転売って違法なの?転売が違法となる事例、ならない事例まとめ。

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少し前の話になりますが、転売をしていると知人から「それ、違法やん」とご指摘を受けたことがありました。僕は普通に違法ではないという認識のもと行っていたのでこの話を持ち掛けられた際にはすごく衝撃的でした。

 

転売を行われている、あるいはこれから副業などで始めてみようと考えておられる方の中には違法が転売なのではないかと不安に思われているのではないでしょうか。もしかするとあなたが行っていることは違法で、明日には捕まってしまうかもしれません…。

 

今回は転売が違法なのか、違法ではないのかを事例に基づいて詳しく確認していきたいと思います。

転売=違法であるイメージ

冒頭でもお話ししたように、転売がすべて違法であるというイメージが世の中に広がっています。また、違法ではないことを知っていたとしても何となく印象が悪いような気がしますよね。転売を行っている方の中には、自分が悪いことをしているのではないか、違法なのではないかとふと不安に思う機会がたまにあるでしょう。

 

転売が違法であるというイメージはモラルのない人物がマスコミなどの報道によってできた誤った印象です。転売は仕入れ量が多いほど利益が高くなるので福袋など儲かる商品の買い占め等モラルのない行動が報道され多結果、転売は違法であると言われるようになりました。

2016年の元旦に行われた、スターバックスの福袋買い占め問題は皆さん記憶に新しいのではないでしょうか。福袋は基本的に購入額以上の商品が同梱されている為、ばら売りを行うだけでも十分に利益が出せるようになっています。そのため、転売ヤーの餌食になりやすい傾向にあります。

 

ざっくりした問題の内容としては、スタバの福袋が購入個数制限がない&高く売れるということで、先頭に並んでいた数名のグループが店頭に用意されていた108個の福袋をすべて買い占めてしまったという問題です。(これには販売した店舗側にも問題があるのですが、)これが問題であると話題になり、炎上した結果ニュースにも取り上げられてしまいました。

 

 

このグループはモラル的に問題があったものの、法律的な問題は全くありませんでした。しかしこの事件を境に転売を行うことは悪だと認識されるようになったほか、福袋の販売規制が様々な店舗で行われるようになりました。

転売は違法ではない

 

転売そのものに違法性は全くありません。安く仕入れて高く販売する仕組みというのは一般的な商売の方法ですので、何一つ問題はありません。

 

転売はビジネスモデルの性質上、商品を横流ししている状態と一緒であるため、何となく悪いことをしているのではないかと考えてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。先ほどから転売ヤーやタブ屋など、悪いイメージが一般的に定着しているのもその原因の一つでしょう。

しかし、転売は悪い面だけではありません。あなたが仕入れてきた商品をメルカリやヤフオクを通して販売するだけでも書いてからすればネットで簡単に購入できるようになったわけですからそれで感謝されることも多いです。そのため自信をもって販売を行ってほしいと考えています。

 

しかし、販売方法によっては一部、違法になってしまうケースも存在しますので次の項目で説明していきます。

 

 

転売が違法となるケース

ここでは転売が違法となるケースについてご紹介します。基本的には転売はまっとうな商売ですので違法性は全くありません。しかし一部では問題となるケースが存在します。具体的には次の2点です。

 

  • 古物商許可証の不保持
  • タブ屋行為
  • その他行為

 

古物商許可証の不保持

古物商許可証とは、古物を取り扱い売買するような商売を行う場合に必要となる許可証のこと。また、古物をリースするような事業でも必要になります。

古物商許可証が必要になる理由としてはいろいろありますが、主には盗難品や偽ブランド品の流通などを防ぐ目的として利用されます。基本的には市場を守るための最低限の法律という訳です。

 

個人が不用品処分を目的にメルカリやヤフオク、フリーマーケットなどで商品を販売する場合には古物商許可証は不要ですが、事業目的で古物を売買する場合には古物商許可証が必要となってきます。

 

罰則は違反条文によってそれぞれですが、無許可営業の場合には最大3年間の懲役または100万円以下の罰金、またはその両方が課せられることとなっています。

 

基本的に保有していなくても店舗を構えていない場合は見つかることはほぼありませんが、何らかの理由でばれてしまった場合には知らなかったでは済まされません。

 

また、万が一調査が入った場合、それが不用品処分目的の売買とされるか、事業目的での売買とみなされるかは取引額やその頻度、継続性などを総合的に吟味して判断されます。つまり弁解の余地はないということです。古物商許可証の不保持で逮捕されることは本当にまれではありますが、実際に逮捕事例も存在します。

 

 

