火災保険の代わりになる?火災共済と保険の違いや特徴について

共済とは

「火災保険を共済で代替することは可能?火災共済と火災保険との違いは?」

賃貸・持ち家問わずに、一般的に住宅を持つ・借りると言った際に必要になってくるのが「火災保険」です。不動産に関する様々なリスクは、損害が大きくなりやすいため必要度の高い保障であると言えるでしょう。

ただ、他の保険では民間の保険以外にも、医療保障等を「共済」で代替するケースが少なくありません。共済の方が保険料が安くなりやすく、パッケージ化されたものが多い為、場合によっては理想的な保障の枠組みとなります。

ここで気になるのは「火災保険を共済で代替すること可能なのか?」というポイントでしょう。なので、この記事では以下のようなポイントから

  • 共済の基本的な事
  • 火災共済と火災保険について
  • 火災共済・火災保険のどちらが良い?
  • 火災共済は賃貸にも利用できるのか?

と言ったような点を中心的に、火災保険・火災共済の両者を解説・比較していきたいと思います。まず、はじめに共済の基本的な部分についておさらいしていきたいと思います。

共済について

医療費等を保障したいと考えた場合に様々な選択肢が存在している事は事実ですが、一般的には「民間の保険」と「共済」というのが、2つの大きな選択肢としてまず検討することになると思います。

ただ、両者とも一長一短が強く出ているので、保険も共済もしっかりと理解した上で検討していきたいと言えるでしょう。なので、まずはじめに共済・保険と言ったテーマについて解説していきます。

家に関する事を保障する火災保険を共済で代替すると言ったケースに限らず、現在販売されている一般的なニーズを汲み取った共済を検討する際にも参考になるはずなので、しっかりとチェックしていきましょう。

保険・共済の概要

共済と保険の基本的な事、つまり両者の違いには根底に「組織の違い」というものがあります。組織が異なることによって、保険・共済を販売する意味・特徴が異なってきているのです。

公的なものを除く、積極的な広告活動を行っているような「がん保険」「医療保険」「生命保険」と言ったような保険という名前が付くものは、一般的に民間の保険会社が販売していると言えます。

民間の保険会社は「営利的な組織」によって運営されています。つまり、利益を目的に保険を販売しており、保険料やその運用から利益を出しています。

加入者が増えれば増えるほど、利益も大きくなるので積極的な広告活動を行って、出来るだけ加入者を増やそうと日々保険会社が競争を行っています。

一方の共済は「非営利的な組織」によって運営されています。つまり、利益を目的としない組織が主体になっており、組織の形としても「協同組合」となっている事が一般的です。

基本的に、ある程度知名度向上のために広告活動を行っていますが、民間の保険会社よりは消極的であると言えるでしょう。そのようなリソースを加入者への保障に回しています。

保険・共済の特徴

保険・共済の概要を理解すると、一見共済の方がベストな保障方法に見えてしまうかも知れません。何故なら、共済は利益を目的としていないからです。

利益を目的としていないため、一般的に保険と比較した時に

  • 「保険料が安い」
  • 「保険料が一律(年齢・性別での変動なし)」
  • 「病歴・持病があっても加入可」

と言った特徴を持っている共済が多いです。

一方の保険は共済と比較した時に「同じような保障内容なら保険料が割高」、「保険料が年齢・性別によって変動」と言ったような特性をもっています。

ただ、一概にこのようなポイントだけで保険・共済の優劣を決めることは出来ません。何故なら、保険には共済の持っていないような特徴を持っているからです。

保険は共済と比較した時に、保険会社が利益を目的としているため保険会社同士が競争を行っており、その分細かなニーズを汲み取るような商品が沢山存在しています。

一般的に上記のような特徴が存在していますが、その表面的な部分よりも「自分にとってどの特徴がメリットなのか?デメリットなのか?という視点が重要なポイントになっています。

共済の種類

共済の分類方法というのは沢山存在しています。共済の運営を行っている協同組合によって異なる根拠法・官庁の所管の違い等と言った観点もあるので、一概に共済の種類というテーマを解説する事は出来ません。

ただ、一般的に最も気にあるのは「共済の協同組合ではどのような共済(保険)が販売されているのか?」というポイントでしょう。

この点に関しては、組合によって扱っている共済が異なってくるので参考程度にはなりますが、一般的に以下のような共済に加入する事が可能です。

  • 火災共済(火災保険)
  • 医療共済(医療保険)
  • がん共済(がん保険)
  • 介護・養老共済(介護保険等)
  • 年金共済(個人年金保険等)
  • 自動車共済(自動車保険)

もちろん、この中には「火災共済(火災保険)」が含まれています。つまり、火災保険の代替を共済で行う事は可能になっていると言えるでしょう。また、上記したのは一部の共済になっています。

また、保険会社の場合は「第1分野(生命系)」「第2分野(損害系)」の兼業は不可になっていますが、共済の場合はこのような縛りがない事も特徴的であると言えます。

共済については、以下の記事でもっと詳しく解説しています。

火災共済と火災保険

先程、共済や保険の基本的な部分についてご紹介させて頂きました。火災保険の代替となる火災共済が存在している事についても、しっかりと押さえて頂けたと思います。

共済・保険の違いを踏まえた上で、チェックしたいのは「火災保険・火災共済の概要、違い」と言ったポイントではないでしょうか。なので、これから火災共済と火災保険について詳しく解説していきたいと思います。

