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非常に複雑で難解な「軽減税率」の基本と見分けかた!軽減税率によって家計はどう変わるか!?

1989年の消費税導入以降、日本では、すべての商品やサービスに同一税率が適用される単一税率が採用されてきました。しかし、ヨーロッパなどでは軽減税率などの多段階税率の採用が一般的です。今回は日本における軽減税率制度の基本から間違えやすい具体例を紹介します。

軽減税率の基本

2019年10月の消費税増税と、それに伴う軽減税率適用がされて一カ月が経ちました。しかし、適用される範囲や場面が分かりづらいとの声が上がっており、制度についてしっかりと理解ができていない人も少なくないようです。まずは今さら聞けない軽減税率の基本を解説します。

軽減税率とは、主に低所得者対策として消費税の課税率を特定の品目に限って軽減する制度のことです。日本では消費税が10%に引き上げとなりますが、飲食料品や特定の新聞の消費税課税率は8%に据え置きとなります。日本では二段階の税率が採用されましたが、三段階以上の複数税率を採用している国も珍しくありません。

具体的な品目は、「酒類」「外食」「ケータリング・出張料理等」を除く、食品表示法に規定する飲料食品と定期購読の契約をした週2回以上発行される新聞です。このうち酒類は酒税法に規定する酒類のことを指すため、調味料であってもアルコール分1%以上の飲料である本みりんは軽減税率の対象外になるのに対し、ノンアルコールビールのようなアルコール分1%以下の飲料は軽減税率が適用されます。

外食とは

軽減税率から除外される品目の中で、特に線引きが分かりづらいと言われているのが外食です。軽減税率においては、外食の基準を飲食設備のある場所において飲食料品を飲食させるサービスの提供のことを指していますが、それによりテイクアウトとイートインで同じ商品でも軽減税率の適用が変わってくることになります。ここがややこしいことろです。

両方配送してもらう共通点のある、ケータリングは10%、出前は8%

料理を配送してもらう点で共通点がある出前とケータリングでも軽減税率適用に差があるのも特殊なケースです。出前は商品を購入し指定した場所まで届けてもらうサービスのため飲食料品の譲渡となり軽減税率の対象となりますが、ケータリングは、指定会場のセッティングや司会進行、後片付けなどといった飲食サービスの提供にあたるため軽減税率の適用外となります。

そもそも消費税とは

ここまで、軽減税率の基本に軽く触れてきましたが、そもそも消費税とはどのような税金なのでしょうか。消費税は、その名の通りなのですが、商品やサービスの購入・消費に対して課される税金です。

税金の課税対象は、大きく分けて3つの所得・所有・消費に分類されます。日本の課税制度は、所得に対するもの(法人税・所得税・住民税など)が大きな部分を占めています。しかし、最近の世界情勢や国際的な租税環境の変動もあり、近年では所有や消費に対する課税へのシフトが進められています。

実質的な消費税の負担者は、最終的に商品やサービスを購入する消費者です。しかし、実際に納税をするのは売り物やサービスの代金を受け取る会社や事業者です。各事業者が消費者から預かった消費税を国や地方公共団体に納税します。

これまでは、単一税率だったため商品の売上も事業費用もすべて同じ税率が適用されていました。しかし、軽減税率の採用により預かった税額と支払った税額の双方について、異なる税率が適用されている取引が混在することになります。各事業者は、どの取引が軽減税率の対象なのかについて、売上や費用ともに正確に把握できるように対応しなければなりません。

軽減税率の見分け方

牛丼・フライドチキン

牛丼屋やフライドチキンなどで商品を購入して、そのまま店内で食べた場合は外食となって10%の消費税が課されます。しかし、持ち帰る場合は、外食にあたらず8%の軽減税率が適用されます。

イートイン

コンビニなどにあるイートインコーナーについて、購入した食品がトレイに載せられ座席に運ばれてきたり、返却の必要がある食器に盛られて提供されたりするなど、その場での飲食を前提に提供される場合は外食とされ、10%の税率となります。

一方、持ち帰りが可能な弁当や総菜などの場合、購入の際に客がイートインコーナーで食べる意思を示せば外食とされますが、同じ商品でも客が持ち帰る意思を示せば、8%の軽減税率の対象となります。

出前と宅配

ラーメン屋の出前やピッツァの宅配は、客が注文した場所に食べ物や飲み物を届けるだけで、お客が指定した場所での飲食サービスの提供にはあたらないとされています。このため外食とはならず、8%の軽減税率が適用されます。

フードコートや祭り屋台

大型商業施設などにあるフードコートは、テーブルやベンチなどが設けられているので明らかに外食となり、そこで食べるパスタなどは10%の税率となります。しかし、祭りの露店など、テーブルやいすなどがなければ外食にあたらず、税率は8%です。

