共済に医療保険はある?医療共済や民間との比較・選び方について

共済と医療保障

「共済に医療保険のような保障はある?医療保険とのどう違う?」

民間の保険会社が販売している保険の中でも、特に人気の高い保険の1つが「医療保険」です。医療費に関する様々な保障を受ける事が可能で、魅力的な商品も少なくありません。

ただ、民間の保険会社という事もあり、保険料はどうしても高くなりがちです。そこで、検討したいのは「共済」だと言えるでしょう。民間の保険と比較した時に安い保険料で加入する事が可能であり、選択肢の1つとしては魅力的なものになります。

なので、この記事では「医療保障と共済」というテーマで、

  • そもそも、共済で医療保障はあるのか?
  • 医療共済と医療保険
  • 医療共済に加入するべきなのか?

という点についてご紹介していきたいと思います。まず、はじめに共済や医療保障と言ったポイントを中心的に、基本的な部分を解説していきます。

共済とは

共済が持つ特徴によって、共済は民間の保険会社ほど積極的な広告活動を行っておらず、どうしても民間の保険ほど理解が深まっていないケースが多いです。なので、まず始めに共済の概要や特徴について押さえていきましょう。

共済の概要

そもそも、共済という言葉には「助け合う」と言った意味が存在しており、その意味の通り共済は「困った時のためにみんなでお金を支払おう」という考え方で、運営されています。

そのため、共済は運営している組織自体が基本的に「非営利」で運営されており、仮に共済の運営によって利益が出た場合は、割戻金という形で加入者に再配分されます。

共済に加入するには組合員になる必要性があり、契約して加入するだけの民間の保険よりも加入へのプロセスが複雑になっていると言えるでしょう。(ただ、全国的に展開している共済ならそれほど難しくありません)

全国に沢山の共済が存在していますが、全国的に共済の運営を行っており、どこに住んでいる人でも基本的に加入が可能なのは、以下の4つの共済です。

  • 都道府県共済
  • コープ共済
  • 全労済
  • JA共済

全国的に知名度の高い共済事業を行っている組織なので、上記の4つの中から1つくらいは名前を聞いた事があるという方も少なくないと思います。

共済の特徴

共済は、非営利の組織が運営している事もあり、特徴的なポイントがいくつか存在しています。その中でも大きな特徴は「掛け金が安い」「年齢・性別に関係なく一律」「シンプルである」という3つのポイントが挙げられます。

民間の保険会社が販売している保険の場合は、保険会社が保険料やその運用から利益を出しているため、どうしても保険料は高くなりがちです。しかし、共済の場合は「非営利」という特徴があるため、同じような保障内容なら、ほぼ確実に共済の方が安くなるでしょう。

また、共済の大きな特徴として「年齢・性別に関係なく掛け金が一律」という民間の保険会社では考えられないような特徴があります。

というのも、特に医療保険のような身体に深く関わる保険の場合、年齢・性別と言った要素が保険事故の発生率を左右するからです。もちろん、保険会社は保険事故を出来るだけ避けたいので、リスクが高くなりやすい高齢の方の保険料は高くなります。

しかし、共済は非営利のため掛け金を一律にする事が可能になっています。ただ、その分平均を取っているという事なので、20代~30代の方にとっては高齢の方と比較した時に、保険料は相対的に高くなりやすいです。

また、共済は保障内容がシンプルになっている事が多いです。というのも、パッケージ化された商品が多いので、良く言えば分かりやすい保障内容、悪く言えばカスタマイズ出来ない保障内容になっています。

共済の持っている特徴には、メリット・デメリットの両方とも備わっているため、一概に共済が優れたものであるとは断言出来ませんが、場合によっては理想的な保障になる事には間違いないでしょう。

共済に医療保障はある?

