クレジットカードに入会すると本人名義のカードが1枚発行されます。
そのほかにも本人名義のカードに紐づけて、高速道路の通行料金を支払えるETCカードや、現金のチャージをしなくてもクレジットカードからのチャージが可能な電子マネーに対応しています。
そして、もう一つ発行できるのが「家族カード」で、こちらは本会員の家族が利用できるカードです。
当記事では、家族カードにどんな魅力があるのかをはじめ、その中でもJCBが発行する家族カードについて解説していきます。
JCBのクレジットカードをお得に使いたい方だけでなく、家族にクレジットカードを持たせたい方や家族内の資金管理にクレジットカードを役立てたい方はぜひ最後までチェックしてください。
そもそも「家族カード」とは?
家族カードとは、クレジットカード契約者となる本会員が持つクレジットカードに追加発行できるカードです。
発行可能枚数はどのクレジットカードを契約するのかによって異なりますが、1枚のみでなく2~3枚以上発行できる場合もあります。たとえば、配偶者に子供1人というように2人分のカードを追加発行することも可能です。
家族カードの最大の特徴となるのが、年会費無料、あるいは本会員カードよりも年会費の価格が安いことです。しかし、本会員カードと同様に保険付帯があったりサービスを利用できたりします。
クレジットカードは一般にゴールド、プラチナなどのランク設定があり、ランクが高くなるにつれて年会費も高額になりますが、そのぶんだけ保険の補償内容やサービスが充実します。
カード名義人となる方が主契約となり、クレジットカードの新規申し込み時は入会審査をおこないますが、一部のカードを除き、家族カードの申し込み時も本会員に対する審査をおこなう場合があります。
また、家族会員の毎月の利用代金は、本会員と同じ銀行口座からの引き落としです。家族カードはあくまでも「家族が使うカード」として発行されるので、カード会社と契約をするのか本会員ということになります。
家族カードを使えるのはどんな方?
それでは、家族カード発行の対象となるのはどんな方なのでしょうか。
まず、条件となるのが「同一生計の家族」「クレジット会社の定める基準を満たした方」となっています。
・両親
・子供
上記が一般的に対象となる方ですが、カード社によって異なる場合があります。
JCBでは18歳以上の方から発行が可能で、大学生や専業主婦、無職の方でも問題ありませんが、高校生は発行できません。
家族カードの署名
家族カードの裏面に署名を記載する必要がありますが、こちらにはカード名義人となる家族の名前を記入してください。
クレジットカードは、カードの裏面に署名の記載が必要で、署名した方のみがカードを使えます。他人や他の家族などは使えませんし、それがカードの本会員の方であっても使うことができないのです。
家族カードの保険適用の条件
クレジットカードには紛失・盗難保険の付帯があり、ほとんどのクレジットカードについています。保険であり、カードを紛失したり盗難に遭ったりした場合に損害が補償される保険です。
警察に被害届を提出して受理されなければならないなどの条件はありますが、利用の記憶がない請求がきても、保険を利用すれば損失分の金額はカード会社が負担してくれます。
ただし、場合によっては補償されないことがあり、その例が以下のとおりです。
・カードの裏面に署名をしていなかった
・発見が遅くて保険申請の適用期間を過ぎた
上記の中で特に注意したいのが、カードの裏面に署名がなければ補償対象にならないということです。つい、うっかりして記載漏れなどのことはよくあるかと思うので、気をつける必要があるでしょう。
そのほかにも利用した方が家族の場合は保険適用の対象外となり、金額は補償されません。家族に自分のクレジットカードを使わせてしまうと、紛失・盗難保険が適用されないのです。
JCBで持てるクレジットカード
クレジットカードによって、家族カードを発行できるものとできないものがあります。
国際ブランドの中で唯一の日本発ブランドとなるJCBでは、プロパーカードはもちろん企業と提携して発行するカードもあります。
JCBが発行するカードの中で、家族カードを発行できる主なものを取り上げて解説していきましょう。
JCBザ・クラス
・年会費(本会員):55,000円(税込)
・年会費(家族会員):無料
JCBゴールド
・年会費(本会員):11,000円(税込)初年度無料
・次年度以降:11,000円(税込)
・年会費(家族会員):1枚目無料、2枚目以降各1,100円(税込)
・ポイント還元率:0.1~2%
・ETC年会費:無料
・発行期間:最短当日発行・翌日届け
おすすめポイント
・空港ラウンジやグルメ優待などの充実したサービス付帯
・最高1億円の旅行保険が付帯
・オンライン入会で最短翌日にカードが届く
JCB GOLD EXTAGE
・年会費(本会員):3,300円(税込)初年度無料
・次年度以降:3,300円(税込)
・年会費(家族会員):1枚目無料、2枚目以降各1,100円(税込)
・ポイント還元率:0.1~2%
・ETC年会費:無料
・発行期間:1週間程度
おすすめポイント
・オンライン入会で初年度年会費無料
・国内・海外旅行保険は最大3,000万円
・海外の利用はポイント2倍
