下落相場でも利益を狙える!日経225先物取引の魅力とは

今年に入ってから株式市場は波乱の展開が続いています。日経平均株価は1月につけた年初来高値24129.34円から3月末までに20347.49円と4000円近く下落。現在は22000円前後まで回復したものの、米中貿易摩擦の激化が市場を揺さぶっています。

現物株式の場合、下落相場では株を持たないという選択しかありません。しかし、売りが可能な日経225先物では、相場が下落する局面でも利益を狙うことができます。また、トヨタやキャノンなど大型株を保有している投資家にとっては日経225先物を売ることによってヘッジ(損失を軽減させる)効果があります。

それでは日経225先物とはどんな商品なのかを説明していきます。

日経225先物取引とは

日経平均株価を原資産とした先物取引のことです。

先物取引とは

一般的に先物取引と聞いたら大豆や小豆などのまだ収穫されていない作物を取引する商品先物を想像する人が多いと思います。それらと同じように、株の世界でも価格の決まっていない未来を取引する先物取引があります。

①将来の予め定められた期日に

②特定の商品(日経平均株価など)を

③現時点で取り決めた価格

で売買することを約束する取引です。

日経平均株価とは

ここでは原資産となる日経平均株価について説明します。

日経平均株価とは東京証券取引所第一部に上場する約2000銘柄のうち225銘柄を対象にしていて、日本経済新聞社が知的財産権を保有し銘柄を選定しています。

トヨタやキャノン、ソフトバンクなど日本を代表する企業が多くあります。

構成銘柄は日本経済新聞のサイトで確認できます。

日経225先物取引のメリットとデメリット

日経225先物のメリット

少額の資金で大きな取引ができる。

証拠金取引なので少額の資金で取引ができ、レバレッジ効果により大きな利益を追求することができます。

売りから入ることができる。

相場が先行き下落すると予想されているときは売りから入り、予想通り相場が下落したところで買い戻せば利益を得ることができます。

ヘッジ取引として利用できる。

日経225先物は現物株を保有している投資家のヘッジ(リスク回避)としても利用することができます。日経平均株価採用銘柄ならもちろんのこと、東証1部の大型株を保有している投資家にとっても有効です。個別株は、個々の業績によって株価が決まるとはいえ、市場全体が下がる時にはやはり影響を受けてしまいます。そうした時に日経225先物を売り建てることで損失を軽減させるヘッジ効果があります。

日経225先物のデメリット

過剰なレバレッジによる損失

日経225先物は証拠金取引により30倍近くのレバレッジをかけて取引することができます。このため証拠金が小額でも大きな利益を得る可能性がある反面、大きな損失を被る可能性もあります。相場が急変動すると証拠金以上の損失を被ることがあるので、最低でもSPAN証拠金の2倍以上資金を入れておいた方がいいでしょう。

制限値幅とサーキットブレーカー制度(先物取引等の一時中断措置)

株式にストップ高やストップ安があるように日経225先物にも制限値幅があります。相場の急変動から投資家を保護するためです。日経225先物価格が値幅の限度となった場合はサーキットブレーカーが発動し、それに応じて段階的に値幅が拡大します。

日経225先物制限値幅

通常時8% 第1次拡大時12% 第2次拡大時16%


☆日経225先物価格が20,000円の場合、8%の1,600円でサーキットブレーカーが発動します。

サーキットブレーカーとは 

日経225先物価格が急変動した場合、投資家に冷静な投資判断の機会を設けることを目的として、金融商品取引所が発動する取引の一時中断措置のことです。日経225先物取引の直近限月取引について以下の条件に該当した場合、10分間取引が中断されます。

制限値幅の上限(下限)に買呼値(売呼値)が提示された場合(当該値段で取引が成立した場合も含む)

制限値幅の上限(下限)から一定幅を超える値段(日経225先物取引は通常時の制限値幅の10%)で1分間以上取引が成立しない場合

日経225先物は高い流動性があり売買が自由にできますが、相場急変動時にはサーキットブレーカーで取引できないリスクもあります。

日経225先物と株式との違い

取引できる期間が決まっている。

株式では、その企業が倒産しない限り株式を保有しておくことが可能です。これに対して、先物取引は取引の期日があります。日経225先物ではこれをSQ(Special Quotationの頭文字を取ったもので特別清算指数)と呼びます。日経225先物のSQは3.6.9.12月の第2金曜日と決まっていて、期限になれば自動的に決済されます。取引最終日はSQの前日までとなります。

