村田製作株が急伸!村田製作所が値上げを発表したセラミックコンデンサーとは何なのか

アップルなどの世界最強の大手IT企業を相手に電子部品を販売する村田製作所がどういう企業なのか、株式投資の初心者では知らない人も多いかもしれません。

ここ数日、村田製作所の株価が急伸した背景には、18年ぶりに電子機器のセラミックコンデンサー全製品を値上げしたことによるとの見解が大きいようです。

今後の株式投資にあたって、買う買わないは別としても、村田製作所株の動きや、セラミックコンデンサーの動きは投資材料として見逃せない項目になるかと思います。

今回は村田製作所がどんな企業なのか、そしてセラミックコンデンサーとは何なのかをわかりやすく解説したいと思います。

村田製作所株が急伸

村田製作所の株価は2018年7月6日に、前日の終値17,990円から一気に高値19,080円へと跳ね上がりました。

そして次の日には20,095円の終値を付け、その翌日には20,115円の高値まで上昇し、年初来の高値を更新したのです。

出典:日経新聞

村田製作所株が急上昇するきっかけとなったのは、電子部品のセラミックコンデンサーを全製品値上げすると発表したことでした。

電子部品の多くは、アメリカのアップル、中国のファーウェイ、ZTEなどの大手メーカーを対象としているので、貿易摩擦の影響も懸念しないわけでもないといったところではあります。

ただすでに、国内の家電、自動車大手などとは6月下旬から値上げ交渉を実施しており、本年度内には値上げを浸透させていく方針であるとのことです。

村田製作所はセラミックコンデンサーなどの工場増強に過去最大である2,200憶円を投じる計画で、その費用に対応してくためにも値上げが必要だったといえます。

村田製作所とは

Woman
村田製作所ってどんな企業なの?
Expert
ITや自動車や家電などに必要な電子部品を、材料から製品製造まで一括して独自の技術で開発・販売をしている企業になります。

セラミックコンデンサーはその電子部品の1つですが、セラミックコンデンサーでは村田製作所は世界首位を誇る企業でもあります。

その他にも、セラミックフィルター、高周波部品、センサー部品などでも世界的に圧倒的なシェアを持っているのです。

製品の90%以上が海外で販売されていて、グローバルに対応できるスマホやエアコン、冷蔵庫、自動車、医療機器などのアプリケーション設計に必要不可欠な電子部品を提供しているのです。

1990年代にはムラタセイサク君という自転車に乗ったロボットを開発し、2000年代ではムラタセイコちゃんという1輪車に乗るロボットが登場します。

さらに2010年には、次世代という課題にのっとり、ムラタセイサク君エコタイプという省エネ性能を向上させたロボットも誕生しています。

近年において特筆すべきことは、2017年にソニーの電池事業を買収しており、今後は電池開発にも力を入れていくことも期待されています。

セラミックコンデンサーとは

Man
セラミックコンデンサーって、一体何なの?
Expert
コンデンサーというものは、電気を蓄えたり、放出したりする電子部品になります。その電子部品の素材にセラミックを使ったものがセラミックコンデンサーになるのです。

セラミック→チタン系の磁気を使ったもので、小型のものでも電気の誘導率が非常に高く、熱に強くて高周波の回路にも使うことができるのです。

コンデンサーの種類→アルミコンデンサー、タンタルコンデンサー、フィルムコンデンサー、プラチックコンデンサーなどそれぞれの特性を活かして用途に応じて使われています。

コンデンサーの役割とは

例えば電子回路を道路に例えるならば、その回路を通る電気は車が道路を走っているような状態です。

カーブの道があったり、でこぼこ道だったり、坂道だったりするとその時に車は大幅に燃料を失ってしまいます。

その燃料のロスを極力最小限に抑えるために、つけられるのがいわゆるコンデンサーというものです。

ほとんどの電化製品が安定した状態で使えるのは、このコンデンサーが外部の刺激によって生じる電気のロスを調整しているからなのです。

また、コンデンサーは小さな容量の中に大容量の電気を蓄えておくことができるという特質をもっています。

コンデンサーの用途

デジタル機能の家電製品、スマートフォン、電気自動車(EV)、次世代通信(5G)などで、このコンデンサーの需要が高まっているのです。

5Gとはスマホやパソコンの通信速度が従来の100倍から1000倍になると言われている、超高速の情報通信のことで、NTTドコモやKDDI、ソフトバンクなどが2020年の開始をめどに研究開発を進めているものになります。

この電子部品はスマホ1台で最大1000個、車1台で1000~2000個ほど使われているもので、おおよそ1個あたりの価格は10円以下のものから10円前後くらいになります。

小さいものだと2,3ミリくらいで大きいものでも1センチくらいの部品の中に大容量の電気を凝縮して貯めておけるのです。

これからの次世代電気製品では、小型大容量化、低コスト、省エネを実現するためにこのコンデンサーが、小さいながらも大活躍してくれるわけなのです。

ITバブルとは

Woman
でも、その部品の値上げをしたことが、どうしてそこまで株価の上昇に影響したの?
Expert
それは、IT技術が最も進展を遂げたのが2000年前後になり、その頃がIT業界のバブルとも呼ばれているのですが、それ以降は、かつてほどのニーズは見られていなかったからなのです。