JCBゴールド/プラスANAマイレージクラブ
・年会費(本会員):11,000円(税込)初年度無料
・次年度以降:11,000円(税込)
・年会費(家族会員):1枚目無料、2枚目以降各1,100円(税込)
※サービス付帯年会費は本人、家族ともに330円(税込)
・ポイント還元率:0.5~2.5%
・ETC年会費:無料
・発行期間:1週間程度
おすすめポイント
・初年度年会費無料
・国内外40ヶ所の空港ラウンジを無料で利用できる
・マイル交換手数料が無料
JCB一般カード
・年会費(本会員):1,375円(税込)初年度無料
・次年度以降:1,375円(税込)
・年会費(家族会員):1枚目から各440円(税込)
・ポイント還元率:0.1~2%
・ETC年会費:無料
おすすめポイント
・オンライン入会で初年度年会費無料
・国内・海外旅行保険は最大3000万円
・海外の利用はポイント2倍
JCB家族カードのメリット
家族カードは本会員だけでなく、その家族にもさまざまなメリットのあるカードです。こちらでは具体的にどんな特徴があるのかとメリットについて解説していきます。
本会員にとってのメリット
本会員にとってのメリットは以下のようになっています。
・家計の管理が楽になる・利用履歴のチェックがしやすい
・ポイントを効率良く貯められる
家族カードで支払う年会費は本会員よりも安い、もしくは無料
前述していますが、家族カードの年会費は本会員より安いことが多いです。
実際にカードの利用金額が支払われるのは本会員カードの名義人の口座からとなるので、支払うべきお金をおさえられるメリットがあるでしょう。
家計の管理が楽になる・利用履歴のチェックがしやすい
クレジットカードを利用するとカード1枚ごとに利用明細書が発行され、本会員宛てにまとめて送付されます。また、インターネットからweb明細の登録をすることで電子化されたものがEメールに届くサービスも利用可能です。
そうすることで、本会員と家族カードの合計枚数分の利用明細を一度にチェックできるようになります。何にどれだけ使ったのかがすぐにわかるようになるので、家計が透明化して管理も楽になるでしょう。
ポイントを効率良く貯められる
クレジットカードは基本的に利用金額に対するポイント付与があり、JCBで利用できるポイントプログラムは「Oki Dokiポイント」です。1,000円の利用で1ポイント貯まり、後で1ポイント=1円として買い物ができたり、他のポイントやさまざまな商品に交換できたりします。
しかし、積極的にクレジットカードを使わない方ですと、ポイントを貯めるのは困難かもしれません。そこで役立つのが家族カードの存在です。
家族カードの利用で付与されたOki Dokiポイントは契約者の本会員が獲得が可能で、本会員の保有するポイントと合算。その結果、ポイントを効率良く貯められるようになるでしょう。
自分だけではなかなかポイントが貯められない!と思ったときに家族カードの利用が助け舟になるということです。
ただし、Oki Dokiポイントには有効期限があり、カードの種類によって異なるもののポイント獲得月から2年~5年間の設定です。Oki Dokiポイントを使いたい場合、有効期限内に消費しないとポイントは失効するので注意してください。
家族会員にとってのメリット
家族カードは、本会員はもちろん実際にカードを利用する家族にもさまざまなメリットがあります。
詳しくは以下をチェックしてください。
・信用情報にマイナスの履歴がある方(ブラックリストに登録済の方)も発行可能
・本会員カードに付帯する保険やサービスが利用できる
安定した収入のない方(専業主婦・学生など)も発行対象
クレジットカードは申し込めば誰でも持てるわけではありません。基本的に安定した収入を継続して得られる方が対象となっています。
これはクレジットカードが商品を購入した後に支払いをおこなう特徴があるため、カード会社が貸し倒れなどのリスクを避けたいからです。
そこで、安定した収入がないとカード会社は返済能力がないと判断し、無職の方や専業主婦の方はクレジットカードを申し込んでも審査落ちする可能性が高まってしまうのです。
しかし、家族カードであれば審査対象になるのはカード名義人となります。家族カードを持つ方が無色だったり、安定した収入がなかったりする場合でもカードを手にすることが可能になります。
信用情報にマイナスの履歴がある方(ブラックリストに登録済の方)も発行可能
過去に自己破産などの債務整理をした・支払いを長期間滞納したなどの経験がある方は、信用情報機関に「ブラックリスト」として登録されているでしょう。その場合、クレジットカードを発行することは不可能です。
ブラックリストは一定期間で削除されますが、それまではクレジットカードを持つことができません。そんな「クレジットカードが発行できない方」でも、家族カードであれば審査を受けることなく持てることは大きなメリットです。
そのほかにも、家族カードはお金の管理を本会員などの家族にお願いしたい方にとっても便利なカードと言えます。
本会員カードに付帯する保険やサービスが利用できる
家族カードは、本会員カードに付帯する保険やサービスを同様に利用可能です。
