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おまとめローンとは、複数の金融機関から借りているカードローンなどの借入金を一本化するためのローンのことです。現在では、おまとめローンは、銀行や消費者金融などのいろいろな金融機関で取り扱っている人気の商品です。特に、毎月複数のローンの返済に追われている多重債務者にとっては、毎月の返済額が少なくなる可能性があるために、完済に向けて計画的に返済していくことができるようになります。
このように債務者にとって便利な商品に見えるおまとめローンですが、メリットだけでなくデメリットもあるのです。ここでは、おまとめローンのメリットとデメリットについて詳しく解説すると共に、金融機関別のおまとめローンについて商品比較をしていきます。
おまとめローンとは?
おまとめローンの歴史
おまとめローンは、元々は東京スター銀行が2003年に始めたサービスです。東京スター銀行のおまとめローンは、発売当初は有担保のローンでしたが、途中から保証会社の保証を付けた無担保のローンに変わっています。
当時はまだ貸金業法の総重量規制もなかったため、消費者金融などの貸金業者がどんどんとお金を貸していた時代で、多重債務者がどんどん増えていたのが社会問題になっていました。そのため、おまとめローンを利用する人が増え、いろいろな金融機関がおまとめローンを発売していったのです。
おまとめローンが増加した理由
2006年から貸金業法の総重量規制が段階的に始まり、2010年には完全に年収の3分の1以上の総重量規制対象の借入れができなくなりました。それまでは、規制が無かったため貸金業者は返済能力に関係なくどんどん貸していたのです。そのため、カードローンなどの多重債務者がどんどんと増えて、返済ができなくなる人が増えていきました。
多重債務者にとって、複数の金融機関からの借入金を一本化でき返済額が軽減できるおまとめローンは、とても有効な商品になりました。さらに、借入額を減らしたい多重債務者が、おまとめローンをどんどん利用することで人気が増加したのです。
おまとめローンはどういう人が利用するの?
このように人気のおまとめローンですが、実際にはどのような人が利用する商品なのでしょうか。おまとめローンの目的としては、複数の借入金を一本化することにより、毎月の返済額を軽減するところにあります。この条件を満たすためには、いろいろな金融機関からカードローンなどの複数の借入があって、どれも毎月一定額を返済しているところにあるのです。
例えば、A社から金利18%のカードローン50万円、B社から金利10%の消費者ローンが60万円、C社からも金利17.5%のカードローン70万円を借りている人がいたとします。そして、毎月の返済がA社1万円、B社2万円、C社1万5千円ずつ計4万5千円ずつ返済していたとします。毎月の返済額が4万5千円と多いため、D社から金利9%のおまとめローン180万円を借りてA社,B社,
C社の借入金を返済します。
この場合、返済期間を7年くらいにすれば、毎月約3万円の返済まで月々の負担を減らすことができるのです。また、この例の場合のように、金利も下がる可能性もあるかもしれません。このように、おまとめローンは、複数の金融機関から借入がある人にとっては、救世主になるかもしれない商品なのです。
おまとめローンと借り換えローンの違いについて
ここでは、おまとめローンについて詳しく解説していますが、借り換えローンという言葉についても聞くことがあると思います。では、借り換えローンとはどのような商品のことでしょうか。また、おまとめローンとの違いは何でしょうか。ここでは、おまとめローンと借り換えローンの違いについて説明していきます。
おまとめローンとは、複数の金融機関の借入金を一本化するためのローンです。一方、借り換えローンとは、金利の高い借入金を、金利の低い借入金に借り換えすることにより金利負担の軽減を図ることをいいます。そのため、おまとめローンは、借り換えローンの中の一つであり明確な違いはないともいえます。しかし、金融機関によってはおまとめローンと借り換えローンを明確に違う商品として提供しているところもあるのです。
おまとめローンのメリット
ここまで、おまとめローンという商品について説明してきましたが、おまとめローンの利用にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。ここでは、おまとめローンのメリットについて説明していきます。
毎月の返済額が減ること
おまとめローンは、複数の金融機関からの借入金を一本化することです。そのため、毎月複数の借入金の返済をしていた分が一本の借入になることにより、毎月の返済額を減らす可能性が高くなります。おまとめローンを借りる人は、多重債務者の場合が多いため、毎月の返済額を減らすことがメリットになるのです。
金利が低くなることで総返済額も減らせる
まとめる前の借入金よりもおまとめローンの金利が低い場合は、金利の軽減にも繋がり、利息額が少なくなる可能性が高いのです。そのため、まとめる前の複数の借入金の総返済額よりもおまとめローンの総返済額の方が少なくなる可能性が高くなります。
返済計画が立てやすい
