本当に解約するの?学資保険を途中で解約する前に知りたい事と対処法

学資保険は貯蓄性の高い保険

「学資保険を途中で解約すると損をする?どんな事を押さえておくべき?」

学資保険は貯蓄性の高い保険であり、基本的に長期間加入して将来的に数%程度のリターンを得ることの出来る保険になっています。長期的な加入が前提となっており、基本的に短期で解約してしまうと、必ず元本割れ等の損失が出てしまう事になっています。

ただ、中にはどうしても途中で解約しないといけない状態になった、契約する前にもしもの時に解約する時の事情について押さえておきたいという方も少なくないでしょう。

なので、この記事では学資保険と途中解約というテーマで、

  • 学資保険とリターンの仕組み
  • どのくらいの損失が見込まれるのか?
  • 解約する前に知りたい対処法
  • 解約しても良いような事例

についてご紹介していきたいと思います。まず、はじめに学資保険の途中解約での損失を理解するために、学資保険の概要と学資保険でリターンがある仕組みについて解説していきます。

学資保険の概要

学資保険について簡単にまとめると「教育資金の貯蓄を目的とした保険」という事になっています。分野的には第1分野に該当する保険になっており、基本的には生命保険系の保険会社が取り扱っている保険という事になります。

教育資金の大きさ

大学進学時には、国立であったとしても250万円程度の教育資金が4年間の合計で必要になり、特に初年度に関しては私立・国立とも様々な面での出費が重なる事によって、100万円以上の出費が必要になるケースも少なくありません。(学費、一人暮らしの初期費用等)

一般的な収入の家庭の場合は大きな出費であると言え、一度にこのような金額を用意するのはかなり難しいと言えるでしょう。

学資保険の保障

そのため、そのような経済的なリスクに備えるのが「学資保険」になっています。学資保険では子どもが0歳~5歳程度までに加入しておき、10年以上保険料を支払う事によって、結果的に分割して教育資金を貯蓄する事が可能であり、数%程度のリターンを得る事も可能です。

また、学資保険には親御さんの死亡・高度障害時に、保険料の支払いが免除になる保障を用意している商品が多数派なので、子どもにもしもの事があっても最低限教育資金を残しておきたいというある種、死亡保険に近い用途にも使える保険になっています。

返戻率について押さえる

学資保険のお得度や損失等のお金の面を理解するには、返戻率についてしっかりと理解しておく必要があります。返戻率というのは、支払った保険料に対していくら保険金が返ってきたのか?という点を、一回で理解する事の出来る数字です。

例えば、返戻率が110%という場合で、保険料を支払ったとします。この場合の保険金は110万円という事になり、保険料に対して10%多く保険金が返ってきているという点が簡単に分かると思います。

学資保険には、「貯蓄型」「保障型」2つのタイプが存在しており、貯蓄型はその名の通り貯蓄を重視した商品になっており、保障を最低限まで削って貯蓄性を挙げたものになっています。一方の保障型は、魅力的な保障が付け加えられますが、一方で貯蓄効率は低下する商品になっています。

どちらも一長一短ではありますが、現在では貯蓄型が人気の商品になっており、基本的には貯蓄型に加入するケースが多いと言えるでしょう。つまり、貯蓄型の方が返戻率が高いという事になります。

商品や加入時期、払込期間等様々な要素で返戻率というのは変化しますが、貯蓄型の場合は数%から15%が一般的な返戻率で、保障型はタイプによって異なりますが、基本的には100%を割ると考えた方が良いです。

どのくらい損をするのか?

学資保険は貯蓄性を持った保険なので、基本的にはお得なので加入するというのが、大きな加入動機の1つになっていると思います。ただ、貯蓄するために加入したからこそ、ここで気になるのは「途中解約した場合にどのくらい損をするのか?」というポイントでしょう。

これから返戻率の観点から、途中で解約した場合の学資保険の返戻率や、途中解約したらなぜ保険金が減るのか?という点を解説したいと思います。

返戻率の推移

商品によって異なるので一概には言えませんが、基本的に契約から解約までの期間が長ければ長いほど、多くの保険金が返ってきます。もちろん、満期まで加入しておくのがベストですが、以下のような返戻率の推移になる事が多いです。(詳細は商品によって異なります)

  • 1年から3年「60%~70%」
  • 3から5年「70%から80%」
  • 5年から10年「90%~100%」
  • 10年以降~「100%~110%」

本当に詳細は商品によって異なりますが、どの商品にも共通しているのは加入後から数年程度はかなり返戻率が低くなるというポイントです。

3年目以降から徐々に返戻率がアップしていき、5年を超えたあたりからかなりの返戻率アップが見込まれ、支払った保険料の90%程度が返ってくる事が多いでしょう。

学資保険は保険料が大きいので、10%の損失でもかなりの額面になってしまう事が多いのは確かですが、それでもやはり90%近くの保険料が返ってくるというのは、加入者にとっては嬉しい事実だと思います。