そもそも火災保険とは

そもそもの火災保険についてしっかりと理解しておかないと、火災共済・火災保険の違い等を適切に理解する事は出来ません。なので、まずはじめに火災保険の基本的な部分についてご紹介します。

火災保険が対応するリスク

火災保険について簡単にまとめると「家」に関するリスクを総合的に補償する保険の事です。火災保険という名称から「火災」のみに焦点を当てた保険だと誤解されがちですが、そのような認識は適切ではないと言えるでしょう。

というのも、火災保険は家に関するリスクを補償するので住宅の大きなリスクである「火災」に遭われた際に、火災保険に加入しておけば補償を受ける事は可能です。

ただ、火災のみを補償するという認識が適切ではないというのは、火災保険は火災以外のリスクにもしっかりと対応しており、住宅に関連するほぼ全てのリスクをカバーしているからです。

火災保険で補償可能なリスクは以下のようなものが挙げられるでしょう。

  • 火災
  • 落雷
  • 爆発等
  • 自然現象によって発生する損害(雪、強風等)
  • 水漏れ
  • 水災(台風や大雨による損害)
  • 人災(盗難や集団による被害)
  • 外部からの破壊(交通事故等)

ただ、上記した全てに対応しているというよりも、ニーズに沿って必要な補償を組み込んでいくというケースが多いです。

建物と家財について

また、これに加えて外せない要素は「建物と家財」という点です。上記したようなもので何らかの損害が発生した場合に、その損害が「建物なのか?家財なのか?」によって補償範囲が異なります。

例えば、火災が発生して「建物で1,000万円」「家財で100万円」という被害があったと仮定しましょう。もしも、建物のみに補償を掛けてしまうと、家財の100万円は補償対象外になってしまいます。

火災保険では、保険の対象が

  • 「建物のみ補償」
  • 「家財のみ補償」
  • 「家財と建物を補償」

という3種類に分かれており、こちらもニーズに沿って契約者が任意で選択するというケースが少なくありません。(保険によっては元から決まっている)

火災保険という名称からどうしても「火災を補償」という点を重視してしまいがちですが、どんな場所に住んでいるのか?(想定される災害を予測)、住宅にどんな資産があるのか?(家財に加入すべきか?)等もしっかりと考慮する必要があります。

つまり、建物・家財を含めた「家」というものを総合的に補償するのが火災保険であり、火災のみではなく住宅に関するリスクを冷静に分析した上で、適切な補償を設定する必要があるのです。

火災保険と火災共済の特徴・比較

火災保険と火災共済のというのは、似通ったようで微妙に異なる部分が多いです。根底を考えるとやはり「保険と共済の違い」と共通する部分も多いですが、火災保険に特化して両者の特徴を比較していきたいと思います。

火災保険の最も大きな特徴は「保険会社と一人ひとりの契約者」という関係性です。というのも、保険会社は基本的に保険に加入(契約)している人を「契約者」と呼ぶことが一般的であり、この点が大きな特徴に繋がっています。

保険会社と一対一の契約を結ぶ事になるので、一人ひとりにあった補償を設定する事が可能です。つまり「火災・水害のみ」「家財のみ」と言ったような補償や、「火災のみの補償」と言ったような各ニーズに対応した火災保険を契約する事が出来るのです。

一方の共済というのは、共済に加入している人を「加入者」と呼ぶ事が一般的で、契約者と呼ぶことは一般的ではありません。このような言葉から分かるように「元から共有されているものに加入する」という形態が一般的なのです。

そのため、パッケージ化された商品が多く、予めバランスの良い補償内容が設定された共済のみに加入できるというケースが多いです。

イメージとしては「契約者と一対一で作る火災保険」「みんなと共有された補償を受ける共済」という認識が最も正解に近いと言えます。

もちろん、保険会社やその商品、共済組合や各共済によって詳細は異なってくるでしょう。ただ、平均的な火災保険・火災共済というのはこのような特徴を持っている事が一般的です。

どちらの方が良い?

先程、火災保険と火災共済を比較させて頂きました。火災保険・火災共済の概要をチェックできた所で、知りたいのは「結局どちらのほうが良いのか?」というポイントだと思います。

ただ、この点は一概には言えず各個人によっておすすめなのが、火災保険なのか?火災共済なのか?という点は大きく変化します。そのため、こちらの方が良いと明確に表す事が出来ません。

なので「このような方におすすめ」というテーマで、火災保険・火災共済がおすすめな方についてご紹介したいと思います。

火災保険がおすすめな人

火災保険をおすすめ出来る人を簡単にまとめると「自分で補償を組み立てたい」という方だと言えるでしょう。火災保険は、火災共済のようにパッケージ化された商品のみではなく、カスタマイズ可能な商品が多いです。

