではありません。店舗側も導入しやすいため、利用可能な店舗が急激に増えている状況です。

コード決済は導入時にスマートフォンまたはタブレットがあれば対応可能で、クレジットカード決済のように端末費用がかかりません。そのため、初期費用をおさえることができます。

また、コード決済は店舗側の端末に個人情報が記録されませんから、情報漏洩リスクを背負うことなく導入可能です。

これらの背景があることから、個人経営の店舗でも導入が進んでいます。

非接触型決済(電子マネー決済)

非接触型決済はICカードやスマートフォンと店舗や駅の改札などにある専用端末を使い、電波を使って決済する方法です。Suicaやnanacoなどの電子マネー決済が非接触型決済に該当します。

クレジットカードのように専用の機器に挿入して、暗証番号を入力したり、コード決済のようにコードを読み取ったりする手間がかかりませんし、専用端末にタッチすれば決済完了します。支払いのスピードが早いので、時間がない方もスムーズに支払いができるでしょう。

これまではSuica、nanaco、楽天Edy、WAONが一般的でしたが、最近はiDやQUICPayを使う方も増えています。

また、非接触型決済はコンビニや自動販売機などの少額決済をスピーディーに支払いたいときによく使われます。

Apple PayやGoogle Payはウォレット

Apple Pay、Google Pay自体は電子マネーの名前ではありません。複数の電子マネーやクレジットカードをスマホで管理できる機能で、ウォレットと呼ばれる財布のようなものです。

Apple Pay、Google Payに登録した電子マネーやクレジットカードを選び、専用端末にかざせば決済ができます。

クレジットカードを登録すると、iDやQUICPayとして、そのクレジットカードが利用できます。クレジットカードによってiD対応だったりQUICPayに対応していたりと決まっていて、自身で選ぶことはできないので注意が必要です。

クレジットカードや、Suicaなどの電子マネーを登録しておけば、スマホ1つで電車に乗れ
ますし、電子マネーが使えるお店で決済もできます。

また、Apple Payでは対応していませんが、Google PayはTカードやdポイントカードなども登録可能なので、ポイントカードもスマホ一つで管理できるようになりました。

接触型決済(クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード決済)

接触型決済はクレジットカード、デビットカード、プリペイドカードなどのカードを専用の端末に挿入したり、スライドしたりしてカード情報を読み取ってもらう決済方法です。

これまで説明した、コード決済や非接触型決済、この後に解説するオンライン決済は、一部口座登録のみで利用できるものもあります。しかし、基本的にクレジットカードなどのカード情報が必要です。

さらに、接触型決済はキャッシュレス決済サービスの中でも一番古く、使える店舗が多いので1枚はクレジットカードを持っておくことをおすすめします。

オンライン決済はインターネット上での決済のこと

オンライン決済はインターネットショッピングの普及とともに需要が高まっています。

オンライン決済とは名前のとおりインターネット上で決済することで、オンライン決済サービスの特徴はさまざまです。そして、クレジットカードや銀行口座を登録すると、IDとパスワードのみで金銭の取引ができるようになります。

楽天やAmazonなどで買い物をする機会がある方も多いかと思いますが、普段、インターネット上で楽天やAmazonを通すことで、さまざまなお店の商品を購入しています。

そして、カード情報は楽天やAmazonが管理。お金の受け渡しを仲介してくれていますが、このことをオンライン決済と言います。

オンライン決済サービスを通すことによって、店舗や取引する相手にクレジットカード情報や銀行口座情報を教えずに取引が可能になるのです。そうすることで、海外のサイトはもちろん、個人ショップとやり取りするときも安心できます。

そのほかにも、利用するオンライン決済サービスが、複数のECサイトと連携していれば、それぞれのECサイトにクレジットカードを登録せずに決済ができるのもポイントです。

キャッシュレス決済は支払いのタイミングが3つある

キャッシュレス決済は支払いのタイミングが決済サービスによって異なります。そして、以下のように3つのタイミングに分かれています。

■支払いのタイミング
・前払い方式(プリペイド)
・即時払い方式(リアルタイムペイ)
・後払い方式(ポストペイ)

キャッシュレス決済を利用する際はどのタイミングで支払いが発生するのかを事前にチェックしておくのがスムーズでしょう。

前払い方式(プリペイド)

