後悔しない!これから来る「信用経済」に乗り遅れない「信用の磨き方」

信用経済とは何か

信用経済とは、あなた自身が持っている信用力や他人(ソーシャル)の評価によって価値がうまれる社会です。こうした考えは決して新しい概念ではありません。クレジットカードがあなたの利用限度額を決めるのは“信用”によって生じていますし、就職活動や転職活動をするときに推薦状をもらうことで有利になるのは、あなたが評価されているからです。

近年の特徴としてはそうした信用や評価を可視化しやすくなった、スコア化(数値化)しやすくなったという事が挙げられます。クレジットスコア、SNS、ビッグデータ、AIなどによって、個人が数値化されるようになるわけです。そんな信用経済。信用経済とはどのような社会であり、人はどう動くべきなのか?ということについてまとめます。

信用とは何か

そもそも信用とは何なのか。辞書を引くと、「確かなものと信じて受け入れること。」「それまでの行為・業績などから、信頼できると判断すること。また、世間が与える、そのような評価。」とあります。

あなたが友達にお金を貸したとします。なぜ貸したのでしょう? なぜ友だとはお金を借りることができたのでしょう? 友達が困っていたから、友達に同情したとか色々理由はあると思いますが、根本的な理由があると思います。それは友達に信用があったからです。あなたが貸したお金をちゃんと返してもらえると考え、友達を信用したからです。それには、例えばこんな理由があるのではないでしょうか。

  • 前に本を貸したとき、ちゃんと返してくれたから
  • 小さな約束でもいつも守ってくれる
  • 昔から学級委員をやっていて優等生だから
  • 待ち合わせにもいつも時間通りに来るから
  • 仕事の期限をいつも守ってくれるから

など様々な理由があると思います。これは全て、過去の行いです。辞書に乗っていた通り、「それまでの行為・業績などから、信頼できると判断すること」ということです。こうしてみると過去の行いが信用を作っているとわかりますね。

信用がある人とない人の違い

では、信用があるとどんな得があるのでしょう。反対に、信用がないとどのようなデメリットがあるのでしょう。

あなたが友達に10万円を貸したとしましょう。1カ月後にその10万円を返してもらう約束をしました。10万円といえば結構な大金ですが、10万円を貸して10万円を返してもらう。そこにレンタル料は発生しません。

レンタルビデオショップでDVDやCDを借りたときは、レンタル料金が発生します。ですが友達同士でDVDやCDの貸し借りをするときはレンタル料は発生しないことがほとんどだと思います。これと同じで家族や友達の間でお金の貸し借りをするときもレンタル料は発生しないことが多いですよね。

ですが、貸した10万円は1カ月の間、ないものと同じです。あれば欲しいものを買えたり、旅行にも行けたかもしれません。しかもその友達が1カ月間の間にいなくなってしまえばお金は返ってきません。こうしてみると、レンタル料なしでお金を貸すというのは、かなり損な約束の仕方です。

そこで、普通はお金の貸し借りにレンタル料をつけます。銀行などでお金を借りる時によく耳にすると思いますが、金利と言います。例えば、10万円を金利10%で貸したとします。返って来るお金は、貸した10万円と金利10%の1万円を足して11万円が返ってきます。貸した方としては1カ月お金を貸しただけで1万円もらえてラッキーですが、借りた方はたまったものではありません。お金のレンタル料、つまり金利は、レンタルビデオショップのように誰もが同じではありません。となると、お金を借りるときは、金利は安ければ安いほどいいのですが、それはあなたの信用がどれだけあるか、というところに関係してきます。

あなたが10万円を待っていたとします。そこで道を歩いているときに見知らぬ他人から10万円を貸してくださいと言われたとします。あなたはなんて答えるでしょうか。2つのパターンを見てみましょう。

Man
10万を貸してくだい。
Expert
無理です。

これは当然の成り行きでしょう。なぜなら、今会ったばかりの見知らぬ他人で、どんな人かもわかりませんし、過去の行いもわかりません。返してもらえる保証もありません。信用ゼロの状態です。

Woman
1カ月後に20万円にして返します。保証として、借用書と運転免許証を預けておきます。
Expert
・・・。ちょっと考えさせてください。

こんなうまい話があったら何か裏があるのでは、と返って怪しくなりますが、少なくとも、即断るということにはならないはずです。もしかしたら、貸すことになるかもしれません。この場合、信用度はゼロですが、金利が100%もあるので貸すということになります。

では、友達に10万円貸して、と言われたらどうでしょうか。この人とは会社に入ってからの付き合いなので4年くらいでしょうか。仕事の納期など、守らなかったことはありません。相手が利子をつけて返すからと言っても、流石に100%の利子をつけようとは思わないでしょう。せいぜい10万円を貸して、11万で返してもらう、金利は10%くらいでしょうか。

