台湾の決済アプリ「JKO PAY/ジコペイ」は店舗で導入すべき?日本で導入・利用方法、特徴などを解説!

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訪日外国人の増加に伴う多額の消費から、外国人観光客を狙うお店も増えているようです。外国人観光客を集客する方法として、各国に対応できるスマホ決済の導入が急がれています

日本でも徐々に利用が進んでいるスマホ決済は、今後は世界的な規模で普及拡大が進むと予測されており、今もっとも注目されている支払い方法です。

中国のアリペイ・ウィーチャットペイ、韓国のカカオペイ、そして台湾はJKO PAY/ジコペイ。

台湾は訪日外国人の内訳では第3位にランクインしており、中国、韓国と合わせて、台湾のスマホ決済も導入すべきか気になる経営者も多いでしょう。

今回は、スマホ決済のメリットや現時点での利用状況などを解説しながら、台湾の人気の決済アプリ「JKO PAY/ジコペイ」について解説していきます。

訪日外国人で台湾を狙う?

今日、増え続ける訪日外国人の存在が売り上げを左右するお店も少なくありません。より効果的な集客を検討する経営者が増えているようです。

どこの国の観光客が多いかは、店舗ごとに若干差があるかもしれませんが、一般的に中国の決済サービスの導入は必須だといわれています。次に検討されているのが韓国、そして台湾と続きます。

ではここで、まずは訪日外国人の国籍別の比率を確認しておきましょう。

訪日外国人で台湾は3位!

2018年度の訪日外国人の数は概ね3,119万人でした。その内訳を国籍別に見ると・・・

※訪日外国人の国籍別の内訳

1位:中国→約838万人

2位:韓国→約753万人

3位:台湾→約475万人

以上のように、中国・韓国が先導しながらも台湾からの観光客は約475万人と見過ごすことのできない数です。台湾に続いて、香港、米国、シンガポールとなっています。

これは、あくまでも過去の統計ですから、今後は台湾からの観光客が激増しない可能性はないとはいえません。以下のグラフは、1990年以降の国別の観光客数の推移を表したものです。

※年別・国ごとの観光客数の推移

グラフを見るとわかるように、中国・韓国・台湾の3国はほぼ似たような動きで2011年と2012年辺りを起点に一気に数が急増しています。

2012年から2014年の2年間は台湾の方が中国よりも観光客が多い時期もあるようです。従って、中国や韓国と同様に、台湾の観光客に対応できるスマホ決済も検討していく必要があります。

しかしここで、日本では現金が好まれる傾向にあるため、なぜスマホ決済の導入がそんなに集客に影響するのかと疑問に思う方もいるかもしれません。

なぜスマホ決済の導入が集客につながるのか、外国人観光客がスマホ決済を利用できるメリットに触れておきたいと思います。

スマホ決済が集客につながる理由

両替の必要がない

外国からの旅行者にとって、スマホ決済が便利な理由とは、わざわざ両替する必要がないという点がまず挙げられます。(店舗もつり銭を渡す必要がなくなります)

海外旅行の経験がある方はご存知のように、自国の通貨は他国では使用できません。海外に滞在する期間は、ある程度の現金を常に両替しておかねばなりません。土地勘がない地域にて、銀行や両替所を探すのも大変です。

カードや現金を持ち歩く必要がない

また、治安のいい日本で暮らす私達にはイメージしづらいことでもありますが、海外では盗難の確率が高い国も多く、できればカードや現金は持ち歩きたくないと思う傾向にあります。

スマホ決済であれば、アプリの中に銀行口座やクレジットカードの情報が保存されているため、カードや現金を持ち歩く必要がありません。

仮にスマホを落としたとしても、即座にアプリを停止すれば使えませんし、ロックをかけておけば容易に情報を盗むことはできませんので安心なのです。

情報の検索が可能

さらに、それぞれの決済アプリでは海外の情報を調べることが可能です。飲食店、ショッピング、各種イベント、観光地、お土産屋さんなど、慣れない土地でもその決済アプリが利用できるお店を探すことができるのです。