ケータリングや出張料理

ホームパーティーの際に利用するケータリングや出張料理は、客が指定した場所での飲食サービスの提供となり、10%の税率が適用されます。

宿のルームサービス

ホテルなどのルームサービスは、客室にテーブルなどがあって飲食の設備がある場所でのサービスの提供にあたるため、10%の税率になります。

学校給食・老人ホーム

学校給食や老人介護施設などで提供される食事などは外食と扱わず、一定の条件を満たすと8%の軽減税率の対象となります。

カラオケルーム

カラオケルームの客室内で提供された飲食品は、飲食設備のある場所で提供される外食として10%の税率が適用されます。

ワゴンサービス

新幹線などのワゴンサービスで提供される食品は、持ち帰りが可能な状態で販売されることから、原則として8%の軽減税率の対象となります。

新聞

ホテルや旅館で宿泊客の閲覧用にロビーに置く場合でも、宿泊客の部屋に無料で配る場合でも軽減税率の8%が適用されます。企業が定期購読契約を結んで用意しているからです。

一方で、ホテルの売店で販売される新聞は、定期購読契約が結ばれていないため軽減税率の対象にはならず、10%の税率となります。

また、軽減税率の対象は、紙媒体の新聞だけですが、軽減税率が適用されない電子版の新聞をセットで販売する場合は、紙媒体と電子版の価格を区別した上で、紙媒体には8%、電子版には10%の税率がそれぞれ適用されることになりました。

軽減税率による景気悪化対策

軽減税率による景気減速を抑えるために国はポイント還元を行なっています。国の補助による還元率は、購入額の5%です。ただ、コンビニやガソリンスタンド、ファーストフード店などの飲食チェーンは、2%となります。 消費税率が8%に据え置かれる酒を除く飲食料品もポイント還元の対象で、期間は、消費税率が引き上げられる10月から、来年6月までの9か月間です。

対象の決済手段

対象となる決済手段は、キャッシュレス決済のみつまり、クレジットカード、電子マネー、それに、スマートフォンを活用したQRコードで、各カードや電子マネーのポイントの形で還元されます。 ただ、海外の事業者による決済サービスのほか、ポイント還元や割り引きができない仕組みの交通系ICカードなどは対象に含まれません。各カードの使用限度額はありますが、ポイント還元される金額に上限はありません。

対象店舗

対象となる店舗は、中小企業基本法の定義にあてはまる事業者に限られます。一流デパートや大手スーパーは対象とはなりません。中小の定義は、小売り業なら、資本金が5,000万円以下か従業員が50人以下、サービス業は、資本金が5,000万円以下か従業員100人以下の事業者です。

業種は、小売り店のほか、飲食店やホテル、ガソリンスタンド、タクシーや映画館など幅広く認められます。ただ、家や自動車、換金性の高い金券、公共料金のほか、医療サービスや薬などは対象とされません。

キャッシュレス決済

キャッシュレス決済でのポイント還元制度の発表や最近話題のPayPayの100億円キャンペーンなどで、一気にキャッシュレス決済の認知度が高くなり、注目されています。ただ、種類が多すぎて、よく分からないという方も多いのではないでしょうか。

そこで、キャッシュレス決済の種類と、メリット・デメリットを軽く解説します。キャッシュレス決済が気になってるけどリスクがありそうだし不安もある、そんなキャッシュレス社会初心者の方は、ぜひ参考にしてください。

キャッシュレス決済は、主に清算方法使う端末で分類できます。

清算方法

  • 前払い(プリペイド)
  • 即時払い
  • 後払い

清算方法については、前払い・即時払い・後払いの3種類があります。前払いのことをプリペイドといい、後払いのことをポストペイドと言うこともあります。

使う端末

  • 磁気カード
  • 接触ICカード
  • 非接触ICカード
  • バーコード
  • QRコード

支払いに使う端末、すなわち、どのような方法で支払うかについては、大きく5つの種類があります。

磁気カードは、カードの裏面に磁気ストライプがついているもので、代表例は、クレジットカードです。接触ICカードは、カードにICチップが埋め込まれたもので、代表例は、銀行キャッシュカードです。

非接触ICカードは、電波を使って読み取り機と通信するカードで、代表例は、パスモやナナコです。バーコードは、専用アプリでバーコードを生成して読み取り機で読み取る方式で、代表例は、LINEpayなどのスマホアプリです。QRコードは、専用アプリでQRコードを生成して読み取る方式で、代表例は、PayPayなどのスマホアプリです。

バーコードとQRコードについては、どちらがコードを生成するか/読み取るかで2パターンあります。利用者側でコードを生成し、店舗側端末で読み取る利用者提示・店舗読み取り型と、店舗側でコードを表示し、利用者側のスマホで読み取る店舗提示・利用者読み取り型の2パターンです。