銘柄選定が不要で倒産リスクがない

株式に投資した場合、その企業が倒産した場合のリスクも予め考慮しておく必要があります。しかし、日経225先物は株価指数を対象としているので、倒産リスクを避けることができます。また、テレビや新聞でも頻繁に目にするので価格水準の把握が容易です。

証拠金取引である

100万円の株式を買う場合、原則100万円の資金が必要となります。これに対して、先物取引は証拠金とよばれる担保を差し入れて取引を行います。日経225先物ではSPAN証拠金が採用されています。

SPAN証拠金とは・・・シカゴ・マーカンタイル取引所(Chicago Mercantile Exchange:CME)が開発したリスクベースの証拠金計算方法のことです。市場のボラティリティ(変動率)が高くなるほど証拠金が上がりやすくなる傾向があります。

2018年7月9日現在 日経225先物1枚あたりのSPAN証拠金は660,000円となっています。

詳しくは日本証券クリアリング機構に書いてあります。

取引コストが安い

日経225先物取引にかかるコストは手数料と消費税のみ。信用取引のような金利や貸株料は必要ありません。

流動性が高い

日経225先物取引の流動性は高く、買いたいときに買えない、売りたいときに売れないといったリスクは低くなります。

取引時間が長い

日経225先物の取引時間は日中立会が8:45~15:15 夜間立会が16:30~翌5:30と現物株に比べて長くなっています。特に夜間、NY市場など海外市場を見ながら取引できることは大きな魅力でしょう。

日経225先物の税金は

日経225先物取引で得た利益は、有価証券先物等に係る申告分離課税の対象となります。

2018年現在、所得税率15% 復興特別所得税0.315% 住民税率5%の合計20.315%の税金がかかります。

他の先物取引との損益通算が可能

日経225先物取引で生じた損益は、FX取引(店頭外国為替取引)、くりっく365(取引所FX)、商品先物取引などの差金等決済で発生した損益と通算して申告することができます。

損失の繰越控除が可能

日経225先物取引で生じた損失は、確定申告することにより、翌年以後3年間、先物取引等に係る雑所得等の金額から繰越控除できます。ただし、取引したか否かにかかわらず、毎年、確定申告を行う必要があります。

日経225先物の種類

日経225先物には「ラージ」と「ミニ」の2種類があります。この違いについて説明していきます。

日経225先物ラージとは

取引単位は日経平均株価の1,000倍

日経225先物ラージの取引単位は、日経平均株価を1,000倍した金額となります。例えば、日経平均株価が20,000円の場合、2,000万円ということになります。

呼値の単位は10円。1枚あたり1ティック(10円)動くと損益が10,000円動くことになります。

日経225先物ミニとは

日経225先物ミニとは、日経225先物ラージのミニサイズ(10分の1)の商品です。

取引単位は日経平均株価の100倍

日経225先物ミニの取引単位は、日経平均株価を100倍した金額となります。例えば、日経平均株価が20,000円の場合、200万円ということになります。

証拠金も10分の1

日経225ミニは日経225ラージの10分の1の証拠金で取引することができます。より少額の資金で日経平均株価を対象とする先物取引ができます。

日経225先物ミニの呼値の単位は5円。ラージの10円に比べて狭く取引しやすくなっています。

1枚あたり1ティック(5円)動くと損益が500円動くことになります。

例えば

日経225ラージを1枚20,000円で買って20,500円で売った場合の損益は

500円×1枚×1,000=500,000円の利益となります。

日経225ミニはラージの10分の1ですから、1枚あたり50,000円の利益となります。

日経225先物ラージを20,000円で1枚買った場合の損益は以下のようになります。(横軸は日経225先物価格)

一方、日経225先物ラージを20,000円で1枚売った場合の損益は以下のようになります。

日経225先物に影響を与える要因

値がさ株

日経225先物の原資産である日経平均株価は株価が高い銘柄(値がさ株)に影響を受けやすい指数です。特に9983ファーストリテイリング 9984ソフトバンク 6954ファナックには大きな影響を受けます。(数字は証券コード)

出典 日経平均プロフィル 2018年7月9日現在 

NYダウ 

NYダウは代表的な米国株式指数の1つです。NY証券取引所に上場している銘柄のうち30銘柄を選定して指標化したものです。世界一の経済大国であるアメリカの代表的な指数は世界中の株価に影響を与え、日経225先物にも大きな影響を与えています。NYダウ開始は夏時間は21:30(日本時間)、冬時間は22:30です。しかし、CMEのグローベックスでNYダウ先物がほぼ24時間取引されています。NYダウが上がれば日経平均株価も上がる傾向にあります。