両替するのが面倒なこともあり、近場に利用できるお店があればそのお店を選んでしまうでしょう。

言葉がわからなくても会計できる

そして、これは店舗側のメリットともなるのですが、アプリ画面にてやり取りをしますので、言葉がわからなくとも簡単に会計することができるのです。

店舗側も、アプリの画面には日本円で表示されますので、金額を確認するだけで済むのです。

以上のようなメリットがあることから、海外のスマホ決済を導入することによって、集客や販促効果を期待することができるのです。

とくに中国の場合は、スマホ決済の普及がかなり進んでいるため、AlipayやWechatpayを導入する店舗が続出中です。

※Alipayの導入に関する記事は以下からご覧になれます。

台湾のスマホ決済の現状

日本では、政府のポイント還元制度が開始されたため、キャッシュレス決済やスマホ決済がにわかに盛り上がってきています。PayPayやLINE Payなど各社の争奪戦も激しく、よりお得なキャンペーンで競い合っている状態です。

今後、日本ではこれから政府の消費者還元制度からもスマホ決済の普及が進むと見られています。世界的な規模でスマホ決済の普及の状況はどうなっているのでしょうか。

各国のスマホ決済の普及率

スマホ決済の利用比率は、各国で差があります。各国のスマホ決済の利用比率を参考に見ておきましょう。

米国のモバイルマーケティングメディア「eMarketer」の調査によると、2018年10月時点において普及比率が高いトップ10位の国は以下のようになります。

※世界のスマホ決済利用率ランキング

出典:eMarketer

1位:中国81.4%

2位:デンマーク40.9%

3位:韓国36.7%

中国では圧倒的に比率でスマホ決済が利用されており、2位のデンマークは約半分の40%にとどまっています。韓国、スウェーデンでは36%。続いて、インド、米国、カナダ、ノルウェイ、そして日本は9位にランクインしています。

台湾のスマホ決済の利用比率

2018年の時点では台湾のスマホ決済の利用比率は20%以下と、まだ普及がそれほど進んでいない状態です。

ただ、2019年に入ってからは国を問わずスマホ決済の普及の速度には目を見張るものがあり、多くの事業者による他国との提携やサービス連帯などが相次いでいます。

果たして、2,3カ月後にはどうなっているのか、想像を絶するものがあり現時点でのデータだけでは判断できないといえます。今後は日本や台湾も含めて、今後はスマホ決済のユーザーが増えていくことが予想されています。

とくに台湾の場合は、政府が2025年までにスマホ決済90%を目指しており、国内のレシートの電子化を義務づけることになったため、スマホ決済のニーズが高くなるでしょう。

※もともとの国民性や地域性、習慣、ユーザー層などから、根強い現金派やクレジットカード派の存在があることも考慮しておく必要があるでしょう。

JKO PAY(ジコペイ)とは

出典:Jkos.com

台湾はまだ現時点では、スマホ決済の利用比率は低いのですが、今後の普及拡大を見込んで今から検討しておくことで、いざという時に導入に戸惑うこともありませんよね。

台湾で人気があるのは「JKO PAY/ジコペイ」と呼ばれるスマホ決済サービスです。

台湾語(繁体字中国語/北京語)では「街口支付/ジエコウジーフー」といいます。

JOK PAYは台湾最大級のスマホ決済で、「Jkos Network (街口網路)」という台湾のIT企業のグループ会社が運営しています。

JKO PAYの特徴

台湾の企業の情報を、一般の私達が見聞きする機会はほとんどありません。まずは、このJkos Networkがどんな企業なのか確認しておきましょう。

Jkos Network

Jkos Networkは台北の輸出・輸入の流通システムやオンラインショッピングをITネットワークサービスにてサポートしている会社です。

主に食品関連を中心に取り扱っており、中国との取引が大半を占めています。

アプリ開発なども行っており、店舗営業用の管理アプリ「街口店家管理」、SNSサイト「Jello」を台湾人を対象に提供しています。このアプリ開発の1つとして、新しく提供が始まったのが決済サービスの「JKO PAY」になるのです。