事業として継続して古着転売を行う場合には必ず古物商許可証は取得しておきましょう。

 

なお取得するためには警察にて申請する必要があるのですが、提出書類がそれなりに多い他、一般的には発行まで40日程度かかり、発行料金として19000円が必要になります。時間的にも金銭的にも余裕をもって作成するようにしましょう。

 

タブ屋行為

次に注意しなければならないのが、タブ屋行為です。タブ屋行為とはいわゆるチケット転売のことを指します。あらかじめ行きもしない人気のコンサートチケットを予約しておき、それが当選したらチケットを通常よりも高い値段で販売することを一般にタブ屋行為と呼ぶのです。

 

タブ屋行為として認められるチケットはコンサートチケットはもちろんのこと、スポーツの試合、展示会、交通機関の指定席チケットまで多岐にわたります。販路としては主にインターネットが挙げられます。なお、チケット転売事業者を優遇していたとして問題になったチケットキャンプが閉鎖する等、年々タブ行為に関する規制は強くなりつつあります。

 

タブ屋行為は法律で規制が行われていないものの、(2009年の段階で47都道府県中40の都道府県において規制されているなど、)大半の都道府県の条例において禁止されている行為になります。大抵の都道府県で違法とみなされるのですが、その罰則規定は都道府県によって様々。

 

現在では2020年のオリンピックに向けて、全国均一の罰則規定を作るように法律案を提出している層です。

 

なお、チケットを定価より安値で売却することはタブ屋行為には当たりません。

 

古物商許可証っていらないんじゃないの?

 

先ほど古物営業法があるので、古物商許可証を持っていないのに中古品の商品を売買するのは違法であるというお話をしました。しかしインターネット上では「古物商許可証は不要である」と考える方も少なくないようです。ここでは実際のところ取るべきなのか、取らなくても良いのかをはっきりさせておきます。

 

転売に古物商許可証が不要であるとしている人たちの意見としては、

  • 個人から何かを買い取って販売する場合には古物商許可証が必要。
  • 古物商許可証を取得する理由は主に盗難やコピー品の流通を避け、万が一そのような事態が発生した場合には、それの調査に協力するため。(そのため買取記録や販売者の住所などは残しておく必要がある)
  • 私たちは主にセカンドストリートなどのリユースショップ(古物営業法を持つ企業)から購入した場合はそれらに関与する必要がないため、古物商許可証は不要である。個人から買い取る場合は個人でも古物商許可証が必要

 

となります。

 

つまり、目的的に考えて私たち転売を行う人たちは、古物営業法をいらないのではないかと考えている方々が大勢いるということになります。確かに、個人から買取を行うものでなければいらないと言われると確かにそのような気になってしまうかもしれませんね。でも実際はどうなのでしょうか。

 

古物商許可証が必要となるケースはざっと次のようなものが挙げられます。

  • 古物を買い取って売る。
  • 古物を買い取って修理等して売る。
  • 古物を買い取って使える部品等を売る。
  • 古物を買い取らないで、売った後に手数料を貰う(委託売買)。
  • 古物を別の物と交換する。
  • 古物を買い取ってレンタルする。
  • 国内で買った古物を国外に輸出して売る。
  • これらをネット上で行う。

 

この文章だけでは個人から買い取った古物なのかどうかを具体的に指す言葉がないので、企業から購入した中古品を販売することが違法とすることは難しいかもしれません。しかし、ヤフオクやメルカリなど個人から購入した商品をネット上で販売する場合は間違いなく古物商許可証が必要であることがわかります。

 

次に、古物商許可証が必要でないケースを見てみます。

 

  • 自分の物を売る。
  • 自分で使っていた物、使うために買ったが未使用の物のこと。(最初から転売目的で購入した物は含まれない)
  • 自分の物をオークションサイトに出品する。
  • 無償でもらった物を売る。
  • 相手から手数料等を取って回収した物を売る。
  • 自分が売った相手から売った物を買い戻す。
  • 自分が海外で買ってきたものを売る。(他の輸入業者が輸入したものを国内で買って売る場合は含まれない)

企業から購入した商品は買取に含まれないといった記述がないことがわかるほか、最初から転売目的で購入したものは含まれないという記述があることから、転売を行う目的で商品を購入する場合には古物商許可証が必要であることがわかります。

 

古物商許可証は取得に若干の時間がかかるほか、取得するのがめんどくさくはありますが、19000円で取得できますので取っておいたほうが良いと言えるでしょう。

 

転売での逮捕事例

ここでは転売での逮捕事例について解説します。古着転売などで逮捕された例はあまり聞きませんが、やはり転売で逮捕までつながる可能性が高いのはチケット転売になります。

 

