Apple PayにクレジットカードやSuicaを登録する方法に使い方などを徹底解説

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2016年に日本での利用が解禁されたApple Payは、利用者が増え続けています。毎日の買い物をはじめ、お出かけの中で便利に使えることが魅力で、iPhoneユーザーにとって欠かせない機能と言えるでしょう。

しかし、便利さのある反面、クレジットカードの登録が面倒などの理由からApple Payを利用していないiPhoneユーザーも少なくないと思います。

そこで、今回はApple Payの基本的な知識に最新情報までを解説します。クレジットカードやSuicaを登録する方法、そのほかに具体的な使い方などもまとめてみました。

記事を最後までチェックして、Apple Payを導入する際の疑問はすべてクリアにしておきましょう。

Apple Payの仕組み

Apple PayはiPhoneユーザー向け電子決済サービスで、登録料無料などはかかりません。ICカードやアプリを利用した電子マネー、そのほかにも電子決済サービスは多くありますが、Apple Payはどんなサービスなのかが気になるところでしょう。

最初に、Apple Payの基本的なサービスについて解説していきます。

iPhoneを利用した決済サービス

Apple Payとは、iPhone7以降のiPhoneもしくはApple Watch Series 2以降のApple Watchで利用できるモバイル決済機能です。2016年に非接触型ICカードの技術方式・Felicaに対応となったことを機に使えるようになっています。

あらかじめ必要情報をApple Payに登録しておけば、iPhoneを専用の機械にかざせば決済は完了。財布などからカードを取り出さすなどの手間がかからず、ショッピングをしたり駅の改札を通過したりできます。

クレジットカードやSuicaを登録するための箱

Apple Payは広い意味でとらえれば電子マネーと呼んでも良いでしょう。しかし、WAONやnanacoのようなプリペイド式のおサイフケータイ、PayPayのようなQRコード式決済とは仕組みが多少異なります。

また、Apple Payは登録したクレジットカード決済は可能ですが、Apple Payにお金としての機能、ポイントサービスなどはありません。要するにApple Payは電子マネーではないということになります。

わかりやすい例を挙げれば、Apple Payはクレジットカードなどを収納する箱のようなものと考えると良いでしょう。そして、必要に応じて「箱=Apple Pay」からカードを取り出して使うとイメージしてみてください。

Apple Payに登録したクレジットカードはiDかQUICPayに紐付け

クレジットカードごとに割り当てされる独自の番号でどのように支払いをするのか、疑問に感じる方もいることでしょう。

Apple Payは登録する際に、すべてのクレジットカードをiDもしくはQUICPayのいずれかの電子マネーに紐付けます。つまり、Apple PayはiDかQUICPayを通して決済をおこなうため、カード番号は要らないのです。

また、iPhoneなどのデバイスにクレジットカードを登録した場合、そのカードに対応する電子マネーが自動的に紐付きますから、どのカードがiDかQUICPayかを自身で調べる必要がありません。

Apple PayにはSuicaカードも登録できる

Apple Payに対応する電子マネーで、外せないのがJR東日本の展開する交通系電子マネーの「Suica」です。

SuicaをApple Payに登録することで、iPhoneなどのデバイスで定期券として利用できるほか、デバイス上での入金(チャージ)や新幹線などのチケット購入が可能になります。また、JR東日本エリアだけでなく、全国の交通系ICマークのある鉄道にバス、店舗で利用できることも魅力です。

そして、登録するにあたり、Apple Payに登録したSuicaカードは無効になってしまい、それ以降は使えなくなってしまいます。

Apple Payが使える店舗は多い

Apple Payを使える店舗は、Apple Pay、iD、QUICPay、Suicaのマークが店頭にあればどこででも使えます。普段身近な存在のコンビニやドラッグストア、スーパー、飲食店、に家電量販店など、生活に欠かせない場所はほとんどカバーしていると思って大丈夫です。

