副業でライター業をして本当に稼げるのか?本業ライターが経験した副業ライターのリアル

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副業解禁の動きが本格的に始動し始めています。今年1月に厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を発表したほか、就業規則のモデルから副業禁止の項目を削除するなど、国策として副業容認を進めていくことが明確となりました。大企業や大手銀行でも副業を解禁する企業は着々と増えており、2018年は「副業元年」とまで言われています。

この動きを受けて、本格的に副業を始めることを視野に入れている人も増えたことでしょう。

 

そして、会社員の傍らで初心者でも手軽に始めやすい副業の1つといえば「ライター業」です。

ライターは、基礎的な日本語力とパソコンさえあれば、在宅で誰でも始められる仕事です。会社員の傍らで始める副業としては、確かにメリットの多い副業と言えます。

 

しかし、ここで心配になるのが「初心者でライターを初めて、本当に稼げるようになるのか?」という報酬面の不安です。なんとなく「Webライターって、すっごく報酬が安そう・・・」というイメージがある人も少なくないですよね。

副業が初めての人にとっては、どのくらいの時間をかければどのくらいの稼ぎが得られるのか見当もつかないでしょうが、そこが一番気になるところ。

 

そこで、本記事では実績ゼロからライターとして独立して生計を立ててきた筆者が、「初心者がライター業を始めたらどのくらい稼げるのか?」ということを、実体験を基にセキララにお伝えしていきます

「副業ライターにチャレンジしたい気持ちはあるけど、報酬面が不安でなかなか踏み出せない…」という方は必見の、リアルな情報をお届けいたします。

 

1.そもそも、素人でもライターになれるのか?

最初に結論をいってしまいますが、素人でもライターにはなれます

なぜなら、昨今のライター業界には、初心者でもライティング案件にありつけるとても便利なクラウドソーシングサイトというものがあるからです。

クラウドソーシングとは、オンライン上で不特定多数に向けて特定の業務を発注すること。簡単にいえば、「こんな案件を○円でやってほしいんだけど、やってくれる人―?」という依頼者に対し、受注者は「こういうスキルや経歴を持ってるので、私やります!」と手を挙げられるサービスです。

クラウドソーシングの二大巨頭と言えば、「クラウドワークス」と「ランサーズ」です

クラウドワークス

ランサーズ

こちらのサイトにも、数えきれないほどたくさんのライティング案件が掲載されており、その中には「初心者OK!」という見出しのついた案件もかなりの数あります。

試しに、「クラウドワークス」のライター案件を覗いてみましょう。

【初心者歓迎】という見出しがいくつか目に入りますね。他のページを見てみても、クラウドソーシング上のライター案件であれば、初心者でも始められるものは本当に数多くあります。よって、パソコンさえあればどなたでもライターになることは可能です。

 

「そうはいっても、本当に文章を書いた経験がなくて、自分の文章力が通用するのか自信がなくて不安過ぎるんですけど・・・!」

という方ももちろんいらっしゃるでしょう。

そういう方こそ、まずはクラウドソーシングで上記のような初心者向け案件をこなすことをオススメします。

なぜなら、これらの案件は記事制作マニュアルがめちゃくちゃ手厚いからです。

クラウドソーシングにあるライター案件のほとんどは、SEOのためのコンテンツ制作です。SEOに有利な記事を制作するために、どのようにキーワードを選定すればいいか、どう見出しをつけるか、タイトルを決めるか、構成をつくるか、これらが事細やかに説明されたマニュアルが準備されています。

そのため、「SEOって何ですか?」という超初心者さんでも、マニュアルに従ってライティングを進めていけば、SEO記事制作の基本が身に付くはずです。一からSEOやWebマーケティングの基礎知識を学べるところが、クラウドソーシングでライティング案件を受注する大きなメリットです。

というわけで、文章を書いたことのない超初心者でも、クラウドソーシングを活用すれば、ライターになることは可能です。まずはクラウドソーシングで基礎力を身に付けることをオススメします。

 

2.在宅ライターの収入の相場は?

この事実を知れば、「自分も副業ライターになれるかも!」という希望が湧いてきたのではないでしょうか。

ここからが本題です。初心者が副業でライターを始めたら、どのくらい稼げるようになるものなのでしょうか。次は報酬面について解説してきます。

 

先ほど、初心者にはクラウドソーシングがオススメとの話をしましたが、クラウドソーシングには独自の相場と報酬体制がありますので、まずはそちらから紹介しましょう。

 

クラウドソーシングの報酬相場

もちろん案件によってピンキリではありますが、多くのライティング案件は【一文字単価:0.1~1円】がおおまかな報酬相場です。注意してほしいのですが、クラウドソーシングでは文字単価1円のればかなり良い方です。かつ、単価1円以上の案件は、ある程度の経験や知識を必要とするものが多いです。報酬が高くなるほどに専門知識が必要なテクニカルライティングを求められます。

 

