留学にクレジットカードは必要?理由と学生におすすめのカードを紹介

留学することが決まったら準備しなくてはならないものがいくつかあり、パスポートや航空券などが挙げられます。

しかし、そのほかに、クレジットカードが留学には欠かせない必須アイテムであることは意外と知られていないかもしれません。

学生の場合、クレジットカードを作った経験がない、もしくは家族カードを持っていたとしても積極的に利用した経験はないというケースがほとんどでしょう。そのため、留学時になぜクレジットカードが必要なのかを理解できない方も多いとのことです。

当記事では、留学にクレジットカードが必須の理由を解説します。その後に学生でも審査通過がしやすく、留学にぜひ持っていきたいおすすめクレジットカードもご紹介します。

クレジットカードが留学に必要な理由

文部科学省の報告によると、2017年に海外留学した日本人の約36%の留学期間は1ヵ月以上でした。

海外の滞在期間が長ければ長いほどに、お金を使う場面や利用金額も大きなものになるので、海外旅行のときとは違う感覚でお金の使い方を考える必要があるでしょう。

それでは、なぜ留学にクレジットカードを持っていくことが推奨されるのかの理由を以下でまとめてみました。

・現金を持ち歩くよりも安心で安全
・現金よりも使いやすい
・キャッシング手数料をおさえつつ現金を調達できる
・付帯する海外旅行傷害保険が役立つ
・身分証明書として使える

現金を持ち歩くよりも安心で安全

日本は世界のさまざまな国の中でも「平和とされる国」です。そのため、日本人の海外での危機意識はかなり低めとされています。

さらに日本人=お金持ちのイメージがあることから、海外では日本人がスリやひったくりなどの被害にあうことも決して珍しくありません。

実際、外務省が発表する「日本人が遭遇した強盗や窃盗などの件数」は、すでに4,000件を軽く超えているほどです。

スリや盗難の被害に遭って警察に被害届を出しとしても、現金や物品が戻ることはありません。その一方で、クレジットカードの場合はカード会社に連絡すれば利用停止が可能です。

被害は最小限でおさえられるので、留学生活でのリスクを減らすことを考えても現金よりクレジットカードを選ぶのがおすすめと言えるでしょう。

現金よりも使いやすい

東京オリンピックの開催を前にして、日本では政府指導によるキャッシュレス化が推進されています。しかし、2016年時点のクレジットカードを含むキャッシュレス決済の比率は19.9%です。

韓国が96.4%、イギリスが8.6%、アメリカが46.0%であることと比べたら、低い数値なことがわかるかと思います。

要するに日本では現金主義が根強いのに対し、海外はキャッシュレスによる支払いが一般的になっていることを表しているでしょう。

キャッシュレスが普及していても、海外で現金が使えないことはありませんが、もしかしたら現金払いに嫌な顔をされたり、現金の受け付けをしない店舗に遭遇する可能性はあるかもしれません。

それらのこともあり、留学ではクレジットカードを利用するのがおすすめです。

キャッシング手数料をおさえつつ現金を調達できる

いくら海外ではクレジットカードの利用が一般的だったとしても、現金が必要なこともあるでしょう。

そんなときに多くの方が日本円を現地通貨に両替するかと思いますが、クレジットカードを持っていれば日本円がなくても現地通貨を調達できます。

その秘密はクレジットカードのキャッシング枠。たとえ海外に銀行口座がなくても、ATMからキャッシング枠の範囲内で現地通貨を引き出すことができるのです。

たしかにキャッシングは手数料が発生するので使いたくないと思う方も多いかもしれません。しかし、キャッシング手数料は現金を両替する際の手数料よりも安く済むことがほとんどなのです。