解約してもマイナスにならない事も

殆どの貯蓄型の保険に共通しているのは、払込期間が短く、受取期間が長ければ長いほど高い返戻率になるという点です。これは違う角度から言うと、支払い終わってから受け取るまでの据置期間が長ければ長いほど、返戻率が高くなっていくという事を表していると言えるでしょう。

そのため、学資保険というのはやはり支払い終わった後もしっかりと満期まで、据え置いた方が良いです。ただ、元本割れするのか?保険料よりも少なくなって損失が出るのか?という点は、10年目あたりから解消され、それ以降は返戻率が100%を超えるケースが多くなっています。

逆にそこまで加入したなら、しっかりと加入しておいた方が多くの利益を期待出来るので、大きな機会損失なるかもしれないという懸念点はありますが、それでも保険料と比較した時に損失が出るのか?という点に関しては、途中解約したとしても必ずしも損失が発生するとは限りません。

なぜ、支払った保険料よりも減るのか?

学資保険は貯蓄を目的とした保険であり、途中で解約した場合にマイナスになってしまう事に違和感を感じる方も多いと思います。ましてや、貯蓄型は貯蓄効率を重視した保険なのに、矛盾しているように感じるでしょう。

ただ、学資保険が貯蓄を重視した保険であったともしても、やはり本質的には保険である事には変わりません。貯蓄型の学資保険であったとしても、親御さんが死亡・高度障害になった場合には、保険料が免除になると言った死亡保障がついている事が一般的です。

保険会社からすると、そのような保障を提供しているのに、解約してもペナルティが無いと保険の運用が難しくなりますし、ある程度は仕方ないと言えるでしょう。

ただ、学資保険の途中解約した場合の返戻率というのは、他の生命保険等と比較した場合でも抜きん出て高いという訳では有りません。

貯蓄性を持った生命保険というのは、基本的に長期的な加入が前提となっており、短期間で解約してしまった場合の返戻率の低さというのは、保険の1つの特性として認識しておく必要があります。

何年目の解約がおすすめ?

各家庭の細かな事情によっても異なりますが、基本的には「3年目~5年目」以降の解約がおすすめになっています。というのも、1~2年の間に解約してしまうと、特に返戻率が低くなってしまい、あまりおすすめ出来ません。

やむを得ない事情の場合は仕方がありませんが、ある程度許容出来る保険料の場合は、数年間保険料を負担しておいて、3年目あたりから返戻率を見て解約するというのがおすすめです。ただ、これ以降なったら無条件に解約して良いかと言うと、それも少し事情が異なってきます。

というのも、5年目以降は徐々に返戻率が高くなっていて、10年目を超えると元本割れしない程度の基準になります。学資保険というのは、据え置き期間が返戻率が伸びてくるので、逆にこの期間に解約してしまうと、機会損失がかなり大きなデメリットになってきます。

そのため、もしも学資保険を解約するなら早すぎず・遅すぎずの3年~5年以内に解約するのが、最もおすすめであると言えるでしょう。

解約しなくても大丈夫かも?対処法について

学資保険を解約してしまうと、損失を出してしまう可能性が高いという点は、しっかりと掴めたと思います。ただ、実際に解約をするというのは経済的に困窮しており、保険料の負担に耐えれない等、緊急性を要したものも多いでしょう。

なので、これからそのような解約を余儀なくされるような事態に、学資保険に予め備わっている特徴を利用して、対処する方法についてご紹介していきたいと思います。

一部解約という選択肢

一部解約というのは「契約内容の一部をカットする」事を差しています。例えば、100万円の保険金を掛けている場合は、30%部分を解約し、残りの70万円分を温存しておくという方法です。

具体的な方法や手順というのは商品によっても異なりますが、契約が一部カットされるので、保険料の負担が下がる事はもちろんですが、一時的な資金を手に入れる事も可能です。

この方法なら、返戻率低下による大きな損失を下げておく事が可能ですし、少しまとまったお金が必要な方等は、返ってきた保険金を利用してお金を使う事も出来ます。

無駄な補償内容や、大きすぎる保険金を設定しており、月々の負担が大きすぎる・数十万円程度のお金が必要になったという方に、おすすな方法です。

契約者貸付制度について

契約者貸付制度というのは「保険金を担保にお金を借りる」という制度の事であり、保険会社によって条件等は異なってきますが、通常のローンと比較してもかなり好条件で貸付を受ける事が可能です。

通常、何らかのローンを通すには審査がありますし、また借りれる金額というのも審査によって限度が決められると言えるでしょう。また、細かな返済日等も決められている事が一般的です。

保険会社によっても異なりますが、契約者貸付制度の場合は「もしもの時は保険金から返済を行う」という条件が付けれています。つまり、保険金が担保になっているので、そのような面倒な事柄というのは、ほぼありません。

限度額や利率というのは、保険金の額面・加入日数によって変わりますし、もしもの時は保険金から返済してもらえるので、保険会社は返済日と言った期日を決めないところも多いです。(満期なれば、差し引いた金額が支払われる)