では、先ほど例にあげたような「初心者OK!」と書いてる案件は、どのくらいの相場でしょうか。おおまかな値にはなりますが・・・

【一文字単価:0.1~0.5円】

これが現実です。もちろんこれよりも単価のいい案件もありますが、条件のいい案件には当然応募が殺到しますので、結果的に経験者が優遇されます。本当に初心者である場合、上記の報酬から始めることを覚悟したほうがいいでしょう。

 

さらに、クラウドワークスやランサーズなどメジャーなソーシングサイトでは、「手数料」というものが発生します。サービス利用料や仲介料のようなものととらえてください。

この手数料が、報酬額の20%とられます。(依頼額が10万円以下の場合ですが、ライター案件でこの額超えることはまずないでしょう)

 

文字単価でいわれてもピンとこない方も多いと思いますので、私がクラウドワークスで初めてうけた案件を例に計算してみましょう。

そこそこの文章制作経験があった私でも、初案件は0.8円スタート。納品する記事の文字数は4000文字。単純計算すれば3,200円ですが、手数料が引かれて振込額は2,560円です。

それなりに調査の必要なライティングでしたので、リサーチや先方とのやりとりの時間も含めれば5時間以上かかりました。

5時間以上働いて、2,560円です。

 

もっと初心者の方であれば、0.3円スタートで文字数が2000文字程度、というボリュームの案件が多いです。この想定で計算すると、振込額は480円ですからね。ちなみに、文章制作経験があまりない人の場合は1時間で2000文字書ければいい方なので、時給480円以下と考えていいでしょう。

 

初心者がクラウドソーシングでライティング案件を受注する場合の現実をご理解いただけたでしょうか。

ただし、前述した通り、全く文章制作経験がない人には、クラウドソーシングで基礎力を身に付けることは本当にオススメです。私自身、振込額を見て悲しくなったのは事実ですが、クラウドソーシングで身に付けたSEOライティングによってその後の案件の幅が広がったのは事実です。

単価の安さは覚悟しつつ、レベルアップのために賢く活用してください。

 

 

直接契約する場合の報酬相場

それでは、クラウドソーシングを使わない場合、つまり依頼主と直接契約する場合の相場はどうでしょうか。

 

直接契約となると、当然ながらピンキリです。安ければ文字単価0.5円から、高ければ10円まで、一概には言い難いところです。

私の肌感覚ですが、サイト上でライター募集をかけているところの要項を見ると、

【一文字単価:1円スタート、能力や納品数に応じてインセンティブあり】

というところが多いです。

 

「初心者だとライターとして直接契約するのは無理なのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、実はそんなことはありません。初心者でも1円以上で委託してくれる企業は、探してみれば割とあります。ただし、多くの場合、テストライティングがあり、テストライティングの記事が良ければ採用してもらえる形です。実績のない初心者でも、そこそこの文章力や構成力があればOK、ということです。

 

また、当たり前のことですが、直接契約の場合はクラウドソーシングと違って手数料はとられません。文字単価1円で2000文字を1時間で書き上げたら、それがそのままライターの報酬になります。

ここが、クラウドソーシングと直接契約の大きな違いですね。

 

 

3.月5万円稼ごうと思ったら?

これらを加味して、例えばあなたが「副業ライターとして、月5万円稼ぎたい」と思った場合、一体どのくらいの作業量と時間が必要になるのでしょうか。

例え副業で何十万円も稼げるとしても、本業以外の時間を全て副業に費やすような生活になってしまうのは困りますよね。

そこで、「副業として月5万円稼ごうとしたときのプラン」を具体的に試算してみます。報酬額が異なってくるので、こちらもクラウドソーシング使用時と直接契約時で分けて解説します。

 

クラウドソーシングで5万円稼ぐプラン

初心者がクラウドソーシングを利用して、初心者OKのライティング案件で月5万円稼ぎたいときを想定して試算します。

まず、大手のクラウドソーシングでは報酬額から手数料20%が引かれるので、振込額で5万円稼ぎたければ、62,500円の売り上げが必要です。

 

初心者OKの案件の中から、比較的条件のいい「文字単価:0.5円」の案件を獲得できたとしましょう。文字数は2000~3000文字として想定します。この条件で62,500円稼ぐには、どのくらいの作業が必要でしょうか。

 

2000文字×0.5×月25本=25,000円

3000文字×0.5×月25本=37,500円

 

これで62,500円です。1時間で2000文字書けると仮定すると、毎月62.5時間必要になります。

しかし、記事制作にかかる時間は執筆だけではありません。調査や先方との連絡、ライティングルールの把握などの時間が必ず必要です。これら前準備の時間が記事1本につき30分かかるとすると(かなり少ない見積もりですよ)、25時間必要です。

執筆の時間と合わせて、月に87.5時間稼働すれば上記の量をこなせる計算です。

一週間に20時間ちょっと作業時間を確保すればいいので、平日の仕事終わりに3時間、休日に5~6時間やれば間に合います

なかなかハードですが、本業が残業の無い仕事であれば何とかこなせるスケジュールでしょうか。

 