見知らぬ人と比べて、信用が上がった分金利が下がりました。今度は高校以来の親友だったらどうでしょうか。10年以上の付き合いで、待ち合わせに遅れることもなく、貸したものもしっかり返してくれる真面目な人柄です。この人なら、代わりにご飯おごってね、くらいになるかもしれません。その場合一回の食事を1000円くらいとしたら、金利は1%ということになります。

結局相手のことをどれくらい信用できるかによって、金利は変わってきます。信用が高いと、金利が下がり、信用は低いと、金利は上がります。

銀行が信用度を測る物差し

では、長さは定規を使って測りますが、信用の高さを測るための基準には何を使えばいいのでしょうか。世間で一般的に使われているのは、銀行など金融機関に登録されている個人情報です。金融というのは、文字通り「お金を融通すること」です。お金が余っているところから、足りないところへ、お金を融通することを金融と言います。金融の世界では、信用=お金を返す力となります。

あなたが車を買いたいとして、自己資金では足りないので、銀行でお金を借りることにしました。銀行員はこの日初めて会ったあなたの何をみて信用度を測るのでしょうか。それは過去の行いです。その評価ポイントは4つあります。

  • 仕事について(どんな仕事をしてきたか、何年間務めているか、正社員?アルバイト?派遣社員?などの雇用形態)
  • 家族構成について(結婚しているか、自立している?実家暮らし?)
  • 借金について(借金はあるか、過去に滞納などはなくきちんと返しているか)
  • 資産について(土地などを持っているか)

仕事、家族、借金、資産・・・4つとも過去から現在まであなたが積み重ねてきた信用の履歴です。銀行の人はこれらのことから、総合的に判断して、あなたの信用度を判断します。低い金利でお金を借りたいのなら、日々の行いを意識して信用度の高い人を目指しましょう。

クレジットや住宅ローンへの影響

仕事、家族、借金、資産などの、その人の社会的地位や環境のことを属性と言います。属性によって信用が変わるということを少し考えてみましょう。クレジットカードを作る、ローンを組んで家を建てる、といったときその時の属性によって、審査の合否や金利の高い低いが決まってしまいます。

例えば、20年間務めた会社をやめて、フリーランスとして独立したとします。このタイミングで住宅ローンを組むとしたら、会社にいた頃と辞めた後では、金利が全然違います。辞める前のあなたの属性は、1つの会社に20年間勤務している人収入も安定している。信用度は高く、低い金利でお金を借りることができます。ところが、辞めた後のあなたの属性は、独立1年目の人、収入が安定しているかわからない。高かった信用が一気に低くなってしまい、金利がかなり高くなってしまうでしょう、それどころか借りられないかもしれません。ですから、このタイミングでお金を借りるよりは、会社員の頃にローンを組んでおいた方がいいですね。辞める前に組んだローンの金利が辞めた後に高くなることはありません。どういう属性なら安く借りれるのか、金利が高くなるのか、それらを知っているだけで人生がかなり有利になります。

信用がキャリアアップにつながる理由

あなたが飲食店で時給1000円でアルバイトしていたとします。ここでアルバイトを始めて2年目に時給が1100円に上がりました。なぜでしょう。

そもそも時給1000円とは何か。アルバイトを始めたての最初の時給というのは大体のところが最低賃金だと思います。バイトを始めたての頃のあなたの信用を見える化すると時給1000円ということです。1年間働いたら時給が100円上がったとします。それはあなたの信用が上がったということです。このように信用が上がると収入に直結します。収入をあげるには信用を上げればいいのです。遅刻や無断欠席などは信用をかなり下げます、気をつけましょう。

他にも、お金を見える化した例をあげると、スポーツ選手はいい例ですね。よくニュースで野球のピッチャーがメジャーリーグのチームと年棒3億円で契約した、などの記事を見ますね。これはメジャーリーグの球団が、このピッチャーなら、3億円くらい稼いでくれると判断したからです。これも実績からくる信用を見える形にしたものなのです。

ですが、信用というのは通貨が為替変動するのと同じように、絶対的価値があるわけではありません。信用というのは時代によっても変わります。その時代の人々が何を信じるか、によって信用は変わってきます。

少し前までは、良い大学に入り、大企業の社員や公務員になるのがより良い生活を送る手段でした。学歴や会社がそのまま信用に繋がっていました。その時代の人々はその方法で信用を身につけ、生活を豊かにしてきました。

ですが、今の時代は一つの会社で定年退職までいられるという時代ではなくなってきました。会社に長くいても給料がエスカレーター式で上がっていくわけでもありません。そうなると、もう一流大学、一流企業だけで信用を測ることはできなくなります。これからの時代は、大学や企業ではなく、私たち1人ひとりの個人の信用が大切になってきます。