おまとめローンにまとめることにより一本の借入金になるため、固定金利であれば毎月の返済額や総返済額がわかります。また、変動金利であったとしても、だいたいの毎月の返済額や総返済額がわかります。そのため、将来に渡っての返済計画が立てやすくなることもメリットです。
毎月の返済日が月1回になる
複数の借入金がある場合、毎月の返済日も借入金の数だけあります。おまとめローンにまとめることにより、月に複数あった返済日も月1回に変わるため管理がしやすくなります。
おまとめローンのデメリット
おまとめローンにはメリットがいっぱいありますが、良い面だけでなくデメリットもあるのです。ここでは、おまとめローンのデメリットについても説明していきます。
金利が上がってしまう場合もある
とにかく複数の借入金を一本化したいと考えて、あまり良く考えないで金利の高いおまとめローンにすべて一本化してしまうと、かえって金利が上がってしますデメリットもあります。特に、一本化前の限度額の高いカードローンなどはおまとめローンよりも金利が低い場合もありますので、どの借入金をまとめるかを考えることも重要です。
総返済額が多くなる場合がある
おまとめローンで借入金を一本化して金利と毎月の返済額を減らしたとしても、返済期間を大幅に長くしてしまうと総返済額が多くなってしまうデメリットがあります。毎月の返済額だけでなく、総返済額に対しても十分注意をして借入をする必要があるのです。
おまとめローンは新たな借入ができない
借入金をまとめる前はカードローンなどを生活費として必要な時に利用して、ボーナスなどの収入が入ってきた場合にまとめて返済をしてきた人もいると思います。おまとめローンは、カードローンのように必要な時に新たな借入ができません。そのため、このようにカードローンを利用してきた人にとっては、デメリットになる場合もあるのです。
新たな別の借入をしてしまう場合がある
おまとめローンにまとめることにより、今まで返済してきた金融機関の借入金が完済されることになります。そのため、金融機関によっては借入枠が空く場合もあるのです。その結果、新たな借入をしてしまいかえって借入金が増えてしまうケースがあります。
おまとめローンは総量規制以上の借入も可能?
近年、多重債務者についての問題が多く発生したため、従来の法律が改正され貸金業法という消費者金融や貸金業者の借入に対する法律ができました。貸金業法とは、あくまでも消費者金融や貸金業者かの借入に対する法律のため、銀行からの借入は含ませていません。
その貸金業法の中には、総重量規制という年収の3分の1を超える借入をすることはできないという法律があります。そのため、消費者金融や貸金業者からのおまとめローンも貸金業法の総重量規制の対象かと思われがちです。しかし、おまとめローンは、例外として貸金業法の総重量規制の対象外になるのです。即ち、消費者金融や貸金業者からのおまとめローンであれば、年収の3分の1を超える借入をすることができますのでこの点でもメリットになります。
金融機関別のおまとめローン商品比較
りそな銀行 プレミアムフリーローン
・借入金額:100万円~最大500万円まで
・借入期間:最長10年
・返済方式:毎月定額返済方式(元利均等方式)
・利用条件:申込時の年齢が満20歳以上で満60歳未満、前年の年収が400万円以上、継続安定した収入
ユーファイナンス ビッグローン
・借入金額:100万円~最大700万円まで
・借入期間:最長10年
・返済方式:毎月定額返済方式(元利均等方式)
・利用条件:申込時の年齢が満20歳以上で満65歳未満、定期収入があること
住信SBIネット銀行 不動産担保ローン
・借入金額:300万円~最大1億円まで
・借入期間:最長25年
・返済方式:毎月定額返済方式(元利均等方式)
・利用条件:申込時の年齢が満20歳以上で完済時の年齢が満75歳以下、安定継続した収入があること
イオン銀行 フリーローン イオンアシストプラン
・借入金額:30万円~最大700万円まで
・借入期間:最長8年
・返済方式:毎月定額返済方式(元利均等方式)
・利用条件:契約時の年齢が満20歳以上で満60歳未満、日本国内に居住していて安定かつ継続した収入があること(原則として前年度税込年収が200万円以上)
関西アーバン銀行 アーバンフリーローン(不動産担保型)
・借入金額:100万円~最大5,000万円まで
・借入期間:最長25年
・返済方式:毎月定額返済方式(元利均等方式)
・利用条件:申込時の年齢が満20歳以上で満70歳以下(完済時満86歳未満)、継続して安定した収入があり、保証会社の保証が受けられること
関西アーバン銀行 アーバンフリーローン(無担保型)
・借入金額:10万円~最大500万円まで
・借入期間:最長15年
・返済方式:毎月定額返済方式(元利均等方式)
・利用条件:申込時の年齢が満20歳以上で完済時が満76歳未満、継続して安定した収入があり、保証会社の保証が受けられること
アイフル おまとめMAX
・借入金額:1万円~最大800万円まで
・借入期間:最長10年
・返済方式:毎月定額返済方式(元利均等方式)
・利用条件:満20歳以上で定期的な収入と返済能力を有していること
まとめ
このようにおまとめローンは、いろいろなメリットがありますが、少なからずデメリットもあります。また、金融機関によっていろいろな種類の商品があります。このことを考慮して、自分の現状の借入金に合ったおまとめローンを選ぶと良いでしょう。