また、直接お店に行かなくても、Apple Payを使えるかどうか確認できます。iPhoneのマップアプリを開いて検索ボックスに「Apple Pay」と入力。そうすると地図上に対応店舗が表示されるようになるので、旅行先や出張中などで出かけたはじめての土地などで使っても違和感がなくて便利です。

店舗だけでなく、Apple Payを使えるアプリやウェブもどんどん増えていますから、気になる方は最新情報を確認しておくのがスムーズです。

Apple Payの使い方①:クレジットカードの登録・設定方法

Apple Payに興味があって使ってみたいと思う方の中には、クレジットカードの登録ができるかどうかが心配と考えることもあるでしょう。

しかし、Apple Payは各種設定がとても簡単です。デジタルに疎い方でもクレジットカードの登録・設定はスムーズに進みますので、具体的な方法をチェックしておきましょう。

1.Apple Payに登録するクレジットカードの読み取る

Apple Payで利用するクレジットカードは、まずiPhoneなどのデバイスにあるWalletアプリに登録します。

まずWalletアプリを開き、「カードを追加」もしくは「+」をタップします。次に「クレジットカード」を選択し、追加したいクレジットカードをカメラで読み取ってください。

2.クレジットカードの登録情報を入力する

1の方法でカメラにて読み取るのは、クレジットカードのデザインではありません。記載されている登録情報です。カード番号や有効期限、名前などをカメラで正確に読みこんでみて、反応がない場合は手動で入力してください。

そして、カード表面の情報が読みこまれていたら、次に入力するのはカード裏面にある3桁のセキュリティコードだけです。

そこで必要な情報を入力すれば本人確認としてSMSなどに送られてくる認証コードを入力。それでクレジットカードの登録は完了します。

3.Apple Payでメイン利用したいクレジットカードを設定する

Apple Payでは、クレジットカードを12枚まで登録可能で(iPhone8およびApple Watch Series3以前の端末は8枚まで)、複数枚登録する場合は最初に登録したカードがメインカードとなります。

メインカードはApple Payを起動すると最初に表示され、優先的に決済がおこなわれるカードです。メインカードであれば、Walletアプリを起動した後に使うカードを選ぶ手間もなく、Touch IDやFace IDで認証すればApple Payが使えます。

また、このメインカードの変更もWalletアプリでできます。端末によって操作方法は異なるものの、iPhoneの場合はWalletアプリを開き、メインにしたいカードをドラッグ。一番手前になるようにすれば設定できます。

そのほかにも設定アプリからも変更可能で、「WalletとApple Pay」のメインカードをタップすれば完了します。

Apple Payの使い方②:Suicaの登録・設定方法

Suicaの登録もほかのクレジットカードと大きな違いはありません。ただし、クレジットカードとは違って、定期券の機能やチャージ機能があるので注意したいポイントがいくつかあります。

こちらでは、Suicaの登録方法と使い方を解説しましょう。

手元にあるSuicaを登録する方法

Suicaにはいくつかの種類があり、以下のいずれかを持っていれば、いつでもApple Payとして利用できます。

・無記名版のSuica
・大人用のMy Suica
・Suica定期券(通勤・大学)

SuicaだからJR東日本の窓口まで足をはこぶ必要はなく、iPhoneで気軽に登録できるのはうれしいところでしょう。

また、クレジットカードと同じように、Suicaの登録方法もシンプルでわかりやすいです。

1.Apple Payで使うSuicaの取り込む

Apple PayにSuicaを取り込むための手順はクレジットカードと基本的に同じと思って良いでしょう。

Walletアプリを開いたら「カードを追加」もしくは「+」をタップします。次に「Suica」を選択し、Suica IDの下4桁を入力してください。なお、My Suica、Suica定期券の場合は生年月日も必要になります。

最後にiPhoneの下にSuicaを置けば、カード情報が自動読み取りされて登録は完了です。

2.Suicaのエクスプレスを設定

Suicaを登録したApple Payを持って入れば、Suica対応エリアをはじめ、相互利用のできる交通系ICカードの対応エリアでも電車やバスなどの交通機関を利用可能です。