JKO PAYはQRコード決済

出典:jkopay.com

JKO PAYは、日本のPayPayやLINEPayのようにスマホでQRコードを使って決済します。

QRコード決済は、

  1. お店がQRコードを提示して、お客さんがスマホで読み取る
  2. お客さんがバーコードを提示して、お店が読み取る

と2つの方法にて会計を済ませることができます。

お店がQRコードを提示するのは、すでにご存じの方も多いかもしれませんが、ステッカーやミニスタンドなどで提示できますので、特に設備や器機を用意する必要がないというメリットがあります。

出典:mirrormedia

上記の写真のように、屋台や露店のお店でもQRコードを提示しておくだけで、お客さんのスマホで会計を行うことができますから便利なのです。

こちらは、お店の入り口ショーウィンドウにQRコードを張付けてあるケースです。

台湾は巨大な市場ではないけれど・・・

JKO PAYのディレクター Hu Yijiaは、台湾は巨大な市場ではないけれどスマホ決済の取引回数は2015年から2017年にかけての2年間で19,000から3,000,000へと急激に増えてきていると、ニュースメディアで述べています。

現在、台湾のトータルの市場取引額は約104兆円(7trillion yuan)。そのうちの約半分はクレジットカードでの支払いとのこと。つまり現金を扱わないケースがそれなりに多いことから、台湾にてスマホ決済が普及するのも難しいことではない、とHu YijinはJKO PAYの展望を熱く語っています。

参照:mirror media /JKO PAY/To Aim 7trillion yuan
https://www.mirrormedia.mg/story/20180321bus010/

台湾ではLINEPayが使えるけれど・・・

余談ではありますが、実は台湾ではLINEPayが使えるのです。ですから、台湾の観光客でもLINEPayを利用している人もいるのです。

台湾でのシェア率は、フィンテックマーケティングのkapron ASIAの報告によると、2018年度にはスマホ決済の約25%がLINEPay、JKO PAYは10%程度でした。後の残りは各種ローカルの決済サービスがシェアしています。

しかし、2019年に入ってからはJKO PAYが20%と約2倍に拡大。そしてLINEPayは22%に減少しています。使い勝手のよい台湾のスマホ決済JKO PAYの取引額は大幅にLINEPayを超えており、今後はJKO PAYが台湾の主流の決済サービスになるだろうといわれています。

参照:kapron ASIA/ JKO PAY surges in island’s mobile payment
https://www.kapronasia.com/asia-payments-research-category/taiwan-s-homegrown-jkopay-surges-in-island-s-mobile-payments-market.html

JKO PAYと日本企業

出典:jkopay.com

これからのスマホ決済の普及拡大が見込まれている台湾に、今のうちに先手を打っておこうと、すでに目をつけている日本企業も少なくありません。

というのも、やはり台湾からの観光客が訪日外国人ランキングでも3位であることが注目されているからです。

台湾のスマホ決済JKOPAYと業務提携している日本企業をいくつか参考に見ていきましょう。

Origami Pay

Origami Payは国内ではスマホが普及し始める以前から、オンラインでの決済事業を開始していた企業の1つです。企業間のお金のやり取りをメインにスタートし、現在はPayPayやLINE Pay同様にスマホ決済の規模を拡大しています。

海外でもOrigami Pay決済の進出を狙っており、2018年9月に中国のクレジットカード会社Union Pay(銀聯)と台湾のJKO PAYとの業務提携を発表しました。

提携によって世界24か国、750万をこえる店舗にて、Origami Payの実施を目指しています。

日本ではOrigami Payを導入することで、台湾からのJKO PAYユーザーが自動的に決済することが可能になります。

※Origami Payの決済サービス情報はこちらから

日本美食

インバンド観光客を対象にした飲食・旅行関連のメディア事業を行う日本美食も、2018年にJKO PAYと業務提携しました。

日本美食では、広告、予約、購入、決済、Wi-Fiなどのオンラインサービスを提供しておりインバウンド対策を推進しています。そのサービスの1つに、キャッシュレス決済サービスがあります。

日本美食が提供する決済サービスは、Alipay、Wechat Pay、Union Pay、PayPay、LINEPay、JKOPay、VISA、Mastercardなどと多岐に渡り、全部で15種類の決済サービスが同時に使える「Take me Pay」と呼ばれるマルチ決済です。