2001年にITバブルが弾けてしまった

アメリカで始まったITバブル

「ITバブル」は「ドットコムバブル」とも呼ばれているもので、30代以上の方たちにとっては、まだ記憶に新しい現象だと思います。

アメリカのシリコンバレーという地域を中心に、マイクロソフト、アップル、グーグル、インテルなどのIT企業によって開発、そして発売された情報通信機器、パソコンや携帯電話などが世の中に普及し始めてからピークを迎えたのが1990年代になるのです。

マイクロソフトのビルゲイツは学生の延長で始めたベンチャー企業から、時価総額6000憶ドル(60兆円)の大富豪へと変貌したのです。2000年を迎えた時に、当初はまだ新規のベンチャー企業であったそれらのIT関連企業の株は驚くばかりに上昇し続けたのです。

出典:Bloomberg

日本では、NTTやドコモ、KDDI、ソフトバンク、NEC、東芝、富士通などのIT関連企業が華々しく株価を上昇させた時期でした。

ところが、それらのIT機器がいったん普及し終えると、今度はバブルが弾けてしまったのです。

Expert
現在でもIT関連株は市場をリードする主力株、成長株として判断されていますが、かつての頃のような画期的な上昇は見せなくなってしまったのです。

なぜなら、スマホもパソコンもそんなにしょちゅう買い替えるものではないからです。1度、購入してしまえば5年6年、中には10年以上と使い続ける人もいます。

そこで、今後も成長していく分野ではありますが、最近では緩やかな上昇を見せ安定期にはいっていったのです。

電子部品の需要

それからのIT機器は、パソコンがXPからWindows10に替わっていったり、携帯電話がスマホに替わっていたりと高性能・小型化などで進展を遂げていきます。

出典:経済産業省

上の図を見てもわかるように、スマートフォンが発売当初3年間ほどいきおいを見せていますが、その他のIT機器に関してはやや停滞ぎみだと見ることができます。以前ほど大量にIT機器を製造する必要のなくなった現代においては、なかば電子部品は値下がりしていく可能性もあったわけです。

トータルのIT機器関連の販売状況は、むしろ低下しつつあるとも言える状況の中、村田製作所のコンデンサーの将来の需要を読んだ動きが、投資家たちに刺激を与え、期待をもたらしたのです。

ITバブルが弾けてからの約18年間に渡って、IT機器に特化した電子部品の値上げは希望の光となってIT関連業界を再び注目させるきっかけとなったのでした。

コンデンサーの新たな需要とは

そこで、村田製作所が行った巨大な額の投機と、セラミックコンデンサーの値上げを裏付ける新たな需要をまとめてみました。

  1. スマートフォンの高機能化
  2. 車の電動化とIT設備の導入
  3. 次世代通信設備5Gの開始
  4. ヘルスケア医療機器
  5. 産業設備の自動化
  6. ドローンの開発
  7. Iotによるすべての電子機器の統合化

となります。

JEITA(電子情報技術産業協会)の統計によると、コンデンサーのグローバル出荷量は徐々にではあるが着実に伸びており、2015年度には9,066憶円に達しているとのことです。

2016年度には増えすぎたIT機器の在庫調整が進み、出荷率は低下してしまいます。17年度には工場内や流通倉庫内での自動化の設備構築がひろがり、工作機械や産業用ロボット、各種製造自動設備などの新しい需要が生まれ、世界的な規模でコンデンサーの出荷量は増加しました。

2018年度においては、車載用のコンデンサーの需要が伸びており、9,000憶円は突破するだろうといわれています。

なぜ今値上げなのか

従来のガソリンエンジンの自動車では使用するセラミックコンデンサーの数は1000個~2000個の搭載量となります。ところがEVになれば10倍規模で倍増し、車1台に対して最低1万個のセラミックコンデンサ―が必要になるいうことなのです。

車載用のコンデンサー市場は年率10%以上の成長が見込まれてる安定市場となり、当然のことながら多くの電子機器メーカーがIT通信関連から、自動車部門へと比重を移している傾向にあるようです。

EVを次世代の自動車として普及拡大させるためには、燃費の改善は不可欠となり、さらに安全性の向上などを含めた高い性能が要求されてしまいます。そのためにも、その要求を満足させるセラミックコンデンサーの存在は重視されているのです。

しかし、現実にはこのセラミックコンデンサーの製造は極めて高度な技術を要するために、量産するにあたって困難な状況にある企業もあるといいます。

その高度な技術を持って、このセラミックコンデンサーの量産を実現している企業の1つが村田製作所であり、今後の自動車の電動化にあたっては村田製作所の部品なしでは不可能とまで言われているのです。

