国からお金は借りられる?国からお金を借りる方法を徹底解説!

生活のためにお金を借りたい人や、子供にかかる教育資金を借りたい人は数多くいると思います。また、事業を行っている個人や中小企業が、運転資金などの事業資金を借りたい時などもあるでしょう。

このような場合に大抵の人や企業は、銀行などの民間の金融機関からお金を借りようとするかもしれません。しかし、民間の金融機関での審査が通過しなかったり、通過しても金利が高かったりする場合もあります。

資金の借り入れで困った場合には、国からお金を借りる方法もあります。国は資金の調達に困った人や企業のために、低利や無利子で貸し付けを行っています。

今回は国からお金を借りるにはどのような方法があって、どのようにすれば借り入れできるのかについて詳しく解説していきます。

国からお金を借りる方法は?

会社が倒産してしまったり、会社を辞めざるを得なくなってしまった場合に、生活するのに困ってしまうこともあるかもしれません。その場合は無職だったり、働きたくても働くことができないため、民間の金融機関から生活資金を借りることは難しくなります。

このような時のために、国は低所得者世帯、障害者世帯、高齢者世帯に対する貸付制度である生活福祉資金貸付制度を行っています。また、国の機関である日本政策金融公庫では、教育資金を低利で貸付する国の教育ローンや個人企業や中小企業向けに事業者向けローンを行っています。

他にも、母子家庭の母または父子家庭の父に対する母子父子福祉資金や、配偶者のいない女性などに対する女性福祉資金や、年金を担保に借り入れをする年金担保融資制度などを行っています。

生活福祉資金貸付制度とはどういう制度

生活福祉資金貸付制度とは、低所得者世帯と障害者世帯と高齢者世帯に対する国の貸付制度です。管轄は厚生労働省で、各都道府県の都道府県社会福祉協議会が実施主体となっています。

生活福祉資金貸付制度の対象

生活福祉資金貸付制度を利用できる対象は、低所得者世帯や障害者世帯や高齢者世帯の世帯単位が基準です。以下の条件を満たした世帯が対象になります。

低所得者世帯

自治体によって基準が異なりますが市町村民税非課税程度の低所得者世帯(各自治体の社会福祉協議会によって市町村民税非課税程度の基準が曖昧)

障害者世帯

身体障害者手帳や療育手帳や精神障害者保健福祉手帳などを所有している人が属する世帯

高齢者世帯

65歳以上である高齢者が属している世帯

一方、生活福祉資金貸付制度を利用できない世帯は以下になります。

  • 低所得者世帯、障害者世帯、高齢者世帯の利用条件を満たしていない世帯

上記のいずれかを満たしていない場合は利用できません。

  • 生活保護や失業保険を利用している世帯

自治体や状況によって異なりますが、生活保護失業保険を利用している世帯は借り入れできません。

他の貸付制度を利用できる世帯

生活福祉資金貸付制度の位置づけとしては、生活保護に近い世帯に対する貸付制度です。そのため、貸し付けというよりも支援の形に近く、他の給付や金融機関からの貸付などを利用できる世帯は借りられません。

多重債務者

生活福祉資金貸付制度は返済が必要な制度のため、返済能力があることが大前提です。そのため、他にも返済が必要な債務がある多重債務者は利用できない可能性が高いです。

住居がない人

住居が確保てみきていない世帯は、生活福祉資金貸付制度は利用できません。生活困窮者自立支援法に基づく住宅確保給付金という制度を利用して住居を確保してから、申し込むと良いでしょう。

収入がない世帯

生活福祉資金貸付制度は返済が必要な貸付制度のため、返済能力がないと利用できない可能性が高くなります。

生活福祉資金貸付制度の種類

生活福祉資金貸付制度の種類は、総合支援資金、福祉資金、教育支援資金、不動産担保型生活資金の4種類です。以下ではそれぞれ一つ一つについて詳しく解説していきます。

総合支援資金

総合支援資金とは、失業などで生活に困っている人に対する貸付制度です。社会福祉協議会やハローワークなどから支援を受けながら、経済的な自立や生活の立て直しができるるようになることを目的としています。

総合支援資金の種類は、生活支援費、住宅入居費、一時生活再建費の3種類になります。

生活支援費

生活の再建に必要な費用のための貸し付けです。詳細は以下になります。

  • 貸付限度額:単身の場合は月15万円以内、二人以上の場合は月20万円以内
  • 貸付期間:原則3ヵ月間(最長12ヵ月間)
  • 据置期間:最終貸付日から6ヵ月以内
  • 償還期限:据置期間経過後10年以内
  • 貸付利子:保証人有りの場合は無利子、保証人なしの場合は年1.5%
  • 保証人:原則必要(ただし保証人なしでも借入可能)
住宅入居費