前払い方式はプリペイドなどと呼ばれ、名前のように先にお金を払う支払い方式になります。

Suicaやnanacoなどが代表的なサービスとなり、前もってお金を媒体にチャージし、その金額内で支払いをおこないます。少し前までは電子マネーがメインで、現金でチャージをおこなうものが多かったです。

しかし、最近はコード決済型も前払い方式ができるようになっています。銀行口座やクレジットカードと連携させることで、オンライン上でチャージができるのです。

さらに一定の金額以下になると自動チャージされるオートチャージの機能のものもあり、都度チャージするのが面倒な方にオートチャージはおすすめです。

チャージした分しか使えないので使いすぎることもなく、使ったお金額の管理がしやすい特徴があります。少額の支払い、キャッシュレス決済を使ったことがない方にもおすすめの支払い方式ではないでしょうか。

即時払い方式(リアルタイムペイ)

即時払い方式はリアルタイムペイと呼ばれていて、支払いと同時に口座からお金が引き落とされるようになります。

その中でもデビットカードが代表的ですが、最近はゆうちょ銀行の新サービスでゆうちょPayの展開が開始しました。

デビットカードは銀行口座さえ持っていればどなたでも持てるカードで、クレジットカードのような審査がないことから未成年の方も保有可能です。

さらにリアルタイムペイは支払った金額がすぐに銀行口座に反映。口座の残高以上は利用できないため、お金の使いすぎが気になる方におすすめです。

後払い方式(ポストペイ)

後払い方式はポストペイと呼ばれていて、商品やサービスの購入後に口座から利用金額が引き落とされて支払いが完了します。

代表的なものはクレジットカードですが、QUICPayやiDなどの電子マネー、LINE Pay、PayPayなどといったコード決済サービスをクレジットカードと結び付けて支払うことも後払い方式です。

後払い方式は事前のチャージをはじめ、口座の残高を気にせずに支払いができますから、手間をかけずに決済ができます。

ただし、後払い方式は支払いが1ヶ月~半年後になることから、使いすぎて後に支払いができなくなる注意点もあります。

支払いができずに遅延すると信用情報に傷がついて「クレジットカードを作れなくなる」「家や車を買うときにローンが組めなくなる」などのことがあるので注意しなくてはなりません。

キャッシュレス化による4つのメリット

キャッシュレス化が進んでいる大きな理由が、キャッシュレス決済をすることで得られるメリットが大きいからです。

キャッシュレス化による消費者側のメリットは4つあり、以下のことが挙げられます。

■キャッシュレス化のメリット
・現金を持ち歩かなくて済む
・ポイント付与で現金よりお得な買い物が可能
・利用履歴を管理できる
・社会的信用につながる

それぞれについて詳しく解説していきましょう。

現金を持ち歩かなくて済む

キャッシュレス化の最大のメリットが現金を持ち歩かなくて済むことでしょう。

小銭があることで財布が重くなったり、レジで財布の中から小銭を探したりして恥ずかしい思いをする、ATMからお金を引き出す際に手数料がかかって損をしたなどの体験をしたことはないでしょうか?

キャッシュレス決済は現金を使わないため、それらのことがなくなります。電子マネーやコード決済アプリをスマホ上に登録することで財布をカバンの中から出さずに済み、スマホがあれば決済は完了します。

また、ATMからお金を引き出すこともしないで済むので、ATMの手数料もかかりません。大金をおろす必要もなくなるので、現金盗難のリスクも低くなります。

実際のところ、プリペイド型の電子マネーはあまりないですが、クレジットカードやコード決済サービスは保証がついている場合があります。万が一、不正利用されたとしてもその金額が返ってくる可能性が高いので安心です。

ポイント付与で現金よりお得な買い物が可能

キャッシュレス決済は支払額に応じたポイントを獲得できます。

たとえば、PayPayは200円につき1ポイントのポイントの還元があり、1ポイント1円で使えます。また、キャンペーンなども不定期でおこなわれているので、そのときは20%分のポイント還元がされることもあります。