先ほど紹介したようにチケット転売はいわゆるタブ屋行為にあたる為、警察含め監視の目が厳しくなっています。

 

アイドルグループ「嵐」のコンサートチケットを5枚販売したとして逮捕される

https://www.j-cast.com/2016/09/15278258.html?p=all

2016年9月にアイドルグループ嵐のコンサートチケットを販売した容疑で香川県在住の女性が逮捕されています。2014年頃から転売を続けて1000万円以上の利益を上げていたとされています。

 

香川県には香川県迷惑行為等防止条例によってタブ屋行為を取り締まる条例が定められていましたが、この場合では古物営業法違反によって逮捕されています。

 

 

サカナクションの電子チケット転売で男逮捕 全国で初

https://www.oricon.co.jp/news/2092002/full/

2017年6月にはサカナクションの電子チケットを転売していた男性が逮捕されました。紙媒体のチケットから電子媒体のチケットに代わってから逮捕は初めての事。法整備が整っていないなどの理由から逮捕された理由としては詐欺罪ということになっています。

 

 

転売で逮捕される理由としてはやはりチケット転売が多いです。実際タブ屋行為は条例で禁止されていたりするほか、全国的になくしていこうという意向であることを踏まえると当然かもしれませんね。

 

古着転売などで古物営業法違反で逮捕される例はほとんど見かけませんが、ネット上の話を見る限りは無営業の方はちらほら摘発されているようです。タブ屋行為ほどひどくはなく、初めは注意などで済む場合も多いようです。おそらくもぐりの業者がかなり多いからだと思われます。

 

とはいえチケット転売で捕まった例のように、ある日突然あなたも逮捕される可能性も当然あります。健全な事業経営を営むためにもタブ屋行為などの違法行為は避け、古物商許可証をきちんととって営業する姿勢が必要とされます。

 

また、転売とは少し違うかもしれませんが、転売用に利用可能なアカウントを不正に作って販売して逮捕されるという事例もありました。このような行為は法律上違法ではありませんが、利用上のルールとしてメルカリなどが定めており、これらを違反すると営業妨害ということで罪を負わなければならないこともあります。

違法にならないためのポイント

 

最後は違法にならないためのポイントについてお話しします。先ほどからお話ししているように、

 

違法になる原因は基本的に

  1. 古物商許可証の不保持
  2. タブ屋行為
  3. その他営業妨害など

の3点になります。

 

 

いずれにしても「知らなかった」「そのようなつもりではなかった」では済まされないものばかりです。これらは売上額や行為そのものを客観的に見て違法となるかそうでないかを判断するので、弁解の余地がありません。

 

特にタブ屋行為は近年どんどん規制が厳しくなっているので手を出さないほうが賢明です。コンサートチケットやスポーツ観戦チケットのほかにも、交通関係のチケットから金券まで様々なジャンルの券がタブ行為として認められるので、十分に注意したほうが良いでしょう。

 

また、営業妨害として逮捕された事例があることもご紹介しましたが、営業妨害に当たる行為は案外多いです。例えば無在庫転売(在庫を仕入れることなく出品しておき、商品が売れたら購入する。購入した商品の届け先は購入者にしておくという仕組み)なども違法性はないのですが、Amazonやメルカリなどの利用規約においては禁止となっています。

 

利益はAmazonやメルカリにも入るので、初めは注意喚起程度にとどまることがほとんどです。(過去の事例を見てもアカウント停止などが多い)しかし、あまりにも悪質である場合は警察沙汰になってしまう可能性もあるでしょう。

 

このように自分が行っていることが知らず知らずのうちに法律違反やルール違反になってしまうケースは案外多いため、同業者が警察沙汰になっているニュースを確認しておくことはもちろんのこと、ルール改正などがあった場合は読み飛ばさずに必ず確認するような姿勢が大切であると言えます。

まとめ

 

今回は転売が違法なのかそうでないのかというお話から、違法になってしまうケースまでいろいろとご紹介したのですが、いかがだったでしょうか。転売を行う上でいろいろな法律があって不安だったという方は、今回の記事でおおむね不安を解消していただけたのではないかと思います。

 

転売と言うのはれっきとした商売ですし、堂々としていて構わないのですが、それを行う上でのルールを守って行う必要があります。古物商許可証の取得やタブ行為を行わないことなどです。

 

いちいち守るのは面倒だと思われるかもしれませんが、これらを最低限行っておくことで購入者の安全はもちろんのこと、私たちも不要な犯罪に巻き込まれずに済むことができます。

 

今回の記事を参考にして皆さんも違法な転売を行わないように注意してくださいね!

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