Libraが規制?世界各国で広まるLibra包囲網とLibraの運命

Libraを規制している国とその流れ

「Libraは規制される?これからLibraはどうなるの?」

Libraは、GAFAが全体的に仮想通貨に様子見の中で、Facebookが先陣を切って公開した仮想通貨です。また、それに関連したLibra協会や、プロジェクトを総称するものとして使われる事もあります。

巨大IT企業の代表的な存在の1つであるFacebookが主導という事で、発表以前から大きな期待が寄せられており、一方影響力の大きさから各国で懸念の声も出ていました。

現在では、世界各国でLibraについては慎重な見方が広がっていると思います。なので、今回はFacebookのLibraとその規制というテーマで、

  • Libraの規制について
  • なぜ、Libraについて懐疑的な見方が多いのか
  • Libra協会とLibraのこれから

という点について解説していきたいと思います。まずはじめに、現在のLibraと規制という観点から、様々なポイントについてご紹介していきたいと思います。

G20でのLibra規制

Libraと規制というテーマについて、最も大きな事柄として挙げられるのは、G20でのLibra規制でしょう。ただ、Libra規制という言葉がひとり歩きしており、実際には規制を行うという内容が決まった訳では有りません。

どちらかという言うと、現状ではLibraを発行するべきではないという方向性が一致したという表現が正しいでしょう。そもそも、Libraはまだ実際に運用されておらず、プロジェクトの中途段階です。

発行しているものに対して、何か規制を行うというのは表現として正しいですが、どちらかと言うと開発段階なので、それほど大袈裟な話では有りません。逆に言うと、発行前からこれほど注目されるのも、Libraの可能性を表しているでしょう。

G20での見解では、規制なしで発行するべきではないという話であって、Libraの可能性が完全に閉ざされてしまったものではありません。

ただ、実際にLibraが発行される場合には、何らかの規制・監視が入る可能性は高く、Facebookはアメリカの企業なので特にアメリカ政府が何らかの介入を行う可能性があります。

Libraを規制する方向の国

現在、そもそもLibraは発行されていないので、そもそも規制を実施している国はありません。ただ、最も警戒心を強めているのは、やはりアメリカであると言えるでしょう。

GAFAはすべてアメリカの企業であり、このような巨大IT企業はグローバルに事業を展開していますが、基本的にはアメリカの方針というのは大きな影響を受ける企業になっています。

例えば、中国・アメリカのイザコザで、表向きはアメリカ政府は正当な行為であると主張していますが、ファーウェイがAndroidを使えなくなるかも?という事もありましたし、実質的には政治的な圧力です。

Googleというブランドは世界的に認知されており、それだけグローバルにビジネスを行っていますが、やはりアメリカの政治的な意向に従う必要性があるのです。

Facebookも同じようにアメリカの企業なので、世界的に大きな規模を持っていると言っても「Libraは禁止」という方針に、アメリカ政府が舵を切ればFacebookも従わない訳にはいけません。

今回は、Libraについてアメリカは全体的に否定的な立場を取っているので、G20でもその意向が支持されたと言えるでしょう。

Libraの特徴から見える大きな弱点

Libraの直近の流れというのは、なぜここまで仮想通貨が大きくなったのか?という点と同時に、Libraの弱みが垣間見えるものになっていると思います。この点について「中央集権型のプロジェクト」という点から解説していきたいと思います。

これまでの仮想通貨

仮想通貨と規制という流れは、今にはじまった事では有りません。昔から、中国政府が全面的な規制を行ったり、日本でも様々な法整備がされ、ある程度の規制が行われてきました。

ただ、ビットコインを含めた非中央集権型の体制を取っている通貨にとって、このような規制は本質的な圧力にはなりません。

実は、ビットコインが開発される前からデジタル通貨を開発するという試みは行われており、その度に何らかの規制や圧力によってプロジェクトが中断されてきました。

上記のようなものに共通しているのは「中央集権的である」という点です。サーバーを置いて法人を設立して、誰かが社長になりサービスを運営するというのは、中央集権的であり責任の所在がはっきりしています。

この場合は、権利を握っているサービスの運営者や法人に対して、何らからの処置を行えば中央集権的な現在の通貨を脅かすことはありません。簡単に、プロジェクトを破壊する事が可能なのです。

一方のビットコインのような非中央集権的な仮想通貨においては、誰かに責任を取らせる・どこかに圧力を掛けるという事は行なえません。これこそが、非中央集権的な仮想通貨が現在まで利用されている理由なのです。

そのため、世界各国の政府の方針としても、抑えられないならある程度の範囲で規制を行うという方法しかありません。実際に、中国政府が規制を行っても、チャイナマネーというのは市場に残っていたという話が多いです。

Libraは中央集権的である

一方で、Libraはどうでしょうか?Libraはステーブルコインであり、Facebookが中心となってLibra協会があります。この点を考慮すると、ある程度権限が分散していると言っても、中央集権的であると言えます。

