DAICOとは?ICOとの比較や不正を排除出来る仕組みを徹底解説!

DAICOとは?

「DAICOって何?ICOと何が違うの?」

イーサリアムの考案者で、現在もイーサリアムの開発に着手しているヴィタリック・ブテリンが考案した新しいICOの形である「DAICO」という言葉を見たことがある方も少なくないと思います。

ヴィタリック・ブテリンは、時価総額の観点から最も大きな規模を持っているイーサリアムを開発した人物であり、仮想通貨業界・市場への影響力も絶大だからです。

ただ、DAICOはこれまでのICOや資金調達方法とはかなり異なるものになっており、どんなものなのか?という点についてしっかりと掴めていないという方も多いはずです。

なので、この今回の記事では「DAICOとは?どんな仕組みなのか?」という点について

  • DAICOとは?仕組みは?
  • なぜ不正を排除出来るのか?
  • ICOとの比較とDAICOの問題点

というポイントからご紹介していきたいと思います。まず、始めにDAICOの基本的な部分について押さえていきましょう。

ICOについて

DAICOは、ICOの新しい形として注目されています。ただ、そもそもICOについてしっかりと押さえていないと、DAICOについて理解する事も難しいです。なので、ICOについて簡単におさらいしておきたいと思います。

ICOとは

ICOとは「Initial Coin Offering」の略であり、簡単にまとめると仮想通貨を用いた資金調達の事です。新規仮想通貨の発行の際に、プロジェクトの資金を仮想通貨を用いて、資金調達を行います。

投資家が出資する通貨は、仮想通貨(ETHやBTC)で、その対価に新規プロジェクトで発行する事になる仮想通貨の発行を行います。(厳密にはトークンの発行)

投資家は、新規のプロジェクトに仮想通貨を投資する訳ですから(リスクが高い)、プロジェクトが成功し上場した場合は莫大な利益を得る事が可能です。現在ある程度の地位を築いているアルトコインなら、数千倍も十分にありえます。

ただ、一般的にプロジェクトの殆どは失敗で終わる・詐欺である事が多いので、リスクが非常に高く一般的な投資家は避けたがる投資だと言えるでしょう。

ICOとIPOを比較する

ICOが頻繁に行われるようになったのはここ数年間の話であり、かなり新しい資金調達方法です。そのため、その仕組みを簡単に理解する事は難しいでしょう。ただ、IPOと比較すると分かりやすいです。

IPOとは株式を取引所に上場させる事で、起業家がIPOを目指して日々躍起になっているケースも少なくありません。上場すれば、投資家・創業者に大きな利益が発生するからです。

資金調達という観点から見た時に、IPOもICOも資金調達の1つである事には変わりません。大きく違うのは「資金調達までのハードル」という点です。

ICOの場合は、プロジェクトの主催者が簡単に始める事が可能で、ICOが成功するか否かは実際にICOを行わないと未確定な部分はありますが、誰でも始める事自体は可能です。

一方のIPOは取引所の厳しい審査を乗り越える必要性があり、スピードや上場までのハードルの観点から見た時に、デメリットも多いです。

ICOというのは「審査が無く、仮想通貨でやり取りを行う資金調達」であり、IPOは「厳しい審査があり、法定通貨で出資を行う資金調達」になっています。

ただ、出資した時の対価が新規発行された仮想通貨なのか?もしくは株式なのか?という点が大きく異なります。

DAICOについて

先程、ICOについてご紹介させて頂きましたが、DAICOはICOにいくつか工夫を加えたものになっています。DAICOについて簡単にまとめると「投資家が安心できる仕組みを提供している」というものになっています。

基本的な仕組みとしては「投資家がICOについていくつか権利を持つ」というのが、大きなポイントになっています。ICOは基本的に出資を行った後に、投資家がトークンを発行して貰える以外に何か権利を持っている訳ではありません。