共済で医療保険を代替したいという方にとって、最も気になるのは「共済に医療保険の代替となるような医療保障はあるのか?」というポイントだと思います。

結論からご紹介すると「医療共済」と言われるものが存在しており、基本的に全国的に展開している共済なら、どこでも提供している保障です。

医療共済について簡単にまとめると、やはり「パッケージ化されたシンプルな保障内容」「安い掛け金(保険料)」と言ったポイントを実現しているものが多くなっています。

例えば、民間の医療保険の場合は「主契約プラス特約」という形で、主契約に何かしら保障をプラスしてバランスの取れた保険にする事が多く、場合によっては特約を付けすぎて保険料が高くなってしまうケース等も存在しているでしょう。

その点から言うと、医療共済はパッケージ化された保障内容なので、基本的に「主契約のみ」の加入で十分に保障を行っていく可能です。もちろん一長一短存在しており、場合によっては民間の医療保険の方が適切なケースも存在しているでしょう。

民間の医療保険と医療共済

先程、共済や医療共済についてご紹介させて頂きました。共済の特徴やメリットについても少し触れましたが、やはり医療費を保障する際には「民間の医療保険」もしっかりとチェックしておきたい所です。

これから民間の医療保険の解説や医療共済との比較をしていきたいと思います。

民間の医療保険について

民間の医療保険は第3分野に属する保険であり、競争が激しい保険の1つなので、一括に民間の医療保険について簡単にまとめる事は難しいです。なので「概要・特徴・メリットとデメリット」という観点から、民間の医療保険について押さえていきたいと思います。

医療保険の概要

そもそも、日本にお住まいの方の場合は、民間の保険会社と契約していなかったとしても、医療保険に加入している事が一般的です。というのも、国民皆保険制度という厚生労働省が管轄している制度によって、健康保険への加入が義務になっています。

会社員の方は、給料から自動的に引き抜かれているので実感しにくいですが、ほぼ必ず加入していると言え、既に健康保険という医療保険には加入している状態なのです。

また、この健康保険はかなり保障が厚い医療保険になっており、通常の収入であれば自己負担3割程度で治療を受ける事が可能になり、月の医療費が高額になった場合は「高額療養費制度」によって、一定以上の医療費を加入者が負担する必要がありません。

何となく使っている健康保険ですが、その保障はかなり手厚いものになっており、もちろん国民からの保険料のみでは運営しきれないので、税金を利用して保険料以上の支出をカバーしている状態です。

では、既に手厚い医療保険に加入しているのに、わざわざ民間の医療保険の必要性どこにあるのでしょうか?それは「健康保険でカバーしきれない範囲」を、民間の医療保険でカバーしておくというポイントです。

というのも、健康保険というのは公的な医療保険なので、どうしても「大勢に出来るだけ沿った保障」になっており、個人が個々で必要としているような保障には対応出来ない事が多いです。

民間の医療保険は、沢山の保険会社が様々なニーズを汲み取るために多種多様な保険を販売しているので、用途に合わせて保険を組み立てていく事が可能です。

健康保険は医療保障の観点から、最も重要なポイントであることは確かですが、その一方で完璧ではなく民間の医療保険で補填していくというイメージです。

医療保険の特徴

民間の医療保険の概要が分かった所で、次に医療保険の特徴についてご紹介していきたいと思います。民間の医療保険の大きな特徴は「特約の多さ」にあると言えるでしょう。

共済や健康保険は基本的に構造から全く異なる医療保障になっていますが、1つ共通点を挙げるとすると「大多数が欲しい最低限の保障」というものを提供しています。つまり、個々の要望に添えない作りになっているのです。

もちろん、その分共済は掛け金がやすかったり、健康保険はベーシックな部分で手厚い保障を提供していますが「死亡保障を付けたい」「就業不能保障が欲しい」「三大疾病を特に保障したい」と言ったようなニーズを汲み取る事は出来ません。

