就業不能保険は自営業と会社員では選び方が異なる!ポイントや注意点を解説

就業不能保険の選び方

「就業不能保険の選び方は?会社員と自営業で異なる?」

病気や怪我等によって働けない状況になった場合、よほどの貯蓄や資産を保有していない限り、通常は経済的に苦しい状況になってしまうと言えるでしょう。

また、怪我や病気を保障する保険として、医療保険等が挙げられます。しかし、保障出来るのは治療に伴う医療費のみで、治療費に対する保険金のみで生活を支えるには限界があります。

こういったリスクを保障する事が出来るのが「就業不能保険」です。就業不能保険とは、何らかの原因(主に怪我・病気)で働けなくなった時に、月一定額(10~50万円程度)を保険金として受け取る事が可能な保険です。

現役世代に人気の高い保険になっていますが、実際に加入するとなると「どうやって選べば良いのか?何に注目すべきなのか?」という点について迷ってしまう事も少なくないでしょう。

また、会社員や自営業によってもその選び方は異なります。なので、今回は「就業不能保険と自営業・選び方」というテーマで、

  • 就業不能保険の基本的な選び方
  • 会社員と自営業で異なる選び方
  • 就業不能保険の注意点

というテーマでご紹介していきたいと思います。まず、はじめに就業不能保険の選び方を「保険金の額面・保険金・給付タイミング」という観点から解説していきたいと思います。

保険金の設定

まず、はじめに重要なポイントとなってくるのは、保険金の設定でしょう。就業不能保険は、働けなくなった時に保険金を受取るための保険であり、この部分が適切に設定されていないと自分に合ってない保険になってしまう可能性があります。

保険金の設定について結論からご紹介すると、保険金は「収入を参考にしながら最低限の保険金」を設定する事が重要になってきいます。ポイントは、最低限の保険金という部分です。

まず、はじめに押さえておきたいのは、保険金の金額が上げれば上がるほど保険料というのは、大きく上下します。月々10万円では年間120万円になりますが、これに月々5万円(15万円)足すだけで年間で60万円の差が出てくる事になります。

10年間で考えると600万円の差が出てくる事になるので、保険会社としても保険金の金額によって保険料は調節したいと考えています。そのため、保険金は保険料の額面に直結するものになっています。

この点を踏まえると、保険金というのは基本的に「最小限」のものに設定しておくのが適切です。ただ、保険金を小さくしすぎるといざという時に役に立たない保険になってしまうので、本末転倒です。

保険金の設定というのは、本当に各世帯の経済状況によって異なるので、出費と収入をしっかりと把握して最低限の保険金を設定しましょう。

保険期間

次に重要なポイントになってくるのが、保険期間です。保険期間とは、保険に加入している期間の合計で、この点では「保障をいつまで続けるのか?」というポイントを左右するものになっています。

保険によって異なるので一概には言えませんが、基本的に就業不能保険というのは「50歳~70歳」あたりまでを、5年刻みで保険期間として設定する事が可能です。一般的に、扶養者が少なくなったり、仕事を引退する世代に該当すると言えます。

結論からご紹介すると「50歳~60歳まで」という設定がおすすめです。世帯構成によっても異なるので一概に言えない部分ですが、このあたりの年齢ならお子さんも育って、仕事の給与も高くなっており出費も安定的になっていると言えます。

ただ、近年ではこの世代でも現役で働いていたり、10代のお子さんが居るケースも少なくないので、年齢によって分けるというよりも「ライフステージによって分ける」というのが、最も適切な方法でしょう。

「子供が成人するまで」、「ローンを支払い終わるまで」「年金が入るまで」と言ったように、各世帯の事情に合わせて適切な保険期間を設定しましょう。

保険金を受け取るタイミング

どのような保険でも基本的に「保険金が出ない時期」というものがあります。基本的に就業不能保険では「保険事故が発生してから保険金が給付されるまで」を指します。

つまり、保険事故(就業不能保険では働けない状態)が発生してから、就業不能保険では保険金を受け取れるまでに一定期間が空くという事であり、例えば4月に就業不能状態になり、60日に設定している保険の場合、6月からが保険金の給付対象となります。

この期間の設定については、後に紹介する会社員と自営業の違いという部分にも繋がってくるのですが、基本的には「保険と収入・貯蓄」を総合的に判断して設定する必要性があると言えるでしょう。

当然、免責期間というのは短ければ短いほど多くの保険金を受け取るチャンスがあるので、短いと保険料は高くなる傾向にあり、逆にこの期間が長いと保険料は下がる傾向にあります。

この点を設定する時に考えるべき事は、まずはじめに保険です。公的な保険はもちろんですが、民間の保険でも治療費等の名目で、一時金としてまとまったお金が入るケースがあります。

また、収入が多く貯蓄を行っている方なら、数ヶ月程度お金が入ってこなくても何とかやりくりしていく事が可能でしょう。ただ、この期間については最低限の金額を設定したい保険金とは違い、余裕を持った期間を設定しましょう。

というのも、就業不能保険の保険金が支払われるということは、何かしらの怪我・病気によって働けない状態になっている事が想定されるので、治療費や治療に掛かる雑費等で、通常の生活よりも出費が重なる可能性があります。

その点を考慮した時に、就業不能保険の保険金を受け取るまでの期間というのは、保険料とのバランスを考慮しながら出来るだけ余裕を持った期間に設定しておくと良いでしょう。

会社員と自営業で異なるポイントは?