IPOを用いた資金調達では、株主から経営方針について意見を受ける事が一般的であり、株主は株式会社に大きな権利を持つ事が一般的です。DAICOはその仕組みを取り入れたものだと言えるでしょう。

DAICOで行った資金調達では、投資家が「資金の引き出し」に対して大きな権利を持つことになり、場合によってはプロジェクトを中止して返金を受ける事が可能になります。

スマートコントラクトの1つである

スマートコントラクトの歴史は古く、1994年にニック・スザボが提唱したものであり、仮想通貨業界ではブロックチェーンを用いたスマートコントラクト関連の開発が盛んです。

仮想通貨におけるスマートコントラクトとは、ブロックチェーン上に契約内容を記録して、契約に沿って仮想通貨が移動する仕組みのことです。

契約というのは基本的に「相手を信用する」というのが、1つの重要な要素になっています。何故なら、契約を結んだとしても契約を結んだ相手が必ずしも契約通りの行動を行うとは限らないからです。

しかし、ブロックチェーン上のスマートコントラクトにおいてはそのようなコストが必要ありません。何故なら、全て自動的に実行されるからです。何か問題があれば、プログラム通りに契約を破棄にし、条件によっては返金等の対応を自動的に受ける事が可能です。

DAICOも一種のスマートコントラクトです。DAICOは「プロジェクトの運営側」と「投資家」の間に様々な条件を盛り込んだ資金調達上のルールの取り決めであり、ブロックチェーン上にプログラムされているので、その契約について第三者が手を加える事は出来ません。

なぜ、不正を排除出来るのか

先程、ICOやDAICOの概要についてご紹介させて頂きました。DAICOがどのような特徴を持っているのか?という点は、何となく掴めたと思います。ただ、その仕組みついては詳しくご紹介していません。

なので、これから「なぜ、DAICOが注目されるのか?」「DAICOはどんな仕組みなのか?」という点について解説していきたいと思います。

DAICOが注目される訳

IPOを用いた資金調達では、株主が株式会社の持ち主となって会社の実質的な持ち主は、社長でも会長でもなく「株主」という事になります。つまり、株の購入によって株主が大きな権力を持つことになるのです。

一方で、ICOと投資家という観点から考えた時に、投資家はかなり弱い立場になってしまいます。というのも、プロジェクトに対しての意見を言うこと自体は可能なプロジェクトが多いですが、実質的な権利は何も持っていません。

つまり、一度資金を出資し見返りのトークンを保有すると、その後の資金の行方はプロジェクト運営者が自由に使う事が可能なのです。また、法律の規制も遅れている状態なので、無法地帯になっていると言えるでしょう。

出資してもらった資金をどう使うのか?どれくらい使うのか?は全てプロジェクト運営者の一存によって左右されるので、悪質なプロジェクトだと高級車の購入に使ったり、豪邸を購入する事も可能なのです。

そのため、ICO詐欺が多発しており、詐欺を行うつもりが無くてもプロジェクトの途中で、プロジェクトの断念を行ってしまい、結果として詐欺になってしまったというケースも存在しています。

日本には、いくつかICOに関連してくるような法整備が進んでおり、現在日本でICOを行うのは難しくなっています。ただ、ICO自体は世界中のどこでも行えるので、日本の中で規制したとしてもそれほど意味がないのが実情です。

そんな中で、権利の一部を投資家に配分するという仕組みによって、DAICOは詐欺の不正防止策として期待されており、次世代ICOのベーシックなモデルになるとされています。

DAICOの仕組み

そもそも、仮想通貨について考えてみると、仮想通貨というのは「性悪説」に基づいて開発されたという認識が一般的でしょう。というのも、ブロックチェーンは誰かが悪質な行為をしようとしても、難しい仕組みになっており、そこが仮想通貨の注目される理由の1つです。