どうせ同じ金額を支払うのであれば、ポイントをもらえてお得に利用できるキャッシュレス決済を選びたいところでしょう。

利用履歴を管理できる

「どのくらいのお金を使ったか管理したいけど面倒」「家計簿をつけようと思っても続かない」「家計簿付けるためにレシートをもらうと財布が分厚くなる」などのことはありがちかと思います。

キャッシュレス決済は利用履歴が残るので、コンビニや自動販売機などの細かい支払いの管理ができます。

また、最近は支払い履歴をアプリで自動取得して家計簿をつけてくれるものがあるので、それらを使えばさらに管理が簡単になるでしょう。

社会的信用につながる

クレジットカードはカード会社の審査を通過することで持てますから、金融事故を起こしている方は持つことができないでしょう。そのため、クレジットカードを持っていること=社会的な信用につながることになるのです。

キャッシュレス決済はクレジットカードと紐づけることから、キャッシュレス決済を使うことによって間接的に社会的信用につなげることができます。

また、クレジットカードの中にはステータスカードと呼ばれるカードがあり、一定の年収がある方、カード会社から認められた顧客でないと持てない1枚もあるほどです。

ステータスカードを持てば、より高い社会的信用につなげることも叶います。

キャッシュレス化による3つのデメリット

キャッシュレス化には、当然ながらデメリットもあります。デメリットのことも知ったうえで、キャッシュレス決済にするかどうかを考えてください。

なお、キャッシュレス化による消費者側のデメリットは以下3つが挙げられます。

■キャッシュレス化のデメリット
・使えない場合がある
・後払い方式は使いすぎの可能性がある
・不正利用される場合がある

それぞれについて詳しく解説していきます。

使えない場合がある

キャッシュレス決済は特定のシーンで使えない場合があります。

■キャッシュレス決済ができないシーン
1.キャッシュレス決済が対応していない店舗での支払い
2.行政サービスの各種サービスや病院での支払い
3.停電や災害が起きたときや、端末の電源が切れたとき

1についてですが、基本的に大都市にあるお店やチェーン店はキャッシュレス決済に対応していることが多いでしょう。しかし、地方や個人経営などの小さいお店ではキャッシュレス決済がまだまだ対応していないことがあります。

さらに、すべての決済方法に対応する場所はわずかで、クレジットカードは使えるけれど電子マネーやコード決済は非対応だったり、クレジットカードもVISAは使えるけれどJCBは使えなかったりする場合があるでしょう。

2については、現金でのみ支払える場所が多いことです。しかし、最近の日本はキャッシュレス決済を推しているので、今後はこの点は改善。どこででもキャッシュレスで支払える機会が増えるのではないでしょうか。

3については、キャッシュレス決済は災害や停電などで電気が使えない場合の支払いはできません。加えて、スマホの電源が切れたときは、スマホに登録した電子マネーやコード決済の利用ができません。

そのため、現金をまったく持ち歩かないのではなく、非常時にそなえて現金を多少持っていた方が安心です。

後払い方式は使いすぎの可能性がある

後払い方式の場合、すでに解説したように支払いをした、1ヶ月後などに口座からお金が引き落とされます。そのため、口座にあるお金よりも多くお金を使えるのです。

また、現金のようにお金が減っていくことに気付きにくいため、後から使いすぎて後悔する方もいるでしょう。

使いすぎて返済ができなくなれば信用情報が傷付くことになります。クレジットカードを作れなくなったり、家や車を買うときにローンの審査に通らなかったりする可能性が高まります。

そのため、後払い方式ではどのくらい使ったかの管理をすることが求められます。最近はアプリで管理できるものがあるなど、スマホがあれ簡単に管理できます。

不正利用される場合がある

キャッシュレス決済はハッキングやスキミングなどの不正利用の被害に遭うことがあります。

しかし、不正利用された分は返金対象となり、誰かにお金を使われたことによる心配はそんなにないでしょう。

セキュリティ技術もレベルが高くなっているので、簡単に不正利用される可能性も低いと言えます。

まとめ

キャッシュレス化は政府が勧めているので、今後さらに普及・拡大するはずです。

キャッシュレス決済はさまざまなサービスがあり、特徴もそれぞれになります。その中から
自分に合ったキャッシュレス決済サービスを選んで、キャッシュレス化を使いこなせるようにしてください。

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