台湾人が日本で便利に楽しめるだけでなく、台湾に渡航した日本人も便利に決済ができるようになります。

※日本美食の決済サービス情報はこちらから

その他にも、NIPPON Platform 株式会社やremise(ルミーズ)などの決済事業者が業務提携を開始しており、今後さらなる展開が期待されています。

日本でJKO PAYを導入する方法

出典:jkopay.com

国内でも、一般的な動きに先駆けてJKO PAYを導入する動きが見られていますが、JKO PAYを取り扱う業者はまだ少ないのが現状です。

では、実際にJKO PAYを店舗で導入するにはどうすればいいのでしょうか。最後にJKO PAYを日本の店舗で導入する方法をご紹介します。

決済事業者や代理店を探す

日本でJKO PAyを導入する場合は大きく2つの方法があります。

  1. JKO PAYと提携している決済アプリを導入する
  2. JKO PAYの加盟店への申し込みをする

JKO PAYと提携している決済アプリ

JKO PAYと提携している決済アプリとは、先程ご紹介したようなOrigami Pay、日本美食などの決済サービスのことです。

スマホ決済のブランドを自社でも開発して、その決済アプリと海外の決済アプリが提携しているケースですね。自動的に両者の決済が可能となるパターンで、JKO PAYの加盟店にならなくとも店舗は提携先の決済サービスが使えるようになります。

JKO PAYの場合は、まだ国内で取り扱う業者が少ないため、現時点では何かの決済サービスに付随して使えるようになる、というパターンが多くなってしまいます。

JKO PAY加盟店の受付をしている代理店

そして、もう1つの導入方法とは、JKO PAYの加盟店の受付をしている代理店を探す方法です。

この場合だと、台湾のJKO PAYそのものの加盟店になることができますので、台湾人が普段利用しているJKO PAYサイトへのアクセスも可能となりますし、加盟店として情報をリストアップすることも可能になります。

つまり、お店の宣伝を加盟店として直接台湾人にアピールできるかどうかが、2つの導入方法の大きな違いになりますので導入する際には確認することが大切です。

JKO PAYを取り扱う直営の代理店を探すのは、現時点では難しいのが現状で、しばらくは国内での進展を待つ必要があります。なぜなら、台湾でも今普及を推進している段階ですから状況は時期によって変わっていくといえます。

ローカルの決済事業者などで取り扱いがないか調べてみると意外にも見つけられるかもしれません。

※ちなみに、インバウンド対策としてAlipayの導入もご検討されている方はこちらの記事を参考にして下さい。

まとめ

訪日外国人による消費額は2018年度には4兆円を軽く超える数字を計上しており、もはや個々の店舗の売り上げに関与するだけでなく、国の財政を左右する程の規模に拡大してきています。今後は国の政策としても主要事業として、観光分野を確立させていく方針です。

国際的な観光国として、今後ますます訪日外国人が増え続けるのであれば、多くの店舗にとって今回ご紹介したようなスマホ決済の導入が必要不可欠となってきます。

もちろん、台湾の決済スマホの導入も視野に入れておくことが大切ですが、まずは中国の決済サービスを万全にしておくことが先決だといえるでしょう。中国ではすでにスマホユーザーの80%以上がスマホ決利用しています。

しかも中国は近年、著しい経済成長を経ており、中国が日本で消費する金額は訪日外国人全体の3分の1以上を占めており、それは本当に莫大な消費です。

台湾のスマホ決済を視野に入れつつも、インバウンド対策の最初のステップとして、中国のスマホ決済がついでに利用できるではなく、直接の加盟店として使いこなせるようになるのが理想です。

そうすることで現地サイトへのアクセスが可能となり、もしかしたら、まとめて多数の決済ができることよりも成功への近道かもしれないのです。

※中国の決済アプリ、AlipayやWecaht Payがインバウント対策では必須であることを以下の記事で解説しています。ぜひ、参考にして下さい。

※以下の代理店では、AlipayとWechat Payの加盟店のお申込みが可能です。初期費用等は一切かからず、同時に中国の2大決済サービスを導入することができます。ぜひ詳しい情報をご覧ください。

 

 

 

 

 

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