就業不能保険のような共済はある?共済で働けないリスクに備える

就業不能保険と共済

「就業不能保険のような共済はある?共済で働けなくなった時のリスクをカバーできる?」

病気や怪我等によって働けなくなった時のリスクについて保障するのが、就業不能保険になっています。働けないリスクというのは、現役世代にとって重要度の高いものになっており、扶養者の居る方の場合は尚更注意したいリスクであると言えるでしょう。

ただ、何かを保障すると言った際に、保険という選択肢が最もポピュラーではありますが、それだけではありません。掛け金等が安い事が魅力として挙げられる共済についても、検討しておきたいと言えるでしょう。

なので、この記事では「就業不能保険と共済」というテーマで、

  • 就業不能保険や共済について押さえる
  • 働けなくなった時のリスクを保障する共済
  • 共済と保険のどちらが良いのか?

というポイントで、働けなくなった時のリスクをカバーする共済・保険について解説していきたいと思います。まず、はじめに就業不能保険の基本的な事について押さえていきましょう。

就業不能保険とは

就業不能保険について簡単にまとめると「働けなくなった時のリスクをカバーするための保険」だと言えます。主に、病気や怪我によって働けなくなった期間(場合によっては精神疾患も)が対象になっています。

実際の保険金の支払いとしては、通常の給与と同じようなスケジュールで保険金を受取る事が可能で、月数十万(10万円~50万円)の保険金を働けるまで、もしくは保険期間の終了まで受け取る事が可能です。

ただ、就業不能保険について不要であるという意見も少なくありません。医療保険等で治療費をカバーする事は可能ですし、場合によっては治療期間の間は保険金を受取り続ける事が可能な保険も存在しています。

しかし、就業不能保険の本質は「働けなくなった時のお金」という点です。この点から医療保険と就業不能保険を比較した時に、一般的に医療保険は「医療費が発生した時に保険金が支払われる」というものになっています。

つまり、治療を行っている短期間のみしか医療保険のような保険では保障を行う事が出来ません。また、保険金が支払われる条件も「入院」「手術」「一時金」と言ったようにある一定の条件が必要です。

短期間で治療が可能な疾病であれば十分に医療保険のみで、保障を行っていくことは可能です。しかし、中には長期間の療養が必要なケースも存在しており、こう言ったリスクを就業不能保険では保障する事が可能です。

就業不能保険の保険期間は一般的に「50代~60代」あたりに設定し、保険に加入する事が可能なのは20代~50代程度までです。(詳細は、保険によって異なります)このような点からも働く世代に特化した保険である事が理解出来ると思います。

共済とは

次に、共済の概要について理解していきましょう。共済と聞くと組合に加入しないといけなかったり、保険と用語が異なったりしていて難しそうに感じる方も少なくないと思います。ただ、本質的には保険と異なるものではありません。

共済も保険も、何かを保障するために加入するものです。つまり、加入者・契約者のニーズというのは、一致しておりそこに違いはありません。ただ、違いがあるとすれば、保険・共済を運営している組織にあると言えるでしょう。

保険を販売しているのは、保険会社です。保険会社であるという事は、当然保険料やその運用から利益を出していく必要性があり、営利目的で保険は販売されていると言えるでしょう。

一方の共済を運営しているのは、協同組合です。組合によって少し根拠法等は異なりますが、基本的には「掛け金(保険料)をみんなで出し合って助け合おう」というのが、主な共済が運営されている意義になっています。

保険や共済には、細かな違いがいくつかありますが、基本的に運営している組織が異なるため様々な違いが出来てきていると言えるでしょう。また、どちらにも一長一短が存在しており、一概に保険が良い・共済が良いとは言えません。

ただ、一般的な共済を保険と比較した時に、同じ掛け金・保険料の場合は「共済の方が安い」と言った特徴や、パッケージ化された保障内容、年齢・性別に関わらず掛け金が一定と言ったポイントが特徴として大きく出てきます。

何だか理想的な保障に見えてきますが、例えばパッケージ化された保障内容というのはバランスが整っており、メリットが大きく感じれます。ただ、実際には「各ニーズに合わせた保障内容を組み立てられない」という点にも繋がってくるのです。

就業不能保険がカバーする「働けなくなった時のリスク」と言ったポイントを共済でカバーする時だけだけなく、共済の特徴を把握しておけば、他のリスクに対して共済を利用する際にも参考になると思います。

就業不能保険と似通った保険

就業不能保険・共済の基本的な概要が分かった所で、就業不能保険と似通った保険についても少しだけご紹介したいと思います。ポピュラーなものを中心的にご紹介すると、就業不能保険に似た保険は以下のようなものが挙げられます。

  • 公的な保障
  • 収入保障保険
  • 所得補償保険

公的な保障

働けなくなった時に、保険・共済の加入有無に掛からわずまずはじめにチェックしたいのは「公的な保障」です。基本的に会社員であれば「労災保険」「健康保険」と言った公的な保険で、働けないリスクをカバーしています。