Libraのビジョンを実現するためには、やはり中央集権的な組織である必要性がある事は否めませんが、他の仮想通貨と比較した時に脆い存在である事も確かです。

Libraの方向性やビジョン自体は素晴らしいものではありますが、やはりどうしても中央集権的な組織というのは仮想通貨関連のプロジェクトにおいて、大きな弱みになっています。

Libraが規制されるこれだけの理由

先程、Libraに対する規制の現状、Libraの特徴などからLibraの弱点等について解説しました。これから、Libraが規制される理由というテーマで、Libraが特に規制される理由についてご紹介していきたいと思います。

仮想通貨は通貨なのか・資産なのか

日本では現在、仮想通貨というのは通貨ではなく、資産という位置づけになっています。つまり、資産の一つとして計上されますが、通貨として国に認められている訳ではありません。

国によって、仮想通貨に対する法的な解釈というのは異なってきますが、基本的には日本と同じような認識をされているケースが多いです。

Libraの意義

ビットコイン・イーサリアム・リップル等、ボラリティが高く通貨のように利用する事は出来ません。また、これらの仮想通貨には信用の担保となるような資産が設定されておらず、ステーブルコインのLibraとは少し立ち位置が異なっています。

Libraは、法定通貨(ドル、円、ユーロ、ポンド等)を予め価値の裏付けとして設定しておいて、価値を安定させる事を目的とした仮想通貨です。

ステーブルコインという形式をって、価値を安定させる事によって、銀行口座を持てないような人にLibraを決済手段の1つとして利用してもらおうというのが、Libraの大きな試みであり、挑戦になっています。

ただ、これでは法定通貨と用途が異ならないので、法定通貨を握っている各国の政府にとっては大きな脅威となります。国が通貨を握っていないと、金融政策・財政政策に大きな影響を及ぼす可能性があります。

経済的に見ても、政府の権限的に見ても通貨の覇権を奪われるかもしれないというのは、大きな脅威になりえるのです。

他のステーブルコインとの違い

しかし、ステーブルコインはこれまでも存在していました。代表的な存在は、USDTでしょう。これは、Tether社が開発したステーブルコインであり、USDTの価値は米ドルと連動しています。

ただ、主にUSDTの用途というのは、仮想通貨間のクッションとして利用される事が多く、仮想通貨の基軸通貨的な存在になっています。そのため、そもそもリアルの経済に影響を及ぼす可能性が低いです。

一方の、Libraはリアルの経済にも大きな影響を与える可能性を持っているため、通貨として大きく警戒されていると言えます。

Facebook自体の問題

仮想通貨の基本的な文化として、権限を1点に集中させてはいけないというものがあります。これはブロックチェーンを始めとした技術で、権限を分散させ持続可能であり、平等な経済を作ろうという思想が大きく出ていると言えるでしょう。

そのため、Libraも同じようにFacebook主導で行われたプロジェクトではありますが、Facebookだけに権限が集中しないように工夫はされています。

それがLibra協会であり、このLibra協会に入っているメンバーに権限が分散させるような仕組みになっているのです。しかし、やはりFacebookの名前というのは、大きくLibraの印象に繋がっている点は否めません。

Facebookはこれまで、いくつかSNS関連のサービスでプライバシー問題が起こしています。Facebookの信頼性が、アメリカを中心的に欧米全体で下がった事もあり、Facebookを利用しないという流れもありました。

Libraの場合は、金融に関するデータを何らかの形でFacebookが手にする可能性は否定出来ないので、警戒されているという側面もあります。

本質は覇権争い?

これまで、Libraが規制される理由について2点ご紹介しましたが、本質的に大きいのは「覇権争い」であると言われています。Libraと通貨という観点で、ドル支配と通貨の権限を持つという点について、考察していきたいと思います。

ドル支配と仮想通貨

世界には様々な通貨が存在しています。一つ一つの通貨が独立しているようにも感じますが、実質的には通貨同士は大きく繋がっており、通貨の覇権を握るというのは世界の経済をコントロール出来る事に繋がります。

強い通貨という観点で見た時に、日本円もその一つに入るでしょう。日本への信頼性は諸外国と比較しても高く、アメリカに不安材料が出た時に、円高になるという現象はよく発生します。

また、ユーロ・ポンド等も信頼性の高い通貨であると言え、世界経済に大きな影響力を持っています。ただ、ダントツで信頼性が高く、大きな影響力を持っているのは米ドルです。

米ドルというのは、世界経済の中心的な存在であり、ドル支配が依然と続いていると言えるでしょう。アメリカはこれまでドルの持っている支配力を上手く利用して、金融機関等に圧力を掛けて、経済制裁の一つとして利用してきました。

アメリカとの関係が悪くなると、米ドルが使えなくなるというのはよくあることです。ただ、基軸通貨になっている米ドルを使えないというのは、貿易・為替の観点から大きな損失になるので、アメリカのカードの一つして大きな存在感があります。

しかし、仮想通貨というのはそのドル支配から脱却できる一つの可能性であり、アメリカ政府からすると出来るだけ法定通貨と同じような用途でされるのは避けたいのです。

中国・EUが仮想通貨を出す?