ドル円

日経平均株価は値がさ株に影響を受けると書きましたが、実はハイテク産業や自動車産業といった輸出企業の割合も多いので、為替相場(特にドル円)に大きな影響を受けます。円安になれば日経平均株価は上昇し、円高になれば日経平均株価は下落する傾向にあります。

実際のトレードにおいては値がさ株やNYダウ先物・ドル円相場などを見ながらの取引になります。どの市場が先導して動いているのかをつかめれば、利益を上げるチャンスは大きくなります。

日経225先物の市場参加者を知る

どのような投資家が日経225先物を取引しているのでしょうか。

まず、最大の投資家は海外投資家です。現物株でも売買代金の6割を占めていて、日経225先物ラージでも70~80%を占めています。そして、個人投資家は10%前後、証券会社の自己売買部門が7%前後となっています。日経225先物ミニでは海外投資家の比率は変わらないものの、個人投資家の割合は18%前後と高くなっています。

「日経平均株価が上下に500円近く動く日は背後に海外勢がいる」といわれます。やはり最大の投資主体である海外投資家の動向には注意が必要です。

毎週木曜午後3時に日本取引所グループが発表する「投資部門別売買状況」は、海外投資家の動向に加え、国内金融機関や個人の前週売買状況を示しています。他の投資家がどのような売買を行ったのかをチェックすることは、時に相場動向を見通す手掛かりとなります。

詳しくは日本取引所グループの投資部門別取引状況で確認できます。

日経225先物 その他の市場

大阪取引所で取引できる日経225先物は、日本を代表する株価指数だけに世界の他市場にも上場されています。

CME日経225先物

CME(シカゴマーカンタイル取引所)では、金や原油、その他の作物の先物が取引されています。そのような商品以外にも日経225先物など指数先物が取引されています。大阪取引所の日経225先物は取引時間が大幅に伸びたものの、CMEではほぼ24時間に近い形で取引されています。また、日本が祝日でも取引されているのでチェックが必要です。

SGX日経225先物

SGXはシンガポール取引所のことです。現物株式市場と派生証券市場の統合をおこなった取引所で、アジア各国の金融先物およびオプションが多数上場されています。

日経225先物 初心者におすすめの取引

Man
日経225先物にはラージとミニがあることはわかりました。では、どちらを取引すればいいのでしょうか。
Expert
初心者の方はまず日経225ミニから取引を開始することをお勧めします。それは日経225ミニが日経225ラージに比べて必要な資金(証拠金)が10分の1で済むからです。2018年7月9日現在のSPAN証拠金は1枚あたり日経225ラージが660,000円、日経225ミニが66,000円となっています。まずは日経225ミニで取引を開始して取引枚数が増えたら日経225ラージに移行するのがいいでしょう。また呼値も半分です。日経225ラージは10円、日経225ミニは5円ですので売買しやすくなっています。

日経225先物に向いているトレード手法とは

短期投資

日経225先物は取引できる期限が決まっていると先ほど説明しました。日経225先物ラージの決済日(SQ)は3,6,9,12の第2金曜日。そして、日経225先物ミニは直近の限月は一ヶ月単位で取引できます。ただし、出来高が多いのはやはり日経225先物ラージに合わせた3,6,9,12月なので、その中から選べばいいでしょう。

そして、決済期限が決まっていることやレバレッジ取引であることから、比較的短期での取引が向いています。1日で取引を終了させるデイトレードや、数日~数週間ポジションを持つスウィングトレードがいいでしょう。一度買って半年~数年持ち越すという長期投資は不向きです。

夜間取引を利用する

現物株は9時から15時までしか取引できませんが、日経225先物なら夜間(16時30分から翌5時30分)も取引することができます。特にNY市場がオープンする時間帯はよく動くので収益チャンスがあります。日中、仕事をしている方も夜間に取引することができます。

まとめ

日経225先物は

  1. 売りから入ることができる
  2. 少額の資金で大きな取引ができる
  3. 現物株に比べて流動性が高く取引時間も長い

など多くの魅力があります。

相場には上げ相場もあれば下げ相場もあります。下げ相場でも利益が狙える日経225先物を投資対象に加えると、新たなトレードスタイルを見つけることができます。また、現物株を持っている投資家にとってはヘッジ効果が期待できます。是非1度検討してみてはいかがでしょうか。

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一橋大学経済学部卒業。証券会社でマーケットアナリスト、デリバティブディーラーを経て、個人投資家に転身。投資歴は20年以上。現在は、日経225先物を中心に現物株・FX・CFDなど幅広い商品に投資しています。保有資格:証券外務員1種

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