しかし、民間の医療保険は共済や健康保険ほど、掛け金・保険料と保障のバランスと言った観点では、簡潔に言ってしまうと負けています。というよりも、保険料で利益を出していく必要があるので、共済・健康保険ほど保険料あたりの保障を手厚くする事が不可能なのです。

ただ、その分「一部の方に必要とされている」と言った保障を提供する事が得意な保険が多いです。民間の医療保険には

  • 先進医療特約
  • がん・三大疾病特約
  • 就業不能保障

と言ったような共済や健康保険では保障出来ないような特約を付加出来るケースが多くなっています。

特に、先進医療特約の先進医療というのは「健康保険では保障の対象外」となっている治療法の事です。というのも、健康保険は健康保険の保障対象となる治療法が予め定められており、健康保険の認可外になると自己負担100%で治療を受けないといけません。

認可外と聞くと危ない治療法に聞こえてしまいますが、健康保険に認可されていないから良くない治療法という事ではなく、最新の治療法であるため健康保険が対応できていないというケースが多いのです。

医療保険で先進医療特約に加入しておけば、先進医療特約は最高で2,000万円までの治療費を保障してくれるという特約が多く、正に健康保険ではカバー出来ない部分を保障していると言えるでしょう。

医療共済と民間の医療保険の比較

共済の医療保障である医療共済と民間の医療保険の概要・特徴が分かった所で、医療共済と民間の医療保険を比較していきたいと思います。

用語と管轄の違い

まず、始めに医療共済と医療保険の根本的な仕組みは似通ったものになっています。というのも、保険料・または掛け金を加入者が出し合って、困った時に助け合うという根本的な仕組みは似通っています。

ただ、保障内容や一つ一つの商品の特徴というのは、医療保険と医療共済の間に大きな違い存在しています。根本的に違う両者が、なぜこれほど大きな違いを生んでいるかと言うと、両者の運営元の目的が異なっているからだと言えるでしょう。

というのも、医療共済は非営利の組織が運営しており、医療保険は民間の保険会社という営利的な組織が運営しています。そのため、両者の「監督官庁・根拠法・用語」等が異なってきます。

保険の監督官庁・根拠法

  • 官庁・金融庁
  • 根拠法・保険業法

共済の監督官庁・根拠法

  • 官庁・厚生労働省と農林水産省
  • 根拠法・消費生活協同組合法と農業協同組合法
    (共済組合によって、根拠法と官庁が異なる)

また、保険と共済の用語の違いをまとめると

  • 保険料・掛け金
  • 保険期間・共済期間
  • 保険金・共済金
  • 割戻金・配当金

上記したような監督官庁と根拠法や用語の違いが見えてくることは、やはり保険会社は保険を「金融商品」として販売しているという点です。根拠法が保険業法であり、金融庁が監督官庁になっています。

このような事からも、保険会社が利益のために保険を販売している事が分かり、利益を取りにいくからこそ保険料が高い反面、様々なニーズを汲み取ることに成功しているのです。

一方の共済は非営利の協同組合のため、利益というよりも「もしもの時に助け合う」という側面が強く、掛け金が安くなっている反面、みんなが必要になりそうな最低限の保障を提供している事が分かると思います。

メリット・デメリットをどう捉えるか

何だか、保険会社が利益のために保険を販売していると聞くと、悪いイメージを抱きがちですが、決してそんな事はありません。利益のために販売している保険だからこそ、助け合うために運営を行っている共済だからこそのメリット・デメリットが存在しています。

そのため、一概にどちらが良いのか・悪いのかというさじ加減で加入・加入しないを決めるというよりも、個々の事情に合わせてメリット・デメリットのどちらが良いのか?を冷静に判断する必要性があるでしょう。

保険のメリット・デメリットを簡単にまとめると

  • 保険料は高いが、自分好みの保障を組み立てる事が可能
  • 高齢になる保険料が高くなるが、若い人は安い保険料
  • 多種多様な保険が存在している
  • 病歴・持病がある方は加入しにくい