ただ、ドル支配の脱出を目指して、EUや中国で中央銀行主体の仮想通貨を開発しようという動きが見られています。

実際に、中国はブロックチェーン技術に高い関心を持っており、キャッシュレス文化も進んでいるので、中央銀行主体で仮想通貨を出す可能性は非常に高いでしょう。

ブロックチェーンは匿名性が高く、ビットコインのような形であれば、国に影響されない通貨であり続ける事が出来ます。ただ、ブロックチェーンというのは、取引記録を全て残せるので、形を変えると政府が記録を持っておくことが出来ます。

中国というお国柄的にも、ブロックチェーンを利用した仮想通貨というのは、魅力が大きいのです。技術的には、容易に金融データと国民データを紐付けるブロックチェーンを開発する事は可能であり、監視強化にも利用できます。

また、銀行を通さないので、仮にアメリカ政府が経済制裁として金融機関に何らかの処置を加えたとしても、影響を受けない可能性が高く、政治的な面で大きなメリットがあります。

EUも同様に、アメリカ企業発信のLibraには大きな脅威を持っており、EU独自の中央銀行が発行する仮想通貨を開発しようという流れが出来ています。

Libra協会とLibraのこれから

ここまで規制される理由や、Libraの弱点を挙げてしまうと「Libraは終わってしまうのか?」と感じてしまう方も少なくないでしょう。なので、独自の観点からLibraのこれからについて解説していきたいと思います。

政府の圧力と脱退

Libraの大きな特徴として、Libra協会に現状の金融システムを支えているようなPaypal・VISA・MasterCardと言った決済業者が、メンバーとして居るという点がありました。

これによって、世界中に既に存在しているクレジットカード加盟店で、Libraを利用出来る可能性や、様々な相乗効果が期待されており、本当に仮想通貨が通過として利用されるかも?という期待があったのです。

しかし、これらの企業は既にLibra協会を脱退しました。様々な要因が挙げられますが、その1つにアメリカ政府の圧力があるでしょう。

上記したような企業に、アメリカの議員から「Libraのメンバーになり続けるなら、現状の事業に関連する監視を強化する」と言った旨の通知がされたというのが、既に発表されています。

既に参加しているような決済業者としては、Libraの影響で本業に影響が出てしまえば大きな損害になるので、出来るだけトラブルを避けるために脱退を行ったと言えるでしょう。これからも十分にこのような企業が出てくる可能性はあります。

Libra協会とLibraはどうなるのか

そもそも、現状の金融システムを支えている企業が、Libra協会に加入していたのは「現状の決済業者の脅威になるかもしれないので、取り敢えず加入しておこう」という側面が大きかったと言われています。

本業に影響が出てしまえば本末転倒になので、ある程度仕方ないと言えるでしょう。ただ、このままLibraが終了してまうのか?というのも、それも時期尚早です。

Libra協会は現在、スイス連邦金融市場監督機構で決済業者としてのライセンスを取得する方向性になっており、スイスを本部にして決済業者としての立ち位置を確保できる可能性があります。

もちろんまだ調整中との事なので、実際にライセンスを取得できるのか?については疑問点が残されていますが、そもそもグローバル企業のFacebookなので、スイスで拠点とし世界中に広めていく可能性があります。

まだまだ、課題が残っているLibraですが、大きな可能性を秘めているが故に、これだけ懸念が示されているのです。世界各国にとって脅威になっている分、それだけ可能性があるという事なので、これからも注目していく必要性があるのでしょう。

まとめ

Libraを規制している国とその流れ

  • G20では具体的な規制は発表されていない
  • 主にアメリカを中心的に規制の流れがある
  • Libraが中央集権的であるがゆえに、規制される

Libraが規制される理由

  • 現状の法定通貨に大きな影響を与える可能性がある
  • Facebook自体にも問題がある
  • 各国が仮想通貨開発に乗り出している

Libra協会について

  • 政府の圧力による脱退が相次ぐ
  • スイスで決済業者ライセンスを取れるかもしれない

今回は主に、Libraと規制というテーマで、様々な観点から解説しました。現状では、Libraに大きな懸念点が存在している事は事実で、Libraが規制される理由にもなっています。ただ、まだローンチもされておらず、ここまで注目を集めるのはLibraがそれだけ大きな可能性を持っている事にも繋がるでしょう。

senna
senna
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金融業界経験 4年 個人投資家 3年

個人投資家として「株式」「債権」「FX」「仮想通貨」などへの投資・投機を中心的に行っている。

資産運用はもちろん、ファイナンシャルプランナーの知識を活かしながら、税金やライフプランに関する情報発信を行っている。

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