ただし、改札を通過するたびにTouch IDでアプリを起動するのは面倒に感じるのではないでしょうか。

そこで知っておくと便利なのがApple Payのエクスプレスカード設定で、エクスプレスカードならば改札を通過する際にWalletアプリの起動や認証などが不要です。要するに、登録したSuicaがエクスプレスカードであれば、iPhoneやAppleWatchをかざすだけで改札通過できます。

また、Apple Payは最初に登録されたSuicaがエクスプレスカードとして自動設定。複数枚のSuicaを登録した場合は、設定アプリの「WalletとApple Pay」にて、エクスプレスカードの変更ができます。

3.Apple PayのSuicaにチャージ

Suicaは現金のチャージができるのも魅力ですが、Apple Payに登録することでiPhoneなどのデバイス上からチャージがおこなえます。 

・iPhoneのWalletアプリに登録したクレジットカードで入金
・JR東日本が提供するSuicaアプリに登録したクレジットカードで入金
・Suicaアプリのオートチャージ機能を使う

上記の3つの方法があり、いずれもチャージの上限金額が2万円です。

ただし、Walletアプリではいくつか注意点もあります。

・一部のクレジットカードはSuicaチャージに対応しない
・Suicaアプリのオートチャージ機能はJR東日本のビューカードのみが対象

なお、コンビニやFeliCaに対応した券売機では、従来どおり現金でのチャージができます。

Apple PayにSuicaを登録するうえでの注意点

SuicaをApple Payに取り込んだ後はSuica IDの番号が変わります。そのため、それまで使っていたSuicaカードの利用はできません。

そこで、Felica非対応の券売機でチャージすることが多い方は、SuicaアプリをダウンロードしてSuicaを新規登録するなどし、Apple Payには別のSuicaを登録するのがおすすめでしょう。

また、JR東日本のポイントサービス(JRE POINT)などに利用している方は、新しい番号を登録する必要があります。そのほかにもSuicaカードでのオートチャージ設定はApple Payには引き継がれないので、オートチャージを利用していた方は再設定を忘れないようにしてください。

Suicaカードを購入する際にデポジットとして500円支払っていますが、そちらはデバイス内のSuicaに電子マネーとして返金されますので、何か手続きをする必要はありません。

Apple Payをお店で使うための手順

クレジットカードの登録が完了しても、Apple Payを利用してはじめて買い物をするときは「本当に使えるのだろうか」と不安になるかと思います。

しかし、それらの心配は不要で、Apple Payでの買い物はとても簡単です。こちらでは、Apple Payを店舗で使うときの手順を詳しく解説します。

決済手順を伝えてWalletアプリを起動

Apple Payで支払いたいときは、レジスタッフに決済手順を伝えてからiPhoneなどのデバイスのロックを解除してWalletアプリを起動する流れです。

このときに気をつけたいのが決済手順の伝え方で、「Apple Payで」で伝えるわけではありません。実際にApple Payで決済するのは登録済のカードに紐付けられた電子マネーとなるため、どの電子マネーで決済するかを伝えなくてはならないのです。

店舗には「iD」「QUICPay」、あるいは「Suica」で支払いたいと伝えるようにしましょう。カードごとに紐付けられた電子マネーがどれかわからない場合、Walletアプリでカード右下のマークを確認してください。

Apple Payの活用方法

毎日の買い物だけでなく、通勤に使うにも便利なApple Payは知っておくと便利な活用法がたくさんあります。

こちらでは、ぜひおさえておきたいApple Payの活用方法についてまとめてみました。

Apple Payでデビットカードを使う方法

デビットカードは、銀行口座の預金残高の範囲内で即時決済されるカードです。お金を使いすぎる心配がないことで人気のカードですが、こちらはApple Payへの登録ができません。

Apple Payに登録可能なデビットカード機能付きのカードも一部ありますが、あくまでもクレジットカードとしての登録になります。しかし、Apple Payでデビットカードを使う方法はなくはないのです。

それがSuicaを経由して使う方法で、SuicaアプリでApple Payに登録したSuicaの支払い先をデビットカードにすればApple Payでデビットカードが使えます。