というのも、労災保険であれば「休業補償給付」健康保険であれば「傷病手当金」と言った制度が存在しており、会社員の方であればどちらの保険にも加入している事が一般的です。

ただ、自営業の方の場合はこう言った制度を利用出来ないケースが少なくないので、就業不能保険と言った民間の保険会社が販売している保険で備えていく必要性が高いと言えます。

収入保障保険

収入保障保険は、就業不能保険のように何かあった時に毎月一定額の保険金を保険期間内は、受け取る事が可能な保険で基本的な仕組みは似通ったものになっています。ただ、大きく違うのは「支払われる条件」というポイントです。

就業不能保険はその名の通り、働けなくなった時に保険金が支払われる事になります。一方の収入保障保険は、死亡・高度障害状態になった場合に、保険金が支払われます。

支払いサイクル等は似通った両者ですが、どちらかと言うと収入保障保険は生命保険(死亡保険)に近い存在であると言えるでしょう。

所得補償保険

最後に就業不能保険に似通った保険としてご紹介したいのは、所得補償保険です。所得保障保険は1年~5年程度までの短期間の間、収入の6割り程度が保障されるものになっています。

こちらも就業不能保険と似通った保障になっていますが、就業不能保険と所得補償保険の大きな違いは「保険期間と受け取り期間の長さ」というポイントです。

所得補償保険は数年に一回更新されるのが一般的であり、所得が保障される期間も1年~5年と短期間のものになっています。就業不能保険の方が保障が手厚いものになっていると言えますが、用途によっては便利な保険になるのが、所得補償保険です。

共済の就業不能保険に似た共済

先程、就業不能保険や共済の基本的な事についてご紹介しました。次に「働けなくなった時のリスクをカバーする共済」についてご紹介していきたいと思います。

働けなくなった時の共済

結論からご紹介すると、働けなくなった時のリスクをカバーする共済は存在しています。ただ、それほど多くはありません。もちろん、マイナーな組合が販売しているものも含めると、いくつか存在しています。

ただ、ポピュラーな組合から出ている共済で、人気が高いのは2018年に新しく出来たJA共済の「生活障害共済 働くわたしのささエール」でしょう。

JA共済は、共済の中でも大きな共済組合なので、共済に加入した事がない人でもその名称は聞いた事があると思います。そんなJA共済が販売している働くわたしのささエールについて、もう少し詳しくご紹介していきたいと思います。

身体障害者手帳が条件になっている

就業不能保険系の保険の支払い条件というのは、保険によって異なります。怪我・病気は支払いの対象になっている事が殆どですが、中には精神疾患でも支払いを受ける事が可能な就業不能保険もあります。

では、生活障害共済の働くわたしのささエールは、どうなっているのでしょうか?結論からご紹介すると「身体障害者手帳を持っている」という事が条件になっています。

身体障害者手帳には1級~4級まで存在していますが、どの級でも支払いを受ける事が可能になっています。支払条件の厳しさとして、見方によって異なりますが、通常の就業不能保険と変わらないと言えるでしょう。

というのも、身体障害者手帳を交付してもらうというのはハードルが高く感じてしまうかもしれませんが、就業不能保険で保障を受ける事が可能な保険事故では、障害者手帳が交付されるレベルである事が少なくありません。

また、障害者手帳が交付されていれば、その原因を問わないというのが働くわたしのささエールです。加入を検討されている方は、この点をしっかりと押さえておきましょう。

2つのプラン

働くわたしのささエールでは、2つのプランから保険金を設定する事が可能です。1つ目のプランは「年金タイプ」2つ目のプランは「一時金タイプ」になっています。この点は、この共済の中身を大きく変化させるポイントになっているので、詳しく解説していきます。

まず、1つ目の「年金タイプ」は、保険事故となるような事柄が発生してから、60歳まで等予め決められた年齢まで、年金のような形で毎月一定額が給付されるものになっています。

JA共済のホームページでは、年間120万円のプランが例として出されており月々10万円を受け取る事が可能で、40歳から60歳まで給付を受けた場合合計で「3,000万円」の給付を受ける事が可能になっています。

こちらのプランは通常の就業不能保険と似通った保障内容になっており、就業不能保険と似通った保障内容が望ましい場合では、こちらのプランがおすすめ出来ると言えるでしょう。

掛け金(保険料)は、男性・女性ともに月々5,000年程度のものになっています。ただし、この金額は随時変更される可能性があるので、加入時に掛け金を確認しておきましょう。

もう一つのプランは「一時金タイプ」です。こちらは少し死亡保険に似通った保障内容になっており、支払い条件に該当した場合にまとまったお金(数百万円)の共済金を受け取る事が可能です。

共済金300万円のケースでは、月々の保険料は「男性 876円 女性 753円」となっており、男性女性ともに1,000円を切るリーズナブルなものになっています。掛け金が安い事が魅力的になっており、出来るだけ安く加入したいという方におすすめです。