直接契約で5万円稼ぐプラン

直接契約の相場から考えて、【文字単価1円スタート、文字数5000文字】の場合を想定します。

 

5000文字×10本=50000円

 

当然手数料はかかりませんから、10本書けば5万円達成です。

1時間で2000文字書くとすると、執筆時間は25時間必要です。文字数の多いライティングなので事前準備に1本1時間かかるとすると、準備も合わせて月35時間の稼働時間を確保すればいいことになります。

一週間に8時間ちょっと作業すればいいので、平日に1~2時間手をつけてもいいですし、休日にまとめて作業してもいいですね。

 

 

4.稼げるライターになるためには

ライターの報酬が文字単価次第ということがおわかりいただけたでしょうか。

「初心者でも、在宅でパソコン一台で稼げるようになる!」等の文句で語られることの多いライター業ですが、現実はそう甘くはありません。副業がメジャーになるにつれて副業ライターの数も増加していますが、多くの方が途中であきらめてしまいます。理由は、この単価の安さです。

 

そうなると、誰もが「クラウドソーシングはやめて、文字単価1円以上で直接契約したい」と思いますよね。副業としてやるのであれば本業ほどの時間はかけられませんから、なおさらコスパが重要です。文字単価をあげて、出来るだけ短い作業時間で効率よく報酬を得たいと考えるのは至極真っ当です。

最初こそクラウドソーシングでスキルをあげることがオススメですが、ある程度書くことになれたら直接契約の道を模索していきましょう。

 

何のツテも人脈もなく直接契約をするのはとても困難なように感じるかもしれませんが、先ほど少し触れたように、実績が少なくても契約してくれる企業はけっこうあるんです。

初心者でも直接契約する方法、クラウドソーシングからスキルアップして文字単価1円以上の案件を獲得する方法を少しご紹介します。

 

・Googleで検索する

「いやいや、そんな単純な!」と思うかもしれませんが、これが一番早いです。それなのに、意外とこれやる人はけっこう少なくて、逆に不思議に思います。

まずはGoogleで「ライター 募集」「コラム 募集」とかのキーワードで検索してみましょう。ライター募集ページにたどり着けますし、初心者でも応募できるものも多いです。そのかわり、大抵はテストライティングがあります。

Google検索で案件を探す際の注意点としては、すでに募集が終わっている案件や更新が長らく止まっているメディアのページが、未だに掲載されている場合が多々あります。現在でも応募が可能かどうか、更新が止まっているメディアではないか、よく確認してから応募してください。

 

・Indeedを活用する

斎藤工さんと泉里香さんのCMでおなじみのIndeedです。

Indeed

Indeedは業務委託の募集も数多く掲載されており、ライター案件も意外と豊富。在宅以外にもアルバイトでのライター募集も多いです。単価は1円未満のものも少なくありませんが、手数料がひかれないことを考えれば、クラウドソーシングよりもコスパはいいでしょう。

 

・専門知識を活かす

あなたが何か特定業界の専門知識を持っており、それを文章に出来るのであれば、間違いなく単価はあがります。本業の知識や経験を活かしてライティングをする、というのもありです。医療や金融の知識を必要とするライティング案件は常に高単価で募集がかけられています。あなたがこれら業界で働いているなら、間違いなく高単価案件にありつくことができるでしょう。

仕事のことでなくても、趣味で取り組んでいることやこれまでの経験がライティングに活かせる場合もあります。車やバイクが好きであれば関連のライティングができますし、転職経験を記事にすることもできます。最近だと、仮想通貨を買ったり所持している人であれば、仮想通貨の案件でかなり優遇されますね。

 

このように、自分のもっているライティング以外のスキルや経験を掛け合わせることが、ライターとしての付加価値になります。自分の持っているカードを冷静に見直し、ライティングに活かせないか考えてみてください。高単価のヒントがきっと隠れているはずです。

 

 

5.まとめ

私の経験から、ライターとして稼ぐ現実をお伝えしてきました。

初心者でも副業ライターとしてお金を稼ぐことは決して不可能なことではありません。ただし、以下のことを留意してください。

・クラウドソーシングを活用すれば初心者でもライターにはなれる。

・しかし、初心者がクラウドソーシングで月5万円稼ごうと思ったら、条件のいい仕事でも月90時間程度の稼働時間が必要になる。

・初心者でもライターとして直接契約することは、実はそんなに難しい事ではない。

・クラウドソーシングを活用してライティングに慣れつつ、諦めないで文字単価1円で直接契約できる会社を探そう。探せば割とある。

 

いつしか本業ライターになりたい、と思っている方なら修行と思って低単価のライティングをこなすことも出来るかもしれませんが、「副業で手軽に稼ぎたい」と考えている方は現実を見直してください。

ライター業は「手軽に始められる」副業ですが、「手軽に稼げる」副業ではありません。

稼ぎたい額と使える時間、そして何よりも思い描いている将来のライフスタイルと照らし合わせて検討してください。

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