共済のメリット・デメリットは

  • 掛け金が一律だが、若い人には相対的に高い
  • パッケージ化された保障でシンプルだが、カスタマイズ不可
  • 小規模の共済は破綻した時のセーフティネットが弱い
  • 病歴・持病があっても加入しやすい

一概にどちらが優秀とは言えず、現在の年齢・性別に合わせて「医療共済と医療保険」を使い分けるというのが一般的な捉え方だと言えます。

例えば「基本的な医療保障が欲しいので医療共済に加入し、三大疾病の保障もしたいので民間のがん保険に加入しておく」と言ったような使い分けです。一つ一つメリット・デメリットを考えて、最も自分にあった医療保障を行える方に、加入するのがベストです。

医療共済はおすすめ出来るのか?

医療共済・医療保険の基礎的な事についてはかなり深く理解出来たと思います。最後に「結局、医療共済はおすすめ出来るのか?」という点について触れておきたいと思います。

ただ、おすすめ出来るのか?出来ないのか?という点は、人によって大きく異なる部分なので「医療共済がおすすめな人」という観点から解説していきます。

医療共済はこんな人におすすめ

医療共済・医療保険のメリット・デメリットの比較を参考にしながら、自分に合っているのはどっちなのか?という点を考えた時に、医療共済は以下のような事情・ニーズの方におすすめです。

  • 病歴・持病があり、民間の医療保険には加入できない人
    (保険料が高くなってしまうケースも含む)
  • 年齢的な問題から、医療保険では保険料が高くなってしまう人
  • シンプルな保障内容が望ましい人
  • 健康保険で基本的には医療保障を行い、最低限の保障を行いたい人
  • 経済的な事情から、民間の医療保険に加入できない人

一概には言えませんが、上記のようなケースにおいて医療共済が選択肢として魅力的になりやすいものです。特に病歴や持病の影響で、民間の医療保険には加入できないという方は、ぜひ共済を医療保障の選択肢として注目して頂きたいです。

というのも、保険事故のリスクが高い方向けの医療保険というのは存在していますが、明らかに一般的な医療保険よりも高額な保険料が設定されているケースが多いです。

保障が手厚いので魅力的に見えますが、年収とのバランスを比較した時に、保険料を支払い過ぎているケースが少なくありません。基本的には健康保険でしっかりと保障していく事が可能なので、現在の収入と医療保障のバランスが適切か?をしっかりと考慮しましょう。

安心を得るための保険であるはずが、保険料に頭を悩ませるという事態が起こってしまっては本末転倒です。これは医療保障以外にも言えることで、過剰な保険料の支払いというのは注意したい所です。

医療保険のおすすめは?

まとめ

共済と医療保障

  • 共済はパッケージ化されたシンプルな保障内容
  • 共済にも医療保障はある。
  • 医療共済と呼ばれる事が一般的

医療保険と医療共済

  • 健康保険のカバーする民間の医療保険
  • 監督官庁が異なる
  • 医療保険と共済ではメリット・デメリットが異なる

医療共済がおすすめな人

  • 何らかの事情で、医療保険に加入できない人
  • シンプルな保障内容が良い人
  • 必要最低限の医療保障が欲しい人

今回は、医療保険と医療共済というテーマで、医療共済・医療保険の概要・特徴、比較、医療共済をおすすめ出来る人についてご紹介させて頂きました。

医療共済は魅力的な医療保障な選択肢である事は確かですが、医療保険も同じ様にメリットが存在している保険です。両者のメリット・デメリットを理解した上で、医療共済・医療保険に加入出来ると最も自分にあった医療保障が受けられると思います。

senna
senna
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金融業界経験 4年 個人投資家 3年

個人投資家として「株式」「債権」「FX」「仮想通貨」などへの投資・投機を中心的に行っている。

資産運用はもちろん、ファイナンシャルプランナーの知識を活かしながら、税金やライフプランに関する情報発信を行っている。

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