また、キャッシングをした当日のレートで換算されますから、両替よりもお得に現地通貨を入手できます。

海外では主要空港、金融機関、スーパーなどのさまざまな場所にATMがあり、使い勝手も申し分ありません。現金が必要なタイミングで利用できるのも大きなポイントです。

たとえばVISAであれば世界200ヵ国、260万台以上ものATMが利用対象となります。

付帯する海外旅行傷害保険が役立つ

海外では日本の保険制度は一切適用されません。そのため、思いがけない病気やケガをしたときの医療費が高額になると思っていてください。

たとえば、アメリカはニューヨークでは、診察費だけで約1,000ドル以上、入院1日あたり1~2万ドルかかることも決して珍しくないです。

そんなときに支払いができず困らないために、海外にいくときは旅行傷害保険に入るのが必須となっています。そこでおすすめなのが海外旅行傷害保険を付帯するクレジットカードです。

医療費はもちろん賠償責任、救援者費用などの保険が付帯するクレジットカードを選べば、保険代をおさえつつ安心できる補償もついてきます。

そのほかにもクレジットカードは海外でのサポートダイヤルも充実しています。ちょっとした病気やケガなどの心配ごとも日本語で相談できるので便利です。

身分証明書として使える

海外ではクレジットカードで支払うことが日本以上にメジャーです。クレジットカードへの信頼性が高く、所有しているだけで支払い能力のある「信頼できる人」とみなされることも。

そのため、クレジットカードが身分証明書の代わりに必要なケースもあるほどです。

たとえば、留学先でホテルのチェックインやレンタカーを利用するときにクレジットカードの提示を求められることがあります。

留学中は学生であるため、身元を証明するのはなかなか難しいことでしょう。しかし、クレジットカードがあれば、そんな問題もスムーズに解決ができます。

留学時のクレジットカードは2枚持ちが良い

留学にいくときにクレジットカードが必要不可欠なことはわかったかと思いますが、クレジットカードは最低でも2枚保有することが望ましいとされているのです。

それでは、留学時にクレジットカードを2枚持ちしたい理由とは、どんなことなのでしょうか?

・国際ブランドによって使い勝手が異なる
・磁気不良や破損などのカードトラブルに備えられる
・決済エラーが出たときに予備のカードとして役立つ
・クレジットカードの再発行はハードルが高め
・2枚分の限度額があればさらに心強い
・付帯保険を最大6カ月間に延長可能

国際ブランドによって使い勝手が異なる

クレジットカードの申し込み時にVISA、Mastercard、JCBなどの国際ブランドの選択が可能です。

メジャーな国際ブランドであれば、海外のどの国にいても使いやすさに違いはありません。しかし、場所や店舗によって、特定の国際ブランド以外の利用ができないこともあります。

そのため、クレジットカードはVISAとJCBなどのように、異なる国際ブランドを2枚持つのがおすすめなのです。

世界シェア1位のVISA、日本人向けのサービスが手厚いJCBなどの国際ブランドを組み合わせれば、それぞれの強みを活かすことができるようになります。

磁気不良や破損などのカードトラブルに備えられる

磁気ストライプを持つクレジットカードに強い磁気を発するスマートフォン、そのほかにも磁石つきのバッグなどを持ち歩いていると、クレジットカードが磁気不良が起こすことがあります。

また、ATMの規格違いを理由に、日本ではトラブルなく使えたクレジットカードが海外で使えなくなることもあります。

これらの磁気トラブルによってカードが使えなくなったら、もう再発行するしかありません。そこで、留学中にクレジットカードを2枚持っていれば、これらのトラブルの備えにもなります。

決済エラーが出たときに予備のカードとして役立つ

クレジットカードはカード読み取り機で情報を読み取ります。

そして、その情報をカード会社に送って決済処理がおこなわれますが、海外ではこの処理のタイミングでエラーが発生することが多くあるのです。

日本でクレジットカードを使ってエラーが出るのは、カードの有効期限切れや限度額オーバーなどで、カード会社に送信した情報に対する結果がほとんどでしょう。しかし、海外では、通信状態が不安定だったりネットワークエラーが原因だったりすることがあります。