そしてその時代はもう始まっています。あまり実感のない人も多いと思います。信用経済は、小切手や株といった、紙での約束や契約・・・つまり「その人の信用」で商品が取引された頃には、信用経済は始まっていました。とは言ってもそれは、会社や一部のお金持ちだけの経済で、個人レベルでは、まだまだ貨幣経済です。ですが、最近になって、会社や一部のお金持ちだけのものであった信用経済が、個人レベルで扱えるようになりました

不特定多数の人からインターネット経由で組織の財源や協力金を募るクラウドファンディングやVALUやポルカなどのサービスを使って、一般の人が、自分の信用をお金に両替できるようになりました。

信用度を高める方法

社会人が信用を高める方法

当然ですが、今の会社で一所懸命に仕事をすることです。キャリアアップや仕事で成功するためには、いまの会社で真剣に働き、自分を磨くしかありません。いまの会社で一所懸命やっていなかったら、次の会社でも一所懸命やることはできません。そういうものが信用となって、自分自身のキャリアとしていつか自分に返ってきます。毎日の生活態度、成績、約束や時間を守る、お金の使い方などおおよそ全てのことが信用につながります。

日々の積み重ねで信用が作られ、人間関係も円滑になり、信用のつくことで有利になり、収入も上がる。信用=借りられるお金、なので、信用を高めると扱えるお金も多くなります。住宅ローンや自分で独立して事業を立ち上げる時の借り入れの際に、借入金利が安くなります。毎月の収入が増えれば、結果として貯蓄と資産が増えます。良くなるのはお金の面だけではありません。信用度が高まれば、信用度の高い人たちと友達になれる可能性が上がります。これは、あなたの人生の中で大きな財産になるでしょう。

これの他にも日頃から行える信用度を高める方法を紹介します。

ちょっとしたことでもお礼をする

きちんとお礼を言える人には信用が集まります。ご飯をおごってもらったとき、片付けをやってもらったとき、物をとってもらったときなど、当たり前ですが、何かで人にお世話になったら、「ありがとうございます」と必ずお礼を言いましょう。なお、人に何かしてもらったときに「すみません」という人もいますが、そこは「ありがとうございます」というお礼の言葉を使ったほうが印象が良いでしょう。

誰にでも同じ態度で接する

上司や権力者にはへつらい、後輩や部下には横柄な態度をとる人がいます。たとえば、社内では常に敬語を使っているのに、社外に出てタクシーに乗った瞬間、タクシーの運転手さんに横柄な態度をとったり、飲食店の店員さんにたいして高圧的な態度をとったりする人です。当然ですが、相手によって態度を変えるような人は信用されません。信用される人は、誰が相手でも常に礼儀正しいもの。それによって周りの人は安心しますし、その結果、信用を積み上げていくことができるのです。

相手を信用する

信用を得るには、相手を信用することがとても大事です。自分が相手を疑いながら、自分を信用してほしいとは随分虫のいい話ですね。信用は相手に与えてこそやがて自分も得ることができます。猜疑心の強い人物は、あまり信用されません。相手をよく知り、コミュニケーションを取り、相手を信頼することが、信用を積み上げる第一歩となるのです。

まとめ

ここまで紹介してきたことは、以下の6つです。

  • 信用経済とは何か・・・信用経済とは、あなた自身が持っている信用力や他人の評価によって価値がうまれる社会のことです
  • 信用とは何か・・・過去の行い、すなわちそれまでの行為・業績などから、信頼できると判断することです
  • 銀行が信用を測るものさし・・・金融の世界では、信用=お金を返す力となります。
  • クレジットや住宅ローンへの影響・・・仕事、家族、借金、資産などの、その人の社会的地位や環境のことを属性と言い、どういう属性なら安く借りれるのか、金利が高くなるのか、それらを知っているだけで人生がかなり有利になります。
  • 信用がキャリアアップにつながる・・・給料は信用を見える形にしたものなので、信用を高めれば、自ずと給料も上がります。
  • 信用度を高めるには・・・信用は日々の積み重ねで作らます。信用を高めることで人間関係も円滑になり、信用のつくことで有利になり、収入も上がります。

信用は日々の積み重ねで高めることができます。そして、信用と向き合うことは、お金と向き合うことと同じです。皆さんも信用度を磨くために、まずは簡単にできることから挑戦してみてはいかがでしょう。

白井 貴也
白井 貴也
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1996年生まれ、神奈川県在住。金融業界歴4年、2級ファイナンシャルプランニング技能士。独立系FPの立場からの中立な意見で、皆様の役に立つ情報を伝えていきます。

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