例えば、水災のリスクが低いような地域に住宅を保有している場合に、水災の補償を組み込むというのは危惧する必要のないリスクに保険料を支払っている事になります。

このようなケースにおいて「補償を最低限にして、保険料を押さえたい」と言った事に、共済は対応できない事が多いです。(パッケージ化されているため)

同じような補償内容であるなら、共済の方が保険料が安く押さえられる事が多いですが、無駄を削るという補償内容にした場合は民間の保険会社が販売している火災保険の方が保険料を低く抑える事が可能なケースもあります。

必要に応じて補償をカスタマイズしたいという方にとっては、火災保険の方が共済よりも魅力的な補償の形だと言えるでしょう。

火災共済がおすすめな人

火災共済がおすすめな人は「取り敢えずスタンダードな補償が欲しい」という方におすすめです。やはり、様々なリスクを分析した上で保険に加入するというのは手間が多くなりやすくなります。

それに加えて、火災保険の持っているカスタマイズが出来るという特徴は、リスクを過剰評価してしまい必要のない補償まで組み込んでしまって保険料が割高になってしまうという特性も同時に兼ね備えています。

火災共済なら、火災保険と比較した場合に掛け金がある程度安くなりますし、パッケージ化されているため「大体の人が最低限満足出来る補償」というのが予め設定されています。

特に火災保険にそれほどこだわりはなく、取り敢えず普通の補償が欲しいという方の場合は、火災保険よりも火災共済の方が適切な補償・保険料が実現可能です。

賃貸にも使えるのか?

これまで火災保険・火災共済の様々なポイントについてご紹介させて頂きました。最後に「火災共済を賃貸に利用する事は可能?」という点についてご紹介したいと思います。

賃貸と火災保険

賃貸でアパート・マンションの一室に入居する場合は、ほぼ必ず「火災保険」に加入しないといけません。何故なら賃貸は隣人との距離も近いため、同じ建物で火災が発生した場合に甚大な損害が発生するケースが多いからです。

ただ、これは「誰かに賠償するため」というのと同じくらい「自分のため」に加入する必要があります。何故なら、失火責任法によって「重大な過失がない場合は賠償の責任はない」という事になっています。

これは、もしも自分が火元になって周りの方に迷惑を掛けた場合に適用されますが、これが被害を受けた側でも同様の事が言えます。(つまり、隣人の火災によって自分に損害があっても賠償されない)

また、失火責任法が存在していても大家さんとは「原状回復の義務」を契約時に締結している事が一般的なので、隣人に対して賠償責任が無くても大家さんに対しては、火災が発生しても元の状態にして明け渡す必要があります。

ただ、火災が発生した際の損害額というのは数千万円単位になってしまう事も少なくなく、普通では支払えない金額になってくるので、賃貸に入居する際は大家側が火災保険への加入を求めてくる事が一般的です。

賃貸と火災共済

上記したような理由で火災保険に加入する事が一般的になっていますが、賃貸であっても火災共済で代替する事は可能なのでしょうか?結論からご紹介すると「可能」です。

共済には賃貸向けに提供されている火災共済も存在しており、一般的な火災保険とそれほど遜色ないものになっているので、十分に補償する事が可能になっていると言え、大家さん側も火災共済で大丈夫という方も少なくありません。

ただ、この部分についてはやはり「賃貸契約」という大家さん・入居者の両者が納得する必要がある部分に関わってくるので、大家さん側が指定した火災保険に加入してくれないと賃貸契約を締結しないというケースも存在しています。

そのため、現実的には「大家さんのさじ加減に任される」と言っても良いでしょう。ただ、この点に関しては通常の火災保険に関しても、共通して言える事なので共済に限った話ではありません。

何れにせよ、ここの対応というのは大家さん・不動産業者に尋ねてみないと未知数な部分も多いので、利用している不動産業者に確認してみるというのがベストでしょう。

まとめ

共済について

  • 共済と保険の違いを押さえる
  • 共済には様々な種類がある
  • 火災共済も存在している

火災共済と火災保険

  • 火災保険は家に関する損害を補償するもの
  • 建物と家財を分けて考える
  • 火災保険は細かなニーズに対応可能

どちらの方が良い?

  • 自分で補償を組み立てたいなら火災保険
  • 掛け金が安く、スタンダードな補償が欲しいなら火災共済

賃貸にも使えるのか?

  • 賃貸においての火災保険について押さえる
  • 賃貸でも火災共済は利用可能だが、不動産業者・大家に確認が必要

今回は、火災保険と共済というテーマで火災共済について、火災共済と火災保険の比較、おすすめな選択肢、火災共済と賃貸という点についてご紹介させて頂きました。

火災保険は、家のリスクを補償する保険として一般的に、最も資産の中で存在感の大きい財産を補償するものになっているので、重要度の高い保険になっています。火災共済・火災保険のメリットやデメリットをしっかりと押さえて、ニーズを汲み取れるものに加入しましょう。

senna
senna
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金融業界経験 4年 個人投資家 3年

個人投資家として「株式」「債権」「FX」「仮想通貨」などへの投資・投機を中心的に行っている。

資産運用はもちろん、ファイナンシャルプランナーの知識を活かしながら、税金やライフプランに関する情報発信を行っている。

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