原因がはっきりとわからず、店舗側が何度も決済すれば後にセキュリティロックがかかり、特に問題のないクレジットカードでも一時的に使えなくなる場合があります。

そこで2枚目のカードがあれば、決済処理に再チャレンジが可能となるので役立つことになります。

クレジットカードの再発行はハードルが高め

磁気不良、紛失や盗難などのトラブルでクレジットカードの再発行が必要になった場合、すぐにカード会社に手続きの依頼をしましょう。

多くのカード会社が24時間365日、再発行を日本語で対応しています。しかし、日本とは異なり、留学中のクレジットカードの再発行は手間や時間がかかるので注意が必要です。

・現地に送ってもらえるのは緊急用のカードのみ
・再発行は日本でしかできない
・再発行にも手数料が1万円前後かかる

このような制約のあることが一般的です。日本に住む家族に再発行や送付のお願いはできるかもしれませんが、郵送事故なども気になるでしょう。

こんなときに備えて2枚のクレジットカードを用意しておけば、残り1枚と緊急カード1枚で留学生活を何とか乗り切れます。

2枚分の限度額があればさらに心強い

留学では授業料、航空券の購入代金などが出費の多くを占めますが、そのほかに滞在費の負担も大きくなりがちです。

比較的リーズナブルとされる、カナダ・バンクーバーに語学留学(6カ月間)するときの授業料6,630カナダドルに対し、滞在費がほぼ同額の5,712カナダドルくらいかかると言われています。

これが、さらに大都市となると金額は驚くほどにアップすることもあるでしょう。

クレジットカードは利用限度額があります。よほど使いすぎなければ、留学生活で利用限度額をこえることはないかもしれませんが、長期休暇中などは思いがけない出費があることも考えられます。

そんなときも2枚のクレジットカードがあれば、限度額を2倍確保できます。いざという場合も、使えるお金があることは心強いことです。

付帯保険を最大6カ月間に延長可能

クレジットカード付帯の保険適用期間は3か月(90日間)なことがほとんどです。

短期留学であれば問題ないかもしれませんが、たとえば半年間の留学ではクレジットカードの保険で留学期間をカバーできません。しかし、自身で保険に加入するとなると半年間で約6万円近い保険料がかかるなど、かなり大きな負担となるでしょう。

そこで、クレジットカードしだいで最大6カ月間、適用期間を延ばせますが、保険が自動付帯であるか利用付帯であるかどうかがポイントになります。

自動付帯と利用付帯の違い

保険には自動付帯と利用付帯があり、違いは以下のようになります。

自動付帯:カードを持っているだけで出国日より補償
利用付帯:出国日以降、カードを利用した日から補償

自動付帯は出国日に家を出た時点から保険適用となりますが、利用付帯は出国日以降に初めてカードを使った日から保険適用となっています。

つまり、自動付帯と利用付帯のそれぞれの保険が付帯するクレジットカードを2枚持っていれば、当初3か月間は自動付帯でカバーします。そして、次の3か月間に入るタイミングで利用付帯のカードを使えば最大6か月間の補償を受けられることになるのです。

長期間、お得に補償を受けたいなら、クレジットカード付帯の保険の種類もしっかりと確認してください。

なお、丸井の発行するエポスカードなら、年会費無料で海外旅行保険が自動付帯します。

留学におすすめのクレジットカード

留学のためにクレジットカードが欲しいけれど、「学生だから申し込めないのでは?」と考える方もいるでしょう。

そこで、学生が申し込みやすいおすすめの2枚をピックアップしました。

セゾンブルー・アメリカン・エキスプレス・カード

セゾンブルー・アメリカン・エキスプレス・カードは、セゾンカードインターナショナルの基本機能をそのまま残し、
さらにアメックスならではのステータス感がある1枚です

2年目以降は年会費が3,300円(税込)りますが、ネットからの申し込み限定で26歳までの年会費が無料になります。高校生を除く18歳以上が申し込み可能で最短即日発行も可能です。