敷金や礼金など、住宅の賃貸契約の締結に必要な費用のための貸し付けです。詳細は以下になります。

  • 貸付限度額:40万円以内
  • 据置期間:貸付日から6ヵ月以内(生活支援費と併せて借り入れしている場合は、生活支援費の最終貸付日から6ヵ月以内)
  • 償還期限:据置期間経過後10年以内
  • 貸付利子:保証人有りの場合は無利子、保証人なしの場合は年1.5%
  • 保証人:原則必要(ただし保証人なしでも借入可能)
一時生活再建費

以下の生活再建に必要な費用の貸し付けです。

  • 生活再建のための費用が日常生活費で賄うことが困難で一時的に必要な場合
  • 就職や転職を前提とした技能習得に関する経費
  • 公共料金など滞納している場合に必要な立て替え費用
  • 債務整理をするために必要な経費

詳細は以下になります。

  • 貸付限度額:60万円以内
  • 据置期間:貸付日から6ヵ月以内(生活支援費と併せて借り入れしている場合は、生活支援費の最終貸付日から6ヵ月以内)
  • 償還期限:据置期間経過後10年以内
  • 貸付利子:保証人有りの場合は無利子、保証人なしの場合は年1.5%
  • 保証人:原則必要(ただし保証人なしでも借入可能)

福祉資金

福祉資金とは、低所得者世帯、障害者世帯、高齢者世帯に対して生活の安定経済的自立を図るため福祉に関する資金の支援などを行います。福祉資金の種類は、福祉費と緊急小口資金の2種類があります。

福祉費
  • 生業を営むことに必要な経費
  • 技能習得のために必要な経費や技能取得期間中の生計維持のために必要な経費
  • 住宅の増改築や補修や公営住宅の譲り受けなどに必要な経費
  • 福祉用具の購入などに必要な経費
  • 障害者用自動車の購入に必要な経費
  • 中国残留邦人に係る国民年金保険料の追納に必要な経費
  • 負傷や疾病の療養に必要な経費、または療養期間中の生計維持に必要な経費
  • 介護サービスや障害者サービスなどを受けるために必要な経費、またはその期間中の生計維持に必要な経費
  • 災害を受けたことにより臨時に必要になる経費
  • 冠婚葬祭に関して必要な経費
  • 住居の移転や給排水設備などの設置に必要な経費
  • 就職や技能習得などの支度に必要な経費
  • 日常生活をする上で一時的に必要な経費
緊急小口資金

緊急な場合や、一時的に生計の維持が難しくとなった場合に少額の費用の貸付を行います。

教育支援資金

他の生活福祉資金貸付制度と同様に生活の安定や経済的自立を図るため、進学や修学の継続を支援するための制度です。

教育支援費

低所得世帯に対し、高等学校や大学や高等専門学校に修学するために必要な経費の貸付を行います。

就学支度費

低所得世帯に属している人が、高等学校や大学や高等専門学校への入学に必要な経費の貸付を行います。

不動産担保型生活資金

土地や建物を所有し、将来にわたってその住居に住みつづけたい高齢者世帯に対し、その土地や建物を担保として生活資金の貸付を行う制度です。

不動産担保型生活資金

低所得の高齢者世帯を対象とし、所有している居住用不動産を担保として生活資金の貸付を行います。

要保護世帯向け不動産担保型生活資金

生活保護などの要保護の高齢者世帯に対し、所有している居住用不動産を担保として生活資金の貸付を行います。
いくらまで借りられる?金利は?

ここでは、生活福祉資金貸付制度の借入限度額金利などの詳細を一つ一つ詳しく解説していきます。

以下は福祉資金の概要です。

福祉費

  • 貸付限度額:580万円以内
  • 据置期間:貸付日から6ヵ月以内(分割による交付の場合は、最終貸付日から6ヵ月以内)
  • 償還期限:据置期間経過後20年以内
  • 貸付利子:保証人有りの場合は無利子、保証人なしの場合は年1.5%
  • 保証人:原則必要(保証人なしでも借入可能)

緊急小口資金

  • 貸付限度額:10万円以内
  • 据置期間:貸付日から2ヵ月以内
  • 償還期限:据置期間経過後12ヵ月以内
  • 貸付利子:無利子
  • 保証人:不要