先程、就業不能保険の基本的な選び方についてご紹介させて頂きました。次に「会社員と自営業で異なる選び方」というポイントで、就業不能保険の選び方を解説していきたいと思います。

公的な保険について

まず、はじめに押さえたいのは「公的な保険」に関する基本的な知識です。日本は世界的に見ても社会保障が充実している国であり、健康保険等によってかなり安い金額で医療サービスを受ける事が可能になっています。

また、このような公的な保障というのは医療のみではなく、就業不能状態になった時にも利用できる可能性があります。つまり、働けなくなった場合に利用できる公的な保障が存在しているという事です。

多くのケースで、働けなくなった時には

  • 「健康保険の傷病手当金」
  • 「労災保険の休業給付・休業補償給付」
  • 「障害年金」

と言った公的な保障を受ける事が可能になります。働けなくなった時の重要な公的保障になってくるので、一つ一つ詳しく解説していきます。

傷病手当金

まず、はじめに押さえていのは「健康保険」による傷病手当金という保障です。健保組合によって詳細が異なるケースがありますが、基本的に会社員であれば「給料の3分の2」を給付してもらう事が可能です。

そして、この手厚い保障が1年6カ月も続きます。そのため、就業不能保険では保険金の受け取りを1年6カ月に設定出来るものも少なくなく、就業不能保険にも大きな影響を与えている手厚い保障を提供していると言えるでしょう。

会社員の方は基本的に健康保険に加入しており、会社員の方の健保組合は傷病手当金を提供しているので、働けなくなった時にまずはじめにお世話になる保障とも言えるでしょう。

休業給付・休業補償給付

先程、ご紹介した傷病手当金というのは基本的にどんなものでも保障を受ける事が可能で、仮に業務外で発生したものについても保障を受ける事が可能になっています。(会社員の場合)

一方の休業給付・休業補償給付というのは、労災保険が提供している保障になっており、労災保険は基本的に「労災」が対象になっており、休業給付・休業補償給付に関しても業務中に発生したものにのみ保障を受ける事が可能です。

仕事中に発生したものについては「休業給付」、通勤等で発生したものについては「休業補償給付」が給付される事になっています。給付される金額については場合によって異なりますが、基本的にしっかりと生活をしていけるだけの金額は給付されます。

1つ疑問なのは「傷病手当金と休業給付・休業補償給付を同時に受ける事は可能か?」というポイントです。基本的に、傷病手当金は「業務外」のものを保障しており、労災保険は「業務中」のものを保障しているので、両方とも対象になる事は少ないです。

しかし、まれに両者とも対象となるケースがあります。ただ、そのようなケースに置いては、基本的にどちらかの保障を既に受けている場合では、それ以上給付を受ける事が出来ません。(労災保険が優先される事が多い)

労災保険で給付される額が、傷病手当金よりも少ないケースがあり、そのようなケースにおいてはその差額を傷病手当金で給付してもらう事が可能なケースもあります。ケースバイケースですが、その時に合わせて関係各所に問い合わせが必要でしょう。

障害年金

国民年金・厚生年金等、各加入している年金というのは異なる事はありますが、基本的に誰でも公的な年金制度にお金を支払っています。このような公的な年金には「障害年金」という制度があります。

障害年金について簡単にまとめると、何らかの理由によって体が不自由になり、生活に支障がある場合にその度合に応じて「1級~4級」に振り分け、1~2級に関しては年金を受け取る事が出来るになる制度です。

お子さんの数によって給付の細かな金額というのは異なりますが、最低限の生活を送るために必要な金額を給付してもらう事が可能で、傷病手当金の給付が終わってしまう1年6カ月に合わせて、上記した条件に該当する方は給付を受ける事が可能になっています。

会社員と自営業の公的な保障

上記した公的な保障について押さえて頂いた方の場合は、お気づきの方もいるかもしれませんが、障害年金を除いて「傷病手当金・休業給付・休業補償給付は会社員のみ」が受けられる保障になっています。

障害年金については、自営業の方についても国民年金・厚生年金に加入していれば公的な保障を受ける事が可能になっていますが、その他の保障を受ける事が出来ません。

もちろん、公的な保障のみで対応できないケースは十分に存在しているので、会社員の方でも就業不能保険の必要性は高いです。ただ、自営業の方は会社員の方と比較した時に、必要性は尚更高いと言えるでしょう。