国内旅行傷害保険のほかに、留学に役立つ海外旅行傷害保険が自動付帯します。最高3,000万円というの手厚い補償で、治療費用の限度額も300万円という内容です。

さらにショッピング保険も国内外関係なく、年間最高100万円まで補償されます。

また、留学にかかる費用をカードで払えば、1,000円ごとに1ポイントの永久不滅ポイントが付与され、こちらは有効期限がないので留学中に貯めて帰国後に使うなどしてみてください。

エポスカード

日本国内在住の18歳以上であればどなたでも申し込めるのが丸井の発行するエポスカードです。

審査基準に年収に関するものがないので審査通過しやすく、学生のクレジットカードデビューとしてもおすすめでしょう。

入会金・年会費無料で維持費は一切かからないうえに、自動付帯する海外旅行傷害保険の内容が充実しています

治療費用が最高270万円、携行品損害に最高20万円の補償がつくので、ケガや病気、持ち物の破損などの必要性の高い項目に手厚いことが特徴です。

さらに、医療費のカード払いもできるので、保険金がおりるまでに立て替え払いが必要な場合も、キャッシュレス決済で対応できます。そのほかにも年中無休で対応してくれる日本語によるサポートデスクも心強いです。

即日発行も対応しているので、留学前に時間がない方も発行しやすいですし、年4回開催のマルイのセール期間中はさらに10%オフのショッピングが楽しめます。

留学でクレジットカードを利用する際の注意点

クレジットカードに慣れていない方ですと、留学中に思いがけない理由でカードが利用できなくなることがあります。

そこで、クレジットカードを利用するにあたり、おさえておきたい注意点をまとめて解説しましょう。

引き落とし口座に残金はあるか

クレジットカードの利用額は1か月ごとに指定された銀行口座から引き落とされますが、口座の残金が不足していれば、引き落としはできず延滞扱いです。

クレジットカードで支払い遅れをすると個人の信用に影響します。カード会社によって対応は違いますが、クレジットカードの利用停止につながると思っていてください。

さらに、延滞すると遅延損害金を支払わないとなりません。個人信用に傷がつくだけでなく、カードが使えずに無駄な費用がかかるとなると良いことはないでしょう。

クレジットカードの有効期限が留学期間をカバーしている

留学準備にかける期間は人によってさまざまです。

3~6か月前は留学先を選定することが望ましいとされていて、留学準備の一環として早めにクレジットカードを発行する方もいるでしょう。しかし、クレジットカードの有効期限に注意してください。

クレジットカードが有効期限を迎えると、更新後のカードが自動的に送られてきますが、留学で海外にいると手元に届くタイミングがずれます。そして、カードのない空白期間が生まれてしまうかもしれません。

留学前にクレジットカードを発行した場合、有効期限をチェックするようにしてください。留学中に有効期限が切れるようであれば、新しいカードを発行するのがスムーズです。

クレジットカードの利用限度額は足りているか

クレジットカードの利用限度額は必要に応じて変更できます。

使いすぎを防ぐために利用限度額の設定を低めの金額で設定する方もいますが、すぐに利用限度額オーバーで使えなくなることもあるでしょう。それか利用限度額を高額に設定しすぎている場合、使いすぎなど金銭トラブルの元になることもあります。

そこで、クレジットカードの利用限度額は留学先での生活実態に見合ったものを選ぶことが重要です。

カナダやニュージーランドは比較的リーズナブルに済む傾向がありますが、アメリカやイギリスは授業料も物価も高めになります。留学する国によって留学にかかる費用は大きく異なるので、渡航前に情報収集しておくのがおすすめです。

まとめ

これから留学を考える方が重要になるのは、希望に合った学習環境を手に入れることです。そこで、勉強や準備に忙しく、留学中の生活について考えるのはつい後回しになってしまうかもしれません。

しかし、留学先での安全や信頼を高めるクレジットカードは、留学準備をする際に重要度の高いアイテムです。だからこそ、じっくりと検討する時間を設けてください。

日本で利用するのとは異なり、留学中のクレジットカードはトラブル時の強い味方になります。海外旅行傷害保険の補償内容やサポートデスク、そのほかにも海外で頼れる機能やサービスを確認してから選ぶようにしましょう。

コメントを残す