そのような背景があったから、今回18年ぶりの値上げに踏み切ったということなのでしょう。

コンデンサーの今後の展開

直近で、このコンデンサーの必要性が高まるのは、おそらく2020年の東京オリンピックに向けての、公共施設等の大規模な建設計画が考えられます。

ドコモなどのIT企業が5Gの開始を2020年に計画していることも、おそらく、すでに開始されている関東地区の建設関連の動きに合わせているのだと見ることができます。

いずれにしても、競技場や宿泊施設、交通機関等の設備の見直しや改修が行われるのであれば、次世代の5Gに向けた設備の導入をし始めてもおかしくはないわけです。

また、建設現場ではすでにドローンが活躍しており、オリンピック本番に向けてのドローンを活用した撮影方法や設備の管理なども考案されているはずです。

さらにスマホやパソコンを通して3次元立体映像関連のサービスを充実させる動きも必ず出てくるはずです。そうだとすればコンデンサーの製造量がこのままだと追いつかないと判断し、工場拡大を考える村田製作所の意向も納得がいきます。

東京オリンピックに向けた需要も、製品の値上げを実施に向けて背中を押した要因の1つだったのでしょう。

セラミックコンデンサー株の紹介

以上のように、中期で見ても長期で見ても、セラミックコンデンサー関連の株を購入しておくことは意義が高いといえるのです。

幸か不幸か、今はアメリカと中国の貿易戦争のおかげで、株式市場だけにかぎったわけではありませんが、株価は浮き沈みの激しい非常に不安定な状況にあります。

今後の株価の流れが、いまいち読めない部分もありますが、今がタイミングをみて割安な価格で購入できるチャンスでもあります。

そこで、村田製作所といくつかの株式情報をご紹介しておきたいと思いますので、この機会にリサーチをはじめてみて下さい。

村田製作所(6981)
  • セラミックコンデンサーで世界首位 材料から一括生産している。
  • 1944年創業、50年に株式会社となり、もともとラジオのセラミックコンデンサ―の製造から始まった。
  • その後テレビ、電化製品と幅を広げ、情報通信機器などのコンデンサー製造の地位を確立。
  • コンデンサー、抵抗器、コイル、センサーなどの電気機器にとって重要な電子部品を扱う。
  • 独自のWEB構築の技術を生かした基地局、医療施設、産業施設の設計なども行う。

※7月18日には東京ビックサイトにて、工場の生産率を最大化させるために、工場の稼働状況を画像やデータによって見える化するソリューションシステムを公開。

ただ、100株購入する場合には200万前後の資金が必要なのでハードルの高い株でもあります。

指月電機(6994)
  • 2016年9月に村田製作所と資本・業務提携を図る。
  • 2016年10月に村田指月FCソリューションという合併会社を設立。
  • 村田製作所と三菱電機が主要株主。
  • 自動車、家電用のフィルムコンデンサーをメインに製造している。
  • 太陽光発電や大型ビル設備などの電力・エネルギー系のコンデンサーに強い。

※現在の株価は720円前後で動いており、比較的、購入しやすい価格だと言えます。村田製作所や三菱電機と密接な関係にあるので、今後の動向が期待できるおすすめの株でもあります。

日本ケミコン(6997)
  • アルミ電解コンデンサーではこちらが世界首位です。
  • とくに車載用の充電器むけのコンデンサーが好評。
  • 従来は産業用機器など幅広く製造していたが、今後は車載用を拡販していく意向。
  • ほぼ100%コンデンサー事業に専従している企業。
  • ナノ結晶合金という独自の技術を展開している。

※アルミコンデンサーのみに集中して力を入れているところが、この企業の大きな武器でしょう。アルミならどこにも負けないという気迫が感じられます。

株価は4,500円~4,600円あたりを推移しています。

その他の企業
  • 岡谷電機産業株式会社(6926)
  • 太陽誘電株式会社(6976)
  • ニチコン株式会社(6996)
  • 双信電機株式会社(6938)
  • パナソニック株式会社(6752)

など・・・その他大手電機を含め多数のコンデンサー関連の企業があり、日本は現時点ではコンデンサーに関しては世界をリードしています。アメリカ、ヨーロッパ、アジアを代表する各大手電機、自動車関連企業は日本のコンデンサーに熱いまなざしを注いでいるのです。

まとめ

このように国内では村田製作所を筆頭としたコンデンサー事業が今後は華やかな展開をみせていくことが期待されています。

かつて、半導体業界においても日本は世界をリードしていました。しかし、その後は他国にその地位を譲ってしまい、今では世界10位以内にその姿をとどめる企業は無きに等しい状態です。

商品が普及すればするだけ、他企業にもそのタネを明かす結果となることは避けられないのでしょうが、それでも、戦後から現在にかけて長年に渡って積み重ねてきた電機の技術は、簡単に真似はできないはずです。

日本の半導体技術がある地点から進展できなかったのは、もしかすると比較的に窮屈な日本の官僚体制が研究開発に限界を与えているのかもしれません。

何はともあれ、ここで再び日本電機企業の神髄を見せる機会がやってきたわけです。今度こそ、その地位を確立させてほしいところであります。

今、世界中が日本のコンデンサーの技術に注目しています。

ITバブルとまではいかなくとも、コンデンサーバブルが近い将来訪れるかもしれません。中長期で保有する株としては、今、一番見逃せない業種の1つであることは疑う余地はないといえるでしょう。

mi001you
mi001you
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