しかし、ICOのみが「プロジェクトの運営者を信用する」という点が大きな大前提となっており、性善説を元にして成り立っている仕組みになっています。つまり、ここに歪みが発生しており、問題が発生する根本的な原因になっていると言えるでしょう。

DAICOの仕組みとして、上記のような課題を解決するために「TAPによる投資家の権限」と「プロジェクトの独立性」という点を盛り込んだ仕組みの資金調達方法です。

TAPによる投資家の権限

ICOは、投資家にどのような権限を持たせるのか?というのが、大きな解決のポイントになっていました。大きな権限を投資家に与えすぎると、IPOと変わらずプロジェクトの独立性を保つ事が出来ません。

そのため、DAICOでは投資家が「TAP」という概念を用いています。DAICOにおいてのTAPとは、プロジェクトの運営者が引き出す資金を調節する仕組みです。

TAPの値を「月々100万円まで」と設定すれば、プロジェクトの運営者が資金調達で得た資金から引き出せるのは月々100万円までになります。そして、この値は投資家が信任投票を行う事によって決定されます。

つまり、投資家が「信用できる」と投票し、多数派であればTAPの値を上げる事が可能ですし、投資家の「信用できない」という票が多数派なら、プロジェクトは中止され残りの資金が投資家に返金されます。

この仕組みによって、プロジェクトの運営者は信任されて出来るだけ多くの資金を引き出すために、魅力的なプロダクトを開発する事に集中させる事が可能です。

プロジェクトの独立性

ただ、先程ご紹介したようにあまりの権限を投資家が持ちすぎると、プロジェクトの独立性を保てず、IPOと変わらないようなものになってしまいます。つまり、投資家とプロジェクト運営者が対等な関係ではなくなってしまいます。

そのため、DAICOではプロジェクトの独立性を保つために、投資家はTAPの上限を上げる事は可能ですが「上限を引き下げる事は不可」になっています。そのため、投資家に残っている選択肢は「上限を上げる OR プロジェクトの中止」という二択です。

プロジェクトの運営者が自主的に上限を引き下げる事は可能ですが、投資家からは行う事は出来ずプロジェクトの独立性保っています。ただ、こうして見ると「極端すぎるのでは?簡単にプロジェクトが中止してしまうのでは?」と考えてしまいます。

実は、ここがDAICOのよく出来ている所で、プロジェクトの運営者はもちろんですが、投資家からしてもプロジェクトの中止という極端な選択はしたくないように出来ているのです。

というのも、TAPで決まった資金は定期的にプロジェクト主催者が引き出してしまうので、投資家がプロジェクトの中止を行ったとしても、返ってくる資金というのは出資した額よりも少ないのです。(既に一部が引き出されているので)

そのため、投資家にもプロジェクト運営者にも、極端な選択を行わないように一定の抑止力が存在しており、円滑に魅力的なプロダクトが開発されるように工夫されています。

プロジェクト運営者は「信任を貰うためにプロダクトの開発に集中」するように出来ており、投資家には「もしもの時のために返金を行える仕組みはあるが、中止すると損失が出る」という仕組みになっています。

ICOとの比較と現状の問題点

DAICOの概要や仕組みについて理解出来た所で、最後に「ICOとの比較」「DAICOの問題点」について詳しく解説していきたいと思います。

ICOとの比較

DAICOはICOの問題点を解決するために、投資家にとって安心できるような権限を与えるのか?考察した結果、上記したような仕組みが完成したとも言えます。

では、本質的に「ICOとDAICO」の違いはどこにあるのでしょうか?その答えは「資金の管理とプロジェクトのモチベーション」というポイントです。

これまで、ICOは全てプロジェクト運営者の一存で全てが決定していましたが、プロジェクトの運営者というのは資金の管理という点において、得意ではない人が多いです。

というのも、プロダクトの開発者としては優秀ですが、プロジェクトの運営はそれだけが重要な要素ではありません。資金の管理というのも、重要な要素の1つです。

プロダクトが魅力的なものであっても資金の管理が不適切だったために、プロジェクトが失敗してしまうというケースは少なくなく、魅力的なプロダクトさえあれば資金調達が可能なICOというのは、そのようなリスクが大きくなりやすいです。