ただ、保険金の額面や一時金だけという点を踏まえると、就業不能保険と比較した時にどうしても保障が薄いという点は否めないので、保障内容については慎重になる必要があります。

共済の注意点

先程、JA共済の働くわたしのささエールについてご紹介させて頂きました。保障内容等についてご紹介させて頂いたので、概要を掴めたと思います。これからもう少し「共済と就業不能保険」という点について解説していきます。

先程もご紹介しましたが、そもそも就業不能保険のような共済を用意している組合はそれほど多くありません。もちろん、共済の組合自体は全国に沢山存在しているので、就業不能保険のような保険が用意されているケースもあると思います。

就業不能保険のような共済があるからと言って、とりあえず加入するというのはあまりおすすめ出来ません。というのも、共済は大手の組合でないと、リスクが高いものになっているからです。

通常、生命保険会社が販売している保険の場合は、生命保険契約者保護機構等によって保護される事が一般的です。また、他の保険会社に関しても何らかの契約者を保護する処置を取っていると言えるでしょう。

また、大手の共済に関しても同様で、例えばJA共済であれば系列の組織(JA共済連等)が加入者を保護する仕組みが整っており、他の大手共済に関しても同様の事が言えます。それに加え、大手の共済は資金が潤沢なので、安心感も強いです。

しかし、小規模の共済の場合は上記したような加入者に対するある一定の保護がされていないケースが少なくありません。また、加入者を保護するような法律も現時点では存在していないため、小規模の共済に加入する場合は注意が必要です。

共済と就業不能保険のどちらが良い?

この記事では、就業不能保険や共済の概要についてご紹介し、共済で働けない時のリスクを保障している「働くわたしのささエール」等についてご紹介させて頂きました。最後に、保険と共済のどちらに加入するべきなのか?という点について解説していきます。

おすすめは保険会社の保険

まず、はじめに簡潔にまとめると「保険会社の就業不能保険がおすすめ」と言えます。理由はいくつかありますが「選択肢の多さ」という1点に尽きるでしょう。

そもそも、共済で働けない時のリスクをカバーしている保険が少ないです。死亡保険等を利用すれば、間接的に保障する事は可能ですが、就業不能保険のように働けない時のリスクをダイレクトにカバーしている共済は少ないというのが実情でしょう。

それに加えて、今回ご紹介したJA共済の働くわたしのささエールでは、2つのプランから選択する事が可能になっていましたが、どうしても民間の保険会社と比較した時に保険金の額面・プランという観点から見た時に、選択肢が狭いという点は否めません。

上記のような点を踏まえると、働けないリスクについては「保険」で備えるのがおすすめです。もちろん、共済に特別なニーズが存在しているケースではこの限りではありません。

しかし、保険会社が販売している保険であれば、契約者と保険会社が一対一で新たな契約を作り出すという形になっているので、共済と比較した時に細かなニーズに対応しやすいと言えるでしょう。

加入しないという選択肢も

今回は、働けないリスクを保険や共済で備えるというテーマでご紹介してきましたが、加入しないという選択肢も十分に検討するべきだと言えるでしょう。保険というのは、基本的には損をするように出来ています。

そのため、本当に必要な保障を選択肢加入する必要があり、会社員の方の場合は公的な保険(健康保険・労災保険)でしっかりと保障出来るケースが少なくないので、加入しなくても大丈夫というのは十分に考えられます。

ただし、これは会社員の方に限った話です。自営業の方や、どこかに勤めていたとしても公的な保障を受ける事が出来ないケースでは、就業不能保険系の必要性は高いと言えます。

就業不能保険に限った話ではありませんが、なにかあった時のためにまずはじめに各世帯で受けられる公的な保障をチェックし、そこから必要最低限の保険に加入するというのが、無駄な保険料を支払わずに保険に加入するテクニックです。

まとめ

就業不能保険と共済の基本的なこと

  • 終業不能保険は働けないリスクをカバー
  • 組合で運営される共済
  • 終業不能保険以外にも似通った保険がある

共済の就業不能保険に似た共済

  • 基本的にあまり多くない
  • JA共済の働くわたしのささエール
  • 小規模な共済には注意

共済と保険はどちらがよい?

  • 保険がおすすめ
  • 公的な保障が利用できる場合は、加入しないという選択肢も

今回は、就業不能保険と共済というテーマで、終業不能保険・共済の概要、就業不能保険に似た保険、働けないリスクを保障する共済、おすすねの選択肢等についてご紹介させて頂きました。

共済は医療保障等においては、魅力的な選択肢になる事が少なくありませんが、就業不能保険については代替するのが難しいです。ただ、JA共済の働くわたしのささエールも比較的新しい共済なので、これからの動向に注目したいところです。

senna
senna
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金融業界経験 4年 個人投資家 3年

個人投資家として「株式」「債権」「FX」「仮想通貨」などへの投資・投機を中心的に行っている。

資産運用はもちろん、ファイナンシャルプランナーの知識を活かしながら、税金やライフプランに関する情報発信を行っている。

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