Suica利用者のみが使える方法ですが、知っておいて損はないでしょう。

Apple Payで使うSuica定期券はアプリで購入・更新可能

定期券の購入や更新を行う際に、みどりの窓口や券売機に並ぶのは面倒と思う方もいるでしょう。しかし、Apple PayにSuicaを登録すれば、アプリを使って24時間いつでも都合の良いタイミングで定期券の購入や更新が可能です。

なお、Walletアプリは利用中の定期券の更新に対応していますし、Suicaアプリなら、定期券の更新だけでなく、新たな定期券の購入、区間変更などもできます。

手続き可能になるのは、使用開始日14日前からならいつでも大丈夫です。そして、WalletアプリではApple Payに登録したクレジットカード、SuicaアプリではApple PayもしくはSuicaアプリに登録したクレジットカードからの決済になります。

Apple Payにポンタを登録すればローソンの利用が便利になる

2018年11月から、Apple PayでPontaカードの登録が可能になりました。

そして、支払いの際にApple Payの決済と同時にPontaカードにポイントも付与されますので、「iPhoneで決済しつつ財布からPontaカードを出す」という流れはなくなります。

ただし、Pontaポイントの付与は、Walletアプリで「Pontaカードが求められる場所では、このパスが自動で選択されます」にチェックを入れておいてください。

また、お店での伝え方も重要で「iDで支払います」「QUICPayで支払います」などと伝えると決済のみがおこなわれてPontaポイントは付与されません。必ず「Apple Payで支払います」と伝えるようにしましょう。

Apple PayのPontaカードは全国のローソンで使用可能なので、ローソンをよく利用する方は登録することをおすすめします。

自動販売機でApple Payが使える場合も

登録するクレジットカードの種類によるものの、iD、QUICPay、Suicaの電子マネー対応可能のカードリーダーを備えた自動販売機ならばApple Payの支払いができます。

決済方法は自動販売機によって異なりますが、自動販売機のボタンを押して電子マネーを選ぶ、Walletアプリで使うカードを選ぶというように、カードリーダーにかざして決済する流れです。

Apple Payがあれば、小銭を持ち歩かなくてもスマートに自動販売機で飲み物が買えるというわけですね。

PASMOはApple Payに登録できない

現在、Apple Payに登録できる交通系ICカードはSuicaのみです。PASMOやICOCAなどは対象外なので注意してください。

相互利用のできる交通系ICカードは基本的に同じ技術を利用しています。そのため、同じデバイスやアプリ内で共存させるのが困難な理由とのこと。しかし、SuicaとPASMOで通勤や通学をしている方には、Apple PayにPASMOを搭載できないのは不便かと思います。

そこで、少しでも使い勝手を向上させたいのであれば、iPhoneケースにPASMOカードを収納するなどしてみてください。

電池切れした場合はApple Payは使えない?

iPhoneのバッテリー切れの場合、Apple Payが利用できるかどうかの不安は大きいかと思います。

実は、iPhone8までの機種はバッテリー切れでApple Payが使えなくなりました。電車に乗っているときにバッテリーが切れてしまったら、現金精算をしないことには改札を出られなくなります。

しかし、iPhone XS、XS Max、XR以降の機種では予備電力機能付きエクスプレスカードが標準搭載されています。そのため、バッテリーが急に切れても、予備電力で最大5時間はエクスプレスカードが機能するのです。

ただし、対象のSuicaをエクスプレスカードとして登録するのが必要なのと、バッテリーが切れたことを理由に主電源を切ると予備電力が働きません。

まとめ

Apple Payを使うことで、クレジットカードで財布が膨れることもありませんから買い物や電車に乗ることがスマートになるでしょう。また、設定方法も特に難しいこともありませんし、便利に利用できるポイントも多くあります。

まだ現金で支払うことが主流な日本ですが、これから先は電子マネーの利用がさらに広がるはずです。だからこそ、まずはApple Payに最初の1枚を登録し、快適な電子マネーライフの一歩を踏み出してください。

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