また、利率も年間で3%~6%程度であり、カードローンや消費者金融と比較しても特段高い利率ではないと言えるでしょう。また、上記したような好条件ではありません。

この制度の場合は、しっかりと保険料・返済さえすれば、基本的にどんな人でも利用出来るので、信用情報に自信のない方でも利用する事が可能になっています。

一時的に大きなお金が必要になった人や、保険料の支払いが厳しいと言ったケースで、利用する事をおすすめします。

解約した方が良いケース

この記事では主にこれまで、途中解約の損失や解約を回避するための対処法等についてご紹介させて頂きました。そのため、解約は出来るだけしない方が良いというのは押さえて頂けたと思います。

ただ、一概に全てのケースで解約をしない方が良いとは言えません。積極的に解約を行った方が良いケースというのも存在しており、これからご紹介するようなケースでは解約を検討しても問題ないと思います。

資産運用を行う

資産運用というのは、基本的に資金力がある事に越した事はありません。そのため、資産運用の資金が必要であり、なおかつ利回りが良く、学資保険よりも大きなリターンが見込めると言ったケースでは、途中解約を行うという選択肢もありだと言えます。

ただ、学資保険の途中解約を行う場合は基本的に大きな損失が見込まれますし、途中解約しても100%以上の返戻率が見込める場合は、これからかなり返戻率がアップする可能性が高いです。

この点を考慮すると、学資保険を契約したままの状態よりも、大きなリターンが見込める資産運用というのはかなり選択肢の幅が狭まる事が予想されるので、解約時の損失よりも大きなリターンが安定的に見込めるのか?という点はしっかりと考慮した方が良いでしょう。

別途貯蓄性のある保険に加入する

学資保険は生命保険系の商品であり、第1分野の保険には学資保険以外にも貯蓄性を持った保険がたくさん存在しています。そのため、他の貯蓄性を持った保険に加入するため、途中で解約をするというのも、選択肢の1つとして検討の余地があると思います。

ただ、実際にはこちらも学資保険を解約した場合の損失以上のリターンが見込めるのか?という点はしっかりと見極める必要性があり、慎重に行った方が良いと言えるでしょう。

ただ、学資保険よりも返戻率が高い保険は一部ですが存在していますし、学資保険よりも魅力的な保障内容を設定している保険が存在している事もあります。

このあたりの話はかなり複雑になると思うので、場合によっては必要に応じてFP等のお金・保険の専門家と相談しながら、保険の乗り換えを検討するのがおすすめです。

明らかに大きな負担をしている

保険というのは、将来的なリスクや何らかの突発的なリスクに備えるために加入するものであり、特に学資保険については将来的な教育資金の肥大化に備えるために、予め貯蓄して備えておこうという保険になっています。

しかし、返戻率を求めすぎて払込期間を短くしたり、保険金を大きくしすぎてしまった等、明らかに保険料で大きな経済的負担が発生している事も少なくありません。しかし、学資保険は経済的な負担を押さえるために加入しているのに、保険料で苦しめられるとなると本末転倒になってしまいます。

そのため、年収の10%を超える等、明らかに大きすぎる負担を学資保険に掛けてしまっている場合は、解約を行うというのも1つの手だと言えます。

ただ、このようなケースにおいては一部解約という手段を利用する事で解決したり、保険会社と相談する事によって、出来るだけ負担を押さえる方向で進める事が可能なので、必ずしも保険を途中で解約しないといけない訳ではありません。

ただ、1つ確かなのは「何もしない」というは一番危ない行為なので、追い詰められる前に保険会社に相談したり、解約を行う等の行動を苦しい状況になる前に行っておきましょう。案外、何らかの解決策があります。

まとめ

学資保険と貯蓄性

  • 学資保険の概要を理解する
  • 返戻率をしっかりと押さえる

どのくらい損をするのか?

  • 最初の1年~2年はかなり損をする
  • 10年以降は100%を超える事が多い
  • 学資保険にも保障がある

解約しないための対処法

  • 一部解約を行う
  • 契約者貸付制度を利用する

解約がおすすめなケース

  • 資産運用を行う場合
  • 貯蓄性のある生命保険に加入する
  • 大きな負担をしている

今回の記事では、学資保険と途中解約というテーマで、途中解約を行う場合の損失や途中解約を避けるための対処法、解約を行った方が良いケース等についてご紹介させて頂きました。

学資保険はそもそも教育資金を貯蓄するために加入する保険であり、リターンが見込めるのが大きなメリットの1つです。解約によってマイナスになってしまうと、本末転倒なので基本的にはまず、加入時点で出来るだけ解約しないためのプランを組み立てておきましょう。

senna
senna
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金融業界経験 4年 個人投資家 3年

個人投資家として「株式」「債権」「FX」「仮想通貨」などへの投資・投機を中心的に行っている。

資産運用はもちろん、ファイナンシャルプランナーの知識を活かしながら、税金やライフプランに関する情報発信を行っている。

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