近年の急速なキャッシュレスの普及で、バーコードやQRコードでの決済方法の認知度が急激に高まりましたが、磁気カード、接触・非接触のICカードなどは従来からも存在していました。キャッシュレス決済という決済方法は、昨年末頃から急に出現したものではなく、以前から私たちの身近にあったものです。

キャッシュレス決済の良いところ

最大のメリットは、各種ポイント還元を受けられることです。現金で買い物をするより圧倒的にオトクになので、使えるときには活用したい制度です。

現金を持ち歩かなくていい

小銭が邪魔という方は少なくありません。筆者もその口です。コンビニやスーパーなどでの買い物をキャッシュレスで済ませるようになると、持ち歩く現金の額をかなり減らせるようになります。

物理的なサイズダウンにより、かさばらずに持ち歩きやすいといった恩恵も得られます。ひったくりなどの被害に遭った場合にも、被害の軽減・補填がされやすいという安心要素もあります。

支払いは一瞬

非接触型ICや、アプリでの支払いなどは、店舗に設置された専用端末にかざすだけで支払いが完了します。そのため、通常の現金払いに比べると、支払いに要する時間が短いという利点があります。

利用状況の管理を一括でできる

家計の収支を一元的に管理できるスマホアプリなどが数多くリリースされています。

スマホアプリを使ったキャッシュレス決済などは、この種の家計管理アプリと連動しているものも多く、わざわざ家計簿をつけなくても、収支状況を簡単に把握できます。

このようにキャッシュレス決済はメリットが多く、利用も簡単なのですが、日本でのキャッシュレス決済の利用率は、まだまだ少ないのが現状です。しかし、消費税増税後には、キャッシュレス決済をすることで一部のお店でポイント還元がされる予定であり、キャッシュレス決済の利用率が伸びることが予想されます。

今のうちにキャッシュレス決済についての知識を身に着けておき、本格的な導入に併せて使いこなせるように、今から少しずづ使ってみましょう。

増税で家計への影響はどうなる!?

消費税率の引き上げにあたり、みんなが気にしているのは家計への影響でしょう。

今回の増税で、消費税率は0%、8%、10%の3種類になります。

0%は消費税がかからない項目です。たとえば、生活用住宅の購入や地代、保険料や医療費、学校の授業料、社会保険料などは、消費税の性格や社会政策上の配慮から消費税0%です。これら以外にも、住宅ローンの利息、、商品券、有価証券の譲渡などは消費税がかかりません。

消費税8%のままに据え置かれる項目もあり、これは家計への影響を緩和するためのもので、日本では初めて導入されます。軽減税率には、飲食料品や定期購読契約の新聞があります。

消費税率10%への引き上げにより、家計の負担は、約年間5万円近く増加するとみられています。政府による負担軽減対策が講じられはしますが、効果は年収や家族構成によって影響さまざま。幼児教育無償化の対象となる子育て世帯は恩恵にあずかる一方、高齢世帯や単身者にはメリットがあまりありません。酒類を除く飲食料品の税率を8%に据え置く軽減税率が導入されるものの、増税を意識する家庭では、節約志向が進むと予想されます。

日本の平均年収である600万で考えるとします。1カ月の支出を約30万円と見込み、外食や日用雑貨など消費税増税の対象となる支出は約20万円。その額の2%分が新たな税負担となります。

キャッシュレスによるポイント還元は確かに魅力的ではありますが、使えるお店も方法も限られています。さらに期限もありますので、あまりポイント還元に頼らず、増税を機に家計を見直し、無駄な支出をなくしていく方が良い方向へとつながるでしょう。

3~5歳児を抱える世帯は、幼児教育の費用が原則として無料となるため、消費税増税による負担増をほとんど相殺できます。住民税の非課税世帯では、0~2歳児も無償化の対象になるほか、来年4月には年収約380万円未満の世帯向けに大学など高等教育の入学金・授業料の支援措置が始まります。

まとめ

増税に負けない家計にするためには、まずは出ていくお金を見直すことから始めましょう。これまで外食を頻繁にしていた人は、回数を減らすことを考えましょう。軽減税率では、外食は10%ですが、テイクアウトや宅配は8%のままです。なので、できれば自炊をするのが一番の節約になりますが、仕事で疲れて料理をしたくないときなどは、外食ではなく惣菜などをテイクアウトにする工夫もできるでしょう。

そもそも、家計の支出額を減らせれば、増税分を打ち消すことも可能です。これをキッカケに、外食の回数を控えたり、毎晩晩酌をする家庭は、低価格のお酒に変えるなどの家計の見直しをすると増税の影響は抑えられるでしょう。住居費や携帯電話代、保険料など、この機会に見直しをして家計の無駄を省くようにしてはいかがでしょうか。

白井 貴也
白井 貴也
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1996年生まれ、神奈川県在住。金融業界歴6年、ファイナンシャルプランニング技能士。独立系FPの立場からの中立な意見で、皆様の役に立つ情報を伝えていきます。

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