仮に病気や怪我によって、長期間体が不自由な状況になってしまった時に、自営業の方が受けられる公的な保障は「障害年金のみ」となり、つまり「1年6カ月間は保障を受けられない」という事になります。

様々な働き方が推奨されている昨今ですが、どうしても自営業の方は会社員の方と比較した時に公的な保障を受けにくいという状況である事は、否定できないでしょう。

もちろん、本当に困った時は日本には生活保護制度が存在しています。ただ、各世帯の事情によって判断する部分ではありますが、自営業に切り替える方は、このようなリスクについても認識しておきましょう。

自営業と会社員の選び方

自営業と会社員の方の選び方を比較した時に、やはり「1年6カ月」というのが、ポイントになってくるでしょう。就業不能保険における働けない状況というのは、身体に障害を負ってしまったケースも少なくありません。

そのため、自営業の方でも会社員の方も「障害年金」という制度については、しっかりと押さえておく必要があります。ただ、問題は障害年金が始まるタイミングであり、障害年金は初診日(診断を受けてから)から1年6カ月待つ必要があります

会社員の方の場合は、この期間傷病手当金・労災保険等によって保障していく事が可能になっていますが、自営業の方の場合は会社員の方と違った形で就業不能保険で保障していく必要性があると言えるでしょう。

貯蓄状態によっても異なるので一概には言えませんが、自営業の方は保険金の受け取りタイミングを出来るだけ短くして、空白の「1年6カ月」をしっかりと保障していく必要性があります。

就業不能保険に加入する際に注意すること

これまで就業不能保険の選び方や自営業・会社員の違いについてご紹介してきました。最後に、就業不能保険に加入する際の注意点についてご紹介していきたいと思います。

支払いの条件について確認しておく

就業不能保険の基本的な保障内容というのは、保険金や給付タイミング等の詳細を除くと似通ったものになっています。ただ、保険によって大きく異なってくるのは「支払いの条件」です。

つまり、保険金の支払い対象になるような保険事故の条件が異なり、主に就業不能保険では以下のような事柄を支払いの条件として設定している事が多いです。

  • 身体障害者手帳を交付される
  • 要介護認定される(要介護2以上が多い)
  • 障害年金の給付が認められる
  • 医師の診断によるもの

一概には言えませんが、医師の診断が最も条件が緩く、その次に身体障害者手帳4級の交付、障害年金の給付認定、要介護認定という順番になっています。また、その原因についても条件が設定されているケースがあります。

というのも、通常の疾病・怪我については保障の対象となる事が多いですが、保険によって大きく分かれるのが「精神疾患」を原因とするものです。精神疾患を支払い条件から除外しているケースも少なくありません。

このあたりの支払い条件についてしっかりと確認しておかないと、もしもの時に利用できない保険になってしまうかもしれません。基本的に条件が緩ければ緩いほど保険料は高くなっていくので、バランスを考慮しながら就業不能保険を検討しましょう。

類似している保険に注意する

「働けなくなったら」というポイントに焦点を当てている保険は少なくありません。むしろ、就業不能保険の他にも「所得補償保険」「収入保障保険」等が存在しており、場合によっては医療保険で似通った保障を受けているケースもあります。

働けなくなったらというリスクは大きい分、他の保険も就業不能状態に関する保障を提供しているものも少なくなく、場合によっては他の保険で似たようなリスクを保障しているケースがあります。

特に、所得補償保険・収入保障保険・医療保険・介護保険あたりの保険に加入しているケースは要注意なので、しっかりと既に加入している・検討している保険と保障内容が重複を避けましょう。

保障の重複について認識しており、あえて保障を手厚くしているケースはこの限りではないです。ただ、基本的に保障内容の重複は無駄な保険料を支払う事に直結するので、慎重にチェックしたい部分です。

まとめ

就業不能保険の基本的な選び方

  • 最低限の保険金を設定する
  • 必要な保険期間を考えておく
  • 保険金を受け取り始めるタイミングを調節する

会社員と自営業で異なるポイント

  • 利用できる公的な保険について押さえておく
  • 会社員の方が利用できる公的な保障が多い
  • 自営業と会社員によって選び方が異なる

就業不能保険に加入する時に注意したいこと

  • 支払い条件をしっかりと確認しておく
  • 類似する保険と保障内容が被らないようにしておく

今回は、就業不能保険と自営業・会社員というテーマで、基本的な選び方、会社員・自営業で異なるポイント、就業不能保険に加入する時の注意点等についてご紹介させて頂きました。

今回は終業不能保険についてご紹介させて頂きましたが、実は就業不能保険以外にも働けないリスクを保障する保険として所得補償保険等が存在しています。様々な選択肢を用意した上で、適切な保険を契約しましょう。

senna
senna
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金融業界経験 4年 個人投資家 3年

個人投資家として「株式」「債権」「FX」「仮想通貨」などへの投資・投機を中心的に行っている。

資産運用はもちろん、ファイナンシャルプランナーの知識を活かしながら、税金やライフプランに関する情報発信を行っている。

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