以下は教育支援資金の概要です。

教育支援費

  • 貸付限度額:高校は月3.5万円以内、高専は月6万円以内、短大は月6万円以内、大学は月6.5万円以内、それぞれ必要と認める場
    合は上限額の1.5倍まで貸付が可能
  • 据置期間:卒業後6ヵ月以内
  • 償還期限:据置期間経過後20年以内
  • 貸付利子:無利子
  • 保証人:不要(世帯内の連帯借受人が必要)

就学支度費

  • 貸付限度額:50万円以内
  • 据置期間:卒業後6ヵ月以内
  • 償還期限:据置期間経過後20年以内
  • 貸付利子:無利子
  • 保証人:不要(世帯内の連帯借受人が必要)

以下は不動産担保型生活資金の概要です。

不動産担保型生活資金

  • 貸付限度額:土地の評価額の70%程度で月30万円以内
  • 貸付期間:借受人の死亡時までの期間、または貸付元利金が限度額に達するまでの期間
  • 据置期間:契約終了後3ヵ月以内
  • 償還期限:据置期間終了時
  • 貸付利子:年3%または長期プライムレートのいずれか低い利率
  • 保証人:要(推定相続人の中から選任)

要保護世帯向け不動産担保型生活資金

  • 貸付限度額:土地、建物の評価額の70%程度(集合住宅の場合は50%程度)、生活扶助額の1.5倍以内
  • 貸付期間:借受人の死亡時までの期間、または貸付元利金が限度額に達するまでの期間
  • 据置期間:契約終了後3ヵ月以内
  • 償還期限:据置期間終了時
  • 貸付利子:年3%または長期プライムレートのいずれか低い利率
  • 保証人:不要

日本政策金融公庫のローンとは?

個人企業や中小企業向け融資制度

日本政策金融公庫の個人企業や中小企業向けの融資制度は、国民生活事業、中小企業事業、農林水産事業の3つに分かれ、それぞれ以下の融資を行っています。

国民生活事業は個人企業や小規模企業向けの小口資金の融資で、以下の貸付などを行っています。

  • 一般貸付
  • セーフティネット貸付
  • 新企業育成貸付
  • 企業活力強化貸付
  • 環境・エネルギー対策貸付
  • 企業再生貸付
  • 生活衛生貸付

中小企業事業は中小企業向けの長期事業資金の融資で、以下の貸付などを行っています。

  • 新企業育成貸付
  • 企業活力強化貸付
  • 環境・エネルギー対策貸付
  • セーフティネット貸付
  • 企業再生貸付

農林水産事業は農林漁業や食品産業向けの事業資金で、農業、林業、漁業、農林漁業共通、食品産業に対して貸付を行っています。

国の教育ローン

日本政策金融公庫の国の教育ローンは、中学校卒業以上の子どもの入学金や授業料や受験費用などのあらゆる教育資金を国が低利で貸し付ける制度です。子供一人につき最高350まで借り入れ可能です。

家庭の状況に応じて、金利や返済期間や保証料の優遇制度がありますので、所得が低い人でも安心して申し込みがだきます。

年金担保融資制度について

年金を担保にして借り入れを行うには、日本政策金融公庫の「恩給・共済年金担保融資」と独立行政法人 福祉医療機構の「年金担保貸付事業・労災年金担保貸付事業」の2種類があります。ここでは、2種類の年金担保制度について詳しく解説していきます。

日本政策金融公庫の恩給・共済年金担保融資

日本政策金融公庫の年金担保融資は、恩給、災害補償年金、共済年金、共済組合が支給する厚生年金を受けている人に限られます。また、利用条件や金利などが、恩給、災害補償年金を受けている人と共済年金、厚生年金を受けている人で異なりますので注意が必要です。

恩給、災害補償年金を受けている人

  • 利用条件:恩給・共済年金担保融資を現在利用していないこと
  • 融資限度額:一人につき250万円まで(担保とする年金の年額の3年分以内であること)
  • 利率(令和元年9月2日現在):年0.51%
  • 資金使途:住宅などの資金や事業資金に利用できます
  • 返済:定額返済(恩給などの支給額のうち一定額を返済金として公庫が受け取り、差額分(支給額-定額返済額)は、指定口座へ送金)

共済年金、共済組合が支給する厚生年金を受けている人

  • 利用条件:恩給・共済年金担保融資を現在利用していないこと(但し、生活保護受給中や、恩給・共済年金担保融資を利用中に生活保護を受給し、生活保護廃止後5年経過していない場合は利用不可)
  • 融資限度額:一人につき250万円まで(担保とする年金の年額の1.6年分以内であること)
  • 利率(令和元年9月2日現在):年1.71%
  • 資金使途:住宅などの資金や事業資金に利用できます
  • 返済:定額返済(共済年金などの支給額のうち一定額を返済金として公庫が受け取り、差額分(支給額-定額返済額)は、指定口座へ送金)