その点、DAICOでは資金の管理という権限の一部を投資家に与える事によって、上記したような問題を解決出来る可能性があります。

また、信任されるか?否か?によって引き出せる資金が決定してしまうので、プロジェクトの運営者としても投資家と積極的にコミュニケーションを行う必要があり、プロジェクトの成功確率を上げやすいと言えるでしょう。

ただ、いくらコミュニケーションを取ったとしても、肝心のプロジェクトが前に進んでいないと信任を得られにくいので、開発の大きなモチベーションに繋がり、結果的にプロジェクトにポジティブな影響を与える可能性が高いです。

DAICOにもある問題点

これまで、ICOと比較した時にDAICOはメリットの多い資金調達方法ではありますが、一方でいくつか問題があるのは確かです。代表的な問題として「投資家の質と開発者の権限拡大」というポイントがあるでしょう。

投資家に資金の管理という大きな権限が付加されてしまうので、プロジェクトの中止による損失という一定の抑止力が投資家に与えられているのは確かですが、一方で投資家の質が悪いと魅力的なプロジェクトも残念な結果に終わってしまう可能性があります。

その点を考慮すると、DAICOを利用する運営者としてはこれまで以上に「プロジェクトの説明責任」と「説明能力」というのが、必要になってきます。ただ、それを理解出来るだけの能力が投資家に必要なのも事実であり、投資家の質というのも問われる部分ではあります。

それに加えて、プロジェクト運営者が大量のトークンを保有していた場合は、プロジェクト運営者にも大きな権限を与える事に繋がり、一部の大量保有者を説得するだけで信任・不信任を左右する事が可能になります。

つまり、一種の中央集権的な問題に繋がる可能性を持っており、非中央集権的な組織・運営が重視されている仮想通貨業界では、かなり大きな問題点に繋がるでしょう。

ただ、上記したような問題は時間と技術的な部分で、解決していく事が可能な側面も大きいので、DAICOが主要な資金調達方法になれば十分に解決する事が可能です。

また、重要な視点としてどんな仕組みにもいくつかの欠点が存在しています。何らかの問題が存在しているというのは、法定通貨にも仮想通貨にもDAICOにも共通している事です。そのため、DAICOに限った問題では無いとも言えるでしょう。

まとめ

DAICOとは

  • ICOとは、仮想通貨を用いた資金調達
  • 審査・ハードルという観点でIPOと異なる
  • DAICOはICOよりも、投資家に権限を与えている

DAICOが不正を排除出来る訳

  • 現状のICOは詐欺や悪質なプロジェクトが多い
  • DAICOでは資金の管理を投資家が可能
  • プロジェクトの独立性が保たれるように工夫されている

DAICOとICOの比較・現状の問題点

  • 資金管理の権限を投資家に与える点
  • プロジェクトへのモチベーションが高くなる
  • 投資家の質が悪いとプロジェクトが中止される
  • 開発者が多くの投票権を持ってしまうと、本末転倒になる

今回の記事では、DAICOの概要や不正を排除する仕組み、ICOとの比較や問題点について詳しくご紹介させて頂きました。

DAICOは比較的新しい仕組みであり、現状いくつか問題が存在しています。ただ、革新的でICOよりも不正・詐欺を防止出来る可能性が高いので、ヴィタリック・ブテリンの影響力を考えると、今後利用される可能性の高い資金調達方法だと言えるでしょう。

senna
senna
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金融業界経験 4年 個人投資家 3年

個人投資家として「株式」「債権」「FX」「仮想通貨」などへの投資・投機を中心的に行っている。

資産運用はもちろん、ファイナンシャルプランナーの知識を活かしながら、税金やライフプランに関する情報発信を行っている。

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