カードの種類によって何が付帯するのかは違ってきますが、JCBゴールドでは以下のような保険やサービスが利用できます。
・国内・海外航空機遅延保険 ・ショッピングカード保険
・GOLD Basic Service
国内・海外旅行傷害保険
国内・海外旅行傷害保険では、旅行先の思いがけない病気やケガなどをした際に安心できるサービスです。
支払う治療費や、カードの名義人が旅行先で入院した際に家族が現地に駆け付けるための交通費などが補償対象になります。
海外は最高1億円、国内は最高5,000万円の補償があり、これは家族カードも同じ金額です。
国内・海外航空機遅延保険・ショッピングカード保険
予約済の飛行機が運航中止になったときの宿泊費やかかった食費、予定通り届くはずの手荷物が届かないときに旅行先で入手した着替えなどの購入費は予想以上に高くなるかと思います。
航空機遅延保険ではそのような費用が補償対象となり、限度額はそれぞれ2~4万円ほどです。もちろん、家族カードも同じ金額が補償対象になります。
また、カードを利用して購入した商品が破損した場合、ショッピングカード保険が適用されるのも安心です。
GOLD Basic Service
JCBゴールドでは「GOLD Basic Service」を利用することが可能です。
カードに関する疑問や悩みにすぐに答えてくれる「ゴールド会員専用デスク」に日本国内の空港とハワイはホノルルの空港みあるラウンジを無料利用できるサービス、日本国内の指定レストランで食事代金が割引になるサービスがあります。
そのほかにもOki Dokiポイントを通常よりもお得に貯められるサービスにキャンペーンもおこなわれていて、家族カード会員も同様にサービスが受けられます。
キャンペーンでは本会員カードと家族カードのポイントを合算すれば抽選に応募しやすくなるなどのメリットもあるので、利用価値は高いのではないでしょうか。
家族カードを発行できないケースと利用時の注意点
家族カードはクレジットカード本会員の支払い能力や信用情報を参考にして発行できるかどうかが決まります。
本会員に特に支払いトラブルなどがなければスムーズに発行されますが、以下のような場合は発行が難しい可能性があるので注意してください。
家族会員となる方自身に問題がある
家族カード審査をする際に、利用予定の家族が審査対象にならないのが基本になります。
しかし、一部例外があり、家族カードの申込者が過去に延滞や自己破産を起こしている場合です。貸し倒れや延滞、強制解約などで迷惑をかけたカード会社(関連会社も含む)は、自社ブラックで審査落ちする可能性が極めて高くなるでしょう。
なぜなら、家族カードの審査をおこなう際に名前や生年月日などの本人確認情報を調べるからです。カード会社は自社ブラックの情報は半永久的に保有しているため、本会員自身に問題がなかったとしても審査落ち対象になります。
本会員自身に問題がある
クレジットカードを新規発行時は本会員自身の支払い能力と個人信用情報を参考にして発行できるかどうかを判断します。
しかし、新規発行時は問題ないと判断されても、その後の利用状況しだいでは審査落ちする可能性は十分にあるのです。
たとえば本会員自身が毎月の支払いの延滞を繰り返している、キャッシング枠が付帯していればギリギリまで借り入れをおこなっているなどの状態が挙げられます。
家族カードは申請をすれば発行できるわけではありません。新規発行後に本会員が支払いトラブルを起こしていたり支払い能力がないと判断されたりすれば簡単に審査落ちしてしまうのです。
延滞を解消すれば審査に通過するのでは?と思うかもしれませんが、延滞の履歴は一定期間残っています。
発行したからには本会員に迷惑をかけないことは重要
何度か解説していますが、家族カードの審査は本会員を対象にしておこないますし、家族カードの利用金額の支払いも本会員のカード利用金額と一緒に本会員の銀行口座より引き落とされます。
そのため、家族カードは本会員の責任において支払いをおこなうので、家族カードに申し込む際は必ず本会員の同意を得なくてはなりません。また、実際に申請をおこなうのも本会員自身からになります。
同意を得ずに勝手に家族カードを使ることは禁止ですし、そのほかにも延滞や支払い不能などのトラブルを起こせば本会員に迷惑がかかります。
また、本会員の信用情報に事故情報の履歴が残ってしまうと一定期間削除されることがないので、新たな借金はできなくなりますし、場合によっては家族カードと一緒に本会員カードも利用できない状態になってしまいます。
それでは家族カードを作っても意味がないですし、本会員にとっても良いことは何一つありませんから、家族カードを持ったら支払いトラブルは起こさないことを心がけてください。
まとめ
クレジットカードの多くで家族カードを発行していますが、特徴に魅力、JCBが発行する家族カードについて具体的に解説しました。
最後にポイントをチェックしておきましょう。
・本会員にも家族にもカードを利用するメリットがある
・JCBはカードの種類によって年会費は異なるものの、いずれも本会員よりも安い・もしくは無料
・家族カードを発行して利用すれば、キャンペーンの応募がしやすくなる
これまで家族カードの発行についてよくわからず前向きになれなかった方も、ぜひ持つことを検討してみてはいかがでしょうか。