独立行政法人福祉医療機構の年金担保貸付事業・労災年金担保貸付事業

  • 利用条件:国民年金・厚生年金保険年金証書、国民年金証書、厚生年金保険年金証書、船員保険年金証書のいずれかを所有していて現在受給していること
  • 融資限度額:10万円~200万円の範囲内(資金使途が生活必需物品の購入の場合は10万円~80万円の範囲内)、受給している年金(年額)の0.8倍以内、1回あたりの定額返済額の15倍以内のすべてを満たすこと
  • 利率:年金担保融資:2.8%、労災年金担保融資:2.1%
  • 資金使途:保健・医療、介護・福祉、住宅改修等、教育、冠婚葬祭、事業維持、債務等の一括整理、生活必需物品の購入など
  • 返済:利用者の年金を独立行政法人福祉医療機構が年金支給機関から直接受け取り、融資が実行された月の翌々月以降の偶数月から返済が開始

その他の融資制度

今まで解説してきた融資制度以外にも、国や自治体からお金を借りる方法があります。ここでは、その一つ一つを見ていきます。

母子父子福祉資金

自治体によって名称や利用条件などが異なります。ここでは、東京都の母子父子福祉資金について見ていきます。

  • 利用条件:東京都に6ヶ月以上在住している母子家庭の母または父子家庭の父であり、20歳未満の子供を扶養していること
  • 資金の種類:事業開始資金、事業継続資金、修学資金、就学支度資金、技能習得資金、修業資金、就職支度資金、医療介護資金、生活資金、住宅資金、転宅資金、結婚資金
  • 利率:資金の種類によって異なります
  • 融資限度額:資金の種類によって異なります

女性福祉資金

自治体によって名称や利用条件などが異なります。ここでは、東京都の女性福祉資金について見ていきます。

  • 利用条件:東京都に6ヶ月以上在住している配偶者のいない女性で、親・子・兄弟姉妹などを扶養していること(所得制限なし)、年間所得が2,036,000円以下で、かつて母子家庭の母として20歳未満の子を扶養したことがあること、または婚姻歴があり40歳以上であることのいずれかに該当すること
  • 資金の種類:事業開始資金、事業継続資金、技能習得資金、就職支度資金、医療介護資金、生活資金、住宅資金、転宅資金、結婚資金、修学資金、修学支度資金
  • 利率:資金の種類によって異なります
  • 融資限度額:資金の種類によって異なります

共済組合貸付制度

共済組合貸付制度は、公務員に対する貸付制度です。退職金や給料を担保に借り入れする方法のため、個人信用情報機関に記録されることもありません。

貸付の種類

普通貸付

自動車や家電等を購入する資金を必要とするとき

住宅貸付

住宅を新築又は改築等する資金を必要とするとき

一般災害貸付

災害により家財等に損害を受け資金を必要とするとき

住宅災害新規貸付

災害により住宅に損害を受け資金を必要とするとき

住宅災害再貸付

現に住宅貸付又は住宅災害新規貸付を受けていて、災害により住宅に損害を受け資金を必要とするとき

医療貸付

療養により資金を必要とするとき

入学貸付

子どもの進学により資金を必要とするとき

修学貸付

子どもの修学により資金を必要とするとき

結婚貸付

婚姻により資金を必要とするとき

葬祭貸付

葬祭により資金を必要とするとき

高額医療貸付

高額療養費の支給の対象となる療養に係る支払いのために資金を必要とするとき

出産貸付

出産により資金を必要とするとき

  • 利率:貸付の種類によって異なります
  • 融資限度額:貸付の種類によって異なります

まとめ

今まで見てきたように、国からお金を借りる方法はいろいろあります。国からの借り入れは低利や無利子のものも多く、お得に借り入れることができます。ただし、それぞれの借り入れには条件がありますので、自分がその条件に合うかどうかを見極めて検討すると良いでしょう。

aktkaktk
aktkaktk
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金融機関勤務歴8年ですが、金融機関歴は、信用金庫で営業や融資の窓口を経験して住宅ローンやカードローンなどの個人ローンに強みを持っています。

現在は、銀行のシステムを開発しながら、カードローンや、クレジットカードや、社会保険労務士の資格を活かした